題詠専用の短歌投稿掲示板です。
お題は毎週月曜日午前0:00頃この掲示板で発表いたします。
管理人:黒路よしひろ
[749] 題名:★前回の投稿作品★ 名前:黒路よしひろ 投稿日: 2024/02/05(月) 00:01
前回のお題『絵』に、みなさまから投稿していただいた作品です。
Yahoo!トピック終了にともない、これからはこちらで投稿作品の発表をさせていただきますね。
★前回の投稿作品★
お題『絵』(敬称略)
祐一
なんだこりゃ小学生の落書きか最初はとんとわからなかった
-------------------------------------
夕夏
がかえしはしゃじつしゅぎからいんしょうはへとおもいいたりてひとえがき
きゃっかんししゅかんてきかないんしょうはしゃじつてきだよみとれるかいが
-------------------------------------
沙羅
誰かまたここに座つてくれるのをずつと待ってる絵の中の椅子
なま白き鹿は今でもそこにゐる魁夷の描きし北国の森に
-------------------------------------
さくら
はればれと夫はいちにち描いておるわが憧れの椅子にすわりて
百号の夫の油彩の傍らにわが描かざりし白きキャンバス
モノクロの中二のわれの自画像の深き思ひをながめておりぬ
かたくなに逆さに絵本を見ておりし次男のこころ今もわからず
-------------------------------------
六九郎
街角に残す落書きBanksy アートの力が壁を崩す
仙高ヘ墨筆紙で見るものの心をほぐす自由闊達
生真面目な銀行員が描く絵は生真面目でなしルネ・マグリット
贋作に生涯かけた絵師がおりその真贋の境目淡き
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[748] 題名:★お題は『調味料』★ 名前:黒路よしひろ 投稿日: 2024/02/05(月) 00:00
★今回のお題は『調味料』、期限は新年二月十八日(日)です★
「砂糖」「ハバネロ」など、調味料という言葉から連想するものなら何でもけっこうです。
お題の言葉を含んでいなくても構いません。
題詠の期間は一つのお題につき二週間です。
みなさんが気持ちよく参加できるよう、どうぞ、ご協力のほどをよろしくお願いしますねm(_ _)m
PS.今回はお題、二巡目です(^・^)
[747] 題名:添削ありがとうございます! 名前:六九郎 投稿日: 2024/02/04(日) 21:13
>掛取りにクイックペイでと言ってみるいつか令和に戻れるものか
→掛取りに「クイックペイで…」と言ってみるいつか令和に戻れるものか
もし生まれ変われるなら江戸へ、という叶わぬ願望を歌にしました。ただ、本当にタイムスリップしたらきっと適応できずにまた戻りたくなる気もしますが…。「」でくくると確かにセリフが目立っていいです!
>年末の予定をすべて薙ぎ払い師走の街をゴジラが歩く
→年末の予定をすべて薙ぎ払い師走の街をゴジラが進む
ご想像通り、ゴジラ-1.0を観た後の高揚感を歌にしました…。歩くだと、てくてく歩いてるみたいで、なんか重量感が損なわれていますね。ありがとうございます!
>本来は寝るのを数えお正月それがいまでは3210!
→本来は寝るのを数えお正月それがいまではサン、ニィ、イチ、ゼロ!
子供の頃、ほんとにあと何回寝ると正月が来るか数えた記憶があります。クリスマスから正月にかけてはなんかずっとワクワクしてました。カウントダウンパーティーには参加したことがありません。たしかに「さんぜんにひゃくじゅう」と読みそうです。ありがとうございます!
>おしせまり自転も少し速くなり地球もつられ急ぐ年の瀬
→押しせまり自転も少し速くなる地球もつられ急ぐ年の瀬
「押しせまり」、漢字を入れたほうが「押し迫った」感が出る、「り」で重ねて連ねると、歌が間延びする、声を出して読んでみると納得です!ありがとうございます!
