扇紳之介ファンの掲示板


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[35] 続きです 投稿者:扇チルドレン 投稿日: 2023/12/01(金) 15:46

蘭九は被虐の恍惚に火照った肉体の駒原千代美を連れて、子爵夫人淡路雪絵の家を訪ねます。

鉄扉をあけると同時に千代美の裸身が転がり込んできた。むきだしの大きな水蜜桃のような乳頭がはあはあと喘いで
「雪絵さん」
「奥様」
雪絵は不思議な妖艶な微笑を口元に帯びて、千代美の裸身を抱き締めた。
「奥様、わたしはいつか二人一緒に会わされる夜がくると思っていましたわ」
いいながら雪絵は、火のように火照っている千代美の臀丘に白い美しい指を這わせた。
「熱い、ずいぶん打たれているのね」
「ああ、雪絵さん」
「みごとなおしり、雪絵のおしりは少年のように小さいのですよ」
眩い灯の下で紫地の着物の前をまくって、淡路雪絵は滑らかな白い腹丘を千代美の眼に展示している。
「よく見て、千代美さま」
ひとすじ髪がほつれ、女仏のように典雅な眠りの表情を帯びて、ただ美しい鼻翼が微かに喘ぎつつ
「これが淡島雪絵の身体です。存分にご覧になってください」
墨で淡く翳ったような淡い繊毛の先がふるふると震え、子持ちの女体とは思えぬような綺麗な蟻色の襞がぬるりと濡れてきている。
「可愛いいお方…」
千代美は座って座卓に肘をかけているが、裸の腰が浮いて、若盛りの貴婦人のあられもない前まくりの立ち姿に痺れるように目を凝らす。
「雪絵の身体のことは、旦那様がよくご存じですわ。前も後ろももうすっかり。千代美さん、わたしもお尻を打たれるだけで狂ってしまうことがありますのよ」
「雪絵さん、後ろをむいてお尻を見せてくださる」
「もう、前はよろしくって」
「ええ、十分鑑賞しましたわ」
「お尻をお見せしますわ」
しなやかに雪絵は柔腰をまわしながら、蘭九が浣腸の支度を整えたのを目の隅に映した。グリセリン液をいっぱいに吸入したガラス製浣腸器が洗面台に横たえられ、蘭九は食用油に小筆をつけている。
「見て、雪絵のお尻です」
少年のように引き締まったまろやかな臀部を千代美の眼に見せて、
「旦那様、浣腸ですの?」
はじめて雪絵は言い、丸出しの白い双臀の亀裂にフルルとふるえをはしらせた。
「お尻も咬愛らしいわ」
千代美はハアとため息をもらし、
「雪絵さん、浣腸されるのよ」
その声がおののいている。
「いや」
雅な京紫の着物を捲って、乳色のつるつるした臀丘をさらす雪絵は、ああ…と腰をよじって嗚咽しだした。
「浣腸はいや……」
「千代美、たらいを持ってこい」
蘭九は興奮に赤らんだ顔で、千代美に命じる。
「たらいを?」
「風呂場にある、もってこい」
千代美も泣きだしそうに眉をひそめ、諦めて立ちあがった。
全裸の白い胸に木製の大きなたらいを抱えて千代美が戻ってくると、雪絵は犬のように畳に這って、
「旦那様」とすすり泣いている。
「いやいや、浣腸はイヤ」
脱がされた着物が紅絹の裏地を見せて、水屋の前にうねり、一糸まとわぬ美しい父色の裸身が鹿のような双肢を割り、小さな菊の蕾をむき出しにして、そこを小筆の先でちくちくと撫ぜているのだ。


