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   同時刻に複数の編集が重なることで別の書き込みが消去されないよう、
   投稿の際は文章の「貼り付け」等を利用して、「記事の編集」画面に留まる時間を短くするようにご協力をお願いします。

《TOPICS ( 10月27日 更新)》

【企業番組勉強会】  No.520310月29日浩友会勉強会@予習編  No.5194第10回ビジネス企業番組勉強会@予習編   No.5183第10回日程調整・視聴番組公募   No.5166第九回報告 No.5139第八回報告  No.5129第七回報告!  No.4982★報告一覧 

【ベ ッ テ ィ ン グ】 No.5204プロ野球・日本シリーズ2016 No.51952016リオ・パラリンピックBETTING!! No. 5181リオオリンピック第一弾 8月14日まで! No. 5182リオオリンピック第二弾 8月14日まで!

【書店日記&今月の雑誌】   No.5189書店日記&今月の雑誌8月号  No. 51777月 No. 51726月 No. 51605月 No. 51504月 No.5130【書店企画・番外編】「新書大賞2016」を斬る!

【K-1 グランプリ】 No.51756・7月のキリ番報告 No.51613~5月のキリ番報告 No.5134 祝 カウンター700000突破!  【No.48732014年K-1GP 【No.3920K-1グランプリ開催中! ⇒ 【No.4093報告要項

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【10/29(土)開催】今年の浩友会は対面とのハイブリッドで実施します!
No:5429 投稿者:佐々木(16期) MAIL 投稿日:2022/10/27 Thu 22:46:45 [返信

※本日、当方がメーリングリスト宛に発信した内容と同様です。
 メーリングリストに同報されていない方は、本投稿MAIL欄からご連絡下さい。

三戸先生、浩友会の皆様

当初案内から間があり、直前のご案内となり、大変申し訳ございません。
今年の浩友会につきまして、予定通り開催いたしますので、下記の通りご案内いたします。
対面集合&オンラインのハイブリッドで実施しますので、ご出欠及びご参加の場合は参加方法をご連絡下さい。
※既に第1信の段階でお伝えいただいている方は改めてのご連絡不要です。

1.日時 2022年10月29日(土) 13:00~17:00
  ※集合・オンラインいずれの場合でも途中参加途中退席(ちょっと顔出し)OKです!

2.場所 アットビジネスセンター横浜西口駅前 503号室
  https://abc-kaigishitsu.com/yokohama/nishiguchi/
  ※横浜駅西口から徒歩3分です

3.内容 近況報告、プラスネタとして「今、大事なものは何か?」
  を予定していますが、佐々木案(特段誰にもご相談していません…)として追加したいと思っています。
  ご存知の方もいらっしゃるかと存じますが、10月18日に三戸公先生がご逝去されました。
  直接、あるいは間接に学んできた我々としましては、心から哀悼の意を表するとともに、
  「三戸公先生・著作と私」、ということも語り合えたらと考えております。

4.Zoomリンク
本投稿MAIL宛にお問い合わせ下さい。

対面集合の場合は、3年振りですね。皆様とお会いできることを心から楽しみにしております。

佐々木

Pass

浩友会オンライン勉強会(活動報告)
No:5428 投稿者:木田世界(横国25期) MAIL 投稿日:2022/05/22 Sun 23:02:36 [返信

5月22日(日)、13時から浩友会オンライン勉強会を行ないました。

各自、重要と思うニュース3つとそれを選んだ理由を持ち寄り議論しました。
発表者の発表後、前の発表者からコメントをしてもらい、三戸先生からコメントを頂くという流れでした。
狙いとしては、各自どのような視点でニュースを選び解釈したのか、根底にある共通したテーマを見ていくこと、
それらのニュースは社会のどのような構造や潮流を表しているのかということを議論することでした。

○基本情報


1.活 動 日 2022年5月22日(日)
2.活動時間 13:00~17:00
3.参 加 者 三戸先生、古郡さん、山岸さん、梶尾さん、日々野さん、木田、
       (計6名)
4.議論概要

冒頭、三戸先生から、授業やビジネスを題材として、
提供者側の価値と顧客・対象の求めるものとをどのように調和させていくのか、
提供側は価値を表現した形が、受け手にどのように解釈されるかわからない、
受け手はそもそも価値を理解していないという状況の中、
第三者の視点や助言が重要であること、

ウクライナへの武器供与を題材に、
一元論ではなく多元論で考えることの重要性、
良いー良いとはいえない
悪いー悪いとはいえない
 支持するー指示しない
などの観点で考えてみることで、判断基準が明確にあるのか、どのような基準を持っているのかを考えることを話されました。

○議論内容


※参加者各自、「自由に」お書き下さい。

○刮目



削除キー【koyukai16】

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浩友会オンライン勉強会(活動報告)
No:5427 投稿者:木田世界(横国25期) MAIL 投稿日:2022/04/24 Sun 20:45:33 [返信

4月24日(日)、13時から浩友会オンライン勉強会を行ないました。
佐々木朗希の二試合連続完全試合目前の降板、吉野家常務不適切発言、ウクライナ問題について議論しました。
三戸先生はご用事のため短時間の途中参加となってしまいましたが、
ゼミ生自身で様々な概念を用いて比較しながら活発に意見を交わすことができました。

それぞれの出来事が何故生じたのかを議論したあとに、3つの出来事の類似性を検討しました。
<1>その背景にある社会の流れはなにかを観察し、
   概念化し、時間的・空間的な広がりと比較の中で構造を捉える分析と、
<2>自分がその立場ならどのような言動をとるかを議論しました。

<2>には他者の経験から学び自身が類似した要素を持つ状況に対応し、
(AIに対する人間のオリジナリティとして)納得感のある答えを導き出すという目的があります。

取り急ぎ場たてをしますので、参加者の皆様からもどんどん書き込んでいただければ幸いです。

○基本情報


1.活 動 日 2022年4月24日(日)
2.活動時間 13:00~18:00
3.参 加 者 三戸先生、古郡さん、山岸さん、梶尾さん、日々野さん、木田、中村
       (計7名)
4.議論概要・キーワード 個人と組織の関係(滅私奉公の終焉、個人中心へ?)、
チェーン・フランチャイズ企業とアルバイトのモラル、外食業界・吉野家の組織文化、
企業倫理と市場の圧力、自由と統制、評判・信頼と価格・利便性…

○議論内容



①佐々木朗希の二試合連続完全試合目前の降板
佐々木の完全試合目前での降板について
・「無理を押してでもマウンドに上がりチームの勝利に貢献する」
 という価値観から、「選手生命の優先」という価値観への変化があるのでは。
 また、投球数など様々なデータがそれを支えている。
 根性論から科学的管理になっている。
 
・選手生命優先のための今回の判断に対して Twitter上では肯定的な意見が多い。
 試合結果(公)よりも選手生命(私)を大事にする社会になっていること
 の現れではないか。「滅私奉公は美である」という社会ではなくなっている。


②吉野家常務不適切発言
・吉野家常務の不適切発言炎上について
 1女性蔑視問題
 2公の場でこんな発言をするのかという呆れ
 3このような人間を許容する吉野家の組織文化
 4このような人間を招聘する早稲田大学の人選
 5コンプライアンス問題
 といった観点から論じることが出来るのではないか。

・吉野家はバイトテロでも度々問題を起こしている。
 今回の件もしかり、組織文化への反省が見られない。
 吉野家には構造的問題があるのではないか。
 外食チェーンでは、技術や精密なテクニックなどは必要なく、
 完璧なマニュアル通りに仕事をする根性や人間が求められる。
 熟練の技を要する仕事はないため、人材育成コストは低い。
 外食チェーンは徹底したマニュアル化・機械化で低価格を実現したが、
 その随伴的結果としてコンプライアンスを軽視した人材育成が
 吉野家の組織文化となり、まかり通るようになったのではないか。
 
・コンビニも徹底したマニュアル化という点で外食チェーンと共通しているが、
 コンビニは外食チェーンより炎上することが少ないように思える。
 その背景にはフランチャイズ形態であるということや
 オーナー=店長である、ということが背景にあるのではないか
 (外食チェーンでは雇われ店長が見ず知らずの土地で勤務するが
  コンビニでは地元で店を開き、オーナーが店長としても働くパターンが多い)。

・今回の問題発言で吉野家は売上が減り、ブランドイメージを損ねるか?
 今のところあまり客足は減っていない印象を持っている。
 また、吉野家の人権意識の欠如は、吉野家のブランドイメージである
 「安い、早い、うまい」を損ねたか?
 吉野家炎上問題とその実際をみて、「市場の企業への制裁」理論の有効性
 について疑問を持った(三戸先生)。


③ウクライナ問題


――以下、木田まとめーー
自分が以下の立場だったらどう考え行動するか、を議論しました。
i 日本政府(防衛・外交担当者)
ii プーチン大統領
iii ロシアの国営放送局
iv ウクライナ市民

そもそもの前提として、結局冷戦時と似たような対立が、
自由民主陣営と統制型陣営の対立として継続しているという意見がありました。

iは日本は他の先進国よりもエネルギー・資源の面でロシアや外国に依存が大きい、
 なので外国と戦争することはできない、良い外交関係を作る必要があるという意見や、
 米国が必ずしも頼りになるとは限らないので自前で防衛できる戦力が必要ではという意見がありました。
ivは戦争に勝っても知人や家族が犠牲になればやりきれない、しかし独裁者の統治を受け入れることもし難いということで、そもそも戦争になぜなったのか、なぜウクライナの人々の士気はこれほど高いのか、という疑問が出されました。
――

①、②、③の関連性とまとめ


○刮目


●中村優希(長崎三戸ゼミ3期生)
木田さん、掲示板の作成ありがとうございます。
佐々木と吉野家の項目を追記しました。
今回三戸先生からご指摘頂いた「当事者視点でニュースを受け取る」というのは
簡単そうでなかなか難しいものだと思いました…。
また、吉野家炎上問題から組織文化、そしてそれを生じせしめる組織形態を読み解く、
というのはなかなか興味深い論点だったと思います。
三戸先生の市場による企業への制裁の疑問も、ハッっとさせられました。
たしかに、あの問題発言が主要顧客である男性サラリーマンの蔑視発言や
食品偽造に関するものであったら吉野家は本当に売上が下がったかもしれませんね…。


削除キー【koyukai15】

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浩友会オンライン勉強会(活動報告)
No:5421 投稿者:中村優希(長県大3期) 投稿日:2022/03/02 Wed 18:19:14 [返信

2月27日(日)、13時から浩友会オンライン勉強会を行ないました。
前半は、先日の最終講義に関して先生から補足があり、
後半は、ウクライナ問題について議論しました。

○基本情報


1.活 動 日 2022年2月27日(日)
2.活動時間 13:00~18:00
3.参 加 者 三戸先生、山岸さん、木田さん、中村
       (計4名)
4.議論概要 三戸先生の最終講義に関する補足と
       ウクライナ問題に関する議論。

○議論内容


Ⅰ.最終講義の補論
(1)講義構成に関する背景
・三戸先生は専門家であり、専門的領域の話を述べたいとの思いから
 最初は「支配論と統治論」に集中して論じるつもりであった。
 しかし、会社支配論やガバナンス論は本来世の中と繋がり、
 企業権力のコントロールを主題としているはずなのに
 近年の議論は制度的な話に終始している
 (経営者支配から所有者支配への回帰の動き)から、
 最終的には射程の広い議論となった。

(2)経営者支配の正統性について
・経営者支配は、資本主義社会では正統であり
 社会主義の社会では非正統とされる。
 ベルリンの壁崩壊後は資本主義の勝利だとされた。
 しかし、経営者は本当に社会を豊かにしているのだろうか。

(3)ガバナンス論は未完である
・ガバナンス論については会社支配論で解決したといえるのか。
 現代大企業、株式会社は社会的器官であり経営者支配であり
 「株主資本主義」は相応しくない。「ステークホルダー資本主義」も
 将来世代と自然を無視しているため問題がある。
 「グリーン資本主義」や「SDGs」といった動きも
 その根本的価値観の転換が出来ておらず不十分だ。
 根本的価値観(根本的認識)とは、
 人間の欲求は無限であるということを肯定し(市場経済)
 人間の自由,権利,進歩,そしてそこから生まれる
 ”個人”を疑わないことである(私有財産)。


資本主義は市場経済と私有財産とから成る。
市場経済と私有財産、そしてその根底にある
人間観を転換することが今後求められるべきではないか。


Ⅱ.ウクライナ問題
(1)近代国家の限界
ロシアのウクライナ侵攻の背景を理解するためには
ウクライナの成り立ちを理解する必要がある。
ウクライナは元々キエフ公国であり、
民族的にはロシアとウクライナは同じである。
それをヨーロッパが生み出した「近代国家」という制度により
アフリカや中東での部族衝突といった随伴的結果をもたらした。
今回のウクライナ問題も近代国家の限界に遠因があるのではないか。

(2)なぜ戦争はダメなのか
そもそもなぜ戦争はダメなのか。
“個人”中心の現代社会では善悪といった倫理的なもので
戦争を否定する社会的合意を得にくいものとなっている。
倫理的観点から戦争を否定できないとすると
①殺したくないし殺されたくないから=情緒的理由
②戦わずして勝つことが利口だから =功利的理由
という、“個人”を満足させる情緒的、功利的理由で戦争を否定するしかない。
善悪といった倫理的観点で事物の判断が出来なくなったのも
個人中心社会の弊害である。

(3)その他
・日本のメディアも、日本の国益や立場に立脚した伝え方が必要では
・統合はコストと時間が掛かるし、統合の範囲には限度がある。
 逆に言うと、範囲外には新たなコンフリクトが生じてしまう。
・ウクライナの大統領は元コメディアン。ウクライナの大衆社会化。
・アメリカの地位低下がはっきりとした。

Ⅲ.まとめ
今回の議論に共通していた点は「近代の限界」だった。
Ⅰでは「市場経済」には限界があり、生態系を中心としたシステムに
転換しなければ地球が持たないことを学んだ。
Ⅱでは「近代国家」がウクライナ問題を生じさせた要因の一つだと
学んだ。また、個人中心社会では倫理的理由が社会的合意を形成
出来ないということを学んだ。
現代は、近代の限界が様々な面で噴出している時代である。


○刮目



●木田
中村くん、まとめありがとうございます。
今回の議論では、まずそれぞれのメディアがどのようにウクライナ侵攻を報道しているのか、
メディアの比較、特徴の議論から入って、より内容的な部分に入ることになりました。
この勉強会を通して、メディアや自分がどういう眼鏡で物事を見ているのかを意識することを続けて行きたいと思います。


削除キー【koyukai13】

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サイト公開のお知らせ
No:5420 投稿者:竹田(21期) 投稿日:2022/02/27 Sun 14:58:24 [返信

三戸先生、三戸ゼミの皆さま

21期の竹田です。

大変お待たせいたしました。
このたび、アートの展覧会を投稿できるウェブサイトを公開いたしました。
岡山の町おこしとして法人を2016年に設立してから、まる6年が過ぎ、ようやくファーストステップを踏み出せたような気がしております。
これから、このウェブサービスを利用してもらえるよう美術館やギャラリーにPRしていきます。

本日も実施されている勉強会でのご報告も考えましたが、リリース間も無く余裕がないため、こちらでご報告させていただくことをご容赦ください。
立ち上げたばかりのサービスのため、一時的に利用できなくなる、また、十分にテストを実施しているつもりではありますが、不具合等がある場合もあるかと思います。その場合はご一報いただければ幸いです。

今後ともどうぞよろしくお願いいたします。


〇三戸
竹田君、一歩ずつ進んでいる様子、頑張ってください!(^^)!
アクセスしてみました。感想です。
・まだ何も「展示」されていないのですか?
・最初から「登録」しないと、内容に触れられないのだろうか?
・説明が「温かく」ないね。
 「挨拶」があっていいのじゃないかな?
  もう少し、説明を長く温かくした方が

私たちに、このHPを紹介する理由は?
 私たちから感想が聞きたいのか?
 webの会員になってもらって、訪れるようになってほしいのか?
 他者に紹介してほしいのか?
勉強会に顔出ししていれば、皆も関心を持ち、応援してくれる可能性が出てくる
この日にでも、10分でも顔出しして、皆に伝えたらいいのに……。

偉そうに言って申し訳ないが、
コミュニケーションが組織(化)に最重要だよ。
>>2022.03.24
コメントありがとうございます。
ここでお伝えしたかったのは、公開しました、というお知らせです。御宿でやるやると言ってから、まる3年ほど時間が経ってしまいました。
岩切さんにもお見せしたかった。

サイトをウェブ上に公開できたものの、まだ中身揃っておらず踏み込めない内容で恐縮です。
考えている機能はまだまだあり、1ヶ月に1度のペースでどんどんバージョンアップしていく予定です。
佐藤航陽『お金2.0』には、経済システムが発展するためには、次の5つの要素が必要と書かれております。
①インセンティブ
②リアルタイム
③不確実性
④ヒエラルキー
⑤コミュニケーション
また、持続性をもたらすためには、「寿命」と「共同幻想」が必要だとしています。
組織論にも通ずる見方で大変興味深く、プログラムを書くうえで大変参考にしています。

またご挨拶しに勉強会参加します。

●木田 3/21

竹田さん、お知らせありがとうございます。
コンテンツはこれから入ってくるところなんですね、楽しみにお待ちしています。
取り急ぎ、足跡を残すために一言だけコメントさせて頂きました。
>>2022.03.24
木田さん、お元気ですか。
楽しみにしていてください。

※追記 2022.03.25
好きな記事です。何度も読み返しています。
とりあえず作ってみよう、との気持ちでこれからもやっていきます。

Amazon, Google, YouTube等の初期バージョンから学ぶ小さく始めることの重要さ

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最終講義では多くの気づきがありました。有難うございました。
No:5419 投稿者:佐々木(16期) 投稿日:2022/02/05 Sat 16:24:04 [返信

三戸先生、最終講義に参加させていただき、どうも有難うございました。
また、中村さんを始めとして、段取りや告知等、運営に尽力された皆さんには大変だったことと推察いたします。
※特に、通常の形式ではなくオンラインでしたので、ケアすべき事項が多かったことでしょう。

今回の最終講義では、非常に限られた時間の中でのお話でしたが、私の中で新しい気づきがいくつもありました。
せっかくの機会ですので、私の考えを整理する意味でも掲示板に書いてみたいと思います。

1.「企業観」「社会観」と「自然観」
(1)コーポレートガバナンス論が、環境問題や生態系問題を射程に入れて企業のチェック&コントロールを取り扱うとすると、
 「企業観」「社会観」だけではなく、「自然観」こそ重要なのでは無いか?
(2)三戸先生も講義の中で触れられていましたが、自然を人間に従属したもの、人間のために手を入れるものと見なす「自然観」なのか、
 「そこにあるもの」として尊重する「自然観」なのか。
(3)「自然観」が異なると、環境問題と言っても、誰(何)にとっても、どのような問題として捉えているのか、違うのでは無いか?
(4)しかし、「自然観」は住んでいる環境や宗教に密接に結びついているので、ニュートラルに出し入れ可能な「観」では無い。
 (日本人も自然破壊はしている…)
 ※「近代が問われている」という言説には上記も包含されていると思いますが、あらためて「自然観」という言葉でも考えました。

2.SDGs批判
(1)SDGsについて、各国政府、企業、地方自治体等、あらゆる組織や個人にとって共通のテーマとなったものは初めてでは?
 とのご指摘については、正に「目から鱗」でした。
(2)一方で、SDGsは近代・近代個人中心主義がもたらした問題を取り扱っているにも関わらず、SDGsそのものが近代・個人中心主義に
 (無自覚的に?)立脚している、との批判も腑に落ちました。
 ※SDGsを全面否定するものではないと理解しています。

3.会社支配論・コーポレートガバナンス論におけるバーリ=ミーンズ理解
(1)私の修士論文では、会社支配論やコーポレートガバナンス論において、バーリ=ミーンズの極一部の箇所しか読まれていないこと、
 そしてその理解も誤っていることを指摘しましたが、そうではなく、「問題設定」が理解されていない、と言うべきだったと気づきました。
(2)会社支配論は、資本主義対社会主義という時代背景の中で、「日本は資本主義なのか」「資本主義だとしてどのように把握すべきか」
 という問題設定があり、その文脈でバーリ=ミーンズの調査がセンセーショナルに受け止められたのだと考えます。
 ※歴史学等においても、例えば明治維新を「ブルジョワ資本主義」の段階なのか「封建制」の段階なのか争う議論がありました。
 (共産主義革命は封建制→ブルジョワ資本主義→共産主義革命と発展していく前提)
(3)バーリ=ミーンズは、「近代株式会社」という制度の(意図せざる)発展により
 ①私有財産制度が破壊されていること
 ②結果として、私有財産という伝統的正当性に基づかない新たな経済権力が誕生していること
 ③その経済権力を正当化する論理は当時の時点では存在しないこと
 を問題としました。
 ※そのため、彼らの調査は、近代株式会社が制度的に必然とする「所有と支配の分離」が顕在化している度合いを明らかにするため、
  「株主数」を対象とした(所有主体等は一次的な問題では無かった)。
(4)だからこそ、上記問題の出発点となった「近代株式会社」という制度の発展とその意味、私有財産の所有者ではない株主の権利
 (新たな権利としての「流動性」の確保)とそれを担保する証券市場の重要性を論じたと理解しています。
 ※バーリ=ミーンズは「会社は誰のものか?」という問題設定そのものに疑問を呈すると想像します。

まだ、頭の中に浮かんだことの全体像を纏められていませんが、一旦ということでご容赦下さい。
時間の都合上仕方無かったかと思いますが、個人的には三戸先生が「長崎」という土地で感じたり、考えられたりした「今後の地方のあり方」
「地方創生の方向性」についても伺ってみたかったです。

三戸先生、改めまして、本当に有難うございました。
ご家族の皆様共々お身体にはお気をつけて、また、今後の勉強会の場でお話できることを楽しみにしております。


〇三戸
 佐々木君、優れた教え子を持った喜びをあらためて感じています。
 私の語ったことの理解の的確さもそうですが、
 あなたのB&M理解を読んでいて、
 私は、「所有者支配-経営者支配」にまだまだ引きずられていたことに気づきました。
 その観点で読み始めていたため、
 その観点(だけ)ではだめだ、と気づきながら、
 あらためて、読んで理解していないことに気づきました。
 (『経営学史叢書』のあなたの論文も読み方が不十分でした。)
「近代株式会社の変容」だけであり、「株主における変容」をわかっていなかったようです。
 この観点を掘り下げていけば、「機関投資家」「株主主権」「株主資本主義」に対する理解・議論もすすむであろう、と思います。
 本当に有難うございます。

 「今後の地方のあり方」、「地方創生の方向性」については、まだきちんと整理されていませんが、
 お尋ねしていただいたのは、いい機会です。
 オンライン浩友会のテーマにしていただき、皆さんと考えたいですね。

〇佐々木
 三戸先生、過分なお言葉恐れ入ります。
 修士論文は、書きながら理解が進んだことが多く、書き終わってから読み返すとまだ気づきが不十分なまま記載している表現が散見されると感じていました。
 ※「所有と支配の分離」等の概念一つずつの意味づけも同様です。
 バーリ=ミーンズを全体として一つの理論として読むと、今の現実を切るにも有効性が非常に高く、今後も自分のテーマとして考え続けたいと思います。
 引き続き、オンライン浩友会で三戸先生と皆さんと学んでいきたく、よろしくお願いいたします。


【saishukogi】

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三戸先生 長崎県立大学「最終講義」(オンライン)のお知らせ
No:5418 投稿者:中村(20期) 投稿日:2022/01/30 Sun 22:43:51 [返信

既に浩友会メーリングリストを通して皆様へご連絡していますが、こちらにも情報を掲載します。

三戸先生は2016年に新設された長崎県立大学経営学部に、
学部長ならびに同大学院研究学科長として赴任されましたが、定年を迎えられ、この3月をもって退職されます。
つきましては、本学にて下記の要領で学科主催の「最終講義」が行われます。

  《三戸先生 長崎県立大学「最終講義」》
  演題(仮)「企業と社会 ~会社支配論から企業統治論へ~」
  日時:2022年2月2日(水)13時00分~14時30分
  ZoomURL.(浩友会MLをご確認ください)

時期を鑑みてオンライン(Zoom)での参加をお願いさせていただきますが、
三戸先生が横浜の地を離れ、九州・長崎にて取り組まれてきた研究・教育の総まとめが行われる場となります。
皆さま、奮ってご参加ください。

ZoomURL等、詳細は浩友会MLの「三戸先生長崎県立大学「最終講義」のお知らせ」をご確認ください。

〇三戸
 中村先生
 皆さんへの通知の労を取っていただき有難うございます。
 Youtubeでオンデマンド配信がされる、と聞いていますし、
 私の方に録画も頂きました。
 2月のオンライン浩友会のネタにしていただくと嬉しいです。

 ああそうです。
 2/16に横浜に戻ります。
 オンラインでなくとも浩友会ができるようになりましたが、
 新型コロナで、当分は無理ですねぇ。

【saishu】

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「2021年三戸ゼミ10大ニュース」
No:5415 投稿者:日々野 投稿日:2021/12/14 Tue 00:59:40 [返信

年末企画に続きます!今年もやりましょう、三戸ゼミ10大ニュース!

"三戸ゼミ10大ニュースを行う意義は、順位・点数をつけることでニュース・事件の軽重を考え、
そのランクにした「意味づけ」をタイトルで表現することを通じて、
今年の出来事を理解し、振り返ることにあります。"(掲示板No:5286「2017年10大ニュース」より引用)


《参考情報》
読売新聞:読者が選ぶ10大ニュース
産経新聞:2021年日本の10大ニュース
時事通信社:時事通信社が選ぶ10大ニュース(2021年)

※他の主要紙が選ぶ10大ニュースも発表され次第、追加していきます。
12/30:読売新聞と産経新聞の10大ニュースが発表されています。朝日・毎日が見つけられないのですが、どなたか見かけた方追加をお願いします。
主要紙ではないですが、時事通信社の10大ニュースがでていたので、参考に追加します。



【問】あなたが選ぶ2021年10大ニュースを挙げてください。


〇三戸
日々野君、場立ありがとう。
とりあえずやってみた私の選定を載せます。
最も大きなことは、「コロナ」だろうが、
昨年から続き、今年特に、というわけではないので、
オリンピックを1位にした。
まあ、こんなに開催前に揉めるとは…。
国力が低下・衰退傾向にある中で、よく頑張った。
オリンピックの形が今後どうなるか、こんな形態で開催することがいつまで続くか、
日本最後の開催かもしれないから、まあ1位でもいいか…。

「2021十大ニュース」
①東京五輪、日本は史上最多58メダル、東京パラ、日本は史上2番目51メダル ~before止めろ!after流行語大賞に(日本の国力)
②新型コロナワクチン接種開始、新型コロナ、変異株が猛威 ~いつになれば?
③菅から岸田へ ~よくなって欲しい!
④菅首相が温室ガス46%削減目標を表明 ~実行してくれ!
⑤衆院選で自民単独過半数 ~どんなにダメでも、野党の信頼が…
⑥大谷翔平、メジャーMVPに (将棋・藤井聡太さんが新竜王、最年少四冠に) ~日本の若者、スゴイじゃないか!
⑦電車内で無差別刺傷事件相次ぐ ~ニュースで流すと、アブナイ奴が
⑧東芝が会社3分割へ、みずほ3首脳退任へ、システム障害相次ぎ金融庁が2度の業務改善命令 ~経済ネタ
⑨静岡・熱海で土石流、死者・行方不明者27人 ~毎年の大雨、このようなことはこれからも
⑩眞子さま、小室圭さん結婚 ~なんといえばイイのだろうか?皇室の意味は?
⑪「奄美大島、徳之島、沖縄島北部及び西表島」を世界自然遺産に、「北海道・北東北の縄文遺跡群」を世界文化遺産に
⑫国境の2離島が消失か、存在を確認できず…領海に影響する恐れ ~結構、重要じゃないか?
・福島第一「処理水」の海洋放出決定 ~まだまだ終わらない
・真鍋淑郎氏にノーベル物理学賞 ~日本スゲェゼ!でも、いつまで続く? 
・都議選、自民党が第1党奪還も自公は過半数届かず ~このニュースの価値は?

世界も見てみた。
「資本主義vs社会主義」から「自由・民主型vs強権・独裁型」に変わり、
米ソから米中に代わりはしたが、
①~③の「対立構造」は恐ろしい。
オリンピックなんかで浮かれてはいられないのでは…。
《海外》
①米大統領、トランプからジョー・バイデンに ~いい変化であって欲しい
②英国、空母をインド太平洋へ派遣、G7首脳宣言、台湾問題に初言及、米英豪の安保枠組み「オーカス」創設、日米豪印の「クアッド」が首脳会談 ~世界の焦点は中国に、米欧亜が結束?
③北京で中国共産党創設100年の式典、中国共産党が「歴史決議」を採択、香港で「反中紙」廃刊、中国で海警法施行、中国探査機が火星着陸に成功 ~中国の脅威
④新型コロナの世界感染者が2億人超に ~歴史的事件!
⑤米国で民間宇宙旅行ビジネスが活発化 ~この意味は?
⑥アフガニスタンでタリバンが首都制圧
⑦キューバで共産党第1書記退任。カストロ兄弟の統治終幕 ~後は、北朝鮮の金王朝だけでは


○中村優希(長県大3期生)
日々野さん、場立てありがとうございます。
初参加ですが私も参加します。

「2021年十大ニュース~コロナとの格闘の影で日本社会の歪さが噴出~」
①新型コロナワクチン接種開始 やっと始まったが混乱少なく
②新型コロナ、変異株が猛威 長期戦が確信へ
③東京五輪、日本は史上最多58メダル 選手は凄い、運営は杜撰
④菅首相が温室ガス46%削減目標を表明 産業が代わり生活スタイルが変わる?
⑤自民党総裁に岸田氏、首相に就任 安倍・菅路線からの進路転換に期待
⑥大谷翔平、メジャーMVPに コロナ禍の明るいニュース、日本人の誇り
⑦衆院選で自民単独過半数 民意の受け皿となりうる野党はなぜ生まれない
⑧電車内で無差別刺傷事件相次ぐ 大阪の件といいオトコが凶行に
⑨静岡・熱海で土石流、死者・行方不明者27人 自然災害+人災が日本を襲う
⑩デジタル庁発足 少子高齢化対策の一番槍はデジタル化?

