題詠専用の短歌投稿掲示板です。
お題は毎週月曜日午前0:00頃この掲示板で発表いたします。
管理人:黒路よしひろ
[850] 題名:題名「写真」 名前:さくら 投稿日: 2024/08/17(土) 17:39
みな逝きて帰らぬ人よはらからよ吾を見つめる夏雲の上
いつの日か灰となりゆくわが旅のスナップ写真の重きためいき
首相とは哀しきものか六人の横一列の候補者の顔
[849] 題名:『写真』 名前:六九郎 投稿日: 2024/08/17(土) 13:26
白黒の写真の中に端然と言うこともなし啄木の父
子犬抱き笑顔を見せるおのこらは昭和二十年飛行場にて
レンズ見てにっこり笑う遺伝子を持たない男今も歩めり
実物とプロフ写真の差に互い心の内でそっとため息
保存した無数の写真層をなし地表を覆うサーバーの列
[848] 題名:黒路さん、いつもありがとうございます 名前:夕夏 投稿日: 2024/08/11(日) 23:16
ガビチョウの歌は定型にすることで言葉を選ぶことが前提で、結果助詞を省いたと思います。添削どおり言葉の調子や流麗さでいえば助詞は省かない方が良いですね。添削どおりでお願いします。アジサイの歌も言葉の入れ換えで文章の流れが自然になりますね。多分どちらも考えて印象が強い方を選んだかと思います。添削のとおり、全体の雰囲気を見れば自然な流れの方が良いですね。此方も添削どおりでお願いします。ちなみに、家の周りでは、シジュウカラやキビタキ、ウグイス、ホトトギスなど居ますが全部ガビチョウの声かも?、つくつくぼうしのなきまねもしてます。アイシャドウをした歌舞伎役者のような鳥で、いつも同じ木の枝で鳴いて居ます。家での睡眠時間を邪魔されないことを・・・
[847] 題名:夕夏さん、こんばんは〜〜(^・^) 名前:黒路よしひろ 投稿日: 2024/08/10(土) 20:53
いや〜〜、時間の過ぎるのは速いもので、いつの間にかもうお盆が目の前に迫っていますね^^;
僕はお休みを取るパート警備員さんの代わりにお盆も施設警備の泊まりがけで仕事なのですが、今日からの三連休はひさしぶりにゆっくりと過ごさせてもらっています。
さてさて、そんな慌ただしく過ぎゆく夏の時間を感じながら、今夜もまたこちらのみなさんの歌に感想など書かせてもらって、世間にまみれたこころの洗濯をしたく思います。
>がびちょうのものまねじょうずけたたましあわせがっそうくちぶえをふく
うんうん、夕夏さんのこの歌も、特定外来生物であるガビチョウ(画眉鳥)の特徴を上手く利用して詠った、ほんとに楽しい魅力の一首ですよね。
ガビチョウは、外来種でこの歌の通り他の鳥の鳴き真似が得意だそうですね。
ウグイスだと思って聞いていたら、ガビチョウだったということもあるのかも。
さらにこの歌では、ガビチョウが真似をしていると同時に、人間(作者?)がガビチョウの真似をしているとも取れる上の句になっていて、けたたましい合奏団のなんとも楽しい一首になっています。
そうですね、そんなガビチョウの鳴き声に併せて口笛で合奏する作者の姿なども歌に浮かんでくる面白い魅力の一首ですし、この歌についてもほんとにこのままで充分素敵に仕上がっていると思いますよ。
「くちぶえをふく」との何気ない表現にも、自らの意志で行動を起こすことによって作者の〈自我〉が立ち上がってくる力を感じます。
ただまあ、助詞の数が少なくて少し途切れ途切れな「調べ(リズム)」の拙さは感じるので…
がびちょうのものまねじょうずけたたましあわせてがっそうくちぶえをふく
うん、夕夏さんの好みには反すると思いますが、ここは字余りにして「あわせて」としてみるのもひとつの手かも^^
こうすることで、下の句に余裕が生まれて上の句の途切れ途切れな「調べ(リズム)」を上手く吸収して着地させてくれるようにも思いますので。
