題詠専用の短歌投稿掲示板です。
お題は毎週月曜日午前0:00頃この掲示板で発表いたします。
管理人:黒路よしひろ
[810] 題名: 名前:六九郎 投稿日: 2024/05/26(日) 12:59
わが部屋のエントロピーを減らすときどこか遠くに波風の立つ
[809] 題名:[ 名前:六九郎 投稿日: 2024/05/26(日) 09:30
夢の島ゴミと土とのミルフィーユ紅茶の色の水が染み出す
[808] 題名:「掃除」 名前:六九郎 投稿日: 2024/05/25(土) 15:55
おじさんに「お出かけれすか?れれれのれー」声かけられる 今なら事案
カバの口掃除をしてる鳥がおり われも並んで口開けて待つ
掃除屋を募集している求人の時給高すぎマフィアの世界
寝てる間もひとり休まず部屋掃除ルンバの汚れは誰も落とさず
痛む腰伸ばし伸ばしのゴミ拾い 地球の周りに無数のデブリ
[807] 題名:題名 「掃除」 名前 さくら 名前:さくら 投稿日: 2024/05/25(土) 13:40
竹ぼうきの穂先にあそぶサルビアの赤い花びらほろほろ転ぶ
出がらしの茶の葉を撒いて掃除する姐やの朝は鼻歌まじり
公園の庭師の人のお昼かな垣根の蔭に煙り立つ見ゆ
手造りの磨いた椅子に座りたく頭痛もせぬにゆくクリニック
二階から掃除機の音、お茶菓子はあるのだろうか息子の部屋に
[806] 題名:黒路さま、ご講評をありがとうございました。 名前:さくら 投稿日: 2024/05/25(土) 10:29
おかしな陽気に踊らされているうちに五月も残り少なくなりました。
お忙しい中をご丁寧な添削をありがとうございます。
小さい頃からの憧れの絵を続けることは、なかなか大変なことですね。定年後に趣味で始めた主人の絵を見ることの方が多くなりましたが。毎日の生活の中に絵の風景が在るだけでもいいかな、と思ったりしますが、反面、同じ趣味を持つというのも、しんどい面があるものです。
この度も、助詞の使い方を教えていただきましたが、なかなか、身につかないものですね。「
助詞を一つ省くことで、緊張感が薄れたりもするものなのですね。
まだ、そこまで思いが至りませんが、気を付けてゆきたいです。
これからもお気づきの点をご指摘くださいませ。
私も高齢になるにつれ、自分の歌が思うように表現できずに、心底驚いています。
これからも、いろいろお教えくださいませ。
ありがとうございました。
黒路さんも体調に気をつけて、お過ごしくださいね。
[805] 題名:さくらさん、こんばんは〜〜(^・^) 名前:黒路よしひろ 投稿日: 2024/05/24(金) 23:32
いや〜〜、五月の花も満開に咲いて、そろそろ初夏の日差しも感じ始めるこの頃ですね^^
山路では卯の花なども見頃でしょうか。
新年度に入って仕事のほうがますます忙しくなってきていますが、僕も次の休日にはどこか軽い登山でもして、新しい季節を肌で感じたく思います。
さてさて、そんな忙しくも充実した日々の週末に、今夜もまたこちらのみなさんの歌に少しだけでも感想など書かせてもらって、豊かな文学気分を楽しみたく思います。
>はればれと夫はいちにち描いておるわが憧れの椅子にすわりて
うんうん、さくらさんのこの歌も、作者の視点から見た絵画を描く夫の姿を詠って、平和な日常が輝き出すほんとに素敵な魅力の一首ですよね。
さくらさんの夫さんは絵画を描くことを趣味とされているのですね。
歌から読み取るに、かなり本格的な趣味のようですし、あるいは職業とされているのかも。
「はればれ」の表現も、いかにも気持ちよく描いているようで、歌の個性となっている面白さを感じます。
そうですね、そんな絵画を描く夫の姿とその座る椅子への憧れを通して、作者のこころに触れることの出来る〈リアル〉さが魅力の一首ですし、この歌についてもほんとにこのままで充分素敵に仕上がっていると思いますよ。
憧れの椅子とは、実際の椅子でもあり、また絵画を描くという“憧れ”そのものを象徴してもいるのかも。
ただまあ、「描いておる」の部分はもう少し格調高い表現にしたほうが歌が締まるようにも感じるので…
はればれと夫はいちにち描きおるわが憧れの椅子にすわりて