[34] すみません 投稿者:扇チルドレン 投稿日: 2023/11/28(火) 16:21

短いですが、今日はここまで。


[33] 続きです 投稿者:扇チルドレン 投稿日: 2023/11/28(火) 16:20

「あんな高貴な美しいお方が身体を捧げるのですね」
ふと身につまされた様子で、千代美は燃える瞼を伏せた。
お妾さんですか……つぶやいて暗い庭先へ眼を投げる。
「それではあの若い気夫人もおしりを拷問されるのですか」
「おまえと同じだ。雪絵もハリガタや試験管でいびられてのう。お燗のついた酒を飲む」
「子爵夫人も」あのお酒を」
びしっと竹の物差しが千代美の裸の臀を打った。
「聞け、千代美。雪絵はのう」
蘭九は白い頸を抱いて、アナルセックスまで捧げていると耳元で囁く。不意に蘭九は女の声色で
「旦那様」、今夜は雪絵のどちらをお使いになりますの―と泣きそうな顔でわしに訊くときの雪絵の様子はふるいつきたいように可愛いのう」
千代美は蘭九の顔を見上げて、その大き目の瞳には妖しい光がやどった。
「本当に子爵夫人が、アナルセックスを?」
「そうとも。三度に一度はわしは雪絵にその奉仕をさせる」
「つらいでしょうね。お菊……」
「汗みどろになって、雪絵は泣くのう」
「可哀そうに、あの綺麗なひとを」
階段に白い肉付きのよい肢をかけて千代美はたちまちはちきれそうな双臀を向けた。
「ねえ、叩いて」
千代美は蛙のように尻を突き出し、うしろから物差しで打ち叩かれながら、薄暗い階段を登った。
二階の八畳の座敷で、床の間の竹柱に括りつけられ豊麗な真っ白い女体は、尻打ちの苦痛とむその快美さに陶酔して、蛇のように胴をくねらせ、赤く腫れあがった尻がのたうち、
「蘭九様ァ、私にも雪絵さんと同じようにご奉仕させてえ」
ニス塗りの丸い竹柱が、漏れるあんずの花汁で艶光りして、密林の鼠径部をすりつけて悶える千代美は、すでに恍惚の境地に達している。


[32] 名場面続き 投稿者:扇チルドレン 投稿日: 2023/11/28(火) 15:56

蘭九はしばしば子爵夫人・雪絵の家を訪ねて、淫虐の限りをつくします。駒原千代美は、蘭九の訪れが絶えたので、火照った肉体を持て余していたのですが、或る日、ようやく蘭九がやってきます。千代美はすでに蘭九の責めを待ち望んています。

茶の間で千代美は裸にされながら、
「今夜は思う存分に虐めてください」
と震えをひいた熱い声で囁いた。
「待っていたわ、あなたのお越しを」
「そうか」
豊かな腰から白いパンティースをむしり取ると、煌々とした電灯の下で、黒い海藻のような毛叢が艶艶と輝いた。
「素裸にされたのね」
人妻はむきだしの真っ白い豊臀をむちむちとくねらせて
「静かな夜」、そしておしりが熱い夜

ぴしゃと平手で尻肌をぶたれると
「ああ」
千代美はぞくぞくとした腰つきで蘭九の身体に抱きついてきた。
「ねえ、今夜は尻打ちから始めて」
「打たれたいか」
「ものさしがありますわ。そこに」
ラジオが置いてある戸棚の陰に、竹の長いものさしが見えている。するりと蘭九は引き抜いた。
「千代美、ケツをおったてて四つん這いになれ」
「二階であたしを縛ってくださいよ」
長らく夫が臥せっていた二階には、床の間がある。
その床柱に縛り付けて鞭うってほしいと、妖しく濡れ輝く目で駒原千代美は言い
「縄はいいものがありますわ」
裸身がしゃがんで、戸棚の抽斗を引く。細いなめし皮の紐が出てきた。
「行きましょう、二階に」
びしっ、びしっ、千代美は革紐を使って、自ら豊麗な白臀を叩きつつ、階段口まで艶めかしく腰をうねらして行くと
「ねえ、蘭九様。子爵夫人をものになさったのでしょう」
妖美に輝く人妻の眼には、マゾっぽい官能の高ぶりとともにジェラシーが燃え
「きっとそうだわ。だからあなたはあたしの所においでにならなかったのだわ」
「ふふ……」
蘭九は傲慢な笑いを浮かべた。
「やっぱり、そうなのね」
「雪絵はな、わしの妾にした」
「可哀そうに、あんな工機」