やはり2021年もコロナとの戦いの一年だったという印象を抱いたため
ワクチン接種開始と変異株のニュースを1,2位に。
温室ガス46%削減は、もし本気で実現しようとしはじめた場合
多くの企業や産業が変わらざるを得ずその結果国民生活も変わり始める、
そんな中長期的な影響を持っていると思い4位に。
その他気になったのは熱海の土石流である「自然災害+人災」という新たな災害の形。
温暖化が進む一方財源減少による行政劣化が進む今、この形の災害は増えそうです。
あと、大量・無差別殺人を起こす犯人は男の率が高いということ。
フェミニズムももちろん重要ですが、日本社会で男がはみ出しやすくなっている
可能性にも目を向けなければ、と感じます。

また、ノーベル賞を今後獲得できなくなると言われている一方で
スポーツの面で活躍する若者が続々と登場している点も興味深いです。
科学<スポーツという構造になっているのでしょうか?
スポーツでの活躍は個人の才能・努力もしくは指導力等で伸ばせるでしょうが
科学の発展にはやはり国の強力なバックアップが必要だと思います・・・。


〇日々野(12/30)
遅くなりましたが、私が選んだ10大ニュースを投稿します。

①新型コロナ、変異株が猛威 ~afterコロナはもう来ないのか?~
②東京五輪「原則無観客」決定。直前まで混乱続く ~代償は大きかったが、それでも開催を貫いたことは評価したい~
③大谷翔平、メジャーMVPに ~常識外れの二刀流でイチロー以来20年ぶりの快挙~
④原材料高騰(ウッドショック)・部品不足(給湯器品薄) ~新型コロナによってグローバル経済が機能不全に~
⑤静岡・熱海で土石流、死者・行方不明者27人 ~「盛り土」が被害拡大の要因。人災の側面も~
⑥菅首相長男の接待で総務省が11人処分 ~首相長男の資質は言うに及ばず。Noと言えない官僚の情けなさ~
⑦眞子さま、小室圭さん結婚 ~最後は本人(個人)の自由と言ってあげたいが~
⑧大阪ビル放火事件で25人が犠牲に ~京アニ放火事件の教訓は活かされなかった~
⑨福岡・中間で保育園児が送迎バスで熱中症死 ~職員の不注意で済ましてはならない~
⑩トヨタ・ホンダがFIA三大シリーズ(F1・WEC・WRC)制覇 ~日本の自動車メーカーの底力を見た~

1位はコロナ関連としました。ワクチンを迅速に開発したのは人類の科学の力の賜物でしたが、
それでコロナに勝利!とはならなかった。ウイルスの 変異する力 の脅威を見せつけられたコロナ2年目だったと感じます。
もうひとつコロナ関連を4位に。新型コロナという外因によって市場の需給バランスが一時的に混乱した、という側面もあるとは思いますが、
国の決定によって流通がストップしているものもあるようで、グローバル経済の根幹が揺らぎつつあるのではと感じます。

○木田(1/1)

新年、あけましておめでとうございます。
日々野さん、場たてありがとうございます。
書き込みが遅れ申し訳有りません。

《1》菅首相が温室ガス46%削減目標を表明:もはや環境は前提条件に
《2》新型コロナ、変異株が猛威:技術的解決の困難さ
《3》福島第一「処理水」の海洋放出決定:取り切れない責任
《4》東京五輪、日本は史上最多58メダル:ニューノーマル時代の平和の祭典
《5》自民党総裁に岸田氏、首相に就任:新しい資本主義は実現できるか?
《6》衆院選で自民単独過半数:見えない日本の未来
《7》静岡・熱海で土石流、死者・行方不明者27人:結果責任はどこまで求められるのか?
《8》無差別殺傷事件相次ぐ:計画的模倣的犯行
《9》大谷翔平、メジャーMVPに:全米を代表するスター誕生
《10》日大理事長、脱税容疑で逮捕:私物化する大学
 


【コメント】

◆日々野(12/14)
私自身まだ絞れていませんが、ひとまず場立てします。皆様、ご参加おねがいします。
ある程度出揃ったら、それを基に三戸ゼミ10大ニュースを議論できるとよいですね。(次回勉強会で?)



【10news2021】

Pass

内田「道徳論」に絡めて
No:5414 投稿者:三戸 投稿日:2021/12/08 Wed 17:38:18 [返信

研究室で「空白の時間」が週に数回ある(全くない時もあるが)。
「空白の時間」とは、メールの返事や提出書類や講義の準備などなどが終わり、
次の講義や会議までの時間、
またはその日すぐにやらねばならない仕事が無いのだが、
まだ帰るにはちょっと早い、という時間。
そんな時、日経電子版やネット配信のダイヤモンド・東洋経済等々、その他ネットから資料収集したりする。
だが、たまに思い出して「内田樹の研究室」にアクセスする。
平均して、1~3カ月に1度だろうか。
面白い、議論のネタになる、というやつは、WORDにコピペタして「内田樹」というフォルダーに保存する。
保存しているものは、例えばこんなタイトルのもの。
成長と統治コスト  2021-06-10
日本学術会議問題について  2020-10-22 +独裁者とイエスマン 2020-10-30
公共と時間について 2020-10-27
(あらためてフォルダーを開けてみたら、コピペタで保存するのは、年に数回だった。)

「日本学術会議問題について」に、+「独裁者とイエスマン」と記したが、
同一テーマで論じたものを1枚に収めると、読み買いがあり、得るものも多い。
例えば、「新型コロナ」とファイル名をつけたものには、次の様に6点をコピペタしている。
コロナウィルスと社会的共通資本 2020-02-29
コロナ後の世界         2020-04-22
コロナ禍についてのアンケート  2020-05-10
パンデミックをめぐるインタビュー  2020-05-27
日刊ゲンダイ「コロナ後の世界」  2020-06-04
文化日報への寄稿「パンデミックとその後の世界」 2020-09-20

以上のようなことを書くつもりでスタートしたのではなく、
「まくら」のつもりが長くなったので、「“内田樹の研究室”の学び方」はここらへんにして、
本論に入ろう。

いまはその「空白の時間」だったので(昼休みになっていたのだが、食事時間ではなく空白の時間)、
「内田樹の研究室」にアクセスしたら、
「道徳の本、2021-11-18」が最新だった。
この文を三戸ゼミ掲示板にアップして、皆に紹介すると共にディスカッションしてみたい、と思った。
その前に、超久しぶりに(すまない、今年はじめてだ)Facebookの「三戸ゼミ浩友会」にアクセスした。
なぜそうしたかと言うと、日曜日にオンライン浩友会があり、木田君からメールで次回の日程の照会を受けていたからだ。

以下、コピペタする。(彼は、自分の文章のコピペタを積極的に認めている)


 みなさん、こんにちは。内田樹です。
 道徳の本を書くように頼まれました。
 何を書いたらよいのかわからないままに、「うん、いいよ」と引き受けてしまいました。ふつうは何を書くか決まっているから引き受けるんでしょうけれど、このときは何を書けばいいかわからないのに、引き受けてしまいました。書きながら考えてみようと思ったからです。
 この本はそういう本です。道徳について書かなければいけないのですけれど、何を書いていいかよくわからない。だから、「道徳について何を書いていいかわからないのはなぜか?」というところから書き始めることにします。
 どうして「何を書いていいかわからない」のか。それは「道徳」ということばの意味が僕にはよくわかっていないからです。いや、ある程度はわかっているのでしょうけれど、あくまで「ある程度」です。ちゃんとわかっているわけじゃない。だから、人に向かって「そもそも道徳とは・・・」というような説教ができる気がしない。
 でも、それって変ですよね。
 だって、「道徳」って、ごくごくふつうの、誰でも日常的に使うことばだからです。そういう「誰でも日常的に使うことば」の意味がよくわからないということがあるんでしょうか?
 あるんです。
 道徳ということばを僕も使います。まるで、その意味がよくわかっているかのような顔をして使います。
 でも、こうして改めて「道徳の本を書いてほしい」と言われると、自分がいったい道徳について何を知っているのか、どのようなことを言いたいのか、よくわからない。
 ふだんふつうに使っていることばなのに、改めて「それはほんとうのところ、どういう意味なんですか?」ときかれると、とっさには答えられない。
 きっとそれは、道徳というのがそれだけ手ごわいことばだからだと思います。
 簡単に扱うことを許さないこの「手ごわいことば」について、これから考えてみることにします。
 
 これからあと僕が書くのは、あらかじめ用意していた話ではありません。書きながら考えたことです。だから、あまりまとまっていないでしょうし、読み終わったあとに「なるほど、そうか」とすっきり気持ちがかたづくこともないと思います。
 でも、それでいいんじゃないですか。
 僕くらい長く生きてきた人間が、あらためて「道徳とは何か?」を考えたときに、うまく説明できないということそのものが、とてもたいせつな情報だと思うからです。

 世の中には、よく使われているのだけれど、実はそのことばのほんとうの意味をだれもよく知らないということばがあります。「あります」どころか、見渡すと、そんなことばばかりです。
 でも、意味についてみんなが合意していないと話が先に進まないということはありません。
 たとえば「神さま」というのは、それがほんとうは何を意味することばなのか、誰も知りません。だって、誰も見たことがないんですから(「私は見た」という人がときどきいますけれど、それはちょっとわきに置いて)。そもそも「神さま」というのは「人知を超えたもの、人間の感覚や知力をもってしては感知することも理解することもできないもの」なんですから、「神さまというのは、これこれこういうものだよ」と人間に説明できるはずがない。
 でも、「神さま」ということばが何を意味するかよくわからないから、そういうことばは使ってはいけないということになるとむしろ困ったことになります(「『神さま』ということばって、何を意味するか、よくわからないですね」ということさえ言えなくなりますから)。
 だから、意味がよくわからないけれど、使う。意味がよくわからないけれど、教会に行ってお祈りしたり、お寺でお参りしたり、神社で柏手を打ったりすることが僕たちにはできます。そういうときには、自分がなにをしているのか、なんとなくわかっている。なんとなくわかっているなら、正確なことばの定義なんかできなくても、それでいいと思っている。
 僕もそれでいいと思います。なんとなくにしても、こどもの考える「神さま」と大人の考える「神さま」はたぶんずいぶん違うものです。いろいろなふしぎな経験をしたり、つらいことやたのしいことを経験したあとになると、大人たちは「神さま」について、ことばの意味はよくわからないままに、子どものころよりは深い考え方をするようになります。ひとによって「神さまはたしかにいる」と確信を深めたり、「神も仏もあるものか」とふてくされたり、さまざまですけれど、それらのことばには経験のうらづけがある。だから、深い実感がこめられる。
 意味は定義しがたいけれど、いろいろな経験を積んでくるうちに、「個人的にはこういうふうに理解することにした。私はこういう意味で使う」ということばがあります。ほかのひととそのまま共有することはできません。でも、ひとりひとりの個人が、自分自身の経験から引き出してきた「ことばの意味」はそれなりにずしりとした重さやたしかさがある。よく意味がわからないままに、使われることばというのは、たぶんそういうものではないかと僕は思います。

 道徳もそれと似ています。
 何を意味するのかよくわからないけれど、ひとりひとりなんとなく自分なりに「だいたいこういう意味かな」と思っているものがある。だから、ひとりひとりの個人的な経験によって、ことばの厚みや奥行きや手ざわりがずいぶん違ったものになる。
 もちろん、道徳にも辞書的な定義はあります。たとえば、手元の新明解国語辞典にはこうあります。
「社会生活の秩序を保つために、一人ひとりが守るべき、行為の規準」。
 なるほど、その通りですね。でも、ここにも書いてありますね、「一人ひとりが」って。一人ひとりが守ることであって、「みんないっしょに」守るべきものではない。ということは、僕たちの一人ひとりが、自分で、自分の責任で、その「行為の規準」を定めるわけで、どこかにいる誰かが僕たちに代わって定めてくれるものじゃないということになります。誰かが僕たちに代わって定めてくれる、一般的な「行為の規準」であるなら、それは「みんなで守る」べきものであって、「一人ひとりが守る」という限定は不要です。あえて「一人ひとりが」と書いてあるのは、決めるのも自分、守るのも自分、ということです。
「こういう考え方が道徳にかなっている。こういうふるまいが道徳的である」と自分で判断して、自分で行う。他人に判断してもらうことも、他人に押し付けることも、できない。
 もし、誰かが皆さんに「こういうふうにふるまうのが道徳的なのだから、そうしろ」と命令してきたら、(たとえ、その命令がなかなか正しそうに思えても)「そういうことは、やめてほしい。自分で決めるから」と言ってよい。そういうことです。
「道徳的であること」とはどういうことか。それは先ほどあげた「神さま」の場合と同じように、一人ひとりの経験の差によって、ずいぶん違ったものになります。
 こう言ってよければ、人によって、薄っぺらな道徳と厚みのある道徳がある。底の薄い道徳と奥行きの深い道徳がある。手触りの冷たい道徳と手触りのやさしい道徳がある。軽い道徳とずしりと重たい道徳がある。でも、正しい道徳と間違った道徳があるわけではない。
 どれもそれぞれの仕方で「正しい道徳」なのです。ただ、そこには程度の差がある。その程度の差をもたらすのは、こう言ってよければ、一人ひとりの成熟の差です。
 成熟した人の道徳は深く、厚みがあって、手触りがやさしくて、ずしりと重い。未熟な人の道徳は、そうではない。それだけのことです。そして、できることなら、成熟した人間になって、成熟した道徳にしたがって生きてゆきたい。僕はそう思います。

 具体的な事例をあげたほうがわかりやすいかもしれないですね。こんな場面を想定してみましょう。
 電車が満員で、座席がありません。そこに片手に赤ちゃんを抱いて大きな荷物をもった女の人が乗ってきました。誰か席を譲ってあげればいいのにと見回してみたら、高校生たちがおしゃべりに夢中になっていて席を譲る様子がありません。
 そこでひとりのおじさんがその高校生の一人に向かって、「この人に席を譲ってあげなさい。君は若いんだから」と言ったとします。
 そういうこと、ときどきありますよね。
 ところが、そしたら、席を譲りなさいと命じられた高校生が、きっと顔を上げて、「あなたはいま僕を指さして『立て』と言われたけれど、どうして僕が席を譲らないといけないんですか」と口をとがらせて反論してきました。
 さあ、大変です。
「高校生だって疲れ切っていて、あるいは外からは見えにくい身体的不調のせいで席を立ちたくないということだってあるでしょう。あなたは僕の健康状態について何をご存じなんですか?この車両にいる他のすべての座っている人たちの中からとりわけ僕に座る権利を放棄するように命じたことにあなたの側に何か合理的根拠があるのですか?」と反問してきました。まあ、ふつうの高校生はこんなしゃべり方をしませんけれど、話をわかりやすくするためです。
 たしかに、おじさんとしても、そう言われると困ります。電車の中で誰が席を譲るべきかについての一般的な基準なんかないからです。外から見ただけでは、誰が「立っても平気」な健康状態にあるのかなんてわかりゃしません。
 でも、言ったおじさんは、こういう場合は平均的にいちばん体力がありそうな高校生くらいが席を譲るべきだという彼なりの道徳的判断に従ってそう発言したわけです。
 それに対して高校生の方は「それは、あなたが勝手に作った、主観的なルールに過ぎない。誰でも納得できるような、一般性のあるルールによって裁定して頂きたい」という異議を申し立てた。さあ、どちらの言い分に従うべきでしょうか。
 たしかにいずれも言うことは正しいのです。おじさんも正しいし、高校生も正しい。でも、二つの「正しさ」がかみ合ってしまった。二人ともたしかに道徳的に考え、道徳的にふるまっているんです。にもかかわらず、当面の問題(「誰が子連れの女性に席を譲るか?」という問題)はまったく解決していない。むしろ、おじさんと高校生がにらみあっているせいで、車内は険悪な雰囲気になってしまった。子連れの女の人も、自分のせいでそんなことが起きたので、かえっていたたまれない気持ちになった。「もういいですから、私は立ってもぜんぜん平気ですから」とおじさんと高校生にむかって小さな声でつぶやくのですけれど、その声は頭に血がのぼったふたりには届きません。

 おじさんが「道徳的」にふるまい、高校生が「道徳的」に応じたことで、事態は誰も何もしなかったときより悪化してしまった。よくあるんです。こういうこと。せっかく人々がそれぞれのしかたで「道徳的」なふるまいをしたのに。
 それは先ほど書いたように、道徳の規準が「ひとりひとり」に委ねられているからです。しかたがないことなんです。
 道徳の規準を自分ひとりだけに限定的に適用している限りはこういうトラブルは起きません。道端に落ちている空き缶を拾うとか、同時にドアの前に立った時に「あ、お先にどうぞ」と道を譲るとか、雪の降った朝に早起きして家の前の道の雪かきをしておくとか、とか。
 こういうのは一人で「やろう」と決めたら、誰の許可も同意もなしに、できることです。そして、ささやかだけれど世の中の役に立ちます。
 でも、そういう「よいこと」でも、他人にも押し付けようとするとだいたいうまくゆかなくなります。見知らぬ他人から「おい、おまえ、そこのゴミ拾えよ。世の中、住みやすくなるから」と命令されると、「かちん」と来ますよね。
「道徳的な行い」は、自分ひとりで、黙ってやっている分には「社会秩序を保つ」役に立ちますが。でも、同じ行いでも、それを人に強制しようとすると、むしろ「社会秩序が乱れる」ことがある。なかなか難しいいものです。

 では、どうすればいいのか。
 車内ではおじさんと高校生のにらみあいがまだ続いております。そこにもう一人の人物が登場してきました。
 これまでのやりとりをじっと聞いていたひとりの紳士が席を立って「あ、私、次で降りますから。ここ、どうぞ」と女の人に席を譲ってくれたのです。いや、よかったです。みんなほっとしました。女の人も素直に「あ、そうですか、どうもありがとうございます」と空いた席に子どもを膝にのせて座ってくれました。高校生はまた居眠りに戻り、説教したおじさんは、いささかばつが悪そうですけれど、まあ「子連れの女性に座席を提供する」という本来のミッションは果たしたわけですのでそれなりに満足しました。
 よかったですね。
 でも、この席を譲ってくれた紳士は実は「次の駅で降りる」わけじゃなくて、もっと先まで行く予定だったのです。おじさんのやや高圧的な態度と高校生のきびしい反論のせいで車内がちょっと気まずくなったので、とっさに、緊張緩和のために「次で降ります」と嘘をついたのです。そして、その気づかいが他の人に知れないように、次の駅で降りて、ひと電車後のに乗ることにしたのでした。
 この紳士のふるまいもやはりとても道徳的だと僕は思います。でも、この人の道徳はさっきのおじさんや高校生の道徳とはちょっとレベルが違うように思われます。良し悪しではなく、ちょっと手ざわりが違う。微妙に深くて、微妙にやさしい。
 その第一の理由は、この紳士が自分の気づかいが他の人に知れないようにしたからです。
 ここが「深い」と僕は思います。
「私、次で降りますから」と言って席を譲った紳士が、駅のベンチに座って次の電車を待っている姿をもし車内の人から見られてしまったら、「あら、あの人はこの場をおさめようとして、自分の席を譲り、自分の時間を少し犠牲にしたんだ」とわかってしまいます。そうなると、おじさんも高校生も気恥ずかしくなりますし、譲られたお母さんもかなり申し訳ない気分になります。みんなちょっとずつ気持ちが落ち込んでしまいます。ですから、席を譲った紳士は「その気づかいが他の人に知られないように」します。他の客たちにまぎれて、いっしょに改札口に向かってみせるような細かい演技までしてみせました。そして、電車がホームを離れてから、「やれやれ」とベンチに戻って次の電車を待ったのでした。

 道徳的なふるまいにおいてたいせつなことは、「その気づかいが人に知られないようにする」ことです。でも、これはなかなかわかりにくい話なんですよね。
 ふつうは「いいこと」をしたら、それをできるだけみんなにアピールして、できることなら「おほめのことば」を頂きたいと思う。そうですよね。でも、「いいこと」をしても、黙って、そっと立ち去るということも時には必要なんです。「時には」どころか、できればあらゆる機会にそうである方が、世の中は暮らしやすくなるんじゃないかな・・・と僕は思います。

 例えば、こんな状況を考えてください(例えば、というのが何度も出てきますけれど、こういう問題は具体的な事例を想定しないと、なかなかぴんとこないんですよ)。
 ある人が村のはずれの川沿いの道を歩いていたら、堤防に小さな穴が開いていて、そこからちょろちょろと水が漏れているのを見つけました。そこで、小石を拾って、その穴に押し込んで、水を止めました。そのおかげで、しばらくして大雨が降った時に、その堤防は崩れず、村は水没をまぬかれました。
 でも、その人は自分が押し込んだ石が堤防の決壊を防いだことを知りませんし、村人たちもその人が村を救ったことを知りません。
 こういう人のことを指す英語があります。「アンサング・ヒーロー(unsung hero)」というのです。「その功績が歌に歌われて、称えられることのない英雄」という意味です。たいへんな功績をあげたのだけれど、人々はそのことを知らない(場合によっては、その人自身も自分がたいへんな功績をあげたことを知らない)。
 実際に、歴史上そういう人はたくさんいました。その人たちの目に見えない気づかいのおかげで、多くの人が、多くの街や、多くの文明が救われた。でも、その人を「英雄」として称える歌は誰も歌わない。知らないから。
 でも、これは僕の個人的な意見ですけれど、みんながその功績を知っていて、みんなに「称えられる英雄」よりも、「誰も(本人さえ)その功績を知らない英雄」の方が、ほんとうの英雄ではないかと思います。
 というのは「アンサング・ヒーロー」たちは、たぶん自分たちの英雄的行為を、なにげなく、とくに「こういうことをすれば、これこれの結果が導かれるかもしれない」というような予測もせずに、ごく日常的なふるまいとして行ったはずだからです。
 例えば、雪の降った日に、朝早起きして、雪かきをした人がいたとします。その人は一通り雪かきを終えると、家に入ってしまいました。あとから起き出して通勤通学する人たちは、なぜか自分の歩いている道だけは雪が凍っていないことにも気づかずに、すたすた歩いてゆきました。でも、この人が早起きして、雪かきしてくれなかったら、その中の誰かが滑って、転んで、骨折したりしたかもしれません。さいわいそういうことは「起こらなかった」。起こらなかったことについては、誰もそれについて感謝したり、それを称えたりはしません。でも、たしかに雪かきした人はこの世の中から、起こったかもしれない事故のリスクをすこしだけ減らしたのです。
 この人もまた「アンサング・ヒーロー」です。
「アンサング・ヒーロー」とはどういう人か、これで少しわかったと思います。それは誰かがしなければいけないことがあったら、それは自分の仕事だというふうに考える人のことです。誰かが余計な責任を引き受けたり、よけいな仕事をかたづけたりしないといけないなら、自分がやる。そういうふうにふだんから考えている人。そういう人は高い確率で「その功績を歌われることのない英雄」になります。

 誰かがしなければいけないことがある。それは誰がやるべきか。
 ふつうはそういうふうに問いを立てます。もちろん、その問いの立て方で正しいのです。少しも間違いではない。でも、そういう問いの立て方は道徳としては「浅い」ということです。
 繰り返しご注意申し上げますけれど、それは「間違い」ではないんですよ。ただ「浅い」「薄い」「軽い」というだけのことです。
 誰かがしなければならないことがあるなら、それは私の仕事だ。こういう考え方をする人はそれほど多くありません。そして、実際にそれほど多くの人がそういう考え方をする必要もないんです。30人に一人、いや50人に一人くらいの割合でそういうふうに考える「変な人」がいてくれたら、それだけで、もうこの世の中はじゅうぶんに住みやすいものになります。そういう人は、道に落ちている空き缶を拾ったり、席を譲ったり、雪かきをしたりというのは「誰の仕事でもないのだから自分の仕事だ」と思っている。それが当然だと思っている。
「だって、誰かがやらなくちゃいけないわけでしょう。だったら、『誰かがやらなくちゃいけない』と最初に気がついた人がやればいちばん効率がいいんじゃないですか?」
 こういう人は満員電車で席を譲るのと同じように、床に落ちているゴミを拾い、エレベーターで先を譲り、そして、たぶんふだんと同じような口調で「難破船から脱出する救命ボートの最後の席」を間にした時も「あ、お先にどうぞ」と言えるんじゃないかと僕は思います。
 というのは、「救命ボートの最後の席」を誰が譲るべきかなんてむずかしい問いは頭で考えて結論が出るものじゃないからです。いくら考えたって、納得のゆく結論なんか出るはずがない。こういうのは、「そういうときには『あ、どうぞ』と言うこと」がもうすっかり習慣になっていて、身体にしみついてしまって、自動的にそういうことを言ってしまう人にしかできません。たぶん本人も言ってしまった後になって、「あれ、今オレ、救命ボートの最後の席を譲っちゃったけど、それってオレが死ぬってことじゃん・・・」とちょっとびっくりしたんじゃないかと思います。そして、「でもまあ、言っちゃったことはいまさら取り消せないしなあ」と涼しく諦めたんじゃないかと思います(見て来たわけじゃないので、知りませんけれど)。
『タイタニック』という映画がありましたね。レオナルド・ディカプリオ君とケイト・ウィンスレットさんが主演した恋愛パニック映画です。それ以外にも、これまでもタイタニックの沈没を描いた映画はいくつもあります。生存者がずいぶんいましたから、沈没間際に何が起きたのかについては、かなり信頼性の高い証言が残されていて、それに基づいてそれらの映画は作られていたはずです。僕も何本か見ましたけれど、どれも沈没間際に、「お先にどうぞ」と救命ボートの席を譲った人たちが出てきました。そのほかにも、最後まで自分の持ち場を離れずに仕事をやりとげた人たち(『タイタニック』では管弦楽を演奏する音楽家たちが印象的でした)が描かれていました。「そういう人」が実際に少なからぬ数いたんだと思います。「お先にどうぞ」とふだんの勢いでつい言ってしまった人たちが。

 それでは、そろそろ「まとめ」に入りたいと思います。
 道徳的であるというのは、ひとことで言ってしまうと、「誰かが引き受けなければならない仕事があるとしたら、それは私の仕事だ」という考え方をすることです。というのが僕の意見です。
 それは別に合理的ではないし、フェアでもありません。でも、そういうふうに考える人が集団の中に何人か含まれていないと、人間は共同的に生きてゆくことはできません。これは断言します。でも、全員がそうである必要はない。何人かでいいんです。ほとんどの人は「誰かが引き受けなければならない仕事があるとして、それを誰がやるかは、みんなで相談して決めればいいんじゃないの」というふうに考えます。それでぜんぜん構わないのです。でも、そうやりかたは、場合によっては、それほど合理的ではない。
 だって、ものすごく簡単なこと、例えば、床に落ちているゴミを拾うとかいうことについて、それを誰がやるかについて、「みんな」で集まってもらって、「このゴミは誰が拾うべきか」について相談するなんて非効率すぎるでしょう。みんなに声をかけて、時間を調整して、会議室をおさえて、「誰がゴミを拾うべきか」会議を開くくらいなら、その暇にみつけた「私」がすいと拾って、ゴミ箱にぽいと放り込めばいい。
 あるいはものすごく難しいこと、さきほどの「タイタニック号の救命ボートの最後の一席」を誰が譲るかのような問題って、「みんなで相談」なんかしている暇なんかあるわけがない。即決しないといけない。そういうときは、いつもの調子で、エレベーターの入り口で先を譲るような口調で、「お先にどうぞ」とすぱっと言う人がいてくれないとどうにもならない。助かる命も助からない。
 そういうことです。
 
 最後にひとつだけ。それはどうしたらすぱっと「お先にどうぞ」って言えるようになるのかということです。どうしたら、そういう習慣が身につくようになるのか。
 それは別にむずかしいことではありません。
 ハッピーな人生を送っていればいいんです。
 これまでの人生、とっても楽しかったなあ。いいこといっぱいあったなあ。他の人よりもずいぶん恵まれた人生を送ってきたんじゃないかな。そういうふうに思えたら、どんなときも、自然に「あ、どうぞお先に」って言えると思うんです。自分はもう十分に幸福だったから、これ以上幸福であろうと願うのはちょっと欲張り過ぎかな・・・というふうに思えたら、人間は「お先にどうぞ」ということばを自然に口にすることができる。僕はそんなふうに思います。
 逆に、今の自分は不幸だ。これまでも不幸つづきだった。だから、こんなところで人に先を譲るほどの余裕はないぞ。そう思う人は決してよけいない「雪かき仕事」はしてくれません。しかたがないですよね。少しでも生き延びて、幸福になるチャンスを求めたいわけですから。自然な感情ですもの、そう思って当然です。
 だから、世の中を住みやすく、気分のいい場所にしようと思ったら、「お先にどうぞ」とすらっと言える人の数を増やせばいい。そして、「お先にどうぞ」と言える人になるためには幸福になればいい。簡単ですよね。
 ですから、道徳の本をここまでずらずらと書いてきて、最後にたどりついた結論は僕にとってはすとんと納得のゆくものでした。
 みなさんは「自分の人生はいいこといっぱいあったなあ。他の人たちよりもずっと恵まれ人生だったな」と思えるように生きてください。それが道徳にかんする僕からの唯一のアドバイスです。
 みなさんのご多幸を願っています。

(2021-11-18 09:03)

~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~

なぜ、この文章か?
いろいろ理由はあるんだが、
(「何を書いていいかよくわからない。だから、「道徳について何を書いていいかわからないのはなぜか?」というところから書き始めることにします。」という「方法」は参考になるな)
(「ふだんふつうに使っていることばなのに、改めて「それはほんとうのところ、どういう意味なんですか?」ときかれると、とっさには答えられない。きっとそれは、道徳というのがそれだけ手ごわいことばだからだと思います。簡単に扱うことを許さないこの「手ごわいことば」について、これから考えてみることにします。」
というのはなるほどだね。「手ごわい」ってどういうことだろう?)
いま「道徳」が(こそがと言ってもいいかもしれない)、日本の最重要課題ではないか、と思っているからだ。
ネットの炎上は、地位・名前のあるものもそうでなくても発言するものを「脅か」している。
自由な言論無き社会、を想像して欲しい。
隣の幼稚園、保育園に「うるさい!」と文句を言い、
子供たちが庭で遊べなくなっている(自分も子供のとき、自分の子供・孫が騒いでいたことが想像できない)。
自分に野次を飛ばされると怒るくせに、野党に向かって国会で野次を飛ばす某首相
無免許で自動車事故を起こしながら、その非を認めぬどころか、自分がいじめられていると公言する議員。
キリがない。

人によっては、何時の時代もそんな奴、不道徳なやつがいたよ、とか、
それは道徳とは関係ないだろ?道徳って何?
などと言うかもしれないが…。

「まとも(真艫)」に考えるなら、
上記した人々が、近年なぜ増えてきたのかは、
(それなりに)重要な問題だ、と思うのではないだろうか?