うん、ここはこんな感じで「描(えが)きおる」としてもいいかも知れませんね^^
こうすることで、のびのびとした雰囲気の中に締まりが加わって、よりメリハリのある一首に高まるように思いますので。
でもほんと、作者の目の前にある〈リアル〉な家族の姿が詠われた魅力の一首だと思いますので、これもひとつの参考までにと云うことで(笑)
>百号の夫の油彩の傍らにわが描かざりし白きキャンバス
こちらの歌も、夫の描いた百号の油絵と、その横に並ぶ自身の白いままのキャンバスを通して、作者の心の内を表現したほんとに素敵な魅力の一首ですよね。
僕はあまり絵画には詳しくはないですが、百号の油絵というとかなり本格的な大作なのでしょう。
おそらくは作者は夫に影響を受けて自身もまた絵を描こうとしたのでしょう。
あるいは、描きたいものがあって描く夫と、描くことそのものに憧れる作者の“違い”がなにも描けずに白いままのキャンパスに表れているのかも。
そうですね、そんな描けないままの白いキャンパスを通して作者のこころが表現されている部分に深い魅力が生まれてもいるようにも感じる一首ですし、この歌についてもほんとにこのままで充分素敵に仕上がっていると思いますよ。
「百」と「白」の対比…
「百号」という専門的で具体的な言葉が入ることで、歌に絵の具の匂い伝えるかのような〈リアル〉も生まれています。
ただまあ、「描かざりし」の部分は言わないほうがさらに歌に深みが出るような気もするので…
百号の夫の油彩の傍らにわれの真白きままのキャンバス
うん、ここはたとえばこんな感じとかでまとめてみるのもひとつの手かも^^
こうすることで、「描かざりし」と言わずにより深く“それ”を表現できるように思いますで。
でもほんと、着飾ることのない作者の〈リアル〉な姿が歌の力となって迫ってくる魅力の一首だと思いますので、これもひとつの参考までにと云うことで(笑)
>モノクロの中二のわれの自画像の深き思ひをながめておりぬ
うんうん、こちらの歌も、作者の若き頃の自画像を詠って、過去の自分と会話するような向かい合い方がほんとに魅力的な一首ですよね。
そう言えば僕も中学生の頃に美術の時間に自画像を描かされた記憶がありますが、自分自身を描いた絵というのはなんだか心の中を映し出すようで気恥ずかしいものがありますよね。
さくらさんのこの歌も、そんな複雑な心情を抱えていた中二の頃を思い出させてくれる自画像を前に、懐かしさや戸惑いのようなものが感じ取れて深い内容になっているように思います。
そうですね、そんな若き自身の自画像と向き合うことで現在の作者の姿までもが歌に浮かび上がってくる魅力の一首ですし、この歌についてほんとにこのままで充分素敵に仕上がっていると思いますよ。
自画像を描いた若き日から今日までの、得たもの失ったものこそが〈人生〉なのでしょう。
ただまあ、「思い」とストレートに言ってしまっては逆に思いの深みが消えてしまうようにも感じるので…
モノクロの中二のわれの自画像の深きまなこを眺めておりぬ
うん、こんな感じとかで、思いへの入り口の「まなこ」などで表現してみるのもひとつの手かも^^
「中二」という時点で、その心の中の若い複雑な思いは充分に読み取れると思いますので。
でもほんと、自画像を通して誰もが持っていた若き日のこころの“葛藤”のようなものを感じさせてくれる魅力の一首だと思いますので、これもひとつの参考までにと云うことで(笑)
>かたくなに逆さに絵本を見ておりし次男のこころ今もわからず
こちらの歌も、絵本を通して次男の“こころ”を詠った、深い魅力の漂う一首ですよね。
おそらくは作者の次男がまだ幼かった頃の思い出なのでしょう。
作者の背景を知らなくとも、その後、次男に“なにかがあった”のだと想像させる構成の巧さも見事です。
「かたくなに」の初句も、歌の導入部分として活きた表現になっているように感じます。
そうですね、そんな幼き日のわが子の姿を通して、その後の別れを予見させるかのような不穏な雰囲気が迫ってくる一首ですし、この歌についてもほんとにこのままで充分素敵に仕上がっていると思いますよ。