[31] すみません 投稿者:扇チルドレン 投稿日: 2023/11/17(金) 16:18

途切れ途切れですみません。
寄る年波で、雑誌のコピーから引き写すことも、なかなか集中力が出ません。
なんとか集中力を振り絞っていきますので、
どうぞ、みなさま、ご自由に書き込んでください。


[30] ありがとうございます 投稿者:管理人ポチ 投稿日: 2023/11/17(金) 13:28

扇チルドレンさん、ありがとうございます。
あらためて、いいですねえ。実は「羞しい子爵夫人」、あまり読み込んでいた作品ではなかったのですが。この機会に読みかえしています。今さらですが、素晴らしいです。
作品紹介を頂くと、このような再発見のきっかけとさせてもらえることが多いです。ありがたい。
>「意外と肉がのっているな」
そうでなくっちゃ、という感じですね。
いよいよ、子爵夫人の調教。引き続き、よろしくお願いいたします。


[29] 名場面 投稿者:扇チルドレン 投稿日: 2023/11/06(月) 14:56

月が明けて四月の二日、その夜、淡路雪絵がひそやかに蘭九の家を訪ねて来た。
もう、売るものが何もなくなってしまいました。お金を貸してください、と事務所のソファでうら若い美しい貴婦人は嗚咽した。
「そうすると、奥様は思い直したわけですな」
蘭九はすすり泣く淡路雪絵のふるえる肩のうしろに、敗戦後の弱肉強食の酷薄な世情が怖ろしい地獄絵図を広げているのを今更のように実感した。
「なむあみだぶ……ご主人は銃殺刑とやら」 
陸軍中尉子爵淡路彰隆は、フィリピン群島の一つの島で、ゲリラの手によって銃殺刑に処せられたというニュースが世間に伝わっている。
「いいえ、夫は必ず生きていて、日本に帰ってきます」
言うと雪絵はいじらしく泣き崩れた顔をあげた。
「淡路はきっと帰ってまいります」
なむあみだぶ、蘭九は口の中でとなえながら、雪絵の優美にくびれた柔腰を引き寄せ
「金は貸してやるぞ、雪絵」
あの晩は、強気な潔癖な口をきいたものの、後で必ず泣きついてくるとわしは思っていたと蘭九は嗤い
「さ、」美しい貴婦人様、まずはケツを出して見せろ」
「お、お願いです。しとねの中で下着を脱がせて下さい」
「雪絵、場所を問わず、どこでも言うとおりにするんだ。そら」
雪絵は細い腰を回されて、その細身にまとう上品なラベンダー色のボレロスーツが柔らかな襞を描いた。
「泣くな、小娘みたいに」
「だって、みじめですもの」
雪絵は震えつつ、長めのスカートの裾を腰の上までまくり上げた。
「意外と肉がのっているな」
フリルの付いたクリーム色のパンティースがぴっちりと張って、マルク盛り上がった双臀のかたちをはっきり見せている。
「尻をむき出しにして見せるんだ」
「ああ」
と、羞恥の呻きをもらして、淡路雪絵はパンティースをめくりおろした。新鮮な白いりんごを見るようで二つのまろみが可愛く締まって、乳色につるつると輝いている。
「アア…」
そのむき出しにした尻を撫でられると、雪絵は鹿のような肢をくねらせて
「恥ずかしい…」
と、顔を覆って細く哀泣しだした。
「淡路雪絵、おまえもこの蘭九から被虐の快楽を仕込まれることになったのう」