~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~

(1)「「社会生活の秩序を保つために、一人ひとりが守るべき、行為の規準」。
 なるほど、その通りですね。でも、ここにも書いてありますね、「一人ひとりが」って。一人ひとりが守ることであって、「みんないっしょに」守るべきものではない。ということは、僕たちの一人ひとりが、自分で、自分の責任で、その「行為の規準」を定めるわけで、どこかにいる誰かが僕たちに代わって定めてくれるものじゃないということになります。誰かが僕たちに代わって定めてくれる、一般的な「行為の規準」であるなら、それは「みんなで守る」べきものであって、「一人ひとりが守る」という限定は不要です。あえて「一人ひとりが」と書いてあるのは、決めるのも自分、守るのも自分、ということです。」
と、内田先生は言っているが、「限定」は本当に「不要」だろうか?
「「社会生活の秩序を保つために、一人ひとりが守るべき、行為の規準」は、できるだけ少なくないと、できたら一つでないと、意味が無くなる、機能しないんじゃないかな?

(2)「「こういう考え方が道徳にかなっている。こういうふるまいが道徳的である」と自分で判断して、自分で行う。」⇒そんなことができる人、できるという人がどれだけいるだろうか?

(3)「他人に判断してもらうことも、他人に押し付けることも、できない。
 もし、誰かが皆さんに「こういうふうにふるまうのが道徳的なのだから、そうしろ」と命令してきたら、(たとえ、その命令がなかなか正しそうに思えても)「そういうことは、やめてほしい。自分で決めるから」と言ってよい。そういうことです。」
⇒①子供に「道徳」を教えることはできない、してはならないのだろうか?
②家庭教育・学校教育で、「道徳」は教えることはできず、教えてはならない、ことになるが…
 ③大人にはできない、すべきでない、と言いたいのかもしれない。
では、教会で神父・牧師が、寺院で坊主が説教(道徳)をできない、してはいけないのだろうか?
 ④「自分で決めるから」と言える、内田先生はすごいなぁ…。
自分で考えられるようになったと想定されている「大人」は子供の時から、他者・社会から道徳を押し付けられてきたからこそ、
いま自分で考えることができるようになったのではないだろうか?
(4)「薄っぺらな道徳と厚みのある道徳がある。底の薄い道徳と奥行きの深い道徳がある。手触りの冷たい道徳と手触りのやさしい道徳がある。軽い道徳とずしりと重たい道徳がある。」
⇒何を以て、「薄い-厚い、冷たい-やさしい(?暖かいじゃないんだ?)、軽いー重たい」が決まる・分かれるのだろうか?
(5)「でも、正しい道徳と間違った道徳があるわけではない。」
⇒なぜ?
 「厚薄、冷暖、軽重」はあるのに、なぜ「正誤」はないの?
 「正誤」は「価値」だけど、前者3つは「価値じゃない」というのだろうか?
 「厚薄、冷暖、軽重」は「良い―悪い、優―劣」を比喩的・感覚的に言い換えただけじゃないの?
(6)「どれもそれぞれの仕方で「正しい道徳」なのです。」
⇒「正しい????」
何を以て「正しい」と言うんだろうか?
「“それぞれ”“正しい”」、「一つの正しい」はない、と言いたいんだろうなぁ…………………………………!!!
(7)「“正しい”道徳」の持つ「暴力」を知らない、わからないわけではない。
宗教戦争、国家間の戦争、ナチスのアウシュビッツ、スターリンの粛清、毛沢東の文化革命、カンボジア・ポルポトのkilling field。イスラム原理主義・タリバン、などなど。そうだ信長の三大虐殺もあったし、戊辰戦争だって、いや大東亜戦争だって…。
 だが、なぜ、“正しい道徳”を、有史以来これまで生きてきた人々は産み出し、守らせようとし、守ろうとしてきたのだろうか?
(8)内田先生が最大に重視しているのは「(個人の)自由」だね。
 「これが、正しい」って、おしつけるんじゃねぇ!!」じゃないかなぁ…。
 「責任ある選択」ができるなら、「自分が正しいと思う“道徳”で人が傷ついても責任が取れるなら」
 「自由」を優先し、「道徳」を「下位」に置いてもいいだろうが…。
(9)ドラッカーは「人間は“自由”な存在、尊厳」だと言い、
「社会が“機能”するためには、各人が“自由”でなければならない」と言った。
  その結果を二つ挙げてみよう。
 ①環境破壊が起こった。自由な経済活動、随伴的結果が予想できない知性、予想しない・無視する品性が、
  起こしたんじゃないかなぁ…。
 ②「人事管理」と呼ばれていたものが、今は「人的“資源”管理HRM」だ。
  そりゃ、「社会を機能させるため(存続させるため)、企業は機能(存続)せねばならず、そのための手段として人間がいる」という論理なのだから…。
  この「論理」間違っている?
(10)社会が無ければ、人間・各人は生きていけない。
  だから、「社会生活の秩序を保つために、一人ひとりが守るべき、行為の規準」が必要不可欠なんだよね。

(11)道徳的であるというのは、ひとことで言ってしまうと、「誰かが引き受けなければならない仕事があるとしたら、それは私の仕事だ」という考え方をすることです。というのが僕の意見です。
私は、この考え方が好きです。これって、昔ゼミで議論した「偽善の反対は何?」の答え「(陰)徳」(に近いん)じゃないかなぁ…。
(12)彼が引っかかっていたのは?「道」じゃないかなぁ…。
歩く道は1本だ。複数の道を同時に歩くことはできない。
みんなである所へ向かっていく時、各自が勝手に自分が歩く「道」を選んだり、自分で開削しだしたりしたら、向こうに一緒に着けるだろうか?=社会は機能するだろうか?
社会、組織、企業がみんなで協働するとき、バラバラでは上手くいかないだろうなぁ…。

(13)かつて「自由」が大事なんだ!と私も思ってました。
  でも、「自分の判断・選択による答え」がどれほど、危うい、大したことが無い、と言ったら言い過ぎなら、「他者に押し付けることができない、しても責任がとれない」ことこそ、「重要・大事」いや「決定的、大前提」だと思うようになった。
内田先生も「人に押し付けるな」と言っているところ、私と同じようだが、
私は「だから、自分で決めることは危うく、また決めても責任が取れない」が結論です。
彼は「自由、自己決定」を何より重要視しているように感じる。
私は、「その自由・自己決定」が信頼できないから、それを大前提にしないと同時に、人から「押し付けられるのも」拒否したい。

(14)じゃ、どうなの?
  と思うだろうな。
特定の他者は「信頼」できない。
だが、同じ組織、社会、にいるならその人たちの「道徳」と私の「道徳」を一致させたい。
同じ時代に生き、「共通」の教育を受けてきたのだから、
それほど、各自の「道徳」に大差がある筈も無いだろう、基本的・主要・多くの所共有できると思っている。
その「共有された道徳」では解決できない時は「見識」の出番ではないだろうか?
その「見識」は当然ながら「徳(人格)」が伴っていなければならない。
「人格」「見識」に乏しいものの「道徳」も対等に認める気にはならない。
浅い・薄い・冷たい徳・見識しか持たないものは、持つ人を尊敬し、その人の言うことを聴く姿勢を持たねばならない。
「聴け、従え」ではないよ。
聴いて、その上に立って自分でも考える、そこから生まれる「道徳」に従う。

(15)もう一つの「答え」がある。
人類の歴史はそれなりに長い。
何億、何十億、何百億の人々が生まれ、学び、考え、伝え、生きてきた。
その人たちが考え、残してくれたものが「伝統」じゃないか?
その時・その時代に生きた人が先人から「伝統(道徳)」を受け継ぎ、
不要なものは捨て、必要と思うものを付け加え、そして後世に引き渡してきた。
今の人間が「道徳」を作ったのじゃないんだ!
先人たちから引き継ぎ・学んだものが「道徳」じゃないのかな?
全てを引き継ぎ、守れ、なんて言っていない。
先人たちの時代の「社会の維持のために正しい生き方」なんだから、
今とは合わない、社会を壊すものもあるだろう。
それは慎重に選別し、必要なものに置き換えていけばいいのじゃないだろうか…。

(16)「道徳=押しつけ」と考えてしまう(と思える)内田先生はの価値観(志向の前提)は、
個人、自由であろう。そして無意識に「社会は進歩してきていて、個人の自由の拡大、個人の自由を前提とする社会が進歩しているし、そのように進歩しなければならない」と思っている、と私には思えてならない。
これは、内田先生だけでなく、研究者を代表として、ほとんどの人がそう思っているはずだ。
だって「自分で考え・決めなさい、そして人に押し付けてはいけません。」と言うことを誰もが否定してはならない、と言うより疑わない社会だから。
この「自由」だって、近代になってデカルトなど近代人が産み出したものを「(伝統)道徳」として受け入れたもので、自分で考えたものじゃない、と私は思う。
私は「個人」「自由」「人権」を大前提にしない。
否定するんじゃない。
それだけが「正しい」と思わないだけだ。
「家が大事、国が大事、親が大事」は間違っているだろうか?
「家は家族がいて、家族を大事にして」、初めて存続するんだが、
「家>家族」じゃない。
「家=家族」なんだ。
「家の為に犠牲になる」という考え方は、「家(人間じゃない、自分じゃない)<個人(自分)」という図式を持っているからだ。
「家(自分以外)>個人」を支持しているんじゃないよ。
「家=家族=自分」なんだ。
いまは、「家≠家族」どころか「家族≠自分」だから。
だから、「結婚しなくてもいい」だし、「子供を持っても、持たなくてもいい」が「正しく」、
「結婚すべきだ」「子供を産むべきだ」は「封建的、時代遅れ」「押し付け」「人権蹂躙」となる。
私は「結婚するもので、家族を持つものだ」「子供は(恵まれないかもしれないことはあるかもしれないが)持つものだ(授かるものだ)」と思っている。
それが「自然」だと思っている。
(17)「自然」は変わる。
だが、いつも「自然」はある。その形は場所と時代により異なろうとも…。 
「自分」はいる。
だが「自分=個人」として「唯一無二=絶対」「自分のために世界(社会)が無くてはならない」
それが「人権」だ。
と言うのは人類の長い歴史の中のほんの最近100~300年のものに過ぎないんじゃないか?
「自然」は場所により、それぞれだ。
なぜ「個人、自由、人権」がすべての場所(人)に共通でなければならないんだろうか?
「自然」は時と共に変化する。
「価値観」は時代によって違う。
なぜ、「個人、自由、人権」が「絶対に正しいのだろう?」
社会が「進歩」しているから、「昔の価値観」は間違っているんだろうな。
(18)なぜ「人権」が「絶対」なんだろうか?
他の生き物(自然)には「与えていない」のに…。
「人間」は「特別」なんだよね。
他の生き物より優れているんだ。最上位というより別格で、特別扱いされて当然だ。
そもそも、「神」は人間の為に「自然(他の生き物など)」をお創りになり、人間に与えてくださったものだ。
そして、その「神」ではなく「(自分たち)人間」が世界の「主人」となったのだ。
「神」に従う必要は無いのだから、
「神」の地位に人間が着いたのだから、
「神」と同じ「絶対者」になったのだ。
(19)まだ、「全知全能」じゃないから、
コンピュータを作り、世界中にインターネットを網羅し、
AIを創る。
ロボットも作る。
自分でしなくてもいいように「自動化」する。
(20)まだ、「不老不死」じゃないから、
「老い」と「死」のメカニズムを解明し、
「医療技術」により獲得する。
(21)「知恵の木の実、リンゴ」を食べたはずなのに、
なぜ人間は「全知(全能)」じゃないんだろうか?
(22)「生命の木の実」を食べていないが、
食べてから、(エデンから地上に降りてきたら、)「不老不死」になっていたのかなぁ…。
「不老不死」だったら、地球はとっくの昔に「満杯」だったのじゃないかな?

長くなっちゃったなぁ…。
20年前の「浩友会」から話してきていることだねぇ…。

(23)「近代」は行き詰っていることは明白だ。
だからと言って、「近代を否定する」のは愚かだ。
折角、先人が産み出してくれた「個人、自由、人権」だ。
「伝統」は大切にしなければいけない。
ということは、「近代が否定」した「近代以前」の「伝統」も大切に「受け継ぎ」、
「近代」と「前近代」という二元の社会を模索するのも、一つの有力なあり方かもしれない。
日本の「前近代=江戸以前」の価値観・道徳は「古く、誤っていた」のだろうか?
随分と限界があり、時代にそぐわなくなっていたのは間違いないだろうが、
「そぐわない時代」になった大きな理由は「近代化」であり、
「前近代」の価値観では「近代社会」は造れないだろうな。

(24)内田「道徳論」にかこつけて、「自由、近代批判」になってしまったようだ(反省、反省)。
「自由」をそんなに簡単に「否定」してはいけないかもしれない。
だが、「人間だけの権利」「取り切れない責任や、責任を取ることと切り離された選択(の自由)」「身体を置き忘れた脳優先・脳支配」など、「自由」を「無自覚に前提とする」「自由の“絶対化”」は限界が見えているのではないか?
「自由を大切にする」なら「自由の(限界の)理解」も必要ではないか?
「脳」と「身体」はセットであることから、「自由」と「○○(例:自然)」の2つのパラダイムに立つことが必要ではないだろうか?

【uchida.moral】

Pass

『今年の漢字 2021』
No:5413 投稿者:1期山岸 投稿日:2021/12/05 Sun 10:27:54 [返信

「今年の漢字」は、まだ間に合います! (発表は、12月13日(月))
まずは、みなさん予想しましょう。

《参考情報》
今年の漢字(日本漢字能力検定協会)のページ
過去の「今年の漢字」一覧


「今年の漢字」は?  ◎…第1位 〇…第2位
【参加締切】日本時間12月12(日)23:59(〆切内は何度でも変更可能!)

    山岸 三戸 木田 佐々木 日々野
・流  ◎  ◎  ○   〇   
・金  〇     ◎       ◎
・対     〇
・転            ◎
・変                〇

【コメント】

◆山岸(12/5);昨年の第1位「密」からすると、今年は「リアル二刀流」「人流」「熱海土石流」辺りから「流」と予想。
         第2位の「金」は、オリンピックで過去最多の金メダル獲得、緩和マネーが生んだ株高、年後半の物価上昇から。
◆三戸(12/7) 
山岸君、場立て有難う。
ダントツで「流」推しです。山岸君があげた理由に加え、「コロナの流行」で。
2位はオリ・パラ関係で挙げたいのだが、「金」以外浮かばない。
(「金」は何度も挙げられているし、私個人としては、「五輪=金」は避けたいところ。)
 その他の出来事でだと、
「米中対立」「民主・参加型国家vs独裁・統制型国家」
「他者の言動に対し、現在のみならず過去に遡って、攻撃・排斥しようとする言動」、
去年からの続きだが新型コロナは「人類vsウイルスの対立」であるから、
「対」にしよう。


◆ 木田 12/8 個人的には「流」がふさわしいように思いますが、世間の流れは長引くコロナ禍で明るい話題を出したい
という流れで「金」になるのではと予想しました。

◆佐々木(12/10)
照明さん、呼びかけ有難うございます。
非常に悩ましいですが、今年はまさにカーボンニュートラル元年(世界的に潮目が決定的に)と捉えていることから「転(=脱炭素化への転換)」を推してみます(「脱」もアリか?)。
政治ネタではバイデン政権発足、岸田内閣誕生もあり、従来の政権とは毛色が違うこともサポートになるかと。
スポーツネタではオリンピックよりは大谷翔平の圧勝ですね。
コロナは2年目。オミクロンが心配とは言え、日本が落ち着いてきているのは良い話ですが、まだ何かが見えた訳でもない…。
あとは、将棋の藤井聡太竜王(4冠!)。それだけで「冠」は弱いか。

◆日々野(12/11)
山岸さん、ありがとうございます。
今年の漢字のサイトって前からこうでしたか?とても充実していて驚きました。
過去の漢字は、その年の上位20位までコメント付きで載っていて、まさにその年の世相を知るに相応しい作りになっていると感じました。
「金」はこれまで2016、2012、2000と選ばれています。(分かりやすい・・)当てに行くならやはり金か。
個人的には「変」を挙げます。コロナは2年目の今年は「変」異株が話題の中心だったかなと。(ワクチン関連もありました、、、敢えていえば免疫で「免」か?)
人類の科学の力を上回る勢いで変異する、ウイルスの本当のヤバさを垣間見ている気がします。
ところで、変異であって進化とは呼ばないですね。進化するのは人だけ(という世界観)か。


○1期古郡です
年末のヤバい仕事で投票できずすいません。
速報で「金」でございます

◆山岸(12/14)
三戸先生、みなさん回答有難うございました。
古郡さん速報情報ありがとう。

1位 金 、2位 輪 でした。
木田さん、日々野さん予想的中おめでとうございます!
(1位 金、2位 輪、3位 楽、4位 変、5位 新、6位 翔、7位 希、8位 耐、9位 家、10位 病、11位 明、12位 結、13位 禍、14位 五、15位 密、16位 幸、17位 復、18位 苦、19位 勝、20位 命)

それでは、年末企画として紅白の線以下に第二問を出題しますので回答をお願いします。



【問】あなたが選ぶ今年の漢字を挙げてください。(選んだ理由も挙げてください)




締め切りは、次回勉強会前日(1月29日)までです。(〆切内は何度でも変更可能!)

【kanji2021】

Pass

『JC・JK流行語大賞2021』
No:5409 投稿者:三戸 投稿日:2021/12/04 Sat 16:31:37 [返信

以下コピペタ。

女子中高生が選ぶ流行語、2021年の大賞は「気まZ」…2位は小室圭さんの影響?
(https://news.yahoo.co.jp/articles/257eff622c5cbce6378617cc208700f783a8f5d7)

1位に選ばれたのは、3人組YouTuber・ウチら3姉妹のメンバーで、メイク方法を紹介した動画が人気の「とうあ」による「気まZ(きまぜっと)」。パソコンで「気まずい」を変換する過程で「きまZ」と打つ際に、語感が面白いととうあがYouTubeで発信したところ、視聴者である多くの女子中高生に広まったという。
主に気まずさを感じたときに口頭でも使用するが、顔の前で両手を平行にして「Z」の形にする気まZポーズも写真撮影をする際の定番ポーズとなっている(使用例:元彼と同じクラスになった~。さすがにきまZ)。とうあは同賞のヒト部門でも5位にランクインしており、女子中高生から高い支持を得ているようだ。

2位は「Let it be」。小室圭さんが婚約発表の際に「好きな言葉はLet it beです」と発言したのがきっかけで、今年の眞子さんとの結婚の際にその発言が再注目。TikTokでは「Let it be」以外にも小室さんの婚約発表の際の発言を使用した音源などが作られ、多くのカップルが動画と組み合わせてロマンティックなvlog(ビデオブログ)をアップしているという。

3位にランクインしたのは、YouTuber・パパラピーズの口癖だという「~もろて」。「~してもらって」の派生にあたる言葉だが、普通に「~してもらって」と言うより柔らかく聞こえることから、友だちにツッコミをする際に使用する女子中高生が多いそう(使用例:ねーねーねー、ダル絡みやめてもろて~~)。

そのほか、4位はシュシュやルーズソックスなど平成の流行を、あえて文化祭やハロウィンなどで楽しむ「平成ギャル」がランクイン。2003~2009年に生まれた現役女子中高生はギャルを知らない世代のため、古臭さより「普通にかわいく見える」という女子中高生の声が多く上がった。そしてTikTokで700万回以上再生された「えっ?? あーしの夢っすかぁ~~? 超チルなラッパー!」という動画から生まれた、「超チルなラッパー」が5位を獲得した。


JC・JK流行語大賞2021「ヒト部門」も見てみた
(https://www.lmaga.jp/news/2021/11/369564/)

2位の山田裕貴はバラエティ番組で名前を聞いた気がする程度。あとは全く。
前世紀なら、名前くらい聞いたことがあるだろうが、いまは全く…。
マスメディア」では無くなったのだなぁ…。
ところで、男子の流行語は問題にされない。
なぜだろうか…?


1位に選ばれたのは、11月3日にメジャーデビューを果たしたINI。オーディション番組『PRODUCE 101 JAPAN SEASON2』から誕生し、「オーディション番組戦国時代」と呼べる今年において代表的なアーティストに。 ビジュアル、実力はもちろん、語学力も高いことから「グローバルに活躍できそう」と、多くの女子中高生から熱い注目を集めた。

生配信番組にゲスト出演していたリーダーの木村柾哉は、「うれしいです。1位という順位に恥じないよう、2022年も頑張ります。これからもよろしくお願いします!」と喜んだ。
2位は、映画『東京リベンジャーズ』でドラケン役を演じた俳優の山田裕貴がランクイン。ドラケン役と普段の自然体な姿とのギャップに、「もっといろんな役を見てみたい」と女子中高生から多くの期待が寄せられたという。学校ではマイキーとドラケンの名シーンを再現する「東リベごっこ」が流行っているとか。

3位はあるある動画でブレイクした女性2人組YouTuber・平成フラミンゴ。幼なじみの2人がシンクロする動画で注目を集め、2020年4月にYouTubeチャンネルを開設してからわずか1年半で150万人に達するなど人気を獲得。人気YouTuberのコムドットとも頻繁にコラボしており、「寝る前に絶対見る」「仲良くて見てて楽しい」と高い支持を集めた。

そのほか、TikTokを始めとした各SNSで曲が使用され「すべてがエモすぎる」(『napori』など)と火がついた現役大学生シンガー・Vaundyが4位、「元気になれる」と女子中高生から絶大な支持を得たYouTuberのとうあが5位にランクインした。


「モノ部門」は、以下の通り。
1.GirlsPlanet999:少女祭典(通称ガルプラ)
2.イカゲーム
3.骨格診断
4.渡韓ごっこ
5.トレカデコ
⇒2位「イカゲーム」以外全くわからない。
 大人の世界ではTVにより流行(語)がまだ作られているが、
 JCJKでは、ネットになっているし、TVもJCJKの流行を追わなくなったようだね…。

世代により、全く違う世界に住むようになってきたようだ。
どんなふうに社会は変わっていくだろうか?


上半期を見てみると、スゴイ。
年間を通した流行はもうないんだ…。
(https://prtimes.jp/main/html/rd/p/000000018.000017469.html)


最後に、中高生は30語の中から何を選んだかの、アンケート結果を。
(https://fire5ch.com/190558)
2021年に流行した言葉を決める「現代用語の基礎知識選 2021ユーキャン新語・流行語大賞」。ノミネートされた30候補のうち、中高生の間で流行していた言葉はどれでしょうか。高校生新聞では、LINE公式アカウント「高校生新聞編集部」をフォローしてくれている読者の中高生のうち、202人に11月にアンケートをしました。寄せられた声の一部を紹介します。(編集・越沢琴奈)

中高生が選んだ「流行語大賞」30位までの一覧

1~10位にオリンピック関係がピクトグラム以外入ってない!
そして、オータニさんも入ってない!!

1.副反応
2.SDGs
3.マリトッツォ
4.うっせいわ
5.ウマ娘
6.推し活
7.変異株
8.黙食/マスク会食
9.ピクトグラム
10.イカゲーム

https://www.koukouseishinbun.jp/articles/-/8305?page=2

11位 自宅療養 26.2%
12位 ジェンダー平等 24.3%
13位 親ガチャ 20.3%
14位 ヤングケアラー 16.8%
14位 13歳、真夏の大冒険 16.8%
16位 路上飲み 15.8%
17位 Z世代 15.3%
18位 リアル二刀流 12.4%
18位 ショータイム 12.4%
20位 チキータ 10.4%
21位 ゴン攻め/ビッタビタ 8.4%
22位 ととのう 5.4%
23位 人流 5.0%
24位 カエル愛 3.5%
25位 エペジーーン 2.5%
26位 NFT 1.0%
26位 ぼったくり男爵 1.0%
28位 スギムライジング 0.5%
28位 チャタンヤラクーサンクー 0.5%
28位 フェムテック 0.5%

ノミネートされた30候補のうち、流行った言葉は?

新語・流行語大賞にノミネートされた30候補の中から、「周りで流行したと思う言葉」を選んでもらいました。1位から10位を中高生のコメントともにご紹介します。

1位 副反応 63.9%
今年、地域や年齢ごとに接種がスタートした新型コロナウイルスのワクチン。その副反応はニュースやSNSなど、さまざまなメディアで取り上げられました。中高生の間でもたくさん話題に上がったようです。

■副反応が話のネタに
学校で友達と「副反応どうだったー?」などたくさん話していました。(みさきち・中学2年)

■コロナ禍あるある:ワクチンの副反応で学校を休む
新型コロナウイルスのワクチンを打つときは「ワクチン打つから副反応で明日休むかも~」と友達に話していました。クラスでも副反応で休んでいた人がいました。(めいけん・高校1年)
学校の友達は、「ワクチンの副反応出て学校休めないかな~」とよく言っていました。学校でお休みの人がいると、先生が「ああ、〇〇さん副反応で休みね」ということも多くありました。(きょもち。・高校2年)

2位 SDGs 51.0%
2015年に国連の会議で定められた国際的な目標であるSDGs(持続可能な開発目標、Sustainable Development Goals)。メディアに取り上げられるだけではなく、授業で扱う学校もあったようです。

■「SDGsに触れる機会が多かった」1年
学校でSDGsに関係したレポートを提出したり、SDGsのボードゲームを開催したりと、SDGsに触れる機会が多かった。(ちょんまげ・高校2年)

■「18個目の目標」を考えた
SDGs は学校の授業で18個目の目標をみんなで考えました。すべての人が活躍できる世界、空を守る、若者の政治への興味などいろいろな案が出ました。(めいけん・高校1年)



【jcjk2021】

Pass

「新語・流行語大賞2021」
No:5408 投稿者:三戸 投稿日:2021/12/04 Sat 16:11:55 [返信

今年の「新語・流行語大賞」は気づいたら、発表されていた(;_:)
(https://mdpr.jp/news/detail/2850623)

自分が選ぶ、top10は? ☆…大賞、○…top10、△…補欠、?…何?これ?