たとえわが子であってさえ、そのこころの内の〈深淵〉までは覗くことが出来ないのでしょう。
ただまあ、この歌に関しては二句の助詞の「を」の一文字が、歌に余裕を持たせてしまって内容の緊張感が少し薄れてしまっているようにも感じるので…
かたくなに逆さに絵本見ておりし次男のこころ今もわからず
うん、ここは助詞を除いて定型でまとめておいたほうがよかったような気も^^
こうすることで、「調べ(リズム)」に緊張感が加わって、畳みかけられていくような魅力が増すようにも思いますので。
でもほんと、血の繋がった家族ゆえの結びつきも深く感じ取れる家族愛の一首だと思いますので、これもひとつの参考までにと云うことで。
ではでは、朝晩と日中の気温差が大きいこの頃ですが、さくらさんも体調管理にはくれぐれも気をつけて素敵な週末をお過ごしくださいね〜〜
今夜もこの辺で♪
[803] 題名:清掃 名前:夕夏 投稿日: 2024/05/13(月) 01:44
みちぶしんしごとなりぬかどうろぎわちょうないかいのくさかりさぎょう
[802] 題名:★前回の投稿作品★ 名前:黒路よしひろ 投稿日: 2024/05/13(月) 00:01
前回のお題『休む』に、みなさまから投稿していただいた作品です。
Yahoo!トピック終了にともない、これからはこちらで投稿作品の発表をさせていただきますね。
★前回の投稿作品★
お題『休む』(敬称略)
六九郎
学校もズル休みせよ啄木忌友に金借り女を買いに
体から何か一本心棒を抜かれたようで休んでばかり
戦地には土日はなくて毎日が砲弾の雨命は軽く
休戦の交渉すらせぬ指導者は土日は家で家族と過ごし
立ち止まり自分と対峙することを避けたいがため休みは取らず
-------------------------------------
さくら
春の月淡く照らしてマンションの小さな池にしばし休みぬ
ささくれし朝のこころを休めむか淡くかがやく宵の明星
天道虫ゆきつもどりつうたた寝のねぐらもとめてわが枕辺に
はるばると番いの揚羽 九階に舞てさりゆく初夏の空
-------------------------------------
夕夏
しごとでのゆうせんじこうきゅうようとくちでいってもたもてぬりゆう
いっきゅうによこやりいってくわえたがとらえきらずやいっぽんならず
-------------------------------------
[801] 題名:★お題は『掃除』★ 名前:黒路よしひろ 投稿日: 2024/05/13(月) 00:00
★今回のお題は『掃除』、期限は五月二十六日(日)です★
「箒」「掃除機」など、掃除という言葉から連想するものなら何でもけっこうです。
お題の言葉を含んでいなくても構いません。
題詠の期間は一つのお題につき二週間です。
みなさんが気持ちよく参加できるよう、どうぞ、ご協力のほどをよろしくお願いしますねm(_ _)m
[800] 題名:休み 名前:夕夏 投稿日: 2024/05/12(日) 09:21
しごとでのゆうせんじこうきゅうようとくちでいってもたもてぬりゆう
いっきゅうによこやりいってくわえたがとらえきらずやいっぽんならず
[799] 題名:題名「休む」名前 さくら 名前:さくら 投稿日: 2024/05/11(土) 17:34
春の月淡く照らしてマンションの小さな池にしばし休みぬ
ささくれし朝のこころを休めむか淡くかがやく宵の明星
天道虫ゆきつもどりつうたた寝のねぐらもとめてわが枕辺に
はるばると番いの揚羽 九階に舞てさりゆく初夏の空
[798] 題名:『休む』 名前:六九郎 投稿日: 2024/05/11(土) 15:42
学校もズル休みせよ啄木忌友に金借り女を買いに
体から何か一本心棒を抜かれたようで休んでばかり
戦地には土日はなくて毎日が砲弾の雨命は軽く
休戦の交渉すらせぬ指導者は土日は家で家族と過ごし
立ち止まり自分と対峙することを避けたいがため休みは取らず
[797] 題名:講評ありがとうございます! 名前:六九郎 投稿日: 2024/05/07(火) 00:00
黒路よしひろ様
お仕事や勉強などお忙しい中、講評ありがとうございます!