とうとう子爵夫人淡路雪絵が金貸し蘭九の毒牙にかかります。


[28] 名場面 投稿者:扇チルドレン 投稿日: 2023/10/20(金) 17:44

管理人ポチさん、ありがとうございます。
「あなる恋虐記」、再読してなつかしく思い出しました。
【羞しい子爵夫人】の名場面を続けます。

蘭九は千代美の直腸に試験管に入れた酒を無理に挿入し、温まった酒を「尻酒だ、飲め」と言って、自分と千代美で味わいます。
そして、千代美を連れて、篠竹の鞭で千代美の尻を叩きながら、む子爵婦人淡路雪絵の邸宅を訪ねていきます。

「ごめんください。蘭九です」
鉄扉の前で蘭九は声を張り、かたえで千代美は乱れた髪をつくろい、
「蘭九様、また、お尻が火照りましたわ」
ぎいと、鉄扉が開かれた。
「ああ、蘭九様、ようこそ」
典雅で雪白な顔が花のように笑った。
「奥様、先日ご相談を受けた件で、お伺いいたしました」
「うれしゅうございます」
と、うら若い貴婦人はその清らかな澄んだ瞳がうるんだ。
「お助け下さい、蘭九様」
蘭九はふっと笑った。
「むさくるしいところではありますが、どうぞお入りになってください」
「今日は初夏のように暖こうございました」
茶をいれる淡路夫人の黒髪が艶やかに照り映え、その優美な鼻梁の線が彫刻を見るようで、唇の形は紅梅の蕾を思わせる。
「奥様、この人は町内の駒原文具店の若奥さんです」
蘭九は子爵婦人に千代美を紹介すると、二の口に言った。
「金貸しから金を借りて、返せなくなった女の例が、この千代美です」
蘭九は篠竹の鞭を素振りした。風が雪絵の美しい鼻筋を掠めた。
「千代美、尻を打たれたいか」
「ええ……」
千代美は燃えるように羞恥して、腰を浮かすとズボンのチャックを引く。
「子爵の奥様、みじめな人妻の例をお見せしますわ」
もうどうなってもいい……千代美は胸に繰り返しながら、双臀を剥きだしにして、犬這いのかたちに身を這わした。
「奥様、遠慮なく笑ってくださいまし」
マゾヒスティックな蠱惑の色香を駒原千代美はその哀れな四つん這いの肢体にみなぎらせた。
ぞくぞくと昂っている声で
「打って」え、奥様の前で、早くう」
「よしよし」
ぴしゃぴしゃと蘭九は平手打ちして、
「子爵夫人、担保なしにわしから金を借り出すには、相当の覚悟が必要とわしはお教えしているんだ」
「サジズム……」
淡路雪絵の清廉な気高い瞳は、哀し気な憂いに翳り、低くその言葉をつぶやいた。
「では奥様、この女が尻を打たれて悶え狂うさまをお見せしましょうかな。よく見学して、この蘭九から金を借りるにはどうしたらよいか、とくとご覧なさるがよい」
鞭を手に蘭九は立ちあがった。
「千代美!」
気高く若い美夫人を見物人にすることで、とみに興奮し、禿げあがった額には脂がぎらぎら光って怪物のような形相だ。
「もっと高く、みんな見えてしまうまでケツを立てろ」
「はい…すっかり、お見せしますわ」
「お二方、お帰りください」
不意に凛とした声がほとばしり、異様な淫靡な空気をばしっと打った。
「蘭九様、私は貴男のようなお方からお金は借りません。お帰りください」
貴夫人の声は蘭九と千代美の神経を打ち据えた。