>ゆく年は顔をふせつつ歩き去るもう僕のこと忘れておくれ
→ゆく年は顔をふせつつ歩き去る もう僕のこと忘れておくれ
腰の部分でスペースを入れていったん切ったほうが余情がに沁みてくる、確かに「不貞腐れ」感が増します!ありがとうございます!
>暮れてゆく時代の端の隅っこで小さな明かり照らす人あり
→暮れてゆく時代の端の隅っこで小さな明かりを照らす人あり
宗教にはとんと疎いんですが、最澄の語った「一隅を照らす」という言葉は好きです。テレビでは大谷くんや藤井くんの話題で持ちきりですが、目立たずとも地道に生きる多くの無名の人々がいるから世の中は動いているし、自分も上ばかり見ずに足元をしっかり見つめて歩いていこうと思います。字余りになっても助詞を入れたほうが歌に余裕も出ていい、勉強になります!
いつも自分なりに何度も添削してみるんですが、こうしてアドバイスを頂くと、自分の主観的な見方の狭さを改めて感じます。ありがとうございましたm(_ _)m
[746] 題名:「絵」 名前:六九郎 投稿日: 2024/02/04(日) 20:34
街角に残す落書きBanksy アートの力が壁を崩す
仙高ヘ墨筆紙で見るものの心をほぐす自由闊達
生真面目な銀行員が描く絵は生真面目でなしルネ・マグリット
贋作に生涯かけた絵師がおりその真贋の境目淡き
[745] 題名:六九郎さん、こんばんは〜〜(^・^) 名前:黒路よしひろ 投稿日: 2024/02/02(金) 23:51
いや〜〜、二月に入って本格的に寒い日が来るかと身構えていたら、この二日ほどは穏やかな日差しの暖かな気候で肩すかしをくらってしまいました^^
通勤途中にはちらほらと、七部咲きほどの梅が咲いていたりもして、こころが和まされます。
さてさて、そんな遠くに春の足音も聞こえてくるこの頃ですが、今夜もまたこちらのみなさんの歌に感想など書かせてもらって、優雅な週末のひと時としたく思います。
>掛取りにクイックペイでと言ってみるいつか令和に戻れるものか
うんうん、六九郎さんのこの歌も、時代感覚がどこかで捻れてしまったような詠い口で、ほんとに面白い魅力の一首ですよね。
「掛取り」とは、掛け売りの代金を取り立てることだそうですね。
「クイックペイ」は、スマホで支払いが出来る今流行の決済サービス。
下の句の表現によって少し解釈が難しくなっていますが、これは掛取りへの支払いに追われていた作者の過去の世界へタイムスリップしてしまったという“設定”でしょうか。
そうですね、そんな逆ウラシマン化した作者の慌てふためく姿が目に浮かんできて楽しい魅力の一首ですし、この歌についてもほんとにこのままで充分素敵に仕上がっていると思いますよ。
掛取りへの支払いに窮した主体の、苦し紛れのような〈ひと言〉が冬空に響きます。
その上で、せっかくの面白味のある台詞なので、ここは表記的にももう少し目立たせてみてもよかった気も…
掛取りに「クイックペイで…」と言ってみるいつか令和に戻れるものか
うん、たとえばこんな感じとかで^^
こうすることで、歌の構成もより把握しやすくなって、作者の〈声〉がより効果的に歌の中に響くようにも思いますので。
でもほんと、短歌の表現への小さな“挑戦”も感じ取れて面白い魅力の一首だと思いますので、これもひとつの参考までにと云うことで(笑)
>年末の予定をすべて薙ぎ払い師走の街をゴジラが歩く
こちらの歌も、年末の慌ただしい日本を文字通り薙ぎ倒すかのように進んでゆくゴジラの姿を詠って、まさに活きた魅力の現代短歌ですね。
僕が、仕事が忙しくてすっかり世間から切り離されたところにいる間に、世の中ではゴジラ-1.0なるものが登場していたのですね。
数年前のシン・ゴジラは観たのですが、もう最新のゴジラが登場していたとは…
そうですね、そんな年末の慌ただしさと暴れ回るゴジラの姿が妙にマッチした面白い魅力を感じますし、この歌についてもほんとにこのままで充分素敵に仕上がっていると思いますよ。
まるでほんとうにゴジラに追われて逃げ回っているかのような、師走の人々の〈忙しさ〉です。
ただまあ、歩くでは少しのんびりしすぎてゴジラの勢いが削がれてしまうようにも感じるので…
年末の予定をすべて薙ぎ払い師走の街をゴジラが進む
うん、ここはこんな感じで「進む」として、もう少しだけ勢いを付けてみてもいいのかも知れませんね^^
こうすることで、上の句の勢いを受け継いで歌が広がるようにも思いますので。
でもほんと、ゴジラ-1.0の映画を観た人にはまさに旬(詩が詠まれた時期限定ですが)の〈リアル〉な一首だと思いますので、これもひとつの参考までにと云うことで(笑)
>本来は寝るのを数えお正月それがいまでは3210!