>でかい顔まさか自分がしっぽとは切られるまでは気付かずにおり
→でかい顔まさかな自分がしっぽとは切られるまでは気付かずにおり
『もう一歩先に行く』
『普通に考えて「まさか自分が」と定型にするだろうところを“あえて外す”』
今のところ私にはこの発想はできません…。いつかはそんな遊び心を持てるようになりたいと思います!
>日を浴びてじっと身体を温める寒い冬の日トカゲの横で
→日を浴びて身体の芯を温める寒い冬の日トカゲの横で
『「じっと」の表現部分は少し平板すぎる』
これは、よく分かります。「じっと」の語感も客観的に読むと良くないですね…。
>手も足も捨てて我らは我道へ ヘビの信念われは畏れる
→手も足も捨てて我らは蛇の道へ ヘビの信念われは畏れる
『「我ら」「我道」「われは」と「我」が三度も出てくるのはちょっとくどい』
確かに…。しかも「蛇の道」という造語が味わいを増すように感じました。
>巳(ミ)は上に已(スデ)はなかばに言うけれど己(オノレ)は見えず眼鏡かけても
→巳(ミ)は上に已(スデ)はなかばにと言うけれど己(オノレ)は見えず眼鏡かけても
『歌の「調べ(リズム)」にも余裕が生まれて、少し硬い内容にほど良い“緩み”が生まれる』
以前にも似た指摘を受けましたが、なかなかルールを逸脱する余裕と勇気を持てないでおります。今後精進を重ねたいと思います。並べて読んでみると、元はたしかに性急で強引な感じがしますね…。
愚作を読んでいただいた上に長文の講評まで書いて頂き、本当に励みになります。今後もご指導よろしくお願いします!
[796] 題名:六九郎さん、こんばんは〜〜(^・^) 名前:黒路よしひろ 投稿日: 2024/04/29(月) 21:38
いや〜〜、いよいよ世間ではゴールデンウィークに突入ですね^^
まあ、今年は間に平日を挟む日が多いので、お得感の薄い大型連休かも知れませんが。
ちなみに、僕も連休中にパートの警備員さんの病欠の穴埋めで施設警備の夜勤に入ったりはしますが、別の平日に振り休を取れるので久し振りにゆっくりと休暇が取れそうです。
まあ、休暇中も資格試験の勉強などやらなければいけないことは山積みですが。
さてさて、そんな連休前半の夜に、今夜もまたこちらのみなさんの歌に感想など書かせてもらって、荒んだこころに歌の栄養を与えたく思います。
>でかい顔まさか自分がしっぽとは切られるまでは気付かずにおり
うんうん、六九郎さんのこの歌も、組織の中の人間をトカゲの尻尾に喩えて世の中の無情を詠んだ、深い魅力の一首ですよね。
まさに、会社組織あるある。
あるいは最近話題の、どこどの議員さんなどでもそうでしょうか。
顔だと思っていたものが尻尾だったという皮肉も面白い構成ですね。
僕も最近は会社組織にどっぷりと浸かっていますが、地位や肩書きなどを得ても勘違いだけはしないようにしたいものです。
ほんとに、組織の中核だと思って大きな顔をしていたら、突然切られるなんてことも当たり前のようにあるのが現実ですから。
そうですね、そんな“勘違い”をしてしまいやすい愚かな人間たちへの戒めのようにも読めてユーモアの中に深い魅力を感じる一首ですし、この歌についてもほんとにこのままで充分素敵に仕上がっていると思いますよ。
人事異動の四月。
浮かれるものも居れば肩を落とすものも居る。
切られてなお足掻くしっぽの姿もまた、あちこちで見られる〈切ない季節〉でもあります。
その上で、あえて言うのなら歌の基本としてはこれでいいと思うのですが、もう一歩先に行くのならあえて定型を外して…
でかい顔まさかな自分がしっぽとは切られるまでは気付かずにおり
うん、二句目をこんな感じで「まさかな」として一文字加えてみるのも歌に味が出ていいのかも^^
普通に考えて「まさか自分が」と定型にするだろうところを“あえて外す”ことで、そこに作者の意図が表れて歌に作者の存在がぐっと立ち上がってくるようにも思いますので。