でもほんと、けたたましくも楽しい合奏が歌を通して伝わってくる魅力を感じますんで、これもひとつの参考までにと云うことで(笑)
>あめのなかあじさいのはなかなしげにうなだれゆれてわれをとどめむ
こちらの歌は、一転して梅雨時の紫陽花の花に“こころ”を寄せて歩みを止める作者の姿が浮かび上がってきて、静かな魅力を持った素敵な一首ですよね。
紫陽花の花を悲しげと感じ取るのは、そのときの作者の“こころ”が悲しさを帯びていたからなのでしょう。
そうですね、そんな紫陽花の花に自身のこころを重ねて詠んだ美しい魅力の一首ですし、この歌についてもほんとにこのままで充分素敵に仕上がっていると思いますよ。
雨の中で、うなだれて揺れる紫陽花は〈作者自身〉なのです。
ただまあ、ちょっと動詞の多さも重なって歌が間延びしているような印象はうけるので…
あめのなかあじさいのはなかなしげにわれをとどめむうなだれゆれて
うん、こここんな感じで四句と結句を倒置して変化を加えてみるのもひとつの手かも知れませんね^^
こうすることで、「調べ(リズム)」にもメリハリが生まれて、印象が大きく変わってくるように思いますので。
でもほんと、植物に“こころ”を重ねることの出来る繊細さが詩情となって一首を包み込む美しい魅力を持った歌だと思いますので、これもひとつの参考までにと云うことで(笑)
ではでは、毎日暑い日が続きますが、夕夏さんも熱中症にはくれぐれも気をつけてこの夏を乗り切ってくださいね〜〜
今夜もこの辺で♪
[846] 題名:みなさん、こんばんは〜〜(^・^) 名前:黒路よしひろ 投稿日: 2024/08/08(木) 22:55
夕夏さん、六九郎さん、ご指摘ありがとうございます!
最近、疲れと暑さで仕事でも失敗ばかり(←なんとかごまかしてますが・笑)です^^;
今夜も夜勤勤務で来週のお盆休みもないような状況なのですが、また時間をみつけてみなさんの歌にも少しずつでも感想など書かせてもらえたらと思います♪
[845] 題名:(気づいてはいましたが…) 名前:六九郎 投稿日: 2024/08/07(水) 20:21
(仕事が忙しく、おつかれなんだろーなーと思って見て見ぬ振りをしておりました(^_^))
[844] 題名:みていないちゃんとみてるよえんりょしつ 名前:夕夏 投稿日: 2024/08/07(水) 17:32
忙しい中掲示板のこうしんありがとう御座います。お題の記載(祭り:誤)で投稿内容が(怒り:正)のお題の箇所になっています。皆さん承知のうえで指摘を避けていると思いますが、見てないと思われるのも?なので記載します。忙しいことが皆さん分かっているなか恐縮ですが・・・
[843] 題名:★前回の投稿作品★ 名前:黒路よしひろ 投稿日: 2024/08/05(月) 00:01
前回のお題『怒る』に、みなさまから投稿していただいた作品です。
Yahoo!トピック終了にともない、これからはこちらで投稿作品の発表をさせていただきますね。
★前回の投稿作品★
お題『怒る』(敬称略)
夕夏
怒りとは 心の上に 政治家の ふりした奴等 見てそだつもの
-------------------------------------
さくら
姉逝きて十年経つに夢にきてわれを諭して帰りゆくなり
果物の完熟しゆく香に満ちて逆らいがたし老いのあし音
朝はやくとなりの猫は傲然とわれを無視して庭を横切る
迷いある夜明けなれども茜さす東の空にたゆとうている
-------------------------------------
六九郎
拾八で国は滅んで立ち尽くす消えぬ怒りと折れた継ぎ目は
拾八で国が破れた男あり 朝日新聞抱きて眠る
年老いた父の身体は今もなおぶすぶす焦げるわがの怒りで
アンガーをマネジメントと人の言う昭和の父に向かって言えよ
覆っても原爆のあと黒々とわれらの胸に張りついてあり
怒りすら重力すらも放射せぬ一人ひとりに黒い穴開く
