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拡大しているのは市場?貧富の差?健康?記号の消費? 米オーガニック市場が約4兆円に成長、今後も拡大か
No:5170
投稿者:聞間@5期
URL
投稿日:2016/06/08 Wed 08:28:24
http://www.fashionsnap.com/the-posts/2016-06-07/organic/
アメリカ大統領選も、クリントン氏とトランプ氏に絞られ、いよいよ混迷の様相を呈してきました。私の同僚にアメリカ出身の教員がいます。以前大統領選について話を聞いたところ、「サンダース氏以外はアメリカは衰退する」という趣旨の発言をしておりました。話を聞いていて、大事なのは誰を選ぶかというよりも、何をもって「衰退」とするかという議論であると思います(彼の中では国全体の活力と国民の幸福度という感じ)。話が遠回りしましたが、このオーガニック市場の記事にも同じことを感じます。
オーガニック市場の隆盛は何を意味しているのでしょうか。
一つの市場が大きくなることによって関連企業にビジネスチャンスが巡ってきたということが、一般の捉え方ですが、これに関するネット上のコメント(News Picksというサイトが素晴らしく、よく活用させていただいています)をみるとそれだけでは無いようです。
オーガニック市場に出回る品は栽培に手間暇をかけている分、高価であると言われています。つまり、食材にそれだけお金をかける層が増えてきているということ。その一方で、アメリカ国民全体が豊かになっているかというとそうでもない。つまり、貧富の差が拡大しているという読み方もできるわけです。
また、同じ消費を健康に気を遣うことに回す層が増えているという解釈も成り立ちます。それは良いことに思えるのですが、一方で生産者の側からのコメントでは、有機栽培法で作られたものであるから健康によいと必ずしもいえるわけでもないとのこと。。。難しいですね。もしかしたら、「健康生活」という記号を消費しているだけなのかもしれません。もしそうだとしたら、この拡大は何を意味するのか?一部の人の余剰収入が記号の消費へと回っているとすればそれは社会が豊かになっているといえるのか?そもそも豊かさとは何なのか?朝から頭がぐるぐる回っています。
○日々野15期
聞間さん、記事のご紹介ありがとうございます。
農家の立場に立てば、オーガニック市場が伸びるのは良い傾向であると思います
農家が生き残っていくには、付加価値の高い商品の生産・販売が重要であるからです。
そのために、ブランド化や、生産者の顔が見える(ストーリーがある)といった話はよく聞くところです。
これらはまさに記号の消費と言えそうです。
一方、同じように付加価値が高い農業生産品でも、
オーガニックは、実際に(物理的に)健康増進に繋がると思っていただけに、
「必ずしもよいわけではない。」という生産者のコメントはショッキングです。
毎日食べるものだから、少しでも科学薬品を使ってないものがよい、という感覚はよく分かります。
「食」は、人の生活の根本のところなので、優先的にお金をかけたいという気持ちにもなります。
(ですが、オーガニック=無農薬とは限らないようですね。。)
必ずしも健康によいとは限らないのだとしたら、、、詐欺と言っては言いすぎですが、
多くの消費者は「よくわかってない」まま、効能を信じて選んでいるという状況でしょうか。
また、市場が拡大していけば、参入事業者も増え、商品の種類や価格帯も広がっていくと思います。
そうすれば、高所得者だけのものではなく、中・低所得層にも浸透していくのではないでしょうか。
ただ、その過程においては、オーガニックの”効果”を巡って、
なんらかの議論が巻き起こるのかもしれないと感じました。
○渡邊(26期, 6/14, 10:48)
聞間さん、記事のご紹介ありがとうございます。
ご紹介いただいた記事と、聞間さんのコメントを読んで思い出したのは
以前夏合宿で先生に見せて頂いた「フード・インク」という映画です。
内容はアメリカの食品(畜産)工場がどのようにして食糧を国内に供給しているのか、
それによって引き起こされている社会的な問題(肥満などの生活習慣病、食中毒、遺伝子組み換え食品)
は何か、それらに対しどう対策をとるかについて描いているものです。
この映画と併せて考えると、この記事のようにオーガニック市場がアメリカで拡大しているのは、
「健康意識の向上」ということももちろんあるとは思いますが
むしろ食糧の供給が大量生産の原理に組み込まれるに従って生まれてきた
食に対するアメリカ国民の圧倒的な「不信感」を払しょくするためではないかと思います。
「健康生活」という記号を消費しているだけではないか、という聞間さんのコメントはなるほどと思いました。
たとえ今までの食糧の生産・加工の方法から離れて、オーガニックを謳っている食糧だとしても、
その生産過程や加工過程、さらに消費時の効能などがブラックボックスのままであれば、
「オーガニックである」という記号を消費しているに過ぎないという点は納得です。
ただ、記号の消費に基づいている市場拡大とは言え、
日々野さんが書かれている、農家の視点からのコメントを読むと一概に否定しがたく感じます。