でもほんと、表面に出てくる歌意だけでない深さが幾重にも感じられる魅力の一首だと思いますので、これもひとつの参考までにと云うことで(笑)
>日を浴びてじっと身体を温める寒い冬の日トカゲの横で
こちらの歌も、冬の日差しに身体を晒して温めるトカゲの姿を通して、作者自身の存在を歌に主張する深い魅力の感じられる一首ですよね。
トカゲの横に居るのは、普通に読めば作者自身ですがトカゲとのサイズ感からその存在の大きさがバグって感じ取れる面白さも素敵です。
あるいはトカゲなどの小動物に自身の姿を重ねてみただけとの見方も出来ますが、それよりもさらに対象に対してこころが“寄り添って”いるような切ない優しさを感じます。
そうですね、そんな小さな命に寄り添うようなこころが感じ取れる一首ですし、この歌についてもほんとにこのままで充分素敵に仕上がっていると思いますよ。
トカゲもひとも、誰もが冷えたこころと身体を温めたい、そんな〈冬の日〉があります。
ただまあ、あえて言うのなら「じっと」の表現部分は少し平板すぎるように感じるので…
日を浴びて身体の芯を温める寒い冬の日トカゲの横で
うん、たとえばこんな感じとかで、もう少し表現に“一捻り”あるといいのかも^^
でもほんと、読んでいると日向ぼっこしたくなるような、そんなこころ温まる一首だと思いますので、これもひとつの参考までにと云うことで(笑)
>手も足も捨てて進化の潔さ ヘビはトカゲに別れを告げる
うんうん、こちらの歌も、手足を捨てたヘビの進化の歴史を背景に、人間の価値感で「潔さ」を詠ったほんとに面白い構成が魅力の一首ですよね。
単に潔さではなく、「進化の潔さ」と読むことで詩情が増した表現になっているようにも感じます。
そうですね、そんな一個体では辿りつけない長い進化の歴史の末に手足を捨てたヘビへの畏敬の念が感じられて深い魅力の一首ですし、この歌についてもほんとにこのままで充分素敵に仕上がっていると思いますよ。
人生にも、捨てることでしか進めない〈道〉があるものです。
過去形で「別れを告げた」ではなく「別れを告げる」としたところも、その瞬間に立ち会っているかのような進化の壮大な臨場感が感じ取れて秀逸ですね。
未練ばかりの人生を送ってきた僕には、とうてい辿りつけないヘビたちの“進化の潔さ”です。
>手も足も捨てて我らは我道へ ヘビの信念われは畏れる
こちらの歌も、進化の過程で手足を捨てたヘビを詠って、その進化に“意志”を持たせた感性が魅力の、深い内容の一首ですよね。
僕もヘビは苦手ですが、人間がヘビを怖がる理由のように詠われた上の句に、不思議な説得力を感じます。
そうですね、そんな生き延びるためのに手足を捨てるような”信念”が敬いのような畏れとなって迫ってくる一首ですし、この歌についてもほんとにこのままで充分素敵に仕上がっていると思いますよ。
どんな小さな命であれ、命を賭けた信念とは〈畏れ〉を纏うものなのです。
ただまあ、「我ら」「我道」「われは」と「我」が三度も出てくるのはちょっとくどいかなという気もしないではないので…
手も足も捨てて我らは蛇の道へ ヘビの信念われは畏れる
うん、こんな感じで「蛇(じゃ)の道」としてみても面白さがと高潔さが同時に出ていいような気も^^
まあ、ここはあえて「我」の繰り返しで韻を選んだのかも知れませんが。
でもほんと、僕がヘビを怖れる理由もなんとなくわかった気になるような、面白い魅力の一首ですね(笑)
>今日もまたVサインして写真撮る首に乗せられ締めたろうかな
こちらは海外の観光地などで大きな蛇を首に乗せて記念写真するサービスを詠ったものでしょうか。
蛇の気持ちを代弁した口語調の結句が活きたほんとに面白い魅力の一首のように思います。
上の句はもちろん人間たちですが、そこからその人間の首に乗せられたヘビの独白へと移行していく歌の“捻れ”も面白いですよね。