ノミネート語30リスト(50音順)
             三戸 木田 日々野 中村
・イカゲーム              〇  ○
・うっせぇわ        ○ ○   〇  ○
・ウマ娘            △   〇  ○
・SDGs           ☆  ○   〇  ○
・NFT           ?      ?  ?
・エペジーーン       ? ?    ?  ?
・推し活                ?  ○
・親ガチャ         ○ ○      ○
・カエル愛         ? ?   ?  ?
・ゴン攻め/ビッタビタ     ?   
・ジェンダー平等      ○ △      
・自宅療養         ○ ○   〇  ○
・13歳、真夏の大冒険      ?   ? 
・ショータイム         △   〇  
・人流           ○ ○   ?  ○
・スギムライジング     ? ?   ?
・Z世代           ○     △
・チキータ
・チャタンヤラクーサンクー ? ?   ?  ?
・ととのう 
・フェムテック             ?
・副反応          ○ ○   〇  ☆
・ピクトグラム          
・変異株          ○ ○   ☆  ○
・ぼったくり男爵        ?   ?
・マリトッツォ       △     〇
・黙食/マスク会食     △     〇  △
・ヤングケアラー      ?     △
・リアル二刀流       ○ ○      ○
・路上飲み         △  

【コメント】
三戸;新型コロナ関係が7、オリンピック関係が9、社会事象7、流行5、というところか…。
   オリンピック関係がイヤだなぁ…。
アナウンサーの煽りセリフや選手の言葉など、スポーツ新聞の見出しじゃないか!?
NFT、ヤングケアラーを知らなかったのは、社会科学者としてどうかなぁ…、
(フェムテックも考えて分かったが、はじめて聞いた気がする)
と思いはするが、知らない方が悪いだろうか…。今年は日経をあまり見てないからなぁ…。

◆日々野(12/11)
遅れましたが、先生有難うございます。
オリンピック関連で流行語が乱造されていますね。(ほんとうに流行語なのか・・?)
以前は、北島康介や高橋尚子といったその年の大会でもっとも注目された存在がいたように思います。
今大会は「この人!」という存在があまり思い浮かびません。それだけ、幅広い競技で底上げされているということでしょうか。
スポーツでいえば大谷の活躍がトップと思いますが、しかしショータイムも二刀流も今年なのか?いまひとつ今年の流行語という感じがしません。。

◆中村優希(12/13)
三戸先生、場立てありがとうございます。
コロナ関係の言葉は老若男女問わず使いましたし、その中でも今年最も頻繁に出てきた「副反応」
が大賞にふさわしいのでは、と思いました。
SDGs、ジェンダー平等は今年の流行語かと言われると少し引っかかる感じを受けます。
また、21世紀におけるキーワードであるにも関わらず「日本語」ではないという点も気になります。。。

【singo2021】

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2021年度浩友会
No:5407 投稿者:中村優希(長県大三期生) 投稿日:2021/11/29 Mon 15:39:58 [返信

11月28日(日)、13時から
2021年度の浩友会をオンラインにて行いました。

基本情報


活動日:2021年11月28日(日)
活動時間:13:00~23:15
参加者:三戸先生、古郡さん、中村(貴)さん、木田さん
    堀さん、中村(優) (計 名)

議論内容





【刮目】
中村優希 (長崎県立大学3期生)
昨日は19時過ぎからの参加になってしまい
学びの機会を失ったことが残念です
(どなたか簡単な概要や参加者の追記をして頂けないでしょうか)。
さて、私が参加した3次会の中で印象に残ったのは、
北野武映画がなぜヒットしたのか、という話でした。
“あえてナレーションや解説を加えない”点が欧州に衝撃を与えたのであり
それは日本画の“余白”とも共通するという話は面白かったです。



削除キー:koyukai2021

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告知!!!!もしかしたら…知らない人はいませんか
No:5406 投稿者:1期古郡です 投稿日:2021/11/27 Sat 11:20:48 [返信

11/28(日)!!!!!!
13:00~!!!!!!!!
浩友会ですよ!!!


※三戸先生は長崎からご参加されます。



1.日時 11月28日(日) 13:00~18:00(予定)

2.場所 Zoom

     Zoomミーティングに参加する

皆様と集まれることを楽しみにしておりますので、よろしくお願いいたします。


アドレスはメーリングリスト、FB(許可制)で!!!!!
間に合うかな…

【2021】


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No:5405 投稿者:しば 投稿日:2021/11/26 Fri 22:14:46 [返信

http://honten.info/bbs/cgi-bin/bbs.cgi

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新。オンライン浩友会(第八回)~日本と西洋の人間観の違い~
No:5404 投稿者:中村優希(長県大三期生) 投稿日:2021/10/01 Fri 12:59:39 [返信

9月26日(日)、13時から
八回目の新。浩友会オンライン勉強会が開催されました。
前半は、参加者の近況報告を行ない、
後半は、人間観、社会観、自由観の日本と西欧の比較を考えました。

基本情報



活動日:2021年9月26日(日)
活動時間:13:00~19:00
参加者:三戸先生、古郡さん、山岸さん、梶尾さん、
佐々木さん、三厨さん、井村さん、中村 (計8名)

議論内容



Ⅰ先生の近況報告と今夏感じたこと

日本経営学会に参加した。統一テーマは「変れない日本」。
それぞれ海外進出、人事、経営理念に絞った発表があったが
統一論題に合わせた発表をすることの難しさを感じた。
また、こうやったら上手くいくという風な事例報告に終始した内容
のものが多かった。

経営哲学学会にも参加した。統一テーマは「日本企業をどうみるか」。
初日は日本人から日本企業をどうみるか、という視点で発表があり
二日目は外国人から日本企業をどうみるか、という視点での内容だった。
これをそのままバラバラにしてはせっかくの統一テーマが活かせない。
外国人のそれと対比してこそ日本人からみる日本企業が活かせるのに、
そういうことをしないのであればあまり意味が無いのでは無いか。
そこで最終的に三戸先生がそれらの発表をまとめて、コメントをした。

いずれの学会も、統一論題に対する理解や意識が不十分であると感じた。
なぜこれが統一論題になっているのか、それと自分の研究はどう繋がるのか。
なぜやるのかといった根本的なところの理解を深めるべきと思う。

最後に経営行動学会の理事長に今夏三戸先生が就任した。
もともとは著名な菊池先生が立ち上げられ、一番弟子が2代目理事長を
務めていたが、菊池学会からの脱却を図るために三戸先生が
三代目理事長に選任された次第である。
カリスマ支配(菊池先生)→伝統支配(一番弟子)→合法的支配(三戸先生)
という流れである。

経営行動学会では、役に立つ研究をしたいと考えており、
そのために研究者が報告し、実務家の人達がそれを評価、批評するような
報告会も設けたいと考えている。双方にとってタメになるのではないだろうか。
論理的思考力などを育む貴重な機会にもなるから、
浩友会メンバーで興味のある人も入会してみてはどうだろうか。


この夏感じたことは、
目的的結果が大きければ大きいほど、随伴的結果も大きくなる
ということである。

例えばインターネットは時間・空間の制約を大きく超える事が出来る。
その影響はすさまじく、人々はインターネットをオルタナティブなもの
選択肢の一つと考えているかもしれないが、そういうレベルは超えている。
これによって巨大ピラミッド型組織からネットワーク組織に移るかもしれない。

20世紀の無限、マーケット、脳の時代から、
それらの負の随伴的結果である環境破壊を乗り越えるために
21世紀は有限、生態系、身体の時代へと移らざるを得ないだろう。
また現代は地域、ネットワーク、環境の時代である。
そのなかにおいて国際化や情報の意味が決まるのである。


進歩主義は目的結果達成のために様々な手段を採るのに対し、
保守主義は目的結果と不可分に現れる随伴的結果も考慮し、
立ち止まって「これでいいのか?」と問う。

20世紀の随伴的結果軽視の結果を乗り越えるためにも
新しい世紀には保守主義の思想が欠かせないのであるが、
現在の自民党や高市などは保守主義といえない。大丈夫なのであろうか。


2キリスト教価値観と日本の「まこと」
(1)リーダーに求められるものは?
メルケル首相が引退した。彼女は「自由」を大切にし、
移民を受け入れる一方で独裁的な人々(プーチン、トランプ)に批判し続けていた。
彼女は自由という準則を守る=責任を果たそうとしていた。
我が国の首相の準則は何なのか?その準則を守ろうとしているか?
そしてその姿勢を日本国民は尊敬することができているか?

(2)「自由」は大事か?
ドイツ国民は自由ゆえメルケルを選ばなかった。
現実世界は「自由」を従事する国と「自利」「強さ」を求める国に分かれている。
民主制国家(自由)より独裁制国家(強さ)の方が機能性、合目的性は優れている。
今世紀の課題である環境破壊やコロナなどへの対応力は後者の方が勝る。
肥大化した権利(意識)を持つ国より、強権的社会の方が有利だろう。

(3)「自由」は「人間の本性」か?
自由は人間の本姓であるから、自由を守ろうという意識があるが
果たして「自由=責任ある選択」は「人間の本姓」なのか?
これはキリスト教的価値観である。「選択」の部分は納得するが
「責任」の部分は納得し難い。「責任」は取り切れないのではないか
(例;殺人、原発・・・)。個人も社会も責任を取れなくなっている。

(4)「自由」は「正しい、本物」なのか
「自由」という観念を生んだのはキリスト教である。
『聖書』からは、人間は神以下獣以上の存在、
つまり「選択」をすることはできるが「過ち、間違い」を起こしうる
→「責任ある選択」を行う存在という考え方、人間観が現れている。
だが、「自由」はあくまで近代に生まれたものである。
「市民=ブルジョアジー」が「キリスト教、身分、共同体、伝統」
といった封建的性格のものを破壊する自己の正当化のために
「自由」という概念を持ちだした。

他の宗教は己の感情、欲求のまま動くことを戒めているのに対し、
自分の欲求、感情を満たすことを正しいとするのが、
(近代以降の)キリスト教、自由の捉え方なのである。

(5)「自由」と「自然」
日本人は「不自然(自ずからそうならない)を受け入れるか。
これまで日本人は人為、作為を不自然と考えてきた。
“道”は自然なものである。
キリスト教は神が自然を創ったとするのに対し、
日本を含むその他文明は自然の中に人間が生まれたと考える。
マーケット(無限)の時代から生態系(有限)の時代に移りゆくときに
キリスト教的価値観も限界を迎えてきているのではないか。

(6)西洋と日本
キリスト教的価値観の根本は「真・善・美」である。
真(=唯一のもの、唯一神)が善であり、美であると考える。
真は善と美の前提となっている。
一方、日本の美意識は「恥ずかしいか、みっともないか」である。
欧米の「善・悪」は日本の「恥(美)」である。
また、欧米のそれは絶対的なものに対し、日本のそれは相対的なものである。
そして、日本は自由・責任・真という価値観が入る前から、
立派な社会や文化を築くことが出来ていた。
果たして、キリスト・欧米の価値観の核である「真」に対応する
日本の価値観は「まこと」ではないだろうか。


「まこと」と読めるいくつもある。
慎、実、誠、信、真、(仁、命、任、・・・・・・)
果たしてどの漢字が日本的価値観の根本である「まこと」に相応しいのか。
各自考えてきて、次回議論したい。


【刮目】
中村優希 (長県大3期)
掲示板を立てるのが遅れてしまいました。すみません。
また、内容もまだ書き込みの途中です。。。
時間を見つけ次第、徐々に書き込みます。

さて、今回一番考えさせられたのは「まこと」とは何か、ということです。
キリスト教は「善いことであり美しいものは≪真(理)≫である」と捉えてるが
日本において「善いことであり美しいものは≪まこと≫である」という話がありました。
絶対的真実なのものを求める欧米と感情的、恥概念の根底にある「まこと」という意識。

私は「誠」の漢字が相応しいのではないかと考えます。
例えば、赤穂浪士の話は戦前から日本人にとって
感動的/肯定的に受け入れられています。
法律(真理、唯一の正しさ)という観点から見れば彼らの行為は善と判断されないでしょうが、
日本人にとって彼らの行為は善であり美しいものであると受け入れられている
のではないでしょうか。
そして彼らの行為は「誠実」「忠誠心」「誠意」に満ちた感情の表れだったと思います。

また、キリスト教と近代の二重の過ち、ねじれも勉強になりました。
(1)キリスト教の人間観:人間は「責任」を取り切れない
(2)近代ブルジョアジー:「自由(権利)」を自己満足追求の正当化理論とした




【koyukai8】

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新。オンライン浩友会(第七回)~随伴的結果と聖書から近代を考える~
No:5403 投稿者:中村優希(長県大三期生) 投稿日:2021/08/23 Mon 16:16:04 [返信

8月22日(日)、13時から
七回目の新。浩友会オンライン勉強会が開催されました。
前半は、ここ200年で社会を大きく変えた商品は何かを考え、
後半は「天地創造」の鑑賞を行ないました。

基本情報



活動日:2021年8月22日(日)
活動時間:13:00~19:00
参加者:三戸先生、古郡さん、梶尾さん、
    木田さん、三厨さん、中村 (計6名)

議論内容



Ⅰ 目的的結果と随伴的結果~社会を変えた製品の視点から~

世の中を変えた製品として、
エンジン、通信、戦車、戦闘機、ラジオ、テレビなどが挙がった。

例えば、戦闘機の登場によって、それまで陸上もしくは海上で
行うものであった戦争の定義が変わり、戦闘範囲が広がった。
また、民間人までが戦争被害の対象となるようになった。

やや脱線するが、戦闘機と一口にいっても地域によって特徴がある。
例えば欧州の戦闘機は航続距離が比較的短かった。
相手が近くに存在するため、そこまで航続距離は求められないからだ。
一方、日本の戦闘機は台湾から東南アジアを往復出来るほどの
すぐれた飛行距離能力を持つ戦闘機を開発していた。
地形に合わせて技術が開発される事例といえる。

このように、商品の影響力は3つの段階があるといえる。
(1)現場を変える
(2)社会制度・法制度を変える
(3)人々の考え方や意識までを変える


テレビはラジオよりも影響力の大きい商品である。
ラジオは聴覚のみを刺激する。そのため、人々の想像力を掻き立て得る。
一方テレビは聴覚と視覚を刺激し、人々に“与える”という感覚がある。
テレビを見る人間から想像力を奪い、人間の考えるという能力を削ぐ。
視聴者を分かった気にさせ、主体的に動かなくさせる。

つまり、“人間にどう影響を与えたか”という視点から考える場合、
テレビは(3)人々の考え方や意識までをも変える力を有するため、
テレビの方がラジオより影響力が大きいと言える。

テレビにしろインターネットにしろ、商品/サービスは
人々の生活をより豊かにするという目的をもって誕生し提供される。
その目的的結果を達成するかどうかに、企業は関心を集める。
だが、随伴的結果にも目を向けることが必要なのではないか。

テレビ、そしてメディアは人々の想像力を奪っている。
テレビ(と放送局)の随伴的結果ではないか。
果たしてこのことを自覚している人はどれ程いるのか。

また最近はインターネットの発展が著しい。
ネットの凄さは答えがすぐ分かることと、関連リンクを追うことで
関連する情報をどんどん集めることができる点である。
ネットはテレビと異なり、自分で主体的に情報を集めることができる。
そしてそれらの情報をまとめれば自分だけのファイルが作れる。

一方で適切な検索ワードを打ち込めるよう考えることが求められる。
面倒だがそこに思考が生まれ育つ。「正解の検索」は思考を育てない。
インターネットを益するモノにするか害するモノにするかは、
その点に気づいているかどうかで変わるのではないだろうか。
インターネットの随伴的結果を少なくするためにも、
この事を自覚すること求められる。

今世紀溢れている製品の多くはプラスチックのものである。
そういう意味でも、プラスチックは世の中を変えた製品の1つだ。
プラスチック製品は軽量・安価・加工しやすいという目的的結果があった。
だからこそ、世界中に広く深く浸透しているのであろう。
しかし、「目的的結果が大きければ大きいほど、随伴的結果論も大きくなる」。
環境破壊、地球温暖化はまさにプラスチック製品の随伴的結果だ。

廃プラスチック運動はその随伴的結果への反省の表れであろうが、
今世紀を代表し、世の中を変える製品となっている分、
廃プラスチックを達成するのは極めて難しいのではないだろうか。

飛行機にしろ、テレビやインターネットにしろ、プラスチックにしろ、
それぞれの製品が登場したときは、まさに“進歩”として歓迎された。
その目的的結果の大きさに人類は好印象を抱いた。

人間を無限と捉え、ひたすらに便利さや機能性・合理性を追求してきたのが
近代であった。だからそれらの製品を好ましいモノと捉えてきた。
目的的結果のみを考えるのが進歩主義なのである。


しかし、目的的結果のみを考えていてはいけない
ということが明確な時代となった。世の中を変えた製品を考えただけでも
それが明らかだということが今回分かった。

目的的結果だけでなく、「もしかしたらそれによってとんでもないことが起きるかも」
つまり随伴的結果を思慮することが不可欠だということが明確になったのだ。

それなのに、未だに多くの人はそれを自覚してないのではないだろうか。
例えば、組織のあり方は伝達=コミュニケーションによって変わるため、
伝達の変化というものは社会に与える影響が大きい。
なのに、テレワークやインターネットによる情報伝達が
無批判かつ猛烈に追求(奨励)されているように思う。
それは確かに便利であり、目的的結果も大きいものであろうが
その分随伴的結果も大きいはずである。

なのに、インターネットによる情報伝達の随伴的結果への関心は
未だに低い。その随伴的結果が未だに明確になっていないことが
それを証明する何よりの証拠である。

このように、問題意識を持つことは大事なのに学校ではそのことを教えてくれない。
なぜなら受験に悪影響を及ぼすからだ。
だが、目的的結果と随伴的結果という視点は今後ますます必要になるだろう。
そのような意識を持って近代を反省しつつ、将来を考え作るべきである。


Ⅱ 近代の根底にあるキリスト教と聖書

後半は、旧約聖書を扱った映画「天地創造」の前半部分を鑑賞しました。
キリスト教の世界観を見て分析し、
近代の根底にある価値観などを議論しました。
以下、前半部分を見て挙がった意見になります。

創造といいながら、分けて名前をつけている(光と闇、海と陸)。
無から有をつくると言う意味での“創造”
(=日本人がイメージする創造)ではない。

太陽や月もキリストが創っている。他の神話や宗教では、
それぞれに神や守護神がいる、宿っていると考える。
キリスト教は創造神だが、他宗教は自然神である。

自然は神が創ったのであり、人間にそれを治めさせようとする。
自然は神の、そして人間の所有物であるという考えが見て取れる。

神は人間に対して、動物に名前をつけるよう命令する。
名前をつけるという行為=大きい行為である
という認識があることが分かる。他宗教では見られない。

キリスト教は、①分類→②命名→③所有という構造である。
科学も①分類→②命名(概念として誕生させる)→③技術として利用する
という構造である。キリスト教と科学には相通ずるものがある。

聖書からは、ドギツイ女性差別があることが分かる
(女は後から誕生し、蛇に騙され、男を唆す)。
激しい女性差別があったからこそ、男女平等の概念ができたのではないか。

なぜ神は、善悪を知ってはいけないとしたのか。

基本的に、「~すべからず」ばかり。
「~すべき」ということを一切問わないという点で
法律、そして法治社会と同じではないか。

カインは「所有」を意味し、アベルは「生命」を意味すると説明する。
カインの意味は「財産」の方が適切ではないか。

神にお供えをするシーンで、カインはケチったが故に
神から罰せられるシーンがある。神のお供えを“財産”と思うから
神から罰せられたのではないか。

カインの子孫ばかりになった世界では、
他人を奴隷とする者が誕生することで、
世界が富むものと奴隷とに分化する。
他人の生命を奪う=財産・所有ということを示唆しているのか。

ノアの箱舟は天地創造を再び行ったということであろうが、
なぜ動物まで滅ぼしたのであろうか。

ノアをあざ笑う人々のシーンがあったが
彼らは中南米系の、邪教を信じる人々を起用していた。
この映画を作ったハリウッド、アメリカ型の価値観が見て取れる。
箱船の船内シーンは圧倒的に「動物園」だったが、
これもアメリカ型の価値観の表れであろう。

この映画からは、キリスト教の考え方とアメリカ型の価値観を
見て取ることができるのが面白い。

西洋は、人間を自然から離れている、離れる得る存在と捉えているが、
日本人は、人間は自然の中にある、と捉えるのが自然ではないか。
西洋と日本では、自然観、人間観が異なる事が分かる。


●きだ 25期

中村くん、報告ありがとう。

今回の感想としては、伝統、文化に立つということに加えて、随伴的結果も重視する、
生態系の視点に立つという保守主義の捉え方が印象に残りました。
また、コロナ禍におけるZoomなどバーチャル技術の進展はどのような随伴的結果をもたらすのか、も気になりました。

天地創造の視聴では、旧約聖書の「創世記」の1~9章の部分までを視聴しました。
(https://ja.wikisource.org/wiki/%E5%89%B5%E4%B8%96%E8%A8%98%E5%8F%A3%E8%AA%9E%E8%A8%B3)

議論では、非宗教的なニュートラルな立場からみて、色々な疑問について議論しました。
たとえば、なぜ光や闇の随分あとに太陽と月が作られたのだろうか?
という点や、一神教でありながら、神が「我々の姿に似せて」人間を作ったと表現されるのか?などです。

また、先生からは、「われわれのかたちに、われわれにかたどって人を造り、これに海の魚と、空の鳥と、家畜と、地のすべての獣と、地のすべての這うものとを治めさせよう」
といった点に現代の西洋まで続く自然観が現れているのではないか、
分類し、命名し、コントロールしようとする思想は科学の誕生の土壌となったのではないかという指摘がありました。

●中村優希(長県大3期生)

木田さん、録画の共有ありがとうございました。
おかげで、後半部分の記入をすることが出来ました。

今回一番勉強になったことは、
キリスト教の自然観=自然は神や人間の所有物であるということです。
人間の所有物だからこそ、あそこまで自然を搾取できたのでしょうか。
考えてみると、日本は八百万の神という考え方があり、
何か自然に対して畏怖の考えがあると思います。

そして今回、一つ疑問に思ったことは
キリスト教(古代)ー(中世)ー近代の繋がりです。
近代の根底にはキリスト教的価値観があることを知ることができましたが、
ではなぜ、一旦中世を挟んだのでしょうか。

神学論争があったり、魔女狩りがあったりと、
むしろ中世の方がキリスト教が信奉されていたように思います。


【koyukai7】

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No:5402 投稿者:1期古郡です 投稿日:2021/08/17 Tue 14:52:35 [返信

毎年のことでしたが今年はシャレにならない事態となっています。
先生におかれましては安全第一でお過ごしください。


オリンピック中はゆっくり観戦もできず
掲示板にも反応できずですみませんでした。
次回のゼミが近づく中、先日の録画の編集版が
できましたのでご報告します。私のしゃべりが
グダグダでとてもとてもお見せできるレベルでは
ないことが判明、文字で編集し直しました。


本編、先生の講評に、前回発表した予告編を
付けてあります。本編+予告編でゼミの方々には
理解できるような作りになっています。
ぜひそちらもご覧ください。


YouTubeの映像は限定公開となっているため
ここにアドレスは載せていません。
メーリングリスト、または三戸ゼミ浩友会FB、
または木田くん宛でご確認を。


よろしくお願いします


中村優希(長県大3期生)

古郡さん、動画の共有ありがとうございます。
この映画をみる(分析する)視点をまとめたものと、
私の感想を書きます。

ファアストの3つの視点

●市民ファーストの過剰化による自分(大衆)ファースト化
(1)ファアスト(何を優先するか)
《企画室長 お年寄り》―《副市長 市長が決めたこと》
市長はパブの女性従業員ファーストであり
地域の人々は自分ファーストの発言をしていた

●日本の会議の特殊性
(1)権限と責任の問題
病院理事長は権限は行使するが責任はとらなかった

(2)根回し
決定権を有する人物に対して、事前に接待を行ない許可を得るシーン
が印象的

●その他
(1)組織人格VS個人人格
一個人(個人人格)としてはお年寄り用タクシーを実現したいが、
企画室長(組織人格)としては上のいうことを聞かざるをえない。



視聴しての感想

動画を改めてみた感想は、
この場合の市民に《権利》はあるが《権限》はない、ということです。
ここでは独自に権利と権限を以下のように定義します。
権利:人間であれば誰にでも認められているもの。
権限:自分以外の人間に影響を与えられる権利。
   他者に影響を及ぼすため権限を有するためには正当性が必要となる。

桐生市活性化の案に対して意見を述べる《権利》は多くの登場人物が持っていましたが、
その案を決定する《権限》を有していたのは市長と病院理事長だったと思います。
どちらかが反対してしまえば、この案は社会的/経済的に頓挫するからです。

なお、権限は他者にも影響を及ぼすため正当性が必要とされると思います。
今回その正当性の根源となっていたのは「市民の代表である=市長」
もしくは「金銭を提供する=病院理事長」だったのではないでしょうか。

逆にいうと、「この町で生まれ暮らしていく我々は大きな影響を受けるのだ」
ということは直接的には正当性の根源として認められない(もしくは弱い、劣る)ため、
市民は権限を有していなかったとも見られると思います。

一方で、権限を有するものは明確な責任も負っています。
市長は、承認した案が失敗すれば市民の信頼を失い失職しえず、
病院理事長も、資金を提供した事業が失敗すれば金を失いますし、
職員からの信頼も失う可能性があります。

正当性を有するということはより明確な責任を負うということではないか
と感じました。

その一方で、このような状態が続けば市民には諦観観念が生じるのではないかと思います。
少し場面は異なりますが、「どうせ選挙に行ったって・・・」という言葉を
ネット上ではよく見かけます。選挙の投票率低迷が騒がれて久しいですが、
その根底には市民が、「権利はあるけど権限はないから行ったって意味ない」
ということを感じているからではないかと思います。

長くなりましたがまとめますと
市民に権利はあるが権限はない。なぜならその正当性=明確な責任を負う
ということを保証していないからだ。
ということです。

さらに論理を飛躍させれば、
行政主導のまちづくり・まちおこしは、
市民が大きな権限を有さないため諦観観念を惹起しやすいが、
市民主導のまちづくり・まちおこしは、
市民が大きな権限=責任を有する分本気のものになりやすい
とも言えるかもしれません。

今後も地元で生活していく私は以上のようなメッセージも(勝手に)受け取りました。
みなさん、古郡さん。勉強になりました、ありがとうございました。


【202107】

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柔道まさかの団体銀
No:5401 投稿者:10期千﨑 投稿日:2021/07/31 Sat 22:08:31 [返信

ショックですねぇ(@_@)フランスは偉かったですが、柔道では実力が完全に上に見えましたが・・・井上監督日本人らしく個人戦のリベンジをさせてあげたいようなオーダーを・・・まさにJUDOの勝利でしたT_Tしかしこういうことが有るのがスポーツの面白さでも有りますね~>_<

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柔道のルール
No:5400 投稿者:10期千﨑 投稿日:2021/07/30 Fri 23:44:25 [返信

余談でもう一つだけ、先生のおっしゃる通り柔道のルールが攻めさせるように変化しているのは良いことだと思いますが、そもそも今の「技有り」が見る限り昔の「有効」と「技有り」のミックスになっているのが非常に残念です。日本の柔道経験者なら有効と技有りは明らかに分かりますが、どうしてか外国人はわからないようです。それゆえに中間評価で有効が廃止され技有りだけになっているのですが(元々は「効果」も有りましたがそれが廃止されたのまでは納得していますが)、今も世界に指導しには行っているようですが、完全に柔道の技の本質の指導不足が広がっていますね。JUDO が一人歩きするのだけは避けたいですね

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柔道原沢氏
No:5399 投稿者:10期千﨑 投稿日:2021/07/30 Fri 23:22:49 [返信

まさに先生の仰る通りで姿勢が残念でしたね。私もテレビの前で『早く技をかけないと負けるぞ!』と怒ってましたが・・・
ただ柔道経験者から原沢氏の立場に立ってみると、
おそらく準々決勝・準決勝で共に延長戦になり、体力が限界に達していたのでしょう。そしてその結果精神的スタミナまで限界になり、3位決定戦の後半でついに頭が朦朧となった状態で戦っていたのだと思われます。私も経験が有りますがそうなると外からの景色が全くわからなくなります(^_^;)伝統の最重量級で代表になっている段階で地力は確実に有るでしょうが、問題は全世界にテレビ中継されるような試合なので外向けにも見るに耐える部分の面でも鍛えないといけない、その為には朦朧とならないような精神的な鍛錬、更にはその為には根本的なスタミナの鍛錬が不足していたと考えられます。(~_~;)今回のオリンピックの柔道は今まで素晴らしい結果だっただけに非常に残念ですが、救いは今回は団体戦が有り、金メダル以外あり得ないでしょうから柔道競技は有終の美を飾ることが出来そうではあります(^◇^;)

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メダル
No:5398 投稿者:千﨑 MAIL 投稿日:2021/07/30 Fri 21:07:30 [返信

ベッティング遅れて参加できずすみません。自国開催ですが無観客ということでメダルは皆んなの予想より少ないと思っておりましたが思ったより取っていますね。しかし確実と思われる選手が取れなかったり伏兵が取ったりしているところが有り、その差が何かを考えることが面白いですね!