No choice…自分に向けてつぶやいてOppenheimer神の命令
愛人の死をなによりも嘆くのは原爆の父 異教徒がみる
ゆえ知れぬ怒りを胸に沈めおり手懐けられぬ重い球体
熱冷えぬコールタールを飲み込んで戦後日本を建てし父母
怒りすら忘れたふりをして生きる怒ることすら許されぬ民
青白き炎のような怒りあり父からわれへ渡されてあり
-------------------------------------
[842] 題名:★お題は『写真』★ 名前:黒路よしひろ 投稿日: 2024/08/05(月) 00:01
★今回のお題は『写真』、期限は八月十八日(日)です★
「アルバム」「遺影」など、写真という言葉から連想するものなら何でもけっこうです。
お題の言葉を含んでいなくても構いません。
題詠の期間は一つのお題につき二週間です。
みなさんが気持ちよく参加できるよう、どうぞ、ご協力のほどをよろしくお願いしますねm(_ _)m
PS.今回はお題、三巡目です(^・^)
[841] 題名:『怒る』 名前:六九郎 投稿日: 2024/08/04(日) 17:23
拾八で国は滅んで立ち尽くす消えぬ怒りと折れた継ぎ目は
拾八で国が破れた男あり 朝日新聞抱きて眠る
年老いた父の身体は今もなおぶすぶす焦げるわがの怒りで
アンガーをマネジメントと人の言う昭和の父に向かって言えよ
覆っても原爆のあと黒々とわれらの胸に張りついてあり
怒りすら重力すらも放射せぬ一人ひとりに黒い穴開く
No choice…自分に向けてつぶやいてOppenheimer神の命令
愛人の死をなによりも嘆くのは原爆の父 異教徒がみる
ゆえ知れぬ怒りを胸に沈めおり手懐けられぬ重い球体
熱冷えぬコールタールを飲み込んで戦後日本を建てし父母
怒りすら忘れたふりをして生きる怒ることすら許されぬ民
青白き炎のような怒りあり父からわれへ渡されてあり
[840] 題名:題名「怒る」 名前 さくら 名前:さくら 投稿日: 2024/08/03(土) 16:49
姉逝きて十年経つに夢にきてわれを諭して帰りゆくなり
果物の完熟しゆく香に満ちて逆らいがたし老いのあし音
朝はやくとなりの猫は傲然とわれを無視して庭を横切る
迷いある夜明けなれども茜さす東の空にたゆとうている
[839] 題名:沙羅さん、こんにちは〜〜(^・^) 名前:黒路よしひろ 投稿日: 2024/07/28(日) 15:56
いや〜〜、夏は暑いものとはいえ、今年の暑さはまた格別ですね^^;
なんだか、地球がどんどん人間の住める惑星でなくなってきてるような気がします(汗。。
さてさて、そんな猛暑の中ですが、ひさしぶりの休日にこちらのみなさんの歌に感想など書かせてもらって、こころの水分補給としたく思います。
>耐えがたき日のあり胸のアコーディオン押して激しき音を吐きたり
うんうん、沙羅さんのこの歌も、やり切れない辛い思いを胸の中のアコーディオンに喩えたほんとに素敵な内容の一首ですよね。
たしかに、どんなに年月や経験を重ねても、生きていると耐え難い辛い思いをすることは多々あります。
若い頃はその自身の未熟さから。
成熟した後は他者との思い通りにならない関係から。
そして、老いた後は少しずつ失われてゆく能力から。
そうですね、そんな思い通りにならない自身への、あるいは世界への“叫び”をアコーディオンに喩えて表現した個性が魅力の一首ですし、この歌についてもほんとにこのままで充分素敵に仕上がっていると思いますよ。
その激しき心の〈叫び〉が、言葉の力となって読み手を包む空気をも震わせます。
ただまあ、下の句の言い回しが説明っぽくて歌の熱量を奪ってしまっているような感じはするので…
耐えがたき日のあり胸のアコーディオン激しき音を吐き出したり
うん、ここはこんな感じで「押す」は外してみてもいいのかも^^
音が出ている時点で作者の耐えがたい思いがアコーディオンの激しき音として表現されているのは明白だと思いますので。