うんうん、こちらの歌も、昭和の年越しと令和の年越しの双方が頭に浮かんできて、懐かしい面白味を感じさせてくれるほんとに素敵な内容の一首ですよね。
もう幾つ寝るとお正月な昭和の時代は遠くに過ぎ去って、カウントダウンの声が響く令和のお正月。
まあ、新年へのカウントダウンは昭和の時代からあったような気もしますが、たしかに唱歌の風情はどこか遠くへと消え去ってしまった感じはします。
そうですね、そんな少し懐古主義的な感傷も背後に微かに見えて魅力の一首ですし、この歌についてもほんとにこのままで充分素敵に仕上がっていると思いますよ。
お正月の待ち方に“正解”があるのかどうかはわかりませんが、それでもあえて〈本来は〉と言い切るところに作者の姿が立ち上がってくる力を感じます。
ただまあ、結句はぱっと見ちょっと三千…的に見えてしまうので…
本来は寝るのを数えお正月それがいまではサン、ニィ、イチ、ゼロ!
うん、ここは短歌の縦書きを考慮したりと難しいところですが、たとえばこんな感じとかでまとめてみるのもひとつの手かも^^
こうすることで、表記的なインパクトもさらに増すようにも思いますので。
でもほんと、昔の年越しの風情を懐かしみながらも、令和の世をそれなりに楽しく生きている作者の姿が歌に浮かび上がる一首だと思いますので、これもひとつの参考までにと云うことで(笑)
>おしせまり自転も少し速くなり地球もつられ急ぐ年の瀬
こちらの歌も、押し迫る年の瀬の忙しさを詠って、その壮大な表現の面白い魅力の一首ですよね。
あまりの忙しい年の瀬に、作者には地球の自転までが速くなったように感じられたのです。
そうですね、そんなほんとうに地球の自転が速くなったかのように感じられる歌の力の面白さが秀逸な一首ですし、この歌についてもほんとにこのままで充分素敵に仕上がっていると思いますよ。
〈言葉の力〉は地球すらも動かしてしまうのです。
ただまあ、「せまり…速くなり…」と「り」で重ねて連ねると、歌が間延びしてしまうように感じるので…
押しせまり自転も少し速くなる地球もつられ急ぐ年の瀬
うん、ここはたとえばこんな感じで、三句で一度切ってみるのもひとつの手かも知れませんね^^
こうすることで、歌の「調べ(リズム)」に変化が生まれて、一首がさらに引き立つようにも思いますので。
あと、初句は平仮名表記だけだとちょっと「押し迫った」感が出ないので、少し漢字を入れて置いてもいいかも。
でもほんと、地球の自転の速度すら変えてしまう歌の力の楽しい一首だと思いますので、これもひとつの参考までにと云うことで(笑)
>ゆく年は顔をふせつつ歩き去るもう僕のこと忘れておくれ
こちらの歌も、去りゆく年を擬人化してそのどこか淋しげな姿まで目に見えてくるような、ほんとに素敵な雰囲気の一首ですよね。
なにも顔を伏せて去ることはないとも思うのですが、誰もが来るべき“新しい年”に期待をしてその到来を待ち望む姿を見ると、擬人化された“ゆく年”にとっては心苦しくも感じるのでしょう。
そうですね、そんな年末の肌寒くどこか切なさの付きまとう空気を上手く表現した一首ですし、この歌についてもほんとにこのままで充分素敵に仕上がっていると思いますよ。
下の句の台詞が作者自身の言葉のようにもこころに〈響いて〉きて、哀愁を誘うのです。
ただまあ、この台詞部分はもう少し意図的に主体を曖昧にしたほうがより活きてくるようにも思うので…
ゆく年は顔をふせつつ歩き去る もう僕のこと忘れておくれ
うん、こんな感じで腰の部分でスペースなどを入れていったん、表記的にも切ってみてもいいのかも^^