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みんな、オリンピックで語ろう!
No:5397 投稿者:酔狂先生 投稿日:2021/07/27 Tue 13:18:40 [返信

○三戸(7/27)
「選手たちの一生懸命」は見させられる。

浮かんだことを列挙。
開会式
・陛下の開会の挨拶の時に、菅と小池は着席したまま、(注意されたのだろう)途中で立ち上がった!!!!!
・イタリアのユニフォームが一番センスが良かったんじゃないか
・「木遣り」等の伝統文化はそのまま見せないと、下手な演出で薄っぺらくなる。
・知らない国がこんなにあるんだ…。
 いつの間にか独立している。
 いつの間にか国名が変わっている。
 日頃、耳にする他国のニュースは欧米中ロ韓などせいぜい10~20か国。
 知らない小国も、国連で1票持っている。
オリンピックの意義・価値
・オリンピック以外のスポーツ大会なら見ない種目がほとんど。
 トライアスロン、カヌー、スケボー等々
 オリンピックなら見てしまう!!
・ロシア選手が国家から送り出されてないという政治の舞台になっていても、
 こんな暑いときにアメリカのTVに合わせて開催されるという商業主義に染まってきていても、
 「難民選手団」の存在は、オリンピックの価値としてまだ残されている象徴かもしれない。

各競技
スケボー
・スケボーで、13歳で金メダルで大騒ぎ。
 岩崎恭子の「生まれて一番幸せ」という言葉を思い出した。
 僅か14年間の人生でこの言葉は「相応しくない」のでは?
 その後の彼女の軌跡は…。
 今回、「史上最年少!」と騒ぐが…。
・水泳とスケボーの違いはある。
 どうもスケボーは10代に向くスポーツじゃないのか?
 身の軽さ、痛みに対する感覚等々…。
 そんな中で30代の選手がいたが、残れなかった。
 経験があまりプラスにならない種目なのか…。
柔道
・柔道最重量級の男女日本代表選手の戦う姿勢はまさに対照的だった。
 女子の素根は技をかけ続け、相手が指導3つで金メダルを勝ち取った(表彰台の4人のうち、ダントツに小さい)。
 男子の原沢は、4年前に負けた相手に勝つために5年間頑張ってきた、というのに、
 技をかけて攻めねば指導で負けることが分かっているのに、逆に、技をかけることをせず/できず、指導3つで負けている。
 相手がうまいと解説では言うが、その相手に勝つために5年間…、というなら…。
 歯がいい試合の後の記者会見で、みんなのおかげでここまで来れた、と感謝の言葉を2度も発しているが、
 申し訳ない、恥ずかしい、と言わない。
 素根もみんなの支え・応援があったはずだ。
 それに応えて、日の丸と君が代を世界に示した。
 スポーツは姿勢が「感動」を産むのだ。
・柔道のルールが、「攻めさせる」という方向で変更してきている。
 蹲れば、「待て」で試合が中断する、という情けない情景は残っているが、
 かつての「勝つ」ということのために「攻める」を放棄した柔道から相当変わってきている。

メディアの伝え方
・「最年少メダリスト」「日本初の金メダル」「兄妹同時金メダル」などなど
 メディアは「キャッチコピー」を付けたがり、
 それを連呼し続ける。
・キャッチコピーは「意味付け」だ
 どう意味づけるか?
 メディアは「目を惹く」ために。
 だから「惹句」と訳す。
 見る方は、メディアの「惹句」で見させられていないか?
 惹句を与えられていない選手にもドラマがあり、血の望むような努力があるのでは…。
 兄妹での金メダル、よくやった、おめでとうと二人には言いたい。
 だが、二人は「特別」か?
 
その他
・日本の若者たちはすごくないか?
 よく、ここまでの結果を出している!
 そして、そのような若者を産出し、育てたこの「日本という国・社会」はすごいと思う。
・誰のために戦うのか、出場するのか?
 A.自分のため、B.周りの人・支えてくれた人のため、C.国にのため
 ほぼすべての選手の口から「B」への感謝の言葉が…。
 戦前・前回の東京五輪の時は「C」を口にしていた。
 彼・彼女たちも、感謝の気持ちを持っていただろうが、口から出た言葉は…。
 なぜ「BからCに?」何がそう変えた?
 「BからCに」で、何を得、何を失った?

・空手の清水が銀に終わった。
 清水は先に型を見せる相手選手の姿を見ない。
 相手を見たら冷静さが保てない、力が発揮できない、というのは…。
 「武道」、「道」なのだが…
 「勝つため」には、に組しない。
 相手の姿を見ても影響されない「不動の心」が「武道」ではないのか…。
 清水の演武は力が入りすぎているように見えた。
 彼女は、「日本大会で武道を…」「空手を人々に知ってもらいたい」というようなことを言っていた。
 何を見せたかったのか、わかってほしかったのか?
 「勝ち」と「空手、武道」のどちらを見せたかったのか?
 彼女は「絶対女王」だそうだ。
 武道は「心技体」の統合であり、「心」が一番最初ではないのか?
 (弓道を見よ!)
 まあ、グローバル化していない相撲があの体たらくでは…

・断っておくが、
 私は清水選手や個々の選手を否定するつもりはない。
 選手たちが、どれほどの思い出、どれだけ練習してきたか、
 勝った喜び、負けた悔しさは、想像する以上、というより共感しえないことだ。
 問いたいのは、空手界や各界の指導者、
 そしてこの国の在り方である。 


〇日々野(7/27)
先生、ありがとうございます。

開会式やその後の中継を見ていて、
撮影や映像配信の技術も進歩している(していく)のだと気づかされました。(4年に1度、技術の進歩をお披露目する場でもある。)
web会議のクオリティが上がったように、映像配信のクオリティが上がっていけば、
会議室の必要性が下がったのと同様に、大きなスタジアムも不要となるかもしれません。無観客試合が標準となっていく?
それでも、スポーツを観戦し、感動や興奮を共有したいという欲求はなくならないと思います。
大きなスタジアムからより小規模な集まり(パブリックビューイングやスポーツバー等)に分散していくのか。
あるいは、仲間と一緒に観戦するという欲求さえネットが取り込んでいくのか。
(あつ森やニコニコ動画(配信を見ながらコメントを入力できる)といった例があると思います。)


【OLI2021】

Pass

新。浩友会オンライン勉強会(第六回)
No:5396 投稿者:中村優希(長県大三期生) 投稿日:2021/07/24 Sat 16:26:24 [返信

※オリンピック・ベッティングのスレッドはこの下にあります!!

7月23日(金・祝)、13時から
六回目の新。浩友会オンライン勉強会が開催されました。
前半は古郡さんの作成された映画を鑑賞し、
後半は東京オリンピックに関して議論を行ないました。

基本情報



活動日:2021年7月23日(金・祝)
活動時間:13:00~19:30
参加者:三戸先生、古郡さん、山岸さん、梶尾さん、日々野さん、
    木田さん、三厨さん、堀さん、中村 (計9名)

議論内容



Ⅰ市民ファアスト ~自分ファアストと責任感~
前半は、古郡さんが作成された映画「ファアスト」本編を鑑賞しました。
先生からは、市民ファアスト=自分ファアストという訳ではない。
しかし、“大衆”の誕生により日本社会はそのようになってきている。

ということを話されました。

参加者からは、
欧米の企業は意見を言うのも責任があり、決定を下すのも責任があるが、
日本の場合は意見を言った人に責任が生じてくる
といった違いがあるのではないかといった感想がありました。

なぜこの映画が海外で評価されたのかについては、
根回しをしたり、OKを出す責任者が会議に不在であるといった
海外では見られない日本の特殊性が評価されたのではないか
という分析を行ないました。

最後に先生から、
経営学からどれだけ現実を描けるか“啓蒙”も狙っているのであるから、
解説の冊子なども作って、国内にもっと広めても良いのではないか
と評されました。


Ⅱオリンピック問題~何のためにあり、罪はどう償うか~
後半は、東京オリンピックについて、以下のテーマで議論しました。
(1)東京オリンピックは開催すべきか
(2)小山田・小林氏の解任問題をどう見るか

(1)東京オリンピックは開催すべきか
先生からは、東京オリンピックは開催すべきであると説明されました。
理由として、オリンピックは武力(戦争)に代わる国家間の争いとしてあり、
スポーツで競うことで、国家間で争いつつも国民を怪我させなかったり、
さらには相手に拍手を送ったりすることができる。
また、国家の目標、国民の目標としても意義はあるので
オリンピックはあるべきだ、と話されました。

ロシアや中国との対立が激化している世界情勢を踏まえ、
またコロナワクチンの収奪戦によって国家間の軋みが生じてきている中、
オリンピックで"健全に"国と国とで戦うようすること、
さらに、コロナ禍でも日本はオリンピックを開ける、楽しめることを
示すためにも東京オリンピックは開催すべきだった、とも述べられました。

しかし、日本の政治家のせいでこれだけのオリンピックになってしまった。
オリンピックは“すべき”ことだったから、本気になれば、
もっと準備ができはハズだ。
オリンピックをハナからやると決めていたが故に、
オリンピックの価値(重要性)を確認することを怠ったことが
このようなオリンピックになった原因ではないかとも分析されました。

なお、無観客開催については、テレビで見る大多数の人間にとって
テレビで見ることと無観客は同じだから、何も問題なのではないかと話されました。

まとめますと、
オリンピックは、国家間の競争を健全に行うことができ、
また国家・国民の一つの目標となるので開催すべきである。
だが、日本の政治家がオリンピックをやるとハナから決めていたが故に
オリンピックの価値の確認を怠り、これだけのオリンピックになってしまった。
なお、無観客開催については問題ないだろう
、ということになります。

「オリンピックは選手のためにあるのではなく、国家のためにある」
この視点は参加者が今回新たに得たものだったと思います。


(2)小山田・小林氏の解任問題をどう見るか
<以下、木田加筆>

●小山田・小林氏の解任について
ここでは
・何が許され、何が許されないのか?
・責任はいつまで負うのか?
・謝罪の仕方はどのようであるべきで、どうすれば社会は認めるのか?
などについて、ゼミ生の意見を順番に述べ、先生からお話しいただいた。

ここでは、どのような罪があったのか? 失言によって不快感を与えたこと、誰かを直接気づけたこと、
それを反省したのかどうか、という問題がまずあり、
どのような責任のとり方をしたのか?ということがあること、
一連の問題は本質的には倫理的な問題、他者への配慮の問題であり、インターネットなどの技術的な問題は表層に過ぎないことが指摘された。
また、罪が許される過程として、「みそぎ」があり、それは世間からの隔離・謹慎や奉仕活動などの謝意を反映する振る舞いなどを含んでいることが指摘された。
社会における人と人との関係には、役割による関係と、個人同士の関係があり、
部下などに対する期待と配慮のバランスをよく考える必要がある、というお話しもあった。

<以上、木田加筆>

【刮目】

●中村優希(長県大3期)
みなさま、先日はありがとうございました。
取り急ぎ、前半部分を記します。
後半部部も随時書き込んでいく予定です。

後半部分を追記いたしました。
木田さん、加筆ありがとうございました!
今回感じたことは、漠然と大事なことだと認識していたが故に
それに本気で取り組むことができなかった、という矛盾です。
なぜやるのか、何のためにやるのか、
菅氏はその意義を「復興の証として」から「コロナに打ち勝った証として」と
二転三転させ、その中身も空疎だったように思います。
大事なことだと認識しつつ、なぜ・何が大事なのかを吟味せず
その結果本気になって取り組めなかった政府。他山の石としたいです。
(7/26 追記)

●木田 横国25期
中村君、報告の作成有り難う。
※と最後のテーマについて、加筆してみました。
振り返っての感想としては、まずは事実の観察や把握をしっかり行うことが必要だと改めて感じました
(たとえば、小山田は加害者で小林は直接的な加害者ではないことは、
言われてみれば当然だが議論の中で意識されていなかった)。
また、このような最近の出来事についてでも、過去の行為、罪、責任、償いについて抽象的な視点で見て、
たとえば日本の戦争責任など様々な問題と共通する構造を見出して考えることを行いたいと感じます。

●三戸
 中村君、木田君、ありがとう。
 情報提供を。

小山田・小林炎上騒動に関する「なるほど」の分析を紹介したい。

<b>A.「小山田圭吾炎上騒動に学ぶ、企業担当者が「ブラック著名人」とのコラボを避ける方法」
https://www.itmedia.co.jp/business/articles/2107/19/news158.html
(前略) では、どうすれば「ブラック著名人」トラブルを避けることができるのか。まず、「身体検査」がもっとも有効なのは言うまでもない。CMやコラボ先の候補として名前が挙がった段階で、過去のスキャンダル、ネットやSNSでどのような評判・風評があるのかをチェックする。自分たちでやっている暇がないのなら、外部に頼んでもすべきだろう。ただ、これは言うは易しで、現実に行っている企業・団体は意外と少ない。実際、組織委員会もやっていなかった。
東京オリパラ競技大会には、「全員が自己ベスト」「多様性と調和」「未来への継承」という3つの基本コンセプトがある。企業でいうところの、理念、フィロソフィー、ミッションに近い、「われわれはなぜ五輪をやるのか」といった、そもそもの存在意義にも通じるほど大切なものだ。
 この中でも「多様性と調和」が非常に重要であることは言うまでもない。IOCも「インクルージョン(包摂)、ダイバーシティ、平等はIOCのあらゆる活動の核心的な要素であり、差別禁止はオリンピック・ムーブメントの主要な柱です」と声明を出している。
 では、オリンピックの「心臓」といってもいいこの「多様性と調和」を組織委員会の中で推進しているのは誰かというと、ダイバーシティ&インクルージョン(D&I)推進ディレクターの茅和子氏だ。
(略)
組織委員会のWebサイトにある「組織図」をご覧になっていただきたい。事務方トップである、武藤敏郎事務総長(CEO)の直轄部署として、「パラリンピック統括室」「セレモニー室」「聖火リレー室」「ゲームズ・デリバリー室」などの部署が並んでいるが、「ダイバーシティ&インクルージョン推進」はどこにもない。
武藤氏と並ぶ、副事務総長や、チーフ・セキュリティ・オフィサー(CSO)、役員室長、スポーツディレクターなど幹部の並びの中にも、「ダイバーシティ&インクルージョン推進ディレクター」という役職は見つけられない。
 では、IOCが「あらゆる活動の核心的な要素」と位置付けるダイバーシティ&インクルージョンの推進ディレクターはどこに入るのかというと、組織図の中で幹部たちの集団から分離された形で並んでいる管理部門。実はさまざまなインタビュー記事を見る限り、茅氏の肩書きは「総務局 人事部 D&I推進担当 ディレクター」となっているのだ。
企業に勤めの方ならば、筆者が何を言わんとしたいかもうお分かりだろう。営業部やマーケティング部がコツコツと進めてきたプロジェクトに対して、人事部の部長が「ちょっとそれダイバーシティーの観点から問題だから白紙に戻してくれる?」なんて口出しをすることができるだろうか。できるわけがない。会社によっては、そもそも人事部にそのような情報すらあがってこない可能性さえある。
 組織体制の細かな違いはあれど、「総務局人事部D&I推進担当ディレクター」も同じではないか。組織委員会という巨大組織の中で、セレモニーを担当する人々が、さまざまなアーティストたちと水面下で交渉を続けているところに、いちいちダイバーシティ&インクルージョン推進の担当者に人選などでおうかがいを立てるだろうか。逆に、もし情報が共有をされていたとしても、人事部が首を突っ込んで「ネットやSNSで障害者いじめの過去が指摘されているから小山田圭吾はNGね」なんて意見が言えるだろうか。
(略)
「危機に弱い組織」は、往々にして広報や総務といった管理部門が弱いケースが多い。逆に、社長直轄の広報や秘書が危機管理を担うような組織は、不測の事態にも対応できる。
組織委員会が前者であることは言うまでもない。「多様性と調和」という「五輪の魂」とも言うべき重要な要素をチェックする部署、責任者は本来ならば、武藤事務総長の真横にあってもおかしくない。しかし、総務局人事部という、取ってつけたと勘違いされてもおかしくないようなポジションに冷遇されている。
不祥事が多発するのは、組織が何を大切にすべきか、優先すべきかを見失っているからだ。では、なぜ見失ってしまうのかというと、組織の体制がそうなっていないからだ。組織が最も優先しなくてはいけないことを担当する人々に「権限」を与えていないのである。つまり、危機管理の本質とは、「組織づくり」なのだ。
(後略)

<b>B.「さんま、小山田圭吾&小林賢太郎氏の騒動に嘆き「先輩やけど、おいらの時代でも載せられない」
https://www.sponichi.co.jp/entertainment/news/2021/07/24/kiji/20210724s00041000690000c.html
(前略)さんまは、この件に触れ「雑誌社とか、VTRを製作した人たちの気持ちが全くわからない」とキッパリ。「ふつう、俺らがそういうことをやったって『これは外に出せません』『この話は面白いんですけど載せれません』の2つやねん。あいつらの先輩やけど、おいらの時代でもやで」と、時代背景を考えても納得できないという。(後略)

<b>C.「小林氏解任、原因は演出チームの内部抗争や人選ミスか」
https://www.sponichi.co.jp/entertainment/news/2021/07/23/kiji/20210723s00041000107000c.html
(前略)昨年12月に佐々木宏氏が総合統括に就任した当時から暗雲はたちこめていた。当初は振付師のMIKIKO氏(44)が実質的な責任者で、プランもIOCから高く評価されていたが後に辞任。裏では佐々木氏がMIKIKO氏を孤立化させ“クーデター”をたくらんでいたとの情報もある。
 その後、タレントを侮辱する“ボツ案”が明らかになり、佐々木氏が辞任することになった。佐々木氏が指名した小林氏も、その小林氏が選んだ小山田も自身の過去が明るみに出て離職。全ては演出チームの内部抗争や人選ミスで起きたとみられる。(後略)

以下、ネットで拾った関連記事を紹介
小山田圭吾 いじめ告白掲載出版元が謝罪「被害者の方を傷つけるだけでなく差別を助長する不適切なもの」
https://www.sponichi.co.jp/entertainment/news/2021/07/19/kiji/20210719s00041000514000c.html
江川紹子氏 “小山田問題”で組織委のリサーチ不足指摘 これまで問題にしてこなかった音楽業界も批判
https://www.sponichi.co.jp/entertainment/news/2021/07/19/kiji/20210719s00041000527000c.html
中瀬ゆかり氏 小林賢太郎氏解任で聖書引用「過去からの復しゅうを考えさせられた」
https://www.sponichi.co.jp/entertainment/news/2021/07/22/kiji/20210722s00041000471000c.html
米山元知事 小林賢太郎氏解任に怒り「この人を多少なりとも擁護しない日本政府は何なのか」
https://www.sponichi.co.jp/entertainment/news/2021/07/22/kiji/20210722s00041000542000c.html
ホリエモン「やっぱりこれだけ感動するから足の引っ張り合いもすごいんだな」 東京五輪開幕に私見
https://www.sponichi.co.jp/entertainment/news/2021/07/24/kiji/20210724s00041000457000c.html
茂木健一郎氏「フェアでない」 小林賢太郎氏への批判に持論、“ネット民”は「何も考えていない人たち」
https://www.sponichi.co.jp/entertainment/news/2021/07/22/kiji/20210722s00041000392000c.html
茂木健一郎氏“いじめ告白”小山田圭吾氏の騒動についての解決策「担当を外すか、もしくは…」
https://www.sponichi.co.jp/entertainment/news/2021/07/16/kiji/20210716s00041000331000c.html
アンミカ 小山田圭吾のいじめ告白掲載の意義に疑問「謝罪をさせるのか、何のための雑誌なのか」
https://www.sponichi.co.jp/entertainment/news/2021/07/19/kiji/20210719s00041000342000c.html
遠野なぎこ「自慢げに語ってたんですよ?異常ですよ」小山田バッサリ「野放しにしとくんですか?」
https://www.sponichi.co.jp/entertainment/news/2021/07/19/kiji/20210719s00041000585000c.html
ふかわりょう、小山田問題言及 バラエティーといじめは構造似ている 今後は「その構造利用せずに活動を」
https://www.sponichi.co.jp/entertainment/news/2021/07/19/kiji/20210719s00041000556000c.html
ヤマサ醤油が謝罪「ご不快な思いやご懸念を」 “挑発ツイート”田辺晋太郎氏との契約は6月で終了していた
https://www.sponichi.co.jp/entertainment/news/2021/07/20/kiji/20210720s00041000339000c.html
小山田圭吾所属「METAFIVE」ゴンドウトモヒコがツイート削除、謝罪「油に火を注ぐようなことを」
https://www.sponichi.co.jp/entertainment/news/2021/07/18/kiji/20210718s00041000471000c.html

古代オリンピックを踏襲 休戦求めて始まった「4年に一度」
(https://www.sponichi.co.jp/entertainment/news/2021/07/24/kiji/20210724s00041000012000c.html)

スポニチはすごいな…

●木田 7/27 23:40
三戸先生、情報のご提供ありがとうございます。
このようなコメントを読むと、HRMやコンプライアンスの研究の中で人事・総務部門の貢献や役割を明確化して
いき、実務家に伝えていくのが重要なのではないかと思いました。
コンプライアンスというと制度、手続きの話で、基本的な組織設計の話はあまりされないかもしれませんが、
そこを含めて考える必要がありそうですね。

●中村優希 長県大3期(8/1 22:50)
三戸先生、情報の提供ありがとうございます。
私なりに、感じたことを書きます。

A.「小山田圭吾炎上騒動に学ぶ、企業担当者が
「ブラック著名人」とのコラボを避ける方法」
【要約】
ブラック著名人トラブルを避けるための最も有効的手段は「身体検査」である。
今回、それを担う部署「ダイバーシティ&インクルージョン(D&I)推進」に
強い権限が与えられない組織づくりをしていた。
そのため、身体検査をD&I推進部が有効に行えなかった。
組織が最も優先しなくてはいけないことを担う人々に権限を与える組織づくりが
危機管理の本質である。

B.「さんま、小山田圭吾&小林賢太郎氏の騒動に嘆き
「先輩やけど、おいらの時代でも載せられない」
【要約】
こういう発言をしても、雑誌社やVTR作成者が載せないという判断をしていた。

C.「小林氏解任、原因は演出チームの内部抗争や人選ミスか」
【要約】
佐々木氏がクーデターを起こし総合統括に就任。佐々木氏が指名した小林氏も、
その小林氏が選んだ小山田も自身の過去が明るみに出て離職した。
全ては演出チームの内部抗争や人選ミスで起きたとみられる。

それぞれの記事の原因分析は以下の通りになるでしょう。
a.組織委員会の組織づくりの拙さ
b.雑誌社のコンプライアンス意識の低さ
c.佐々木氏への権力(人選への影響力)の大きさ

なお、a.組織委員会の組織づくりが拙かったからこそ、
c.佐々木氏への権力(人選への影響力)集中を許してしまった。
と見ることもできます(a→c)。

上記を踏まえると、この失敗を防ぐチャンスは二回あったことも分かります。
①雑誌社が小山田氏の発言を掲載しないという判断をする
②組織委員会が組織づくりをきちんと行ない、D&I推進部を機能させる

雑誌社の判断ミスはすでに起っていたことなので、
今回組織委員会に残されていた実質的チャンスは“小山田氏を起用しない”
ということだったのでしょう。
そのための手段の一つがD&I推進部を機能させること、だったはずです。
組織委員会が「共通目的」を明確化し、その重要性を理解していれば
D&I推進室の扱いも変わっていたかもしれません。

また、国民的行事であるということを踏まえれば、
演出チーム候補者を複数名挙げて国民に投票してもらい、
投票数が多い人をメンバーとする、という方法を採っても良かったのではないかと思います。
この方法だと選挙期間に不祥事を判明させることもできますし、
国民も自分で選んだのであるから納得しやすいのではないでしょうか。
電通など一部権力者が国民的行事を牛耳っているという不信感がある中であったため、
選挙制度は国民がオリンピックに対する納得感をさらに増やす意義をも持っていたと思います。

まとめますと、
組織のブラック著名人トラブルを避ける方法は、
①チェック機関に強い権限を与える
②選挙制度の導入
があるのではないか、ということです。

どちらの方法を採るか、両方の方法を採るか、その他の方法を採るか、
その選び方はいくらでもあるでしょうが、いずれにしろ
《組織の共通目的の明確化、重要度を真に理解する》
ということからスタートするものだと思います。



削除キー:koyukai6

Pass

M’sBETTING「東京オリンピック2021」
No:5395 投稿者:酔狂先生 投稿日:2021/07/24 Sat 00:25:58 [返信

MS BETTING 

TMmito
5年前、2016/08/01に日比野君が「リオ五輪ベッティング」を立ち上げてくれていた。
折角、新型コロナ禍の中、反対の声の中、我が国で開催されているのだ。
素直に、楽しもうじゃないか?

先ず、私から出題するから、みんなも参加・出題して欲しい(*^^)v
《基本情報》2020年東京オリンピック競技大会

【第1問】「日本のメダル数を予測せよ!」細かく予想は面倒でもあるので…、以下の予想から選択
参考;・過去の金メダル獲得数は過去の日本の金メダル数
日本のメダル総数は60 金メダルは26 スポーツ専門のデータ会社が開幕直前予想を公開

【参加締切】日本時間8/1(日)23:59(〆切内は何度でも変更可能!)

《金メダル》
(1) 23個以下
(2) 24~29個 …  中村、堀
(3) 30~35個  … 酔狂、木田 日々野
(4) 36個以上
[参考]東京新聞、小倉智昭  24個
米データ会社グレースノート 26個
JOC            30個
スポニチ         32個
デイリースポーツ 36個

《金・銀・銅合計》
(1) 59個以下
(2) 60~70個  … 堀
(3) 71~80個  … 
(4) 81~85個  … 木田 中村 酔狂
(5) 86個以上  … 日々野

[参考]
東京新聞1月        「金24、銀28、銅30、計82」
米データ会社グレースノート「金26、銀20、銅14、計60」
スポニチ         「金32、総数86」
デイリースポーツ     「金36、銀17、銅28、計81」
小倉智昭         「金24、銀32、銅28、計84」



【問題3】新採用の5競技を「金、銀か銅、なし」から選択
               酔狂    木田   中村   日々野  堀
空手             金     金    銀か銅  金    金
スケートボード        銀・銅   銀か銅  ○    -    -
女子ストリート        なし    なし   銀か銅  なし   -
スポーツクライミング     なし    銀か銅  金    金    銀か銅
サーフィン          なし    なし   なし   なし   -

【問題4】7競技で男女混合の9種目が新たに追加された。「金、銀か銅、なし」から選択
                      酔狂   木田   中村  日々野  
陸上 ― 混合4×400メートルリレー     銀・銅  なし   銀か銅  銀か銅
柔道 ― 混合団体             金    金    金    金   
水泳 ― 4×400メートル混合メドレーリレー 銀・銅  銀か銅  なし   なし
卓球 ― 混合ダブルス           金    銀か銅  金    -


【問題5】サッカー男子日本代表の結果を「優勝、ベスト4、ベスト8、一次リーグ敗退」から選択(7/26日々野より出題)
(1)優勝      … 堀
(2)ベスト4    … 日々野、酔狂
(3)ベスト8    … 木田
(4)一次リーグ敗退 …



競技別、柔道や競泳、卓球、野球、ソフト、サッカーなどなどの問題を作ってください
【問題5】柔道
【問題5】卓球
【問題5】競泳
【問題5】野球
【問題5】ソフト
【問題5】陸上





≪アリーナ≫

随時出題大歓迎!

〇日々野(7/26)
先生、場立てありがとうございます!結果を知ってしまったいくつかの競技は「-」としました。
日本代表にとってホームゲーム、のはずが無観客(声援を味方にできない)のは惜しいと思っていましたが、
観客がいなくともホームはホームでしょうか、勢いを感じる出だしです。ということで強気にベットしました。
はじまってしまえば各試合に一喜一憂しており、メディアの手のひら返しを笑えません(汗
いつぞやか、ゼミ室でみんなで観戦したのが懐かしいです。
(7/28追記)
木田君のコメントを受けて、男子サッカーと追記しました。木田君ありがとう!

● 木田 7.27
日々野さん、問題作成ありがとうございます!
女子サッカーはなんとか決勝進出したみたいですね。
男子は予選は順調ですが、決勝は苦戦するかもと予想してみました。

【olimpic2021】

Pass

オリンピック
No:5394 投稿者:三戸 投稿日:2021/07/22 Thu 11:22:53 [返信

NHK「映像の世紀プレミアム15~東京 夢と幻想の1964年」を見ている
見て良かった
見ていない人は、本当に残念だ(;_;)

感じたこと、考えたことは、いろいろある
(今、聖火点火のシーン)
今日は、以下のことだけ

当時も、国を挙げて賛成していたわけではなかった
「やることは他にあるだろ」という声は多かったようだ

このオリンピックのために、
新幹線
高速道路
武道館、などの会場
ニューオータニ他ホテル
ユニットバス
洋食
等々、まだまだある
スゴい、スゴい、スゴい
あの焦土から20年たたないうちにこれだけのことを‼️

考えた
1964年に新形コロナ禍に襲われていたら…
克服して、世界中から選手も観客も喜んで集まり、
国民は、誇らしげに、心より楽しんでオリンピックを見たであろう

1964年にできたことが、
2021年にはデキナイ‼️
当時にあった、できたことと
今、あること、できること
何が、どこが違うのだろうか?

当時、貧しさで売血が珍しくなかった
生活も貧しかった
非衛生だった
不便だった

1964と2021
どちらが
豊かで
幸せだろうか?