でもほんと、アコーディオンの音のように空気を震わせる作者の叫びが聞こえてくる一首だと思いますので、これもひとつの参考までにと云うことで(笑)
ではでは、地獄のように暑い日が続きますが、沙羅さんも水分補給をしっかりとしてこの夏を乗り切ってくださいね〜〜
今回はこの辺で♪
[838] 題名: 名前:夕夏 投稿日: 2024/07/28(日) 01:24
怒りとは 心の上に 政治家の ふりした奴等 見てそだつもの
[837] 題名:★前回の投稿作品★ 名前:黒路よしひろ 投稿日: 2024/07/22(月) 00:01
前回のお題『夏祭り』に、みなさまから投稿していただいた作品です。
Yahoo!トピック終了にともない、これからはこちらで投稿作品の発表をさせていただきますね。
★前回の投稿作品★
お題『夏祭り』(敬称略)
さくら
水面に銀、もも色の細き身をするどく返し稚魚のよりくる
祭り太鼓の遠ざかり水槽の金魚ぽにょんと顔をだしたり
ちちらちち線香花火の消えゆけば仄かに残る君のため息
-------------------------------------
六九郎
夏祭り参加資格は日本人日本国籍納税者のみ
一人だけ振りの合わない盆踊り この星に来て長く暮らせど
人集う音楽フェスてふ夏祭り神も先祖もダイブでモッシュ
夏の夜打ち上げ花火人の列長く連なり海の中まで
-------------------------------------
夕夏
ころなかのごねんのつきひへだてたるかそかにゆれるなつまつりかな
-------------------------------------
[836] 題名:★お題は『怒る』★ 名前:黒路よしひろ 投稿日: 2024/07/22(月) 00:01
★今回のお題は『怒る』、期限は八月四日(日)です★
「怒声」「怒号」など、怒るという言葉から連想するものなら何でもけっこうです。
お題の言葉を含んでいなくても構いません。
題詠の期間は一つのお題につき二週間です。
みなさんが気持ちよく参加できるよう、どうぞ、ご協力のほどをよろしくお願いしますねm(_ _)m
PS.今回はお題、二巡目です(^・^)
[835] 題名:夏祭り 名前:夕夏 投稿日: 2024/07/21(日) 12:31
ころなかのごねんのつきひへだてたるかそかにゆれるなつまつりかな
[834] 題名:「夏祭り」 名前:六九郎 投稿日: 2024/07/20(土) 23:08
夏祭り参加資格は日本人日本国籍納税者のみ
一人だけ振りの合わない盆踊り この星に来て長く暮らせど
人集う音楽フェスてふ夏祭り神も先祖もダイブでモッシュ
夏の夜打ち上げ花火人の列長く連なり海の中まで
[833] 題名:題名 夏祭り 名前:さくら 投稿日: 2024/07/20(土) 19:32
水面に銀、もも色の細き身をするどく返し稚魚のよりくる
祭り太鼓の遠ざかり水槽の金魚ぽにょんと顔をだしたり
ちちらちち線香花火の消えゆけば仄かに残る君のため息
[832] 題名:ありがとうございました 名前:六九郎 投稿日: 2024/07/10(水) 23:17
黒路よしひろ様
お忙しい中、添削、講評を賜り恐縮です。講習、競技大会、試験と、読んだだけで目が回りそうですが、無理されずお身体第一でお過ごし下さい。私も今は暇な身になってしまいましたが、振り返りますと忙しかった頃のほうが楽しかった気がします。ないものねだりかも知れませんが…。
>街角に残す落書きBanksy アートの力が壁を崩す
→街角に残る落書きBanksy アートの力が壁を崩す
「す」ですと、たしかに、落書き→壁が崩れる「同時進行」感がしますね…。
今まで気づきませんでしたが、どうも自分には「性急さ」が染み付いているようです(^_^)
ご指摘ありがとうございました!