こうすることで、余情がさらに沁みてくるようにも思いますので。
でもほんと、そんなにふて腐れるなよと慰めたくなるような、作者の優しさが感じられる一首ですし、これもひとつの参考までにと云うことで(笑)
>暮れてゆく時代の端の隅っこで小さな明かり照らす人あり
うんうん、こちらの歌も、大きな時代の流れに翻弄されながらも、逞しく生きる人々の姿を詠って、ほんとに素敵な内容の一首ですよね。
思えば、昨年もいろいろな出来事がありましたが、ニュースなどで取り上げられた出来事だけでなく、きっとこの歌のようにそれぞれの人々が照らすそれぞれの小さな光の出来事があったのでしょう。
そうですね、そんな大きな流れの隅っこで生きる人々の放つ小さな輝きを詠って魅力の一首ですし、この歌についてもほんとにこのままで充分素敵に仕上がっていると思いますよ。
時代の隅っこで小さな明かりを照らす人…
それは令和の時代を生きる〈名もなき庶民〉たちであり、作者自身の姿でもあるのでしょう。
ただまあ、この歌の場合は四句の助詞を省略すると歌が性急になりすぎて、哀愁が失われてしまうようにも思うので…
暮れてゆく時代の端の隅っこで小さな明かりを照らす人あり
うん、ここはこんな感じで、字余りになっても助詞を入れたほうが歌に余裕も出ていいような気も^^
こうすることで、上の句の壮大さにも消されない小さな明かりがより輝いてくるように思いますので。
ではでは、暖冬とはいえ二月に入ってこれから寒い日も増えてくるかと思いますので、六九郎さんもどうぞ風邪など引かないように気をつけてお過ごし下さいね〜〜
今夜もこの辺で♪
[744] 題名:絵画 名前:さくら 投稿日: 2024/02/02(金) 16:21
はればれと夫はいちにち描いておるわが憧れの椅子にすわりて
百号の夫の油彩の傍らにわが描かざりし白きキャンバス
モノクロの中二のわれの自画像の深き思ひをながめておりぬ
かたくなに逆さに絵本を見ておりし次男のこころ今もわからず
[743] 題名:もじでかくかいがつたわりえもしれず 名前:夕夏 投稿日: 2024/01/31(水) 04:28
きゃっかんししゅかんてきかないんしょうはしゃじつてきだよみとれるかいが
[742] 題名:『絵』』 名前:沙羅 投稿日: 2024/01/30(火) 16:47
誰かまたここに座つてくれるのをずつと待ってる絵の中の椅子
なま白き鹿は今でもそこにゐる魁夷の描きし北国の森に
[741] 題名:画家絵師 名前:夕夏 投稿日: 2024/01/29(月) 00:14
がかえしはしゃじつしゅぎからいんしょうはへとおもいいたりてひとえがき
[740] 題名:ピカソの絵 名前:祐一 投稿日: 2024/01/28(日) 09:30
なんだこりゃ小学生の落書きか最初はとんとわからなかった
[739] 題名:★前回の投稿作品★ 名前:黒路よしひろ 投稿日: 2024/01/22(月) 00:00
前回のお題『爬虫類』に、みなさまから投稿していただいた作品です。
Yahoo!トピック終了にともない、これからはこちらで投稿作品の発表をさせていただきますね。
★前回の投稿作品★
お題『爬虫類』(敬称略)
沙羅
残された蜥蜴の尻尾が光りだす 私はいいから逃げ延びて さあ
眠ってるままの蛇なら怖くない樹の洞に手を差し入れてみる
そのかみに手足を捨てたくちなははしなやかに春の川泳ぎゆく
-------------------------------------