【1964ol】

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次回勉強会について
No:5393 投稿者:きだ MAIL 投稿日:2021/07/03 Sat 23:18:29 [返信

皆様

勉強会について浩友会からのお知らせです。

◎今後の勉強会
現在、勉強会では各自が仕事の中で考えたことや、日常で触れたニュースや本などから考えたことを共有する形で行っています。
また、前回の『ファアスト』の前日譚・予告編の視聴のようにゼミ生からの提案を随時取り入れ、多くのゼミ生が企画に参加することで継続的に勉強会を進められるようにしたいと考えています。
加えて、「今月のケーススタディ」という形で、自分ならこの状況でどのような言動をするのか、を考えて議論することもご提案頂いております。
たとえば、宮内庁長官が「(天皇陛下は)開催が感染拡大につながるのではないかと懸念されていると拝察している」と発言したことについて、官房長官や五輪相など政権側は「宮内庁長官自身の考え方だ」と反応していますが、もし自分が政権側の人間ならどのような言動をとるだろうか、というような思考実験としてのケーススタディです。

さしあたって次回の勉強会については、
メールでもお知らせしたとおり以下のテーマを予定しています。
テーマ・時間次第ですが参加者の近況や意見発表の時間も多少取りたいと考えています。

1.次回勉強会の日程調整
https://chouseisan.com/s?h=95b751892b8c4773a15e3965a9e1fdf0
急で済みませんが先生のご予定を確保するため7/6 21時ごろまでに記入お願いします。13時から目安18時頃までになります。未定もしくは途中参加・退出の場合△とコメントに分かれば時刻などをお書き下さい

2.テーマ案
三戸先生からは、以下のテーマ案を頂いています。
掲示板・FB・メールのいずれでも構いませんので
ご意見・希望がありましたらお寄せ下さい。

①旧約聖書を扱った映画『天地創造』の視聴と議論
キリスト教、アメリカ、現代・近代社会の無意識の前提を考える材料として視聴します。
22章分、3時間弱ありますので全体を視聴するか、
分けて視聴するかは検討したいと考えています。
勉強会の中での当日視聴も行いたいと考えていますが、
YoutubeやGYAOなどでで有料でのレンタルによる予習も可能です。

②古郡さんのショートムービー「ファアスト」の視聴と議論
前回予告編を視聴した映画の本編を視聴します。
ゼミ生で製作者はどのような意図で作ったかについて考えてもらい
古郡さんのコメントを踏まえ意図が伝わったかどうかを話すこと、
この映画が海外のいくつかの地域(アメリカ、イタリア、ブラジル、インド等)
で’高く評価された理由を考える、などの予定です。
勉強会の中での当日視聴となります。

③NHK最後の講義
NHK「最後の講義」の村山斉と上野千鶴子(と、みうらじゅん)を見比べて,
理系と文系、科学、知的好奇心、講義とは?などを考えます。
NHKオンデマンドでは現在視聴できませんので、
勉強会の中での当日視聴となります。

【study】

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『中央公論』7月号は是非×7お薦めだ。
No:5392 投稿者:三戸 投稿日:2021/06/27 Sun 13:36:04 [返信

『中央公論』7月号は是非×7お薦めだ。

Ⅰ。「特集-孤独と怒りに社会は軋む」から
1.対談「ネガティブ感情はどこから来てどこに行くのか」
〇オンラインでは「(その場の)空気感」を伝える・共有することができない
 ⇒日本社会は「空気」で動く、と言われているが、他国に比べ、影響が大きいのでは?
〇「日本人は不安になりやすい遺伝子を持つ割合が非常に高い。
  自然災害が多い環境では、不安を持ちやすい遺伝子保有者の方が残りやすい
〇「道徳」はサステナビリティのための有効な仕掛け
 ⇒近代において、「(個人の)利益の最大化」を是とする
〇最近の教育環境では「他者・相手を傷つけると復讐される可能性があることを学ぶ機会が少ない」
 怒りの使い方がうまい人から、深いな感情の洗練された表現を学ぶべき。毒舌芸人の人気が高いのは、彼らが嫌な感情を、リベンジを受けない形でうまく表現する方法を知っていて、そこに多くの人が膝を打つから」
〇相手がずるをしていることが許せず、自分が損をしてでも足を引っ張るという「スパイト行動」は日本人に選択的に見られる。Win-winではなくlose-loseを選ぶ
〇人間の本来の能力を超えた時間(せいぜい3年)や空間(150人程度)の認知をテクノロジーが支援できればいいが、今は技術が未発達
 ⇒自分中心(egoism)を前提にしたままテクノロジーで認知能力を広げたって…。認知能力に「想像力イマジネーション」が入っていない
 
Ⅱ.「人に迷惑をかけたくない…都市に沈みゆく声なき孤立者たち」
「排除(非正規・無職)・孤立(友人・知人が一人以下)層」を他の3クラス「配乗・非孤立」「非排除・孤立」「非排除・非孤立」と対比し、「都市に沈みゆく声なき孤立者たち」ととらえ、「社会から見放された層」にしないように、と提言する。4クラスの割合を示していないという「致命的欠陥」があるが、それを余りある驚くべき・考えさせる状況を教えてくれる。この論文を最初に読みむべきであろう。他の論文・対談の読み方・理解の仕方が変わってくる。
ここ数年間で最高の論文! (巻頭の中野信子の「貧困さ!」)
これに続けて、「対談 分断と貧困が進む日本社会 「三重苦」からの打開策は?」

Ⅲ.「キャンセル」が飛び交う不寛容な国・アメリカ
 問題行動や不適切な発言をした人物・企業を「キャンセルする」、つまりその人を解雇したり、商品ボイコットしたりする「キャンセル・カルチャー」について語っている。日本でも、似た動きを見聞きする。人種やジェンダーなど「アイデンティティ・ポリティクス」との関係を改めて考えさせてくれた。

Ⅳ.「時評2021:いまあらためて考えるオリ・パラの経済効果」
 「経済効果」のほとんどは施設整備などの公共事業であり、大会開催によるそれ以外の効果は極めて低いという。
大会中止による「経済的損失論」は虚妄であること、あらためてイベントと公共事業との関係を考えさせられる。

【chuukou21.7】

Pass

新。浩友会オンライン勉強会のテーマの提案
No:5391 投稿者:三戸 投稿日:2021/06/21 Mon 12:32:00 [返信

古郡君の「ファアスト」を視聴して、語る企画は面白かった。
(中村君、丁寧な報告ありがとう。心から感謝!)

オンラインでもあるし、
皆が語れる形がいいので、
映像を見て語る、という形を少しやってみないか?

1.前回提案した「天地創造」を見て、

  キリスト教、アメリカを、そして「現代・近代社会の無意識の前提」を考える

2.NHK「最後の講義」の村山斉と上野千鶴子(、みうらじゅん)を見比べて,

  理系と文系、科学ってなんだ、知的好奇心、講義とは?
  などを考える

1,2共に録画したものがあります。

○木田
勉強会の企画が進められておらず申し訳ありません、
6月下旬締めのものが色々重なってしまって苦戦中です。
私の環境だとBDをダビングしたりPCに取り込んだり、BDをパソコン上で再生したりできないのですが、
そういったことが可能な環境の方はいらっしゃるでしょうか。

〇三戸
①「最後の講義」は、各自オンデマンドで予め視聴することができます。
 当日、私の録画を皆で視聴し、」ディスカッションしてもいいのではないでしょうか?

②「天地創造」も当日見ればいいでしょうし、
 各自で診たい人は、レンタルなり、動画視聴サービスを利用すればいいのではないですか?

○木田
三戸先生、ご提案、コメント、ありがとうございます。

最後の講義、是非見てみたいのですが検索をするとNHKオンデマンドを扱う動画サービスが
何件かヒットするのですが、配信期限切れ?かなにかでエラーになってしまうようです。
もし視聴できるサイトを御存知でしたらお教え頂けますでしょうか。

天地創造は
https://www.youtube.com/watch?v=UqILC3CSqT8
やGYAOで見られるようですね、
方法を考えてみたいと思います。
詳細はメールでご相談させて頂きますね。

【teian6.21】

Pass

新。浩友会オンライン勉強会(第五回)~映画「ファアスト」の鑑賞から~
No:5390 投稿者:中村優希(長県大三期生) 投稿日:2021/06/07 Mon 16:02:30 [返信

6月6日(日)、13時から
五回目の新。浩友会オンライン勉強会が開催されました。
前半は古郡さんの作成された映画を鑑賞し、
後半は各自が関心を持っているニュースや読んだ本などを共有しました。

基本情報


活動日:2021年6月6日(日)
活動時間:13:00~18:15
参加者:三戸先生、古郡さん、山岸さん、梶尾さん、佐々木さん、
    木田さん、三厨さん、井村さん、中村 (計9名)

議論内容


Ⅰ 政治と行政 ~責任を取れない行政と取らない政治~
前半は、古郡さんが作成された映画「ファアスト」の予告編を鑑賞しました。
この勉強会で「ファアスト」を鑑賞する理由として、
浩友会で学んだことは活かせるのだということを皆に共有したい
そして組織の疲弊が見えるのではないか、ということを古郡さんが説明されました。

その後、改めて映画の予告編をみんなで鑑賞し、それぞれが感想を述べました。
この映画のテーマは「日本の意思決定」です。
日本の会議のあるあるだと感じたといった感想や、
集まったメンバーの準備不足と属性のバラバラさがカオスさ生み出しており、
シン・ゴジラの閣僚会議の混乱が市民レベルでも起ると感じたといった感想がでました。
企業と社会、組織と個人の問題を学問的視点から切っていく、
古郡さん流のドラッカーではないかといった声や
「これって本当に仕事なの」という台詞が印象的だったという感想もありました。

三戸先生からは、
なぜタイトルが「Priority」ではなく「First」なのか、という話を先ずされました。
Firstは“誰のために”という観点だが、Priorityは“何のために”という観点である。
この映画の内容からいくと、「Priority」の方が適切ではないか、と話されました。

社会や地域のためになりたいと思って役所で働く人が
「これって本当に仕事?」と思うに至る点については、
役所や行政は官僚制、つまり規則どおりに働くことが最重視されるからである。
役所においては公平性が最重要視され、責任は規則、そして政治家にあり、
公務員である個々人には責任を負わせず、規則通りに実行することが求められる。

そのため、自分の仕事が本当に市民の役に立つ仕事か葛藤するようになるではないか、
と説明されました。

そのため、“政治”と“行政“がこの映画の根本にあるのではないか、と説明されました。
また、市民による会議も扱われているため、“自治”も根本にあると感じたり、
後を継いだ団子屋の亭主が出てくるため、“跡継ぎ”というテーマも本編で
どう展開されるのか楽しみであるとも述べられました。

また、まちづくりをするとき、「スタバ」とは何かを考える必要があると話されました。
先生は、スタバの本質・象徴は“都会的”というイメージではないか、と考えられました。
スタバ=都会的なモノを求める生活者達が根強く存在する地域において、
どのようにして彼らが満足できるまちづくりをしていくか
、考える必要があります。

最後に、問題意識を感じさせる映画が良い映画であり、
この映画は“政治”“行政”“自治”“老舗”といった様々な問題意識を想起させ、
切り口も、地域と個人、地域と行政、地域と老舗など色々あるから
優れた映画である
と評されました。

次回の浩友会では、いよいよ「ファアスト」本編の鑑賞会が開かれます。
地域活性化のための会議から日本の意思決定について考えると同時に、
会議に参加する各登場人物の悩みやそれを生み出す日本の構造的問題。
この映画の問題意識やそれに対する切り口は様々ありますが、
多くの方が鑑賞会に参加するほど、その議論も実りあるものになると感じます。


Ⅱ 随伴的結果と経営学の2つの視点 ~社会あっての会社~
先生はまず随伴的結果論について説明されました。
随伴的結果論とは、目的的結果が大きければ大きいほど随伴的結果も大きくなるというものです。

これを踏まえ、進歩主義と保守主義の違いを随伴的結果論という観点から考えました。
進歩主義は目的的結果を追求する一方で、保守主義は随伴的結果を慎重に考慮し、
その影響を確認してから目的的結果を追求しようとする、という違いがあると説明されました。

佐々木さんからは、随伴的結果論から進歩・保守主義を分別すると、
自民党は随伴的結果を軽視(無視)し、目的的結果を追求しているため、進歩主義となる。
一方で立憲民主党は保守主義というよりアンチ自民党になってしまっているのではないか、と説明されました。

政治的対立構造を上手く作れていない原因は、
随伴的結果論的視点が政治家に欠けていることにある
のかもしれません。

井村さんは、新幹線の実現に関して賛成する長崎県と反対する佐賀県で対立が起きている
というニュースを紹介されました。この問題も、
"目的的結果が大きいと考える長崎県VS随伴的結果が大きいと考える佐賀県"
という随伴的結果論の視点から捉える事が出来ると先生は説明されました。

また、この問題の深層に
○地域活性化がインフラ頼りであること(行政)
○都会的・利便的なものを求める意識や県民が根強いこと(市民)
○インフラ構築で政治実績を確立させたいという思惑があること(政治家)
などといった問題があると分析されました。

地域活性化に向けて、都会的なものを善し(目標)とする価値観に代わるものを
提供する必要がある、
とも述べられました。
「成長」から、「復興(一度衰えたものが再び盛んになること)」という概念と、
それを一人一人が自分の生活レベルに落とし込んで生きていくことが
ヒントになるのではないかと感じました。

木田さんは、現在の経営学で流行となっている
「ダイナミック・ケイパビリティ論」について違和感があるという話をされました。
ダイナミック・ケイパビリティとは、最適の資源の組み合わせを考えたり、
資源を再分配することで、生き残りを図るという考え
です。

三戸先生はダイナミック・ケイパビリティ論について、
以下の二つの経営学的視点・立場から考える事が出来ると説明されました。
(1)戦略的マネジメント論(視点・立場)
   企業の存続のために環境・人間を手段化する
(2)企業と社会論(視点・立場)
   社会の維持のために企業の事業を考える


資源を再分配する方法についても、
(1)市場や資源という観点だけから考えて再配分するのか(戦略的マネジメント論)
(2)市場だけでなく社会やステークホルダー全体を見て再分配するのか(企業と社会論)
問われますが、現在の経営学界の主流は(1)戦略的マネジメント論が主流だそうです。

加えて先生は「戦略的マネジメント論」と「企業と社会論」という2つの視点は、
(ドイツとアメリカで)経営学が誕生した時から有していた
と説明されました。

ドイツ経営学の三学派からは、以上の二つの視点を持っていたことが窺えます。
・規範学派・・・利益追求の是非を問う←企業と社会論
・技術学派・・・利益追求の方法を探る←戦略的マネジメント論
・理論学派・・・現状・事実の分析を行う

アメリカ経営学の創設者テイラーは、
資本家と労働者の対立を避けたい(企業と社会論)という動機から、
パイを大きくすれば良いと考え、その方法=科学的管理法(戦略的マネジメント論)
を考えました。

現在話題となっているCSRやステークホルダー論も、
①CSR・ステークホルダーを考えないと企業の利益があがらないから取り組む
(=戦略的マネジメント論的視点、CSRの手段化)という考え方と、
②社会のためにCSR・ステークホルダーをすべし(=企業と社会論的視点)
という考え方、2つの視点から捉えられると先生は説明されました。

随伴的結果論という観点から分別すると、
目的的結果だけを考えるのは戦略的マネジメント論の立場であり
随伴的結果(社会に与える影響)も含め考えるのは企業と社会論の立場である
、と説明されました。

日本の老舗企業やカンブリア宮殿に登場する優れた経営者からは、
企業と社会論的視点を強く持って経営されていることが伝わります。

なお、この2つの視点は経営者だけでなく労働者個人レベルでも有効だと説明されました。
例えば、自分の収入や出世の為だけに客や同僚との関係を考えるのは戦略的マネジメント論であり、
自分と顧客・同僚の双方の発展を考えて仕事をするのは企業と社会論的立ち振る舞いであると言えます。



【刮目】
〇中村 優希(長県大3期生)
取り急ぎ、昨日の勉強会の前半部分を書き込みます。
先生のメディア・芸術論や、まちづくりと「スタバ」を求める若者など
もっともっと書きたいことがあるのですが、
私の現在の筆力ではそこまで欲張ると冗長な文章になるので
取りあえず、概要と重要な箇所を記載します。

後半部分を追記致しました。
今回の勉強会では、「社会あっての企業(私)である」という視点の重要性を感じました。
また、戦略的マネジメント論と企業と社会論が経営学において常に共存しているという点は、
目から鱗がでるような思いをしました。参加できて良かったと改めて感じました。
三厨さん、ご助言ありがとうございます。
仰る通りに、追記してブラッシュアップして改善していくようにします!(6月10日)


〇みくりや(25期)
中村さん、ありがとうございます。
例え冗長でも、他のゼミ生の助けになりますので、ぜひぜひ書いてみてくださいませ。
最初に書いてみてから、書いたものをもとにブラッシュアップすると良いかと思います。
(私も後で書こうと思ってそのまま見返さなかったことが現役時代から何度もありました。。)


今回新たに発見にもなり面白かったのは先生にお話し頂いた経営学の2つの理論系統についてです。

★経営学の2つの理論系統
①戦略的マネジメント論(視点・立場)…企業の存続のために環境・人間を手段化:lower/middle層向け
独立的、個人、限定範囲での効率性

②企業と社会論    (視点・立場)…社会の維持のために企業・事業を考える:upper層向け
全体的、社会、包括的な関係性、お客様の笑顔を・同僚との関係性を。

個人的には長年漠然とあった疑問が全て解消され、勢いで1人笑ってしまいました。

なぜ三戸先生の講義を面白いと思い、三戸ゼミに入ったのか、
なぜ自分のゼミは時間が長いし、なぜゼミでやっていることをうまく伝えられないのか。。

それは、
企業とは?社会とは?などをあらゆる粒度で多方面から検討することを前提としており、
それゆえあらゆる議論の可能性があり、それを自分は面白いと思ったからなのだと気が付きました。

三戸先生、皆様、ありがとうございました。


削除キー:zemi0606

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次回勉強会6/6 13:00-について
No:5389 投稿者:Kida MAIL 投稿日:2021/05/11 Tue 00:27:11 [返信

メーリスでもお知らせしていますように、
今度の勉強会では古郡さんの映画の予告編
(No.5385参照、勉強会冒頭でも復習を兼ね視聴予定)
を素材にします。

また、時間が余った場合・古郡さんの参加が難しくなった場合は
前回同様、本・ニュース・近況の報告の場とします。

限定する意図はありませんが、以下の内田樹のブログで取り上げられている著書は興味深そうです。
http://blog.tatsuru.com/2021/05/06_0907.html

勉強会メーリスが届いていない人がいましたら,タイトルの下の「MAIL」をクリックして連絡をお願いします。

【study】

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志あるところに機会は巡ってくる、ということかも知れません。
No:5388 投稿者: 投稿日:2021/05/07 Fri 12:56:03 [返信

みなさま。短編映画ファアストですが、
2つイベントがありますので告知させてください。


①ブラジルのT.I.F.A.映画祭でセレクトされ、
5/10-/15で上映される予定です。詳細はこれからです。
期間中他の海外のショートムービーが色々観られるので英語OKな方はぜひ。
これは多分上映だけなので数ドルで見られます。
公式インスタに載ってるのでいいねとかしてあげてください☆


https://www.instagram.com/tietefilmawards/


②ロスのNFMLA映画祭でセレクトされ、
上映とカンファレンスのお知らせです。


https://www.facebook.com/events/508173233517865



今回は映画祭に参加という形式で、
配信番組で生上映、その後フィルムメーカーたちの生インタビューという形で参加します。


生配信なので1回だけです(その後一定期間録画放送予定)

映画祭は日本時間5/16AM2:30~

ファアストの上映は5/16AM7:30~「InFocus: Asian Cinema Shorts I」内のどこか。

その後集団インタビューがありますが、全く自信ありません。
おすすめできるか微妙です。
8本上映とインタビューが見られますがチケット10ドルかかります。
高めです。(長編や他の特集も見る場合は1日券30ドル)


https://www.newfilmmakersla.com/events/event/may-15th-2021-monthly-film-festival-infocus-asian-cinema/



ここで他の作品の予告編やプレスキットが見られます。Buy Ticketsを押すと


https://may2021.eventive.org/welcome


SINGLE FILM PROGRAM AND INDUSTRY PANEL…なら8本分のチケットが買えます。
InFocus: Asian Cinema Shorts Iです。お間違えなく。
おれはボロボロでしょうが、今絶好調の他のアジアンフィルムメーカーたちが見られます。

○きだ 5/11 0:19
お知らせありがとうございます、
チケットをプレオーダーさせて頂きました。
日本から応援しています!

【koyukai5】

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松下村塾にいってきました
No:5387 投稿者:竹田(21期) 投稿日:2021/05/04 Tue 00:33:17 [返信

この前の2月、仕事で山口の防府市に滞在していたのですが、土日、萩へ観光にいってきました。
コロナ禍ではありますが、せっかく山口にきたのだから自分へのご褒美と思い、一人でプリウスを借りて行きました。

土曜日の昼過ぎから、萩往還に沿って、国道262号を北へ向かいました。
途中、山間の佐々並で一息し、道の駅萩往還も寄りました。
ここには松陰記念館という無料の施設があったのですが、なんとも道の駅とは思えない充実した設備に、萩へ入る前から胸が躍りました。

ホテルにチェックインしたとき、夕刻ではありましたが、松下村塾へ向かいました。

松陰神社として祀られるようになったのは、明治以降なので、現在目にしている建物と当時では周りの環境が異なってはいるものの、
そこにある建物の佇まいそのものに、胸が締めつけられました。

この小さな建物に若者が集い、新たな時代を創ろうという思想が育まれたんだと思うと、感無量でした。

17時までの営業時間内に見ることがかなわないと思ったので、至誠館と歴史館は翌日にして、一通り境内を回った後、松陰生誕の地に向かいました。
途中、玉木文之進旧宅も外から見ましたが、今でも地域の生活圏のなかにあり、玉木文之進が生きていたのは、それほど大昔でないんだな、と感じました。

そして吉田松陰が生まれた地に着くと、とても見晴らしのいい高台に敷石が残してありました。
それほど大きな家ではないようですが、裏山は手入れされており、周りには夏みかんが植えられていたり、立地はなかなかいいようです。

歴史上の人物というと、遠い昔の物語というどこか無縁な人を思い浮かべていましたが、
萩に来てみて、いまも地域の生活があるところというのを目の当たりにすると、「ああ、わりと最近の人なんだな」という気がしました。

萩市は観光のテーマが「志」のようで、市内の観光スポットには「志」を彷彿させる旗やポスターがたくさんありました。

松陰神社の御朱印所で購入した「志 学びの道 松陰先生語録」にあった志に関する語録を紹介します。

「道の精なると精ならざると 業の成ると成らざるとは 志の立つと立たざるとに在るのみ」松陰十七歳
「苟も能く志立たば成すべからざるの事なく為すべからざるの地なし」松陰二十二歳
「志壮んならば安んぞ往くとして学を成すべからざらんや」松陰二十三歳
「人宜しく志を立つべし 聖賢敢えて追陪せん」松陰三十歳
「死して不朽の見込あらばいつでも死ぬべし 生きて大業の見込あらばいつでも生くべし」松陰三十歳

志をもつことが生そのものである、と感じました。
今年事業を始める自分にとって、萩に行くことができたのは何かの縁かもしれません。


【2021shokasonjuku】

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次回課題について
No:5385 投稿者:1期古郡です 投稿日:2021/05/02 Sun 03:55:55 [返信

みなさま。次回の素材に選んでもらって恐縮です。


・プレゼンの資料の日本語版を作りました。
これは海外の映画祭には必要な素材で、主に監督の売り込みのための資料です。
インディーズ映画って作品を売るのではなく、監督を売り込む物のようです。
大手映画会社はここで人材を見つけ、大きな作品に人材を登用していきます。
https://drive.google.com/file/d/1btPljVnipL0U0A2LXs_Sk3Ym3NofYi-w/view?usp=sharing

・予告編を集めたサイトがあります。
YouTube
https://www.youtube.com/channel/UC2vu9BfmcKJCk2it54NSr8w/videos
Vimeo
https://vimeo.com/user117515967





Clipというのは本編作成後に予告編として作ったもの、
そのほかの登場人物紹介は本編を作成前に作ったものなので、
登場人物それぞれの「会場に着くまでの事情」を語ってもらっています。
群馬県桐生市という地方が舞台です。
地元に残るというのはどういうことなのか、親の事業を引き継ぐとはどういうことなのか、
そして「理屈じゃわかっているけど(=経営学)なかなか人間ってそうはできない(=文学)」という
セリフが展開します。


【koyukai5】

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新。浩友会オンライン勉強会(第四回)~新書大賞と環境問題・権利~
No:5384 投稿者:中村優希(長県大三期生) 投稿日:2021/04/25 Sun 23:36:17 [返信

4月25日(日)、13時から
四回目の新。浩友会オンライン勉強会が開催されました。
冒頭で岩切さんへの黙祷を行った後、
各々が選んだ新書大賞ノミネート本を中心に議論を行ないました。

基本情報


活動日:2021年4月25日(日)
活動時間:13:00~18:30
参加者:三戸先生、古郡さん、山岸さん、杉山さん、梶尾さん、佐々木さん、
日々野さん、竹田さん、木田さん、三厨さん、井村さん、中村

議論内容


Ⅰ 環境問題 ~『人新世の「資本論」』~
今回の浩友会では、新書大賞ベスト20の中から読んだ本/読みたい本を各自が紹介しました。
一番多かったのは、新書大賞にも選ばれた『人新世の「資本論」』でした。

筆者である斉藤幸平氏は、現状の資本主義と環境問題は両立しがたく、
絶対的デカップリングは歴史上なし得ていない、と指摘しており、
この点(前半部分)は説得力があったという評価が上がった一方で、
解決策を述べている後半部分は疑問が残る(曖昧である等)という意見があがりました。
先生は、「資本主義批判として、水野に代表される限界論、
その後にピケティに代表される格差論、そして現在主流の環境論があり、
この本は環境論の本として位置づけられる。この本が脱成長論のバイブルとなれば
20~30年後も残るのではないか」と指摘されました。

この本では冒頭、「SDGsは大衆のアヘンである」との文言がでてきますが、
先生もSDGsは21世紀の真の指針となるかについては懐疑的な立場だとの説明がありました。
理由は、SDGsは発展(Development) を未だに目標としているからであり、
発展=無限の追求は、自然=有限性と矛盾するからだとのことでした。

環境問題は多くの産業に打撃を与える可能性があります。
エネルギー会社に務められている佐々木さんは、カーボンニュートラルやSDGsの是非はともかく、
それを前提に仕事をせざるを得ないとし、現在は地域の課題解決をパッケージとして展開するような
事業展開を構想しているとのお話がありました。
先生からは、大企業は今あるものを守りながら変えていくことが求められる分大変だが、
文明論的に考えることが大切だとの指摘がありました。
また、ヨーロッパは古代(ギリシア)と近代を知っているから文明論的に考えることができるが、
アメリカは20世紀の経験しかない。
だから、今後は欧州が世界をリードするのではないかと分析されました。

SDGsはファッション業界にも広がっており、近年では「サスティナブルファッション」なる語も誕生しています。
先生は、かつて「3R」が流行ったがコストがかかり、経済成長が出来なくなるからもう3Rは聞かなくなった。
だから、パーツだけ取り替えるような製品を企業は作らないのではないか、と話されました。

Ⅱ 日本人と権利~『民主主義とは何か』『民衆暴力』『同調圧力』~
続いて読まれた本/読みたい本として上がったのは『民主主義とは何か』でした。
筆者である宇野重規氏は民主主の定義を「参加の責任である」とし、
この定義に基づいて民主主義の歴史的変遷を検討します。

三戸先生からは、方法論がしっかりしているのであれば、
結論はどうであれ残る本となるのではないかと説明されました。
また、その定義に従えば、ヨーロッパ近代の選挙だけが民主主義ではなく、
日本にも昔から民主主義があったと言えるだろうと述べられました。

日本には真の民主主義が無いといった批判や、女性の権利が弱いといった批判が隆盛で
“個人の権利”に関する関心が高まっているように感じます。
そのような背景もあって『民主主義とは何か』が2位になったのではないでしょうか。

井村さんは気になる本として『同調圧力』という本を挙げられましたが、
これも“権利”のあり方と関わる本だと感じました。
みんなからは、昔は「世間」や「空気」といった、価値中立的に述べられていたものが
なぜ否定的意味を持つ「同調圧力」と表現されるようになったのか

そこが気になるという意見が上がりました。

欧州は「神」を拠り所として「個人」があるのに対し、
日本は「世間」を拠り所として「日本人」があるという話もありました。
“個人の権利”が本当に普遍的な価値なのか議論の余地がありそうです。

梶尾さんが紹介された『民衆暴力』も日本人と世間、権利と関連する本ではないでしょうか。
この本で取り上げられている「秩父事件」は、銀行の借金棒引きを求めて民衆が起こした暴動でした。
かつて銀行は「共同体を保証する責務がある」として借金棒引きをすることもあったが、
このときは契約に従い銀行側が借金返済を求めたことから起きた暴動だそうです。

先生からは、昔の富豪は自分の家の発展によって得た利益を村に還元し、
村を発展させてきた(明治維新時に鉄道敷設や郵便局設置に協力)し、奉公意識があったが、
それらは国家に統合されていったと説明されました。

日本には「参加と責任のシステム」として民主主義は昔から存在したものの、
厳密な契約関係としての個人の権利は存在せず、共同体への奉公意識が強かった。
だが現在の日本人はそれを「同調圧力」として否定しだしている、
乱暴にまとめるとこのようになるかもしれません。

Ⅲ まとめ
長くなりましたが、私なりにまとめます。

環境問題は世界共通の問題であり、これに関しては日本も解決に向けて努力しなければならない。
一方で、民主主義やジェンダー問題といった「権利」に関する問題は、普遍的価値ではないのではないか。
少なくとも、「共同体への奉公意識」といったものと絡み合って、
日本独自の個人の権利に対する関する考えがあった。
しかしそれがコロナ禍も相まって、伝統的な考え方が「同調圧力」として否定されだしている。
欧州基準の男女平等ランキングに基づいて日本のジェンダー意識等が批判されるようになってきたが、
これも、伝統的な考え方の否定の現れではないか。

だが果たして本当に、欧米の思想をそのまま受け入れていいのだろうか。また、受け入れることができるのだろうか。
かねてから日本は「和魂漢才」「和魂洋才」で、日本独自の形に改良してきた。
思想は地理的要件、宗教観、社会観などから規定されるものである。
日本も「和魂」に基づいて環境問題、個人の権利に関する問題に取り組むべきではないか。