オークションに掛けられたバンクシーの絵にシュレッダーが仕込まれていて、競り落とされた瞬間に作動、絵が細切れになるというイタズラを見て衝撃を受けました。しかもその細切れにまた高値がつくという…。アートも資本主義からは逃げられないようです。
>仙高ヘ墨筆紙で見るものの心をほぐす自由闊達
→仙高ヘ墨、筆、紙で見るものの心をほぐす自由闊達
表記的にも余裕が生まれる、というご指摘、ありがとうございます!これもやはり自分の「性急さ」ですね…。生き急いでいる自分の様が歌にも現われているのでしょうか(^^;)。だからこそないものねだりで仙高ノ憧れるのかも知れません。しかし仙高詠む歌に性急さは似合いませんね!
ルネ・マグリット、中学の美術の教科書で見てから好きなんですが、調べてみると風貌や生活は至って普通。でも描く絵は「イメージの魔術師」。なんとも素敵です。最近外見で個性を出そうと頑張る若者が多いですが、ほんとに個性的な人は以外と普通の見た目なのではないでしょうか。
「目に見えないものを具現化する力。それが絵画であり、あるいは短歌などの言葉の力でもあるのだと。」
たしかに。その力は時空を越えて誰かの心に届くみたいです。
自分の人生をかけて贋作制作に励む天才たちがいます。贋作に美はあるのか。オリジナリティとは何なのか。美を金に換算することは妥当なのか。自己承認欲求はないのか。異常な情熱の源泉はなんなのか。彼らのストーリーを読むといろんな疑問が湧いてきて興味が尽きません。
https://www.newsweekjapan.jp/ooba/2015/10/30.php
https://www.cnn.co.jp/style/arts/35201471.html
愚作を読んでいただきましてありがとうございました。
今後もご指導よろしくお願いいたしますm(_ _)m
[831] 題名:六九郎さん、こんばんは〜〜(^・^) 名前:黒路よしひろ 投稿日: 2024/07/08(月) 00:15
いや〜〜、先月は資格の講習と仕事の競技大会と別の資格試験と新業務が一気に重なってきて、こちらにはほとんど顔を出せずに申し訳ありませんでした^^;
仕事で異例の昇進を繰り返したりと評価されるのはありがたいことなのですが、労働のない半ニートの暮らしの素晴らしさを知っている僕には、この状況は複雑だったりもします(汗。。
ほんと、なんでこんなことになってしまったんでしょう…
さてさて、まだしばらくはゆっくり短歌と向き合うほどの余裕もないのですが、少しずつでもこちらでみなさんの歌に触れることで、仕事で荒んだこころの回復をしていきたいと思います。
>街角に残す落書きBanksy アートの力が壁を崩す
うんうん、六九郎さんのこの歌も、素性不明のアーティスト「Banksy」を詠って、作者の思想も投影させるほんとに素敵な魅力の一首ですよね。
下の句の破調も型破りなBanksyの存在を詠ったこの歌によく似合っているように感じます。
そうですね、そんなBanksyの芸術の破壊力によって“常識”の崩される音まで聞こえる魅力を感じますし、この歌についてもほんとにこのままで充分素敵に仕上がっていると思いますよ。
Banksyの絵が描かれた壁と、アートの力で崩される常識の壁の二重構造。
Banksyについては、たぶん若い頃の僕ならもっと共感したんでしょうけれど、感性が錆びついて常識寄りになってきている現在の僕にはそれが落書きなのか常識への挑戦なのかが判断がつかなかったりもします。
アートとはそんな二つの価値観の中をつねに、〈歪〉に揺れ動くものなのかも。
ただまあ、「残す」「崩す」が同時進行だとちょっとせわしなさがあるで…
街角に残る落書きBanksy アートの力が壁を崩す
うん、ここは二句は「残る」にしておいてもいいかも^^
このほうが「調べ(リズム)」的にも変化が出てよいメリハリになると思いますので。
でもほんと、自分たちの崩せないものを崩してくれる力への憧憬のようなものも感じ取れて魅力の一首だと思いますので、これもひとつの参考までにと云うことで(笑)