さくら
子を背負い日がな一にち半眼の親亀われを一顧だにせず
夢見しは青き地球の野っぱらに花を咥えた恐竜の舞
花に酔い恍惚とまう恐竜の舞うて堕ちゆくブラックホール
「蛙めは眠りおるかな」またも聞くまっこと父は蛙がきらい
目つむれば春近むらし蛇、蜥蜴 土やわらかに肺呼吸せむ
-------------------------------------
六九郎
でかい顔まさか自分がしっぽとは切られるまでは気付かずにおり
日を浴びてじっと身体を温める寒い冬の日トカゲの横で
手も足も捨てて進化の潔さ ヘビはトカゲに別れを告げる
手も足も捨てて我らは我道へ ヘビの信念われは畏れる
今日もまたVサインして写真撮る首に乗せられ締めたろうかな
今日もまた笛に合わせてくねくねと小遣い稼ぎ噛んだろうかな
巳(ミ)は上に已(スデ)はなかばに言うけれど己(オノレ)は見えず眼鏡かけても
龍(タツ)というスーパースターのその後にどんな顔して出ればよいやら
-------------------------------------
[738] 題名:★お題は『絵』★ 名前:黒路よしひろ 投稿日: 2024/01/22(月) 00:00
★今回のお題は『絵』、期限は新年二月四日(日)です★
「絵本」「漫画」など、絵という言葉から連想するものなら何でもけっこうです。
お題の言葉を含んでいなくても構いません。
題詠の期間は一つのお題につき二週間です。
みなさんが気持ちよく参加できるよう、どうぞ、ご協力のほどをよろしくお願いしますねm(_ _)m
PS.今回はお題、三巡目です(^・^)
[737] 題名:黒路さま ご丁寧な添削、感想をありがとうございました。 名前:さくら 投稿日: 2024/01/21(日) 10:44
近頃は、何だか歌にも自信がなくなっておりましたので、お褒めいただいた歌はとっても嬉しかったです。
姉を失った悲しみが自分一人だけでなく、「街をつつみぬ」とする表現に、はっといたしました。
茶の花の歌ですが「あう」ではほんとに歌が曖昧でしたね。「遭う」とすることで、歌がいきいきと締まる感じがいたします。
茶の花は地味な花ですが、花のないこの季節での出会いは、ほのぼのと嬉しくなります。
九階に住んでおりますので、朝日も、月の出も昇り始めは、ゆらゆらと大きく真っ赤に揺れながら出てきます。
とても幻想的で、是非お見せしたいと思うほどです。
ご感想をいただいて、また少し歌を続けたいと思いはじめました。
ありがとうございました。今年もよろしくお願いいたします。
[736] 題名:「爬虫類」 名前:六九郎 投稿日: 2024/01/21(日) 08:15
でかい顔まさか自分がしっぽとは切られるまでは気付かずにおり
日を浴びてじっと身体を温める寒い冬の日トカゲの横で
手も足も捨てて進化の潔さ ヘビはトカゲに別れを告げる
手も足も捨てて我らは我道へ ヘビの信念われは畏れる
今日もまたVサインして写真撮る首に乗せられ締めたろうかな
今日もまた笛に合わせてくねくねと小遣い稼ぎ噛んだろうかな
巳(ミ)は上に已(スデ)はなかばに言うけれど己(オノレ)は見えず眼鏡かけても
龍(タツ)というスーパースターのその後にどんな顔して出ればよいやら
[735] 題名:さくらさん、こんばんは〜〜(^・^) 名前:黒路よしびろ 投稿日: 2024/01/21(日) 00:05
いや〜〜、新年なってもうずいぶん経つように感じますが、まだ二十日しか経っていないのですね^^;