【刮目】
中村優希(長県大3期)
とりいそぎ、掲示板を立てました。今後、皆さんの分も追記していきます。
さて、今回はサブテーマを「新書大賞と環境問題・権利」としました。
理由は、
(1)今回の勉強会では新書大賞を中心として議論を行ったこと
そしてその議論では、取り上げた本から以下の議論に繋がったこと
(2)『人新世の「資本論」』⇒環境問題
(3)『民主主義とはなにか』
   『民衆暴力』『同調圧力』⇒人々の”権利”に関して
以上です。
(”権利”に関しては、”社会”もしくは”世間””日本社会”としても
良かったかもしれませんが...。)

「適切なサブテーマを付ける力」を養うことを
今年の勉強会の私のテーマにしたいと思います。

追記(4月29日)
一応、議事録をまとめたものワードで作りましたが、
それをここにそのまま書き写すのは好ましくないように感じています。

議事録は議事録としてデータに残しつつ、
それらをまとめたものをここに載せるべきではないかと考え作成しています。
みなさんには迷惑をお掛けしますが、今しばらくお待ち下さい。

追記(5月2日)
作成が遅くなり、申し訳ありませんでした。
私なりに要点を絞ってまとめたものを記入いたしました。
議事録は残しておりますので、
必要であれば私(BB117091@sun.ac.jp)にご連絡ください。

〇三戸
中村君、まとめるのはべんきょうになるから、「悪い」とは思わないが、
本当に感謝している。
ありがとう。

○木田
中村君、詳しい報告ありがとうございます。
丸投げしてしまっていて申し訳なかったのですが、取り急ぎ参加者氏名を少し修正しました。


【koyukai4】

Pass

新。浩友会オンライン勉強会(第三回)
No:5383 投稿者:中村優希(長県大三期生) 投稿日:2021/03/23 Tue 17:21:55 [返信

3月21日(日)、13時から
三回目の新。浩友会オンライン勉強会が開催されました。

参加されなかった方々のためにも先生がどのようなお話をされたのかを共有いたします。
また、書き込みが遅くなってしまい申し訳ありません

基本情報


活動日:2021年3月21日(日)
活動時間:13:00~20:00
参加者:三戸先生、古郡さん、山岸さん、日々野さん
木田さん、三厨さん、堀さん、中村


三戸先生のお話


Ⅰ.リーダーについて
Ⅱ.社会について
Ⅲ.芸・メディア・表現について

大まかに今回の議論をまとめると以下のようになります。
現代は環境が問題になっているが、果たして今のリーダーでいいのか
という問題意識から、まずは〈Ⅰリーダー〉について話が始まりました。
その後、そのリーダーを支える〈Ⅱ社会〉についての議論を経て、
その社会において人々はどのように〈Ⅲ表現〉しているのか、といった話になりました。

以下、各議論の概要になります。

はじめに 大人が“劣化”している
 大人が「自分を大切にする」ということをしていない。
 「自分を大切にする」とは、①将来の自分と②自分の周囲の人を大切にすること。
 コロナで自粛するのは、自分を大切にするということである。
 →①変異種の発生から将来の自分を守る
  ②自粛によって医療関係者=周囲の人を守る。
 政府は「自粛をするなら金を出す」という姿勢。
 本来は、「自粛をして飲食店などの人が困るから、金を出す」なのではないか。
 ⇒自分を律することができなくなっている証左。
  同調圧力ではなく自律(自分で考えて自分で責任をとる)ができなくなっている。

Ⅰ リーダーについて
1-1 リーダーの2タイプ
   ①統制型:創成期や混乱期
   ②民主型:安定期
   安倍は、民主主義を無視し行動力があったから統制型であったが、
   日本国民は彼を支持し、求めた。

1-2 各国の統制型リーダーに見られる現象
   各国のリーダーは、“文句をメディアや国民から言われている”
   と思っていることが見え見えになっている。
   ※「文句」だからテキトーに受け流している
   本来のリーダーというものは、批判や不満を受けるのは当然であり、
   それを調整するのが彼らの役目である。たとえその時は批判されても、
   歴史(将来)によって正当に評価されるものだ。
   ↑このことを今のリーダーは分かっていない。

1-3 時代の転換期と価値観の変容
   豊かさを求める時代(80年代)と豊かさを守る時代(90年代以降)では、
   協力の意味が異なってくる。
   豊かさを求めた時代は、実現に向けて「頑張る」「協力する」
   豊かさを守る時代は、現実を「維持しよう」「守らねばならぬ」
   だから、90年代以降は自分の人生を自分で作らなくなってきている。
  (例)昔:浪人当然
       自分の人生を自分で創るから大学に行く
     今:浪人したくない
       皆が大学に行くから自分も行く
   +カーボンニュートラルの時代となりつつあるから、
   ガス・電力会社などが潰れる可能性も出てきている時代になっている。
 
1-4 権力監視組織の必要性
   上記のように、時代の大きな転換期にあるにも関わらず、
   現在の状態(=“劣化”した大人が統制型リーダーを務める)にあるのは望ましくない。
   少なくとも、権力を管理する組織が必要になってくる。
   しかし、今はそれをしているのが野党だけ…
   加えて、総務省接待問題のように、専門家倫理がなくなっており、
   コンプラ意識の隆盛に反してコンプラの形式ばかり目立つようになっている。

Ⅱ 社会について
2-1 大人の劣化と若者への影響
   社会と切り離して考える、自分自身の価値観のみで考える大人が増えている。
   そのような大人と接すれば、若者も自然とそのように育っていく。
   いい大人に出会えることが大事であり、
   そのような大人に出会える可能性は地方より都会の方が大きい。
   若者問題とは大人問題であり、社会問題である。

2-2 地方と都会
   “中央”に対しての“地方”であり、 “地域”は“生活圏を共通しているもの”である。
   地方は“刺激”と“情報”がないから人材が育たない。
   だが、今やインターネットで、刺激と情報が得られるようになっている。
   その楽しさを教えるのが大人であるが、その大人は都会に行っている…
   また、今の田舎は「共同社会」から「システム社会」になろうとしている
   (例)マンションに表札を掲げない
   地域は崩れてきており、市場化・行政化されてきている。

2-3 地方と教育
   地方の人は教育の真の価値を理解していない。
   昔(明治時代)は、素封家が優秀な学生を都会に書生として送り出していた。
   その人たちは、自分の地方を良くしたい、発展させたいという真の責任感、
   自分の地域に対する責任感や有能な学生に機会を与えたいと考えていた。
   そういう恩を受けた学生は、いずれ地方に恩返しをする(したくなる)。
   このような意識を、親レベルではなく地域社会全体が持っていたことが
   有意義だったのであり、昔の地方社会には、「啓発された自己利益」
   を持っている人が多かった。
   現在も、外国や企業レベルで奨学生制度をするところがある。
   ⇒今後社会が変わっていくために必要な2つの要件
    (1)社会に成功モデル出てくること
    (2)ネットワーク型社会が出てくること
     過去にネットワーク型が失敗したのはインターネットがなかったから。
     現在はネットワーク型社会に必要なインフラが整っている。
     行政と学校はそれを助けることが必要である。

2-4 近代と資本主義
   近代とは、「個人・個人の権利」の芽生えである。
   資本主義のイデオロギーは個人主義のイデオロギーであり、
   近代を批判せずに資本主義を批判しているだけではダメである。
   21世紀のテーマである「ダイバーシティ」は個人の権利を
   目指すもの、つまり近代の延長線上にある。
   ダイバーシティの希求と資本主義批判は近代の肯定と批判であるから、
   相反しているのではないか。

2-5 個人と自然
   近代=個人は、そのとるべき責任の範囲が大きくなっており、
   もはや責任がとれなくなっている(責任ある選択ができなくなっている)。
   つまり、「個人」は限界に達してきているのではないか。
   「自然」つまり「自ずから然るべき姿」が求められるようなるのではないだろうか。
   なお、個人主義とは、自分(脳)がしたいように社会を変えていくことであり、
   自分の意見を抑止しない。一方、洋の東西を問わず、昔は“地獄”概念によって、
   個人の自由をある程度抑止してきた。

Ⅲ.芸・メディア・表現について
3-1 M-1はダメになった
   先日のM-1ではあれが漫才か、という議論になった。
   審査員は「面白いからいいのだ」と肯定した。
   その瞬間、芸人は終わったと感じた。
   “芸”とは、センスや熟練度が反映されるものであり、
   面白いからいいというのはよくない。

3-2 タモリの番組はなぜ長寿か
   タモリの番組が長続きする理由は、”大衆ウケ“より”コアの獲得“を狙っている。
   ネットも、コアを対象とし、獲得しようとしている。
   テレビは異種格闘技である。なぜなら、局同士で競っているのではなく、
   同時間帯の番組同士で競っているからである。
   (例)歌番組VSお笑い番組VSニュース番組…
   テレビも「ポツンと一軒家」「テレビチャンピオン」などのように
   コアにこだわっていくことがいいのではないか。
   ただし、制作サイドが飽きて軸がブレてくると人気がなくなる。

3-3 林修の優れた点
   林修は、仮説を立てる所に面白さがある。
   ①関心・興味を持っていて
   ②仮説を立てて
   ③人に納得させる
   のは、研究の仕事とも共通している。
   個々の物事は、「普遍性」と「独自性」から成り立っている。
   我々も、共通性を知ることによって、共通しない部分、
   つまり独自性であり自分の興味に気づくことができる。
   ノートをとるときも、黒板に書いてあることをただ書く=メモではなく、
   自分が大切と感じたこと、後で調べたいことを書く=ノートを
   作っていかなければならない。


●毎回の宿題
・自分が関心を持ったニュース
・読んだ本or読もうと思った本について
以上を用意してくる。

●次回のトピックス
新書大賞ベスト20の中から読みたい本3冊を選ぶ

●長期的なテーマ
大きな社会の変化、大きなパラダイムについて語れるようになる。
(自分の会社がどうなるか考えられるように)


○中村優希(長県大3期生)
はじめまして、長崎県立大学3期生の中村優希と申します。
今回初めて勉強会に参加いたしましたが、三戸先生が
「文明論的に考える」「時代の大きな転換期にある」
と話されていたのが印象に残っています。
普段はそのようなことを考えることがないので、
この勉強会を機にそのようなことも
考えられるようになっていければと思っています。

◯1期古郡です。
中村さんありがとうございます。
映像まとめる時の参考にさせていただきますね。
スピードは鮮度に直結します。
勉強会のあとは急速にいろんなことを忘れていってしまうので
このメモは嬉しい。

〇日々野15期(4/1)
大変遅れてしまいました。中村君、報告ありがとうございます。
決して短くない勉強会の全体にわたって、流れも踏まえてまとめてくださっていて感心します。
自分ではここまでできそうにありません。(体力の衰えでしょうか。)以下は感想など。

(もしかして)
1-4は「権力"監視"組織の必要性」ではなかったでしょうか。

(「地方と都会」について)
東京一極集中がこの国の課題である現状を踏まえれば、
地方の質を高める or 地方からよいリーダーをいかに生み出すかが重要な課題と思います。ではどうするか。
・情報と刺激は地方に乏しいと知っていれば、情報と刺激に触れることを意識的に行えるのではないか。
・まずもって、地方にいる自分自身がよい大人(よき社会人)たらんと振舞えているか。周囲に刺激を与えらえる存在となっているか。

(宿題:読もうと思った本)
新書大賞でもある「人新生の『資本論』」を買いました。
「脱成長」や「脱資本主義」の本はこれまでもあったなかで、この本が評価されるのはなぜだろうか。と考えながら読んでいます。
ひとつ気づけたことは、再生可能エネルギーブーム(又はマーケティング)に感じる違和感の正体。それは、資本の論理そのものである大企業・市場が、
再生可能エネルギーを叫ぶことのミスマッチ感でした。「グリーン経済成長」という言葉も使われますが、全く腑に落ちてきません。
それでも地球環境のためにはないよりマシなのだろうか。そうして資本主義を延命していく方法がベターなのか。

 →中村優希 (長県大3期)
  日々野さん、ご指摘ありがとうございます。
  仰るように、「権力”監視”組織の必要性」の方が
  相応しい表現だと思いましたので、訂正いたしました。
  今後とも不適当な点がありましたら教えてください。

【koyukai3】

Pass

3/21浩友会勉強会のメモ
No:5382 投稿者:三戸 投稿日:2021/03/20 Sat 20:30:24 [返信

先日、木田君から送ってもらったメモとno.5381を総合したものを、以下のようにまとめた。

Ⅰ.A.オリパラ幹部の「発言」 … 「ジェンダー問題」か? 権力者(上に立つ者)の倫理・道徳・美意識・責任問題
  佐々木発言は「上に立つものの“驕り”」、「業界の“悪ふざけ”」ではないのか?
  ⇒テレビ(第四権力)の堕落の反映(「イジリ、ドッキリ」というイジメ、「東大王」という権威主義、3密無視の番組)

〇「緊急事態宣言・自粛」の意味? … 
 飲食店の自粛に対し、他の業態では?
 夜8・9時までの「妥当性、適切性」 … 昼でも同じ(マスクをはずせば)
  ⇒3密対応策の店舗だけを認める、では?
 GO TO EATをなぜ解禁?

〇「自粛の呼びかけ」と「助成」以外に行政は何をしたのか?
 「検査」は?「ワクチン開発、調達」は?

〇 そもそも「自分と自分が大切にする人たちを守るために自粛する」のではないのか?
  =「啓発された自己利益」
そうなると、持たない企業・店舗が出てくるのでそれに対し補助・助成をする、というのが
  「市民社会、自律した個人」ではないのか?
  「街の声」では自分の判断に立つ人は「自粛賛成」、政府のせいを口にする人は「自粛に不満」

〇 専門家が機能しているか? 解除に納得してないようなのに認めた理由は?
  ⇒「経済で自殺する人たちもいるぞ」という「脅し」
    「専門家としての責任」ではなく「個人としての責任」を問うた

⇒こうしてみると、「責任」の欠如であること、
「市民社会」「個人」としての未熟さ、
つまり「大人」の不在、ではないのか?  ☜「大衆社会」

〇日米伯などは「エリート」ではないものが指導者になっている、特に日本はその程度がひどい
 「意識」は全体的に低下、「(収入)格差」は拡大
 トランプ米大統領・ボルソナール伯大統領・ドゥテルテ比大統領、そして我が安倍首相 
(習近平国家主席は?)

B.急激に変化する21世紀
「カーボン・ニュートラル(EV化、廃プラ)」…生態系 ⇒電力・ガス・石油業界、重化学工業の「運命」
 「ジェンダー、人種差別問題」 … ダイバーシティ
 この2つが「21世紀の課題」ではないのか?
  「個人の権利を認め、満足させる(自由と平等)」のためには「進歩(豊かさなど)」が必要
  「進歩」は「無限」であり、新たに「発見」「生態系」と根本的にバッティングする

 第1次産業革命…石炭による蒸気機関 (19世紀)、市場  
 第2次産業革命…石油による内燃機関 (20世紀)、(大規模)組織 
 第3次産業革命…再生可能エネルギーによる発電機・モーター・蓄電器 (21世紀)、ネットワーク

Ⅱ.Bという「文明的転換期」には「パラダイム・価値観の根本的変換」が必要であり、
 Aの「責任、大人としての成熟」がリーダー(統治者・管理者上に立つもの)の高い資質(人格と能力)が要請される

Ⅲ.「民主型・自由形」リーダーシップ・統治と「統制型・強権型」リーダーシップ・統治
 歴史的には後者から前者であったが、21世紀になり前者から後者へのシフトが見られる
 Y「民主型・自由形」リーダーシップ・統治 … 安定的時期の社会・集団
X「統制型・強権型」リーダーシップ・統治 … 変革・混乱・創成期の社会・集団

Ⅳ.Y型において「信頼できる(責任ある)リーダー」が必要であるが、
  同時に、フォロワー(国民・市民・メンバー)の「自律」が要請される
  出ないと「全体主義、独裁国家・社会」となる

Ⅴ.我々はどうすればよいのか?
(1)まず何より、「責任」の理解、」教育が前提であろう
  「個人」とは何か、「自分」という概念、「個人主義と利己主義」
(2)人間は一人では生きていけない、社会を必要とする(R.クルーソーの話)
  「個人⇔社会・集団・組織」という図式の意味?
(3)歴史的に見ると、人間は「地縁・血縁に基ずく共同体」に助けられ、近代になり「国家・行政」の保護・支援と「市場」による自助、戦後日本は「企業・職場」に助けられて来たが、
(4)20世紀末から「経済成長のストップ」に対して「競争原理、市場原理」の掛け声のもとに行政・国と企業は助けてくれなくなった(「自助・共助・公助」という言葉の発明・使用)
(5)「公助」に期待できず、「自助」を「強制」されているが、
「自助」は不安定・不確実であり、
新しい「共助」の形を模索せねばならない 
 ⇒信頼できる「集団」に属する時代はしばらく来ない、
  インターネット技術の活用による、「ピラミッド型組織」から「ネットワーク型」組織の時代
「新しい共助」は、マクロ的には「ダイバーシティ」を視野に入れねばなるまい
(6)中華帝国やアメリカという大国に従うというあり方の「終焉、中断」
   米中は信頼できない
   EUは「大国中心時代」への対応策
(7)日本は「儒教圏、中華文化圏」にあるが、「対等型」ではなく「歴史意識」から解放されない
   川勝平太の「ネシア文化圏」は可能性があるか?
   新しい関係性(協力関係)の構築が国家目標であり、企業・団体・個人もその意識を

(※)参考「愛と勇気の公共越境力養成講座」

【2021.3.21】
    

Pass

先日の浩友会で語ったこと
No:5381 投稿者:三戸 投稿日:2021/03/04 Thu 17:13:10 [返信

木田君から、当日話したことの簡単なまとめをみんなに送ってもらったが、
そこに書き忘れていたことがいくつかあった。
その中で最も重要なこと、と思われることを書いておきたい。

「エネルギー・資源問題の変容」
カーボンニュートラル、カーボンフリーなどという言葉が生まれ、
世界の潮流は「脱炭素」である。
温暖化・異常気象から考えれぼ当然であろう。

だが、東京ガスや東京電力そして出光など、エネルギー産業・企業はどうなるのだろうか?
ガスを燃料とすればCO2が出る。
石油・天然ガス発電も同じ。
エンジン搭載の自動車は販売できない。

近代化は石炭による蒸気機関の発明、第一次産業革命からスタート
20世紀になり、石油を使う軽量・効率化の内燃機関により第2次産業革命が生じた。
いま、この化石燃料をエネルギー源とすることは許されなくなった。
80年辺りまでは資源問題=「資源の希少性」であり、石油の埋蔵量やオイルシェールが重要問題であった。
だが、その石油を「使ってはならない!」と僅か2,30年で変わった!
「経済、社会、国家の存亡を左右する資源」をどうやって確保するか?
が「使用禁止」になったのだ!
エネルギー資源としてだけではない「廃プラスチック」の動きは、
ストロー・レジ袋で終わる筈はない。ペットボトルやポリ袋も自然に返るもので作らねばならない。

第3次産業革命の時代を迎えていると言うことになる。
情報化(オンライン・AI)と自動化、そして地方の時代がこれと連動する。

私は以上のように認識している。
メディアで「第3次産業革命」という言葉を聞かないし、
電力・ガス・石油産業が消え去るか・縮小するか、激変するか、
どうなっちゃうんだ?という心配の声も聞かない。
政府はどう考えているのだろうか?
地方自治体は大きな変革期の当事者になっていることに気づいているのだろうか?

大企業体制・経済はエネルギー・資源によって支えられた。
経営学は、その大企業経済に応えて誕生した。
21世紀は20世紀とは違う社会となるのだ。
20世紀が19世紀と違う社会となったように…。

今日はここまでにしよう。
〇エネルギー・資源問題の変容
⇒経済体制・産業構造の変容=第3次産業革命
⇒我々の生活、経営学も変わる
という話の触りである。

詳細や対応に関しては、
浩友会でみんなと語り、考えたい。

p.s.『中央公論~環境革命の虚実』3月号
  絶対に購入し、読むことを奨める。

○きだ

三戸先生、ご補足頂き有り難うございます、
お手数をお掛けしてしまいまして申し訳ございません。

中央公論、早速買いました><
本屋行けずポチってしまったのはもったいない気もしますが…


〇日々野15期
先生、ありがとうございます。中央公論3月号の特集記事を入手したので、しっかり読んでまいります。
私は、昨今の急速な再エネ・EV議論には多分に政治的であり、どうにも懐疑的になってしまいます。
しかし、先生が書かれているように21世紀(あと80年!)のスパンで資源・エネルギー問題を考えると、変革は必然と考えざるを得ず、この問題と向き合う必要性を強く感じます。
次の勉強会での学びを楽しみにしております。


【kouyuukai2.28】

Pass

大学院ゼミ掲示板を本当に久しぶりに見た
No:5380 投稿者:三戸 投稿日:2021/03/04 Thu 16:40:21 [返信

大学院ゼミ、
いい、ゼミだったんじゃないかなぁ…。
報告の多少の出来・不出来はあるが、
皆楽しそうだ。
毎回のゼミ活動の報告に加えて、結構課題を出していたんだなぁ。
みんなの視野の広がりや、叙述のトレーニングには役だったんじゃないかな…。
私は、今とほぼ同じことを言っていたことに、あらためて気づかされた。
この5年間で新たに学んだこと、問題関心は広がったが、
社会・日本に関しては、あまり変わっていないな。

彼ら・彼女らは、大学院をいまどう振り返っているかな?
私の下で学んだ価値は十分あっただろうか…。

学部OB・OGも、この上にある「大学院ゼミ掲示板」をポチってごらん。
書かれていることは、役立つと思うよ。


【inn.keijibann】

Pass

新。浩友会オンライン勉強会「コロナ禍の社会を考える②」動画編集出来
No:5379 投稿者:1期古郡です 投稿日:2021/02/06 Sat 23:22:15 [返信

1/24にオンラインで開かれました
講義の動画を編集しました。

2部構成にして各10分程度で
先生の講義のエッセンスを学べます
(素材そのままだとみんなの感想なども入り
長すぎて先生の講義が探せない)

ここは公開のサイトのため、FBに載せましたので
参加した方は復習のため、今回欠席しちゃった方は
キャッチアップのためにぜひ一度ご覧ください。

【koyukai】

Pass

情報共有スペース 今後の勉強会にむけて
No:5378 投稿者:きだ 投稿日:2021/02/03 Wed 00:48:13 [返信

今までの勉強会からの学びを広げ、今後の勉強会の際に参考とするために、
各自が見つけた情報や気づきを共有する場所として、この板を立てています。
自由に書き込んでいただけると幸いです。

○きだ
とりあえず、一冊。
文系大学教育は仕事の役に立つのか―職業的レリバンスの検討 (日本語) 単行本(ソフトカバー) – 2018/8/31
本田 由紀 (編集)

2/18 追加
砂原 庸介(2018)『新築がお好きですか? 日本における住宅と政治』ミネルヴァ書房叢書
https://chikirin.hatenablog.com/entry/2021/02/17/192934
コロナは地方には追い風かもしれませんが、都市政策を変えていかないとその追い風も活かせない結果に終わりそうですね…

○2/22追記
https://toyokeizai.net/articles/-/412805
氷山の一角かもしれませんが、アベノマスク等無駄な出費をしたことでの
「将来」へのツケは小さくなさそうですね・・・


【info】

Pass

新。浩友会オンライン勉強会「コロナ禍の社会を考える②」報告
No:5377 投稿者:堀(長県大1期) 投稿日:2021/01/24 Sun 23:56:29 [返信

本日(1/24)【新。浩友会オンライン勉強会「コロナ禍の社会を考える②」】と題しまして、
昨年11月の浩友会から継続してコロナの影響によって変わる企業・日本・世界を考える勉強会の第2回が開催されました。
今回も多くの出席があり、皆様それぞれ得るものが多い勉強会となったのではないでしょうか。


本勉強会は「カジュアルな勉強会」というコンセプトを掲げています。
継続したテーマではあるものの、参加できなかった方も共に考えて次回の勉強会に参加にできるように、
今回の勉強会で挙がったテーマを共有いたします。


参加された方も残念ながら参加できなかった方も各テーマについて考えを書き込んで下さればと思います。




■学生の主体性
<問題意識>
コロナの影響で社会の転換期にある現在、自らの将来について自発的に考えて行動する力が乏しい。就活シーンでその傾向が顕著に見て取れる。
大学以前の高等、義務教育で習得すべき力ではないか。

■日本企業はJob型に移行できるのか?
<問題意識>
リモートワークによって成果主義の導入、職務・勤務時間の無限定からの開放へ可能性が見えてきた。
しかし完全なJob型への移行は可能だろうか。歪な「日本型Job」の成立を危惧。

■非公式組織の行方
<問題意識>
日本的組織を支える非公式組織がリモートワークによって機能しないのではないか。
組織の3要素の1つである「伝達」を担う非公式組織失くして日本企業は成果を挙げられるのか。

■21世紀の世界の中心~日本が見習うべきは?~
<問題意識>
米国…市場と組織、大量生産・大規模組織を可能とした開放性と理想の喪失
中国…19世紀型の帝国主義(経済と軍隊)
欧州…「環境問題」こそが最重要課題であるとする21世紀文明
かつて「和魂洋才」であった日本がこの20年で「米魂米才、無魂米才」となった。
今後日本は米国・中国・欧州どの国をモデルとするのか。そして、日本は「和魂」を取り戻すのか。



○堀(長県大1期)
はじめまして。長崎県立大学1期生の堀 卓也と申します。
浩友会の正式な一員ではありませんが、オブザーバーとしてみなさんと学んでいけたらと思います。
今回初めて勉強会に参加しましたが、普段は余裕がなくて深く考えることのできない事柄について
皆さんのお話を聞きながら考えることができ、随分と視野が広がったように感じます。
今後は今日考えたいくつかのテーマを元に日頃から少しでも考えていけたらと思います。

○古郡(横国1期)
堀さま。ありがとうございます。横国1期の古郡功です。
レポートというものはスピードが大きな武器になります。
勉強会のあと一番乗りで書き込んだことに感謝と「いいね」を送りたいと思います。

この後間に合えば動画の編集を行いますが、このレポートは大いに使わせていただきます。
共に学んでいきましょう。

教育現場における意識の問題は日本の命運がかかっているので
ぜひ深めていきたいテーマです。そして立場によって見方がかなり変わることも
興味深いものでした。どうまとめていったらいいものか…

○きだ(横国25期)

堀君、場たてありがとうございます。
「■21世紀の世界の中心~日本が見習うべきは?~」以降の先生のお話の中で示されていた問題意識
について、箇条書きのメモの形にはなりますが、補足しようと思います。

・日本は和魂、つまりルールではなくお互いの納得のところで動く社会だったからこそ学べてきた、ということを認識すべき。
・今の日本は、米魂米才、無魂洋才に見えるがいいのか? 米魂はたとえば、株主主権などだが、口ではそれを標榜していても、内面で本当に信じてない、だから無魂に見える。
・日本社会では、目指すべき方向(新しい社会的信条?)が無いまま和魂を捨てている。過渡期と捉えることもできるが・・・
・個人の権利を絶対視する近代化をこのまま無批判に深化していいのか。
・和魂を捨て権利を重視する風潮が強まりながらも、市民としての意識、責任感が見られない。日本は個人よりも関係性を重視し、受け手の意思だけではなく行為者の意思が重視されていたが、今は個人の意識が重視される(パワハラなど)。未来の社会を作るのではなく、将来を迎えるという受動的な形になっている。この点が日本の若者の主体性の無さと関連しているのかもしれない。
・日本と、他の国のあり方、歴史を認識するべき。
・ヨーロッパでは、市場ではグローバル化を進めつつ、町並みや言語など文化・伝統を守っている。また、経済・軍事力を失いつつもルールの設定者、文化の評価者となることでパワーを保っている。日本が過去に戻ることはできなくとも、そのようなあり方も参考にできるのではないか。

▼以下、私の感想として、他国の若者がどのような社会像を求めているのか、が気になります。
ヨーロッパの若者は環境活動に対して上の世代よりもさらに熱心なのではないか、
アメリカの若者は、未来・理想を失っている?あるいはヨーロッパ発の環境活動に興味を示す人々も一定数いそうです。
若者や市民の政治活動は、やはり欧米で盛んな印象で、日本や他のアジアの国ではあまり盛んな印象はありません、
思い浮かぶのは香港の学生活動家たちですが、当局からの圧力がますます強まっている印象です。


【koyukai2】

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1/24(日) 13時よりZoomにて新、浩友会カジュアル講座②があります
No:5376 投稿者:1期古郡です MAIL 投稿日:2021/01/20 Wed 10:40:26 [返信

浩友会のみなさま

かつて「この世界の見方を学ぶことはきっと人生が豊かになる」と
先生のもとに集いゼミで学んだみなさん、お元気でしょうか。


2020年11月に浩友会ではオンラインで講義を行いました。
問題として掲げたものはやはり
「コロナが社会に及ぼした影響は?」でした。


この社会をどう見るか、
自分の環境にどう対処すればいいか、いつもながら
様々な気づきを得ることができましたが、なんと言っても
「オンラインだから気軽に参加できた」
ことが例年と大きく違う点でした。


これなら続けられるのではないか、
遠くにいるゼミ生にも声をかけやすいのではないか。
これは大きな収穫でした。
世の中は大きく変わります。浩友会の形も進化する機会です。


11月の先生の講義は時間の関係もあり多少端折ったものでした。
まだ記憶に新しいうちにオンラインで続きをやってみよう。
今回はそんな企画です。



■新。浩友会オンライン勉強会
「コロナ禍の社会を考える②」


開催日時:2021年1月24日(日)13時~
ここは公開の場のため、URLは木田幹事にお問い合わせください。


<当日の内容>
・まず、前回の補足、年明けの1か月で
何がどう変わったかの先生の講義があります(予定)
・参加者による講義への感想、関連する身近なトピックスの発表
・何回かの勉強会を通して自分の見方、考え方を
確立させていくことが目的となります


<準備>
改まった準備は必ずしも求めませんが、
できれば事前に前回講義の抜粋録画を視聴し、
みなさんは前回の講義から見えてきた身近なトピックスを
用意しておきましょう。

・動画のURLも木田幹事にお問い合わせください。


<参加方法>
Zoomミーティングに参加する


■カジュアルな勉強会にしたいと思います。
・年に何回か開けるようにしたい
・各回をオンラインで気軽に参加できるようにしたい
・欠席してもフォローできるようにしたい
・少しずつ視点を得ながら年一回の浩友会の総会を開きたい
(2021年は会えるだろうか…)


古郡でした

○25期 木田
古郡さん、対応遅れすみません、場たてありがとうございます。
投稿者名のところに私の連絡先を記載しました。

〇佐々木(16期)
 古郡さん、ご案内ありがとうございます!!!