そうですね、そんな構成の巧みさが見事な魅力の一首ですし、この歌についてもほんとにこのままで充分素敵に仕上がっていると思いますよ。
生き物を見せ物にしてしまう人間の〈驕り〉への警告でしょうか。
それ以前に、僕などは蛇の気持ちを“察して”しまって、怖くてとても首に乗せるなんてことが出来ませんが…
>今日もまた笛に合わせてくねくねと小遣い稼ぎ噛んだろうかな
こちらの歌も、先の歌に引き続いてインド?の蛇使いの蛇の気持ちを代弁して詠った、ユーモアな感性が魅力のほんとに素敵な内容の一首ですよね。
先の歌では上の句は人間のほうでしたが、こちらは最初から蛇(コブラ?)が主体となっているところに面白い変化を感じます。
また、上の句まではよくある蛇使いに操られる蛇の姿と光景をそのまま表現しただけですが、結句の“個性”で一首が一気に輝いてくる〈言葉の力〉を感じます。
とくに「小遣い稼ぎ」の擬人化が秀逸ですね。
そうですね、そんなちょっと毒っけ(毒蛇だけに・笑)のある内容の魅力的な一首ですし、この歌についてもほんとにこのままで充分素敵に仕上がっていると思いますよ。
あるいは労働者の姿にも重なって見えて、誰もが「噛んだろうかな」と毒づきたくなる思いを、グッとこらえて生きているこの世界です。
>巳(ミ)は上に已(スデ)はなかばに言うけれど己(オノレ)は見えず眼鏡かけても
うんうん、こちらの歌も、漢字の構成を通して自分自身のこころと向き合う作者の姿が詠われた、深い魅力の一首ですよね。
ルビにカタカナ表記を使う斬新さも面白いです。
たしかに、「巳」の縦棒は上までつながって、「已」は半ばまで。
そして「己」は縦棒がないのですよね。
このあたりは、僕はあまり普段使わない漢字なので、スマホや辞書などで調べないと書けない漢字ばかりです。
そうですね、そんな一見文字遊びのような軽さの中に哲学めいた“深さ”が感じとれる面白い魅力の一首ですし、この歌についてもほんとにこのままで充分素敵に仕上がっていると思いますよ。
われわれ凡人には、己を見ることも知ることも〈至難の業〉なのです。
ただまあ、二句目の助詞の省略はちょっと無理をしているぎこちなさが出てしまっているので…
巳(ミ)は上に已(スデ)はなかばにと言うけれど己(オノレ)は見えず眼鏡かけても
うん、ここは字余りになっても「と」を入れておいたほうがいいかも^^
こうあうることで、歌の「調べ(リズム)」にも余裕が生まれて、少し硬い内容にほど良い“緩み”が生まれるようにも思いますので。
でもほんと、カタカナ表記のルビを入れることでパーレンの新しい使い方が生まれたような面白さも感じますので、これもひとつの参考までにと云うことで(笑)
>龍(タツ)というスーパースターのその後にどんな顔して出ればよいやら
こちらの一首も干支を擬人化して詠って、その卑屈さが面白い魅力となっている一首ですよね。
意識したことはなかったですが、たしかに「龍(タツ)」のあとが「巳(ヘビ)」と言うのはちょっと残酷な順序かも知れませんね。
よく似た姿をしているのにサイズ感も能力も迫力もまるで違う龍と蛇。
なんだか「巳」に親近感を憶えて愛おしく感じられてしまう一首です。
「龍さん」というスーパースターの人間をも頭に浮かんでくる構成にしているのも面白い仕掛けです。
でもきっと、こんな経験て人生で何度かあるものですよね。
スーパースターも居れば、平凡な凡人も居る。
そしてスーパースターだからと言って必ずしも幸せなわけでもなければ、凡人である人が誰かにとっての世界で一番「大切な人」であることもある。
だから、巳さんには胸を張って堂々と舞台に上がって欲しく思います^^
ではでは、朝晩の気温差が大きい時期ですが、六九郎さんも体調管理にはくれぐれも気をつけて、素敵な連休をお過ごしくださいね〜〜
今夜もこの辺で♪