僕は今年は新しい部署での仕事に移って憶えなければいけないことがたくさんあるために、なんだか時間の経つのが遅く感じます(笑)
このままずっとゆっくりとした時間が流れてくれれば、年を取るのも遅くていいのですが…
さてさて、そんな新しい年の空気にもそろそろ馴染んできたなかで、今夜もまたこちらのみなさんの歌に感想など書かせてもらって、優雅な休日のひと時を過ごしたく思います。
>三日にはひとり残りし姉も逝き雨しとしとと吾をつつみぬ
うんうん、さくらさんのこの歌も、師走の寒さの中で迎えた肉親との別れを詠って、その淋しさが歌を包み込むような切ない魅力の一首ですよね。
「ひとり残りし姉」との表現によって、それまでの姉妹との別れも背景に見えてくる深みを感じます。
僕にも妹が一人いますが、いつかは死別するときも来るのですよね。
まあ、僕の場合は、僕のほうが先に旅立ちそうですが…
そうですね、そんな誰もが逃れられない命の終わりを詠ってどこか達観したような静けさも感じ取れる一首ですし、この歌についてもほんとにこのままで充分素敵に仕上がっていると思いますよ。
年を取るということは、若い頃に持っていたものをひとつずつ失っていくということなのだと最近、そんなふうにも思います。
その上で、あえて言うのなら、「吾を」としてしまうと“淋しさ”が小さくなってしまうようにも感じるので…
三日にはひとり残りし姉も逝き雨しとしとと街をつつみぬ
うん、ここはたとえばこんな感じで、街全体をつつんでみてもいいのかも知れませんね^^
「世界を」としてしまうと逆に大きくなり過ぎて淋しさのリアルが失われるようにも思いますので。
でもほんと、作者の等身大の姿と淋しい感情が歌に表れる〈リアル〉な一首だと思いますので、これもひとつの参考までにと云うことで。
>赤い月ゆらゆら昇りわれもまた揺らめいて立つ師走のなかば
こちらの歌も、師走の赤い月と向き合うことで、作者自身の存在が歌に立ち上がってくる深い魅力を持った一首ですよね。
三日の日の姉との別れを経て、人生の支えをひとつ失った師走半ばの作者のこころの”不安定さ”が歌に浮かび上がります。
そうですね、そんな作者の心情を投影したかのように詠われる赤い月も幻想的な魅力の一首ですし、この歌についてもほんとにこのままで充分素敵に仕上がっていると思いますよ。
人生の節々でゆらめく自身の存在…
自身とおなじようにゆらめく赤い月と向き合うことで作者は、自分自身の〈孤独〉を客観的に見つめるのです。
一年の終わりの季節に、振り返るにしてはあまりに淋しい赤い月のゆらめき。
師走の季節の、忙しなさややり残した感、空気の冷たさなども凝縮されて、歌は2023年の終わりへと向かう人々を映し出します。
>極月の川辺をゆけばほっこりと白く咲きたる茶の花にあう
こちらの歌も、師走の冷たく張りつめた空気の中に咲く茶の花との邂逅を詠って、ほんとに素敵な魅力の一首ですよね。
あまり知られてはいませんが、茶はツバキ科の植物なので、晩秋から冬にツバキのような白い花を咲かせるのですよね。
そう言えば、僕がよく行く奈良の春日天皇陵の周辺の茶畑でも、ときどき畑の外に伸びて放置された茶が白い花を咲かせていたりします。
そうですね、そんな茶の花との思いがけない邂逅を詠ってその明るい雰囲気が魅力の一首ですし、この歌についてもほんとにこのままで充分素敵に仕上がっていると思いますよ。
何気なく歩く川辺の路にも、こころを“ほっこり”とさせてくれる小さな〈感動〉は存在するのです。
ただまあ、結句は意味的にも「似合う」とも読めてしまうので…