【koyukai】

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2020「今年の漢字」
No:5375 投稿者:三戸 投稿日:2020/12/07 Mon 19:21:05 [返信

今年の漢字は12/14に発表されるようだ。
やろうじゃないか!
私は、

「禍」


だな。
「新型コロナ禍」と何度も文書で使った。

(参考) 私は見ずに決めたが、こんなものもある。
「2020年「今年の漢字」を過去25年の傾向から予想してみた

今年の漢字2020/歴代一覧と今年の予想!発表はいつ?


◯横1期古郡です
やはり清水寺で霊験あらたかに発表されるので
そこには慈悲や慈愛が込められていて欲しいものです。
年の最後くらい救われたいし。
エントリー
「看」全国の医療従事者に感謝を伝えたい
「家」色々あるけど家族の時間ができたという人も多い
でお願いします。

○横25期きだ 12/10
結果的にリンクの予想と重なりましたが、
「新」が一番ありそうで、「病」が次点でしょうか。
自分なりにひねって考えてみると、
「隔」です。
遠隔での仕事、教育、都市の閉鎖・患者隔離、
国境封鎖と国家間対立…などなどを表しています、
ネガティブになってしまいますが…

○横21期竹田 12/12 16:00
「疫」

(参考)63「疫」はなぜ役と関係があるのか?
「すべての人民に課せられる仕事(労働・戦役など)が役であり、すべての人民に襲いかかる病気を疫というのである。」

50年後も、2020年を一言でわかりやすく伝えるなら、なんだろう、と思い、
広くいきわたる、という意味があることを知り、この言葉を推したいと思いました。
台湾では、この「疫」が今年の漢字に選ばれたそうですが、日本はどうなるでしょうか。

【kanji2020】

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2020今年の10大ニュース
No:5374 投稿者:三戸 投稿日:2020/12/07 Mon 19:15:38 [返信

「新語・流行語大賞」では、今年は「新型コロナの年」だった。
2020年、新型コロナ以外の出来事は無かったのだろうか?
12月のニュースを入れていないが、今の
「私の2020年10大ニュース」を挙げる。
読売新聞を参考にした。)

《2020年10大ニュース》
1位 新型コロナ、世界で感染拡大
2位 オリンピック延期
3位 安倍首相が辞任表明
4位 菅内閣が発足、新立憲、150人で旗揚げ
5位 米国大統領選
6位 Go Toキャンペーン
7位 春夏高校野球他スポーツ大会中止、プロ野球、Jリーグ開幕延期
9位 GDP年率換算27.8%減、戦後最大の下落
10位 志村けんコロナで死亡
   菅首相、学術会議候補6人の任命拒否
   C.ゴーン被告、レバノンに逃亡
  九州豪雨、死者77人  


   
〇このほかの私が注目したニュースを挙げておく。
時間が無い人は、10大ニュース選定の一助にして欲しい。
日中韓などRCEPに署名
「あおり運転罪」創設
スパコン計算速度で「富岳」が世界一
レジ袋有料化スタート
高輪ゲートウェイ」開業=山手線新駅
「チバニアン」正式決定=千葉の地層、地質時代名に
商船三井の貨物船座礁=モーリシャス沖
東証、全銘柄の売買終日停止=システム障害で初
都構想、反対多数=住民投票、大阪市は存続
「ダイヤモンド・プリンセス」号で新型コロナ集団感染
新型コロナ感染拡大、緊急事態宣言発令
東京都知事選で小池百合子氏が再選
将棋の藤井聡太七段が最年少タイトル
アニメ映画「鬼滅の刃」、国内最速で興行収入100億円突破
鉄道や航空各社、巨額赤字見通し相次ぐ

《世界》
米国大統領選
米国、黒人差別抗議デモ拡大
 NY株、過去最大2997ドル安(3月)
NY株、史上初の3万ドル台(11月)
 米国で民間初の有人宇宙船打ち上げ
米司法省、グーグルを反トラスト法違反で提訴
米中対立激化(南シナ海巡り米中対立が激化、米中、相互に総領事館を閉鎖)
米国で警官に拘束された黒人男性が死亡、抗議デモ世界に
米軍、イラン革命防衛隊司令官を殺害
米とタリバン、和平合意に署名
イランがウクライナ旅客機を撃墜
英、5Gで中国のファーウェイを排除
英国がEUを離脱
WHO、新型コロナウイルスのパンデミック表明
核兵器禁止条約の発効決定
中国が初のマイナス成長、1~3月期
香港の国家安全維持法が施行
北朝鮮、南北共同連絡事務所を爆破
露が憲法改正、プーチン氏5選可能に 
在ドイツ米軍、1万2000人削減
韓国、「元徴用工」訴訟で資産差し押さえ手続き 
イスラエルがUAE、バーレーンと国交樹立合

《新型コロナ関連》だけを追ってみた。
        ( 日本 )                        ( 世界 )
2月 新型肺炎でクルーズ船が横浜港停泊          新型コロナウイルス、世界各地に広がる
   政府、2週間のイベント自粛要請=新型肺炎      
3月 国内感染者2千人超=新型コロナ           不要不急の労働、2週間禁止=スペイン―新型コロナ  
選抜高校野球、初の中止=新型コロナ         イタリア死者1万人に=新型コロナ
聖火リレー中止                   米の自粛要請、4月末まで延長=新型コロナ
   東京五輪、来年7月23日開幕
4月 新型コロナで緊急事態宣言              新型コロナ、世界の感染者300万人超える
政府が布マスク配布
   新型コロナで5月中開幕も断念=プロ野球
新型コロナで公式戦中断=Jリーグ
5月 緊急事態宣言、全面解除=新型コロナ
   夏の甲子園中止=コロナ禍で戦後初
6月 都道府県境をまたぐ移動の自粛解除=新型コロナ   
   プロ野球、3カ月遅れで開幕
   Jリーグ、4カ月ぶりの公式戦=J2再開
7月 令和2年7月豪雨                    米大リーグ、4カ月遅れの開幕
10月                             トランプ米大統領、新型コロナ感染
                               仏、外出制限再発動=新型コロナ
11月 菅首相、札幌・大阪発の自粛呼び掛け=GoToトラベル  欧州などで再ロックダウン=新型コロナ
大都市で時短・休業要請=新型コロナ

《災厄から〇年》 ニュ-スを調べていたら…
1月 阪神大震災25年
3月 日比谷線事故20年=東京メトロ
地下鉄サリンから25年
東日本大震災9年
4月 熊本地震から4年
   福知山線事故から15年
8月 75回目の広島、長崎原爆忌
日航機事故35年

《訃報》やはり、志村けんの死去が印象に…。
1月  宍戸錠
2月  梓みちよ、野村克也、カーク・ダグラス
3月  志村けん
4月  大林宣彦、岡江久美子
7月  山本寛斎、弘田三枝子、李登輝・元台湾総統
8月  渡哲也
9月  岸部四郎、斎藤洋介、竹内結子
10月 高田賢三、ショーン・コネリー
11月 ディエゴ・マラドーナ


【2020top10】

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ゼミ活動報告板もたまには見てみたらどうかな?
No:5373 投稿者:三戸 投稿日:2020/12/03 Thu 16:48:36 [返信

横国ゼミ時代から続いている「ゼミ活動報告板」だが、
先日の浩友会に参加した中村優希君が、
ゼミでの私の話をまとめてくれている。
時には、役に立つ話もあると思うから、
この掲示板に来たついでに見てみたらどうだろうか?
まとめが簡単だから、質問もあるかもしれないが、
それは、こちらの板で出してくれたら、答えます。


○竹田(21期)2020/12/06 18:30
大学教育のオンライン化ということで言えば、「Udemy」などは、まさに、これからの大学教授としての活躍の場の一つになりそうですね。
https://www.udemy.com/ja/
早熟な学生は、大学という場に頼ることなく、学ぶことができるので、専門性の高い人材が大学というブランドとは別の世界から生まれてくると思います。

⇒竹田君、面白い情報ありがとう。
 見に行ったが、資格・スキル系の講座がほとんどのような気がする。
 これまでの通信講座とどこが違うのか、中身を見てないからわからないが、
 学べることは大学ではないんじゃないかな?
 「Udemy」はUniversity+academyの造語かな?
 羊頭狗肉のネーミングだねぇ…(*_*; 






【ikaga?】

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新語・流行語大賞2020の予想の分析めいたもの
No:5372 投稿者:三戸 投稿日:2020/12/02 Wed 12:50:31

少し、順番が変になったが、
我々の予想の分析をしてみたい。

                          三戸 きだ みくりや 杉山 佐々木 古郡  発表
愛の不時着/第4次韓流ブーム      ー ー ー  ×  ×   ◯   ○
新しい生活様式/ニューノーマル    ○  ◎  ○  ◎  ☆   ◯
あつ森                ー  ○  ー  〇  〇   ◯   ○  
アベノマスク             ○  ー  ー  ー  ー   ー   ○
アマビエ               ー  ー  ー  ー  ー   ー   ○
ウーバーイーツ            ○  ー  ー  ○  ー   ー
AI超え                ー  ー  ー  ×  ×   ×
エッセンシャルワーカー        ー ー  ー  ー  ー   ◯
おうち時間/ステイホーム       ○ ○  ○  〇  ー   ◯
オンライン○○            ◎  ☆  ◎  ー  〇   ◯   ○
顔芸/恩返し             ー  ー  ー  ー  ー   ー
カゴパク          × ×  ー  ×  ー   ×
鬼滅の刃               ○  ○  ○  ☆  〇   ☆   ○
クラスター            ○ ○  ー  ー  〇   ◎
香水                 ー  ー  ー  ×  ー   ー
GoToキャンペーン          ○  ○  ○  ー  〇   ー   ○
3密(三つの密)            ☆ ◎  ○  〇  〇   ー   ☆
自粛警察               ー  ー  ー  ー  ー   ー
Zoom映え               ー  ー  ー  〇  ー   ー
総合的、俯瞰的            ー  ー  ー  ー  ー   ー
ソーシャルディスタンス        ◎ ◎  ☆  ◎  ◎   ◯
ソロキャンプ             ー  ー  ー  ー  ー   ー   ○
テレワーク/ワーケーション      ○  ○  ○  〇  〇   ◯
時を戻そう(ぺこぱ)         ー  ー  ー  ー  ー   ー
NiziU(ニジュー)          ×  ー  ー  ×  ー   ◯
濃厚接触者              ー  ー  ー  ー  ー   ◯
BLM(BlackLivesMatter)運動      ー  ー  ○  〇  ー   ◯
PCR検査                ー  ー  ○  〇  〇   ◯
フワちゃん              ー  ー  ー  ー  ー   ー   ○
まぁねぇ~(ぼる塾)        ー ×   ×  ×  ×   ー

今年は予想ではなく、「自分が選ぶ」だったから、一致していなくてもいいんだが…。
予想なら、コロナ関係を少し減らして「明るい言葉」を選ぶからね。
(だが、政治関係の言葉が選ばれなかったな。「総合的、俯瞰的」「BLM(BlackLivesMatter)運動」が選ばれなかった!)


さて、発表とどれだけ一致していたか?

                          三戸 きだ みくりや 杉山 佐々木 古郡  発表
愛の不時着/第4次韓流ブーム      ー ー ー  ×  ×   ◯   ○
新しい生活様式/ニューノーマル    ○  ◎  ○  ◎  ☆   ◯
あつ森                ー  ○  ー  〇  〇   ◯   ○  
アベノマスク             ○  ー  ー  ー  ー   ー   ○
アマビエ               ー  ー  ー  ー  ー   ー   ○
おうち時間/ステイホーム       ○ ○  ○  〇  ー   ◯
オンライン○○            ◎  ☆  ◎  ー  〇   ◯   ○
鬼滅の刃               ○  ○  ○  ☆  〇   ☆   ○
クラスター            ○ ○  ー  ー  〇   ◎
GoToキャンペーン          ○  ○  ○  ー  〇   ー   ○
3密(三つの密)            ☆ ◎  ○  〇  〇   ー   ☆
ソーシャルディスタンス        ◎ ◎  ☆  ◎  ◎   ◯
ソロキャンプ             ー  ー  ー  ー  ー   ー   ○
テレワーク/ワーケーション      ○  ○  ○  〇  〇   ◯
PCR検査                ー  ー  ○  〇  〇   ◯
フワちゃん              ー  ー  ー  ー  ー   ー   ○  


一致率(的中率じゃない)は、
きだ  ; ☆…×、◎…○ 、○…5 
みくりや; ☆…△、◎…- 、○…4
杉山  ; ☆…×、◎…× 、○…4
佐々木 ; ☆…×、◎…× 、○…5 
古郡  ; ☆…×、◎…× 、○…4
三戸  ; ☆…○、◎…- 、○…5

①みんな、一致率は4ないし5だな。
おもしろいし、珍しいんじゃないか?

②5人以上が同じ選択していたのは、
                                      発表
新しい生活様式/ニューノーマル    ○  ◎  ○  ◎  ☆   ◯   -
おうち時間/ステイホーム       ○ ○  ○  〇  ー   ◯   -
オンライン○○            ◎  ☆  ◎  ー  〇   ◯   ○
鬼滅の刃               ○  ○  ○  ☆  〇   ☆   ○
3密(三つの密)            ☆ ◎  ○  〇  〇   ー   ☆
ソーシャルディスタンス        ◎ ◎  ☆  ◎  ◎   ◯   - 
テレワーク/ワーケーション      ○  ○  ○  〇  〇   ◯   -

⇒7語中3語しか発表と一致していない
 全員がはずしたのが、3語もある!
 「ソーシャルディスタンス」と「テレワーク/ワーケーション」は選ばれてもいいのじゃないか?
「アベノマスク」を選んだのは私だけだが、半分シャレだぜ。
「政治関連」で選びたかったからかな? 
③全員が一致していなかったのが、
アマビエ、ソロキャンプ、フワちゃん 
⇒…、…、…、?

④一人だけ一致していたのは、
愛の不時着/第4次韓流ブーム  … 古郡
アベノマスク         … 三戸 

○忘れていたことがある
 30語の中にノミネートされていないけど、この言葉は入れてもいいだろ、というのを尋ねなかった。
 何があるだろうか?

○きだ 横国25期

先生、分析ありがとうございます。
大賞を逃した鬼滅ですが、千と千尋と比較しながら大ヒットの背景を探った記事を見つけました、
作品内容にはほとんど踏み込んでおらずメディアに注目した分析ですが、
なるほどなぁという内容でした。
https://cinema.ne.jp/article/detail/45492

⇒三戸
木田君、有難う。
見に行ってきた。
眼でいあの観点をを中心にしたマーケティング論だね。
面白かった。
何より、最後の参考資料リストはうれしいね。

だが、私はなぜ「売れたか?」の「売り方」ではなく「作品の魅力」の分析を見たかった。
君の言う通り、その観点の分析ではなかったのが残念。
如何なる作品が、どのような要素が人々を惹き付けるのか、それを知りたい。
それは、企業だけではなく、研究者も、教育者も知りたい、知らねばならないことではないだろうか…。


◯横1期 古郡
短編映画を作ってから海外の賞に応募しているのですが、
入選したものを見ると日本文化のガラパゴス感を感じます。
これは流行語大賞にも通ずるものがあります。

最近の海外映画のテーマは移民、分断、貧困、ジェンダーです。
人々が積極的に見ていることから、こういうものに関心があることがわかります。
ちなみにアメリカの流行語大賞は年明けに発表のようで去年は
「ジェンダーに関して自分を指し示す【代名詞】」が1位でした。

民主主義を自分たちで作り上げているという自負からか、差別がシャレにならないレベルだからか、
マスコミの成熟度が違うのか、ピックアップされる単語に社会問題意識が見え隠れします。

日本の場合はスポンサー企業が決めているのでポップなものにわざとしているのかも知れません。
韓流ドラマ、ゲーム、口汚い芸能人…これが日本の流行語だと茶の間感しか感じません。

日本では今年も天候不安があり、貧困やジェンダーの問題があり、企業と世界の繋がりが激変したり
色々あったのにも関わらずこれといったヒット単語が出てこない。関心がないのかなぁ。
不倫謝罪会見やってる場合じゃないんだが。

ちなみに私が入れたかった今年の単語は「九州豪雨」「SDG's」「大坂なおみ」です

⇒三戸、
 なるほど、全くそうだねぇ…。
 なぜ、かくも日本社会が社会への窓を閉ざし、社会問題に関心が無くなったのか?
 20世紀はこうではなかったのではないか?
 半径1mの周囲とメディアを通じたことにしかか関心が無くなっているのは若者だけではないね。
 だが、社会・世の中のことを知るには、何らかのメディアを通してだが(口コミは除く)、
 そのメディアのニュースが「コロナ」と「コロナの明るさの払拭」では…。
 政治だけではなく、あらゆる権威・権力の劣化が進んできている感じだ。
 古郡君が挙げた3つは、去年以前からだった気がするが、なぜ「今年の単語」にしたのかな?
 私は、コロナ以外には流行しか浮かばなかった。
 今年は何があったのだろうか?

 「今年の漢字」は新型コロナを度の感じで表すか、センスが問われるが、
 私は十大ニュースが3つしか浮かばない。
 やりたい!

◯1期古郡です
はい。
確かにこの3つは新語ではありません。
今、(今さら?)世の中で機能し始めた言葉とは?
で探してみました。


SDG'sは国連で提唱され多くの企業が
「イメージ戦略から環境ビジネスへ」と動きました。
でもこれは欧米が中心。日本に欧米の考えが浸透するまで
1~2年かかります。
「それで儲かるのか」が確定されない限り日本の企業は動きません。
企業の思想という点で日本がリーダーシップを取ることは難しい。
紀伊国屋のランキングを見ているとデイリー、ウィークリー、
マンスリーの単位で流行語が見て取れます。
新書の社会のところにかなりSDG's関連の書籍が見られます。
日本企業的には旬だと思ってる感じが…
https://www.kinokuniya.co.jp/disp/CKnRankingPageCList.jsp?dispNo=107002001001


大坂なおみもランキング1位を取った時より今です。
彼女の発言の影響力が評価されているのは2020年なので
今年の言葉としてみました。


九州豪雨はウィルス影響下での災害です。
これまでの避難の仕方とこれ以降の避難は
大きく変わります。これはフワちゃんよりは
だいぶでかいトピックだと思うのですが…


そうか。流行語大賞は
この言葉がどのような意味を持つかには
言及しないんですね。だから流行なのか。

ちなみに今年の1字は「看」にしておきますー


【NWA2020(2)】

Pass

2020新語・流行語大賞、対象は「3密」
No:5371 投稿者:三戸 投稿日:2020/12/02 Wed 12:44:52 [返信

「新語・流行語大賞」が1日に発表された。

年間大賞;「3密」
トップ10; 愛の不時着
あつ森(あつまれ どうぶつの森)
アベノマスク
アマビエ 
オンライン○○
鬼滅の刃
GoToキャンペーン
3密
ソロキャンプ
フワちゃん


新型コロナの1年だったが、
直接関係している語が5つ(アベノマスク、アマビエ、オンライン○○、GoToキャンペーン、3密)
間接的な語が4.5個。
「ステイホーム」のために自宅での時間の過ごし方から流行ったのが、
「愛の不時着」「あつ森」「フワちゃん(YouTube)」、
「鬼滅の刃」の流行はステイホームとの関連は無関係ではないだろうが、薄いだろうな。
「3密」を避けるために流行ったとされる「ソロキャンプ」だが、
芸人の「ソロキャンプ」を自宅でYouTube・TVで視る、という形での流行が実質じゃないかな?
「フワちゃん」はなるほどだな。TVスタジオから送れないなら、自宅からオンラインで送る。 
元気の良さが評価されたのはまちがいないだろうが、
新型コロナの影響によるYouTubeという中で選ばれたんだな。

ノミネート30語のうち新型コロナと」無関係は、7語(23%)しかないから、top10のほぼすべてが新型コロナに関連していても当然だな。
「顔芸/恩返し」「カゴパク(下品な言葉だ)」「香水」「総合的、俯瞰的」「時を戻そう(ぺこぱ)」「BLM(BlackLivesMatter)運動」「まぁねぇ~(ぼる塾)」
しかし、毎年「なんでや!?」のこの企画・選定だが、「PCR検査」は選ばれるべきではないか?
ワクチンが開発されるまではPCR検査しか技術・医薬的対策は無いのだから…。
(竹田君のからの情報はおもしろく、なるほどだな)

TV(のアホは今更言っても仕方がないのだが)では、
「もっと明るい言葉が選ばれてほしかった」みたいなことを言っていたりするが、
「軽く」「騒ぐ」「はしゃぐ」「媚びる」で視聴率を取ろうとするTVでは仕方がないのだろうが、
30語のうち23語7割以上がコロナ関連、それほど新型コロナは大きなことなのだ、
ということを直視できない、したくないのだろうな。
「明るくしないと」というのは「嘘ではないが、本当(本心)ではない」だろう。

ところで、おもしろかったのは、「JC・JK流行語大賞2020」だ。

(JC・JK流行語大賞2020を発表 「きゅんです」「ぴえんヶ丘どすこい之助」がランクイン!

以下、4部門×5語を、新型コロナと関係があるかどうかの観点でチェックしてみよう(解説はネットの解説のコロナ関連部分だけをコピペタ。解説無しは無関係。)
【ヒト部門】(3/5)
1位NiziU
コロナ禍で暗くなっている時に同世代の女の子が頑張っていて元気をもらえたという女子中高生の意見が多く見受けられました。
2位北村匠海
Youtubeで多くのバズを生み出しているFIRST TAKE シリーズで歌を披露し、「猫」の総再生回数が1億回を突破するなど昨年までの俳優としての枠を超えた活躍で女子中高生の熱い支持を集めました。
3位LiSA
「鬼滅の刃」の主題歌を歌うLiSAさんが3位にランクイン
4位JO1 … コロナとは関係なし
5位しゅんまや… コロナとは関係なし

【モノ部門】(3/5)
1位鬼滅の刃
自粛期間中にアニメを一気にみた女子中高生が多く、自粛明けで学校に行くとクラス中が「鬼滅の刃」の話で盛り上がっていたようです。また、家族でも盛り上がることのできるコンテンツのため、「鬼滅の刃」を通して親子の会話が増えたという女子高生の意見も多く聞かれました。
2位フルーツサンド
今年当社が行ったJCJK流行語大賞2019上半期でも選出された「おうちカフェ」の相棒として多くの女子中高生が家で作って楽しみました。
3位PITTA MASK
マスク生活で一番人気になったのが「PITTA MASK」です。普通のマスクよりカラバリがあり、ファッションに合わせて使えることから女子中高生の熱い支持を集めました。また、通常のマスクより素材が違うことから「化粧が落ちにくい」「肌荒れしにくい」と悩める女子中高生の味方のアイテムになりました。
4位ホーム画面アレンジ
5位バケハ

【アプリ部門】(3/5)
1位Widgetsmith
2位リール(Instagram)
3位Dazzカメラ
フィルムカメラ風に撮影できると話題になったカメラアプリです。シャボン玉と一緒に撮影することによってエモ写真が撮影できると女子中高生からの意見も多く聞かれました。コロナ禍で公園で遊ぶことが多くなった女子高生たちが自分なりにアレンジした青春写真を撮影する際には欠かせないアプリとなったようです。
4位Zoom
今年当社が行ったJCJK流行語大賞2020上半期でも選出され、 見事年間大賞でもランクインいたしました。一時期よりプライベートで使用する機会は無くなりましたが、学校の授業や塾で活用する機会はまだまだ多いようです。
5位Tokyo Disney Resortアプリ
入園チケットが完全予約制になり、チケットを予約できる「Tokyo Disney Resort」アプリがランクインいたしました。発売日には争奪戦となり、数時間もアプリと格闘していたという女子高生も多くいたようです。また完全予約制になったことでパークが空いていて映えスポが混まずに撮影できて嬉しいという女子高生の意見も多く聞かれました。

【コトバ部門】(1/5)
1位きゅんです
2位全集中の呼吸
本流行語大賞のモノ部門1位にランクインした「鬼滅の刃」で主人公竈門炭治郎が身体能力を上げる為に行っていた呼吸法の名前がランクインいたしました。試験前や試合前などここぞという時に「全集中の呼吸」と自分に言い聞かせるなどアニメの枠を超えて自身を鼓舞する為にも使っているという女子中高生の意見が多く聞かれました。
3位ぴえんヶ丘どすこい之助
4位量産型ヲタク
5位◯◯しか勝たん

今年の流行をふり返ると、女子中高生たちは、「NiziU」や「鬼滅の刃」「LiSA」など、家で他世代である家族みんなで楽しめる世代を選ばないコンテンツに非常に熱狂していた1年であったといえます。また「きゅんです」や「ぴえんヶ丘どすこい之助」など、コトバ部門を中心に、TikTok発の流行語が次々と生まれ、曲やアーティストだけでなくコトバもTikTokから女子中高生たちが影響を受けていることがわかります。
(*)「JCJK調査隊」について
株式会社AMFが運営する、約100名の女子中高生マーケティング集団。市場調査や、企業の商品開発サポートなどを行っています。主な活動は、クライアント企業との座談会やアンケート調査など、女子中高生の代表としてメディア出演も多数。
台湾のInstagram分析を手掛けるTagnology社と提携し、Instagram上で2020年7月-11月にかけて投稿されたものの中から、数百万件以上の女子中高生による投稿を抽出し、分析いたしました。


「大人の世界」とは異次元・異世界の言葉が選ばれるJC・JK流行語大賞2020だが、
今年は、言葉こそ「鬼滅の刃」以外は全く一致しないどころか?
知らない、いや聞いたことない言葉が並ぶ。
私が聞いたことがある・わかったのは5語しかない。
(これは、今年だからで、いつもなら1、2語しかわからないんじゃないか。今度、前の年を見てみよう。)

だが、
以上20語中10語、50%が新型コロナ関連だった。
すごくないか?
彼女たちが「社会からこんなに影響を受けている!」
「ZOOM」「鬼滅の刃」というオジサンでもわかる語が入っているだけではなく、
半数が関連するのは、新型コロナは「健康」「経済」問題だけでなく、
「社会」「文化」問題でもあることがよくわかるではないか。

他に、こんなページもあるが(もっとあるだろうが)、
( JCJK流行語、2020年大賞は「きゅんです」…ぴえんヶ丘どすこい之助もランクイン
( 「ぴえんヶ丘どすこい之助」「NiziU」「きゅんです」JC・JK流行語大賞2020が発表
( JC・JK流行語、2020年の大賞は「きゅんです」JC・JK流行語大賞2020が発表

私が引用したものに比べて、情報の「質が低い」。
何のために、誰に向かって配信しているのか?
とにかく配信、速さが大事、表面的でもいい、と思っているのだろうが…。
スタッフ数なども関係しているのかもしれないが、
ネット情報の「質」の「差」の大きさを感じさせる。

【NWA2020】

Pass

Re:三戸ゼミ2020年新語・流行語大賞
Prev:5367  No:5370 投稿者:竹田(21期) 投稿日:2020/12/01 Tue 08:50:09 [返信

後から参加ですみません。
大賞、ちょっとよくわかりませんでした。

ヤフーのコメントが、とんちきいてて納得したので、共有します。

【shingo2020】

IMGIMG
Pass

ありがとうございました
No:5369 投稿者:井村 俊太(長崎県立大学2期生) 投稿日:2020/11/23 Mon 21:14:09 [返信

ご挨拶が遅れてしまい大変申し訳ございません💦
長崎県立大学2期生の井村 俊太と申します。
今回の勉強会に初めて参加させていただき、また浩友会のメンバーに入れていただき大変嬉しくおもいます。

入るだけでなく、私もあの場所でうまく発信していけるよう日頃からまずは気になったことを突き詰めていく事をしていきたいです!
来年といってももうすぐそこまできてますが、大きく変化する世の中の情報を一つでも多く理解し、次の勉強会へと繋げていきます!

お忙しい中、大変恐縮ではございますが、宜しくお願い申し上げます!





井村さま

三戸ゼミ古郡です。よろしくお願いいたします。
三戸ゼミはいろいろ扉を持っていまして
FB
https://www.facebook.com/profile.php?id=100041910798313
こちらこちらは比較的カジュアルなネタもあります

講義をまとめた動画もあるのですが、こちらは限定公開にしてまして
木田さんのところにアドレスをまとめてあります。
いろいろ探ってみてくださいね
【study2020】

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