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11 鎌倉鍛冶の作風_2
name:こまつばら  Date:2025年11月29日 (土) 15時56分 No.1472

11 鎌倉鍛冶の作風_2

◎月曜日に西宮の芸術文化センターで「堀米ゆず子&パヴェル・ゴムツィアコフ&田村響」のバイオリン・ピアノ・チェロの三重奏を聴いてきました。モーツァルト・ショスタコーヴィチ・チャイコフスキーそれぞれのピアノ三重奏曲です。どれも聴きごたえがありましたが、特にチャイコフスキーは超絶技法が圧巻で拍手が鳴りやまず、ブラボーの声が飛びました。
聴衆は祝日の昼間なのに(なので?)若者が少なく老人が7割くらいで、(ボクを含めて)禿頭が多かったです。
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(1)新藤五国光が先達から受け継いだ作風2(刃文)_14
正宗の師である新藤後国光が先達から受け継いだ作風として今回は刃文を見ます。

刃文は文字通り刃先の白い部分の形です。チャンバラごっこの刀の刃文はほとんど歪んだサインカーブですが、本物の刀の刃文は焼き入れ(作刀の手順の一つで刀身を800℃近くに熱した後、水槽に入れて急激に冷却すること)の際に「土置き」をします。冷却時の刀身の温度変化を調整するために刃先に沿って土を塗り付けるのです。これによって刃文ができますが、どのような形に土を塗り付けるかで刃文のデザインが決まります。刀工の技術の見せどころです。

写真5国宗(備前)の刃文は丁子(ちょうじ:小さな凹凸)の華やかな姿です。3助真(備前)も同じで鎌倉中期の備前刀の代表作です。これに対し2国綱は京都粟田口派の刃文をよく現し直線状の直刃(すぐは)です。6国宗(備前)は直刃ではありますが、国綱(粟田口)のキリっと締まった線(沸出来:にえでき)に対して筆で引いたようにグラデーション(匂出来:においでき)になっています。沸は鉄の結晶が大きく光に当てるとその輝きが見えやすく、匂は細かな結晶で雲のような広がりで柔らかな印象を与えます。

そして新藤後国光は沸の冴えを得意としており、この点でも粟田口の系統といえます。写真で確かめてください。左から2つめの刃縁の辺りにある白い粒の連続が分かりやすいです。(赤のマーカーで囲んであるところ)

しかし、新藤五の中にも備前の特徴である丁子文のものがあり、その後の相州鎌倉の刃文は正宗をはじめ多様な乱れの中で丁子文が基本となります。すなわち、相州伝には備前伝の作風が取り入れられていると言えます。

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