極月の川辺をゆけばほっこりと白く咲きたる茶の花に遭う
うん、ここはこんな感じの漢字表記にしておいてもいいかも^^
あるいは二重の意味を持たせたのかも知れませんが、この歌の場合は遊び心よりも雰囲気のほうを重視したほうがよい歌のように思いますので。
でもほんと、「極月」のささやかな緊張感の中で咲く白い花が美しく存在感を見せる一首だと思いますので、これもひとつの参考までにと云うことで(笑)
>艶やかな林檎煮つめて香に酔へば師走の部屋に光やわらか
うんうん、こちらの歌も、独りしずかに林檎を煮詰める師走のひとときが、部屋に差し込むやわらかな光とともに詠われたほんとに素敵な雰囲気の一首ですよね。
これは林檎ジャムを作っているのでしょうか。
わが家では畑でイチゴを作ったりしているので、食べきれなかったイチゴをジャムにするのですが、たしかに煮詰めた果物は甘い香りが漂いますね。
煮ることで林檎が凝縮されてゆく香りと艶やかな色合いが、〈リアル〉な質感となって読み手の五感を刺激します。
そうですね、そんな甘い林檎ジャムの香りや味が伝わってくる魅力の一首ですし、この歌についてもほんとにこのままで充分素敵に仕上がっていると思いますよ。
林檎の香りとやわらかな日差しの光に包まれて、作者の存在が歌の中に〈リアル〉に浮かび上がってきます。
先の茶の花との偶然の出会いとは逆に、こちらでは作者の意志を持って林檎を煮詰める作業によって、小さな“感動”が生まれています。
林檎を煮詰めることで漂う香りと、部屋に差し込む光への気づき。
人生のさまざまな場所に、歌の題材となる感動は存在するのです。
ではでは、寒さもこれからが本番の季節。
さくらさんも風邪など引かないようにくれぐれも気をつけてお過ごし下さいね〜〜
今夜もこの辺で♪
[734] 題名:「爬虫類」 名前 さくら 名前:さくら 投稿日: 2024/01/20(土) 11:07
子を背負い日がな一にち半眼の親亀われを一顧だにせず
夢見しは青き地球の野っぱらに花を咥えた恐竜の舞
花に酔い恍惚とまう恐竜の舞うて堕ちゆくブラックホール
「蛙めは眠りおるかな」またも聞くまっこと父は蛙がきらい
目つむれば春近むらし蛇、蜥蜴 土やわらかに肺呼吸せむ
[733] 題名:『爬虫類』 名前:沙羅 投稿日: 2024/01/16(火) 08:19
残された蜥蜴の尻尾が光りだす 私はいいから逃げ延びて さあ
眠ってるままの蛇なら怖くない樹の洞に手を差し入れてみる
そのかみに手足を捨てたくちなははしなやかに春の川泳ぎゆく
今年もよろしくお願いします。
以前作ったものですが、載せますね、
[732] 題名:黒路さん20周年おめでとうございます。 名前:夕夏 投稿日: 2024/01/09(火) 00:43
掲示板運営20周年とのことで、私が此方に投稿させていただいてから18年目くらいでしょうか?ずいぶんと長きに渡りお世話になっております。歌の上達も無いまま、依存症的に投稿、(短歌 俳句のブログ)も10年目以降は短歌も俳句も詠むための発想や言葉が出て来ない状況です。クリスマスケーキの歌への講評ありがとうございます。年末のブログへのコメントへの返信のしかたも忘れてしまい、我ながら落ち込んでおります。あらためて、飛躍の辰年にさらなるご活躍をお祈り申し上げます。此方での最古参、磯さんや、沙羅さんの投稿が昨年に引き続いてあればと期待しております。
[731] 題名:夕夏さん、こんばんは〜〜(^・^) 名前:黒路よしびろ 投稿日: 2024/01/08(月) 00:03