>仙高ヘ墨筆紙で見るものの心をほぐす自由闊達
こちらの歌も、先のBanksyと同じく、画家である仙高詠って、自由であることへの“憧れ”を感じさせるほんとに素敵な魅力の一首ですよね。
仙香iせんがい)は、江戸時代の禅僧「仙豪`梵」のことですね。
この歌にもあるように、画家としても有名で、昭和初期には仙鴻uームが起こって一般にも広く知られるようになったのだとか。
まあ、無知な僕は今日までその存在を知りませんでしたが(汗。。
この歌にもあるように、自由闊達な人物だったそうで、狂歌なども残しているところなど、おなじく歌にかかわるものとして非常に魅力的な性格を感じ取れます。
そうですね、そんな仙高フ生き様や姿を歌を通して現在に伝えてくれる魅力を感じますし、この歌についてもほんとにこのままで充分素敵に仕上がっていると思いますよ。
いつの時代もひとは、自由なもの、自由な〈存在〉に憧れるのです。
ただまあ、「墨筆紙」は繋げてしまうと熟語のように読み取れてしまうので…
仙高ヘ墨、筆、紙で見るものの心をほぐす自由闊達
うん、ここはこんな感じとかで読点などで区切っておいてもいいのかも^^
こうすることで、表記的にも余裕がゆったりとした生まれて、この歌の内容をさらに活かしてくれるようにも思いますので。
でもほんと、仙高フ絵画が読み手の前に具現化されてくるような言葉の力を持った一首だと思いますので、これもひとつの参考までにと云うことで(笑)
>生真面目な銀行員が描く絵は生真面目でなしルネ・マグリット
うんうん、こちらの歌も画家のルネ・マグリットを詠って、その人物像を言葉の力で定義して見せた、ほんとに素敵な魅力の一首ですよね。
ルネ・マグリットは、ベルギーレシーヌ出身の画家、ルネ・フランソワ・ギスラン・マグリットのことですね。
この歌にもあるように、普段は生真面目な銀行員としての生活を送りながら絵を描くなど、どちらかというと平凡な性格の人物だったともいわれているようですが、一説には、平凡な小市民を意識して演じていたのでは?との憶測もあったりと、たしかに六九郎さんの琴線に触れそうな部分を感じます(笑)
そうですね、そんなルネ・マグリットの魅力を歌で表現した言葉の力の魅力を強く感じますし、この歌についてもほんとにこのままで充分素敵に仕上がっていると思いますよ。
ルネ・マグリットは、自身の絵を「目に見える思考」と表現したそうですが、それはどこか短歌にも共通する部分かも知れませんね。
目に見えないものを具現化する力。
それが絵画であり、あるいは短歌などの言葉の力でもあるのだと。
そんな、ルネ・マグリット(の絵)を知らない人間が読んでも、その存在を外さずに想像できるような言葉の力の妙。
そして、初句の生真面目を四句の生真面目が否定する構成の美しさが、心地よく読み手のこころに触れる一首です。
>贋作に生涯かけた絵師がおりその真贋の境目淡き
こちらの歌も、“贋作絵師”という存在を通して物の真贋への価値観を問いかけた深い魅力を持った一首のように思います。
その存在の危うさから贋作絵師として有名な人物などというのはあまり表舞台には現れてきませんが、それでも贋作が存在するということとはそれを描いた贋作絵師というのも実際に世に存在しているのですよね。
僕などはとくに、本物の扱いづらさよりも偽物(レプリカ)の気軽さを好んだりする人間なのですが、そもそもが世の中に存在するということ自体にそれ一個が固有の「存在」である価値があり、何を持って本物と偽物と区別するのかなど、問いかけてゆけばゆくほどその「境目」は淡く区別が付きにくいものなのかも。
本物と区別が付かないほどの贋作は本物よりも劣るのか?
本物が本物と言うだけで贋作に勝るのか?
「境目淡き」の結句が、〈思想〉となって迫ってくるような緊張感。
短歌とは、作者のこころを写す思想なのです。
ではでは、この数日はほんとうに暑すぎる日が続きますが、六九郎さんもどうぞお身体に気をつけてこの夏乗り切ってくださいね〜〜
今夜もこの辺で♪