[795] 題名:★前回の投稿作品★ 名前:黒路よしひろ 投稿日: 2024/04/29(月) 00:01
前回のお題『春爛漫』に、みなさまから投稿していただいた作品です。
Yahoo!トピック終了にともない、これからはこちらで投稿作品の発表をさせていただきますね。
★前回の投稿作品★
お題『別れる』(敬称略)
さくら
「またあした」指切りしたるあきちゃんは逝ってしまって六歳の春
わが肩を羽交い絞めせしその腕をそっとゆるめて母逝きたもふ
このまんま別れとならむ君が手もやがて冷たく神のまにまに
老いゆけば別れの多き人の世もやがてゆきつく何もない島
父母の野辺の送りの畦道は天につらなる蓮華の浄土
-------------------------------------
六九郎
コップ酒サヨナラだけが人生だ呟く男酔いはまわりき
お別れは突然やって来てすぐに済んでしまった きみの歌声
「別れましょ」女の口が動くときその本体はそこにはいない
英単語頭と体泣き別れつなぐハイフン伸びた内蔵
あたたかき羊水の海別れ告げまろび出たり寒き世界へ
-------------------------------------
夕夏
わかれとかでなくそえんであわぬままだけどあいたいきもちがいまも
-------------------------------------
[794] 題名:★お題は『休む』★ 名前:黒路よしひろ 投稿日: 2024/04/29(月) 00:00
★今回のお題は『休む』、期限は五月十二日(日)です★
「休暇」「小休止」など、休むという言葉から連想するものなら何でもけっこうです。
お題の言葉を含んでいなくても構いません。
題詠の期間は一つのお題につき二週間です。
みなさんが気持ちよく参加できるよう、どうぞ、ご協力のほどをよろしくお願いしますねm(_ _)m
PS.今回はお題、四巡目です(^・^)
[793] 題名:お題(別れ) 名前:夕夏 投稿日: 2024/04/28(日) 20:50
わかれとかでなくそえんであわぬままだけどあいたいきもちがいまも
[792] 題名:「別れる」 名前:六九郎 投稿日: 2024/04/28(日) 10:29
コップ酒サヨナラだけが人生だ呟く男酔いはまわりき
お別れは突然やって来てすぐに済んでしまった きみの歌声
「別れましょ」女の口が動くときその本体はそこにはいない
英単語頭と体泣き別れつなぐハイフン伸びた内蔵
あたたかき羊水の海別れ告げまろび出たり寒き世界へ
[791] 題名:題名「別れる」名前 さくら 名前:さくら 投稿日: 2024/04/27(土) 17:36
「またあした」指切りしたるあきちゃんは逝ってしまって六歳の春
わが肩を羽交い絞めせしその腕をそっとゆるめて母逝きたもふ
このまんま別れとならむ君が手もやがて冷たく神のまにまに
老いゆけば別れの多き人の世もやがてゆきつく何もない島
父母の野辺の送りの畦道は天につらなる蓮華の浄土
[790] 題名:黒路さま ありがとうございました。 名前:さくら 投稿日: 2024/04/22(月) 09:48
黒路さん、おはようございます。
沢山のご感想、添削をありがとうございました。
春になって、すこし浮かれ気味な歌になってしまいました。
仰るようにもう少し引き締まった、詩的な表現が欲しかったですね。
〇 そして堕ち逝くブラックホール(はっとする表現でした。
〇 動詞の連用形で躍動感を
私の歌は、分かりやすい言葉が多く、確かに軽い感じになっています。
〇 舞→舞い
動詞の連用形で躍動感を。
〇 日がな一日半眼の→ひねもす池に半眼の→
温かいご指摘ありがとうございました。
大変、参考になりました。
毎日 狂ったような陽気が続いていますね。
めずらしく病院通いの日が続いてしまいました。
黒路さん、どうぞ美しい春の日をお過ごしくださいね。
ありがとうございました。