いや〜〜、今日はなんだか夜になって急に冷えてきましたね^^;
古い日本家屋のわが家は、家の中にいても手が冷たくなってきます。
まあ、これが本来の冬の寒さなんでしょうけれど。
さてさて、そんな凍えるような寒い夜に、今夜もまたみなさんの歌に感想など書かせてもらって、せめてこころの中だけでも温かくなりたいと思います。
>けいきよくよくじつはかうのこりものねんきんくらしこどももすだち
うんうん、夕夏さんのこの歌も、クリスマスの翌日の残り物ケーキを通して、年金暮らしの侘しさを詠った、切なさのなかにも逞しさも感じられる夕夏さんらしい魅力の一首ですよね。
「けいき」は、「景気」と「ケーキ」が掛けられているのですね。
クリスマスの残り物のケーキ…
クリスマス翌日が誕生日の僕は、普通に誕生日ケーキを買ってもこういう感じになっていました(汗。。
そうですね、そんなクリスマスの華やかさとは対照的な年金暮らしの〈リアル〉さを感じさせてくれる一首ですし、この歌についてもほんとにこのままで充分素敵に仕上がっていると思いますよ。
「景気よく」とも読める上の句の二重の表現によって、侘しいだけではなくどこか明るさを持った歌になっているのが救いです。
「よくじつは」の助詞「は」持つ力強さ。
「こどももすだち」の部分にも、単に孤独なだけではなく、離れてはいるけれど肉親がいる温かさや、子供を立派に育て上げたそれまでの暮らしが背景として浮かび上がってきて、“充足感”のようなものも表現されています。
:
慎ましくも、小さな庶民の幸せ。
ではでは、ほんとに今日はよく冷えますが、夕夏さんも、どうぞ風邪など引かないように気をつけてお過ごし下さいね〜〜
今夜もこの辺で♪
[730] 題名:★前回の投稿作品★ 名前:黒路よしひろ 投稿日: 2024/01/08(月) 00:01
前回のお題『海外』に、みなさまから投稿していただいた作品です。
Yahoo!トピック終了にともない、これからはこちらで投稿作品の発表をさせていただきますね。
★前回の投稿作品★
お題『海外』(敬称略)
祐一
わたくしは肉は食わぬとトルストイ菜食主義者偉人が多し
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沙羅
一瞬の宇宙の旅かスウェーデンから飛んでくる息子のメール
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さくら
SNSのえにしなるかなブルネイの王子のごときイケメンに逢う
知り合うて夢まぼろしと消え去りし御とぎのごときブルネイの人
赤々とこぼれさきたる山茶花の咲いてたもれよウクライナにも
若き日に巡り合いたるパリ、ローマ 仏陀のタイも光のなかに
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六九郎
海外と外国がほぼ同義語の一つの国の島国に住む
ベルギーで知らない人に道きかれわれもフォリナーきみもフォリナー
着きました成田空港早歩き何はともあれ蕎麦屋と寿司屋
なんとなく高飛びをする準備だけしておくが吉 罪はなけれど
松蔭は「狂いたまえ」と言い遺し異国を目指し沖へ漕ぎ出す
流されて遠き異国へたどり着く 椰子の実みたいな男がいた
われもまた丸木の舟で海越える命知らずの奴等の子孫
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