生産者である農家にとってはオーガニックであること(によるブランド化)が
商品の付加価値につながり、収入の増加や生活の安定、向上につながるという側面が、
日々野さんのおっしゃる通り、あるのではないかと考えています。
(だからと言ってあたかも健康に効果ありと謳い、詐欺まがいのことをして良いとは私も思いません。)
食に対する「不信感」から生まれたオーガニック市場においてすら、
生産者と消費者で十分な合意が取れていないとする(「オーガニック≠健康」)と、
今後課題となってくる点は食の信頼性をどの様に担保するか、ではないかと思います。
消費者にとって十分な情報が伝えられていない(あるいはわからない)状況であれば、
食品の生産・流通過程がわかる「トレーサビリティー(trace ability)」であったり、
地域の食材を地域内で消費する「地産地消」であったり、
そのような取り組みが重要視される必要があるのではないでしょうか。
最後に、これらのオーガニック市場が拡大する一方で、
聞間さんの仰るように貧富の差が明確に表れていることも事実だと思います。
映画「フードインク」の中でハンバーガーを購入する家族が「野菜ひとつ買うより、ハンバーガー二つ買うほうが安い」
「健康の為に薬を買うのか、野菜を買うのか」と言っていたことがとても印象に残っています。
貧困層にとってはオーガニック市場に消費者として参入することそのものが困難になっており、
結局は一部の(可処分所得の多い)人のみが、恩恵を受けている状況なのではないでしょうか。
蛇足かもしれませんが、オーガニック市場の現状の構造は
以下のようになっているのではと思い、簡易な図を作ってみました。
【オーガニック市場の構造】
■生産者…収入向上
|
(食の信頼性:「オーガニック≠健康」)…トレーサビリティ、地産地消によって担保?
|
■消費者
富裕層…食の信頼確保(⇔「健康生活」記号の消費)、健康増進
――<オーガニック市場外>――
貧困層…食の信頼/安全の確保できず
◯聞間(6/16 9:02)
日々野さん、コメントありがとうございます。
日本でいうと「有機野菜」という言葉がオーガニックに相当すると思いますが、結構、失敗していますよね。
定義があいまいなまま、いろいろな方法でつくられた「有機野菜」が日本市場にはびこった時期がありました。これはいけないと表示のルールを厳格化した結果、日本の市場に「有機野菜」の文字は出回らなくなりました。結果として「有機野菜」という記号が人々の関心から遠ざかり、そこまで強い市場も立ち上がらなくなっている感じです。「蜘蛛の糸」という話を思い出します。
渡邊さん、コメントと図をありがとうございます。
貧困層、どうしたらいいんだろう?と考えながら見てしまいました。
この状態を誰がどのように解決すべきなのか。同じことが教育や住環境でも起こっている感じがします。
生産者と消費者という枠組みではどうも解決できませんね。社会的分業の思想を根本から問うていかねばいけない感じがします。
〇三戸(6/17)
上の議論で、「記号消費」が否定的もしくは懐疑的にとらえられている気がする。
だが、資本主義、市場経済、大量生産、大企業社会の「持続」は、「記号消費」抜きにあり得るのだろうか?
大学・短大生が6割になったという現実も「記号消費」の結果ではないのか?
旅行やレジャー(TDLなども)、グルメなど、みな「記号消費」ではないか?
「機能性」や「経済性」はあっても、それに加えて「記号性」をも必要な社会となっている。
「豊かな社会」とは、「情報化社会」とは「記号消費社会」に他ならないのではないか?
「記号消費」に懐疑するなら、「資本主義」「近代」から懐疑すべきと思うが。
〇竹田(6/18 12:30)
三戸先生の仰る通りだと思います。
>「豊かな社会」とは、「情報化社会」とは「記号消費社会」に他ならない
そのうえで「里山資本主義」が脚光を浴びている現状を理解すべきだと思います。
「広告」「コンサルティング」「ブランディング」という仕事は、
まさに新たな「記号」そのものを創りだす仕事に他ならないと思います。
既存のものに付加価値を加えることは、そのモノ自体の「効用」よりも、
新たな「広告」「媒体」による「効用」といった方が近い気がします。
(例えば、音楽を聴く=効用は、レコード⇒CD⇒アイポッド⇒youtubeに移り変わっています)
◯聞間(6/25)
三戸先生、おっしゃるとおり「記号消費」を私は否定的・懐疑的に捉えているなぁとご指摘を受けて気づきました。
そして、現代の資本主義社会が「記号消費」抜きにありえないということも、確かにそうだと思います。
私がどこにひっかかって今回の「オーガニック市場」に違和感を感じたのか、改めて考え直したとき、
それは「オーガニックな商品さえつくればOK」「オーガニックなものを求める声に答えればOK」、
「売れなきゃニーズがないので撤退」的な感じを勝手に感じたからだと思います。
かなりざっくりいうとオーガニックをめぐる記号の体系が「浅い」感じを受けてしまったのです。
もちろん、実態はとても豊かな記号の世界が広がっているのかもしれませんけど、
「記号の世界の豊かさ=市場の隆盛」となっていないのではないかと感じたということだと自分で振り返って思い直したところです。
【organ】