[27] ありがとうございます 投稿者:管理人ポチ 投稿日: 2023/10/12(木) 09:47

扇チルドレンさん、作品紹介ありがとうございます。レスが遅れまして申し訳ありません。
「全裸館」はグリーンドア収録ということもあり、扇作品の中ではポピュラー(?)な作品という認識ですが。改めて、いいですねえ。
確かに、咬虐、バット打ちとかなり残虐な責めが出てきますね。それでいて奇妙な静謐さも感じさせるこの筆致。
雨月さん御教示の「リットル字型」嘴管の件、私も今回はじめて正解を知ることとなりました。というか、数十年間「L字型」に疑問も抱けなかったのが汗顔のいたりです。
「羞しい子爵夫人」は責め役の「蘭九」という名前が印象に残っていますね。
個人的には、古本屋での購入ガチャで当たる確率がけっこう高く、ちょっと恨めしい印象がある作品でした(笑。
さて。バット打ちの描写が登場して、私としてはすぐ連想したのが「あなる恋虐記」でした。
旧掲示板での作品紹介を閲覧できるようにしたい、といったまま例によって止まっていましたが。
以前に私が投稿した「あなる恋虐記」の紹介部分をまとめてみました。

https://pochigoya.x.2nt.com/rengyaku.htm

本当に書き込みを繋げただけのもので、今後改良が必要かとは思いますが。
今後も少しずつ、過去の作品紹介を掘り出してお届けしていきたいと思います。


[26] 名場面 投稿者:扇チルドレン 投稿日: 2023/10/11(水) 15:48

ハリガタを使った責めというのは、扇作品では珍しいと思います。昭和20年代という時代設定から、このような責めを選んだのかもしれませんが、やはり、得意の臀部責めとはちがって、あまり面白くないです。そのあたりはカットして次へ進みます。

ハリガタでの責めが終わり、ぐったりした千代美は蘭九からココアを飲ませてもらう。

(承前)
「美味しゅうございました。ご馳走さま」
千代美は恥らいを含んだ媚めいた目づかいをして、柔らかく膝を寄せてきた。
「元金をいつお返しできるのか、今のところ見当がつきません。でも、蘭九様、どうかお慈悲ですから、家を差し押さえることだけはお許しください」
千代美は金貸しの胸に頭を寄せた。
「そのかわりこの身体はどのようにでも……」
さあ、どうぞ、ムチでお尻をお打ちください、と紅の剥げた唇がふるえるように哀し気に笑って、みずからパンティーをめくりおろし、真っ白いみずみずしい豊臀を剝きだしてみせた。
「静かな夜、そしてお尻が冷たい寒い夜……」
撫でられる尻を恥ずかしそうによじって、しなやかに千代美は畳に這う。窓の外に冷え冷えと霙は降り続け、四つん這いに這って、柔らかくもたげている人妻の白い双臀は、羞恥感と寒さに震えながら、
「蘭九様、ムチを…」
「フフ、寒いか」
「ムチでお尻を熱くしてくださいませ……」
「まあ、待て」
蘭九はぬるま湯をガラスの試験管に注いでいる。土瓶の口からちょぼちょぼと注ぎ入れている。
「千代美、今夜はちょっと変わった趣向でその色っぽいおケツを可愛がってやる」
試験管が責め具に使われようとしている。寝間の桐箪笥から試験管が出たのは今夜が初めてである。
それを茶の間に持ち込んで湯を入れて蘭九がどう使おうとしているのか、千代美は怯えながら、ガラス管の光からあのアメリカ版の猟奇情痴映画の浣腸シーンを想起した。
「あ」
千代美はぞっと鳥肌たって、
「いや、いや」
疳高い泣き声を放った。
「よ、よして、蘭九様、堪忍!」
怯えて縮こまる白い尻に男の熱い息が触れた。
「おい、もっとケツをあげろ」
女が示す怯えと嫌悪の物腰から、蘭九は身の内の妖異な嗜虐の血がふつふつとたぎり、これまでにない激しい興奮の気配をみなぎらせた。
「何がイヤなのだ」
うふふ、妙にかすれた声で笑いながら、うしろから全裸の白い腰を抱き上げると、千代美は嗚咽してそのまま双臀を高く浮かした。
「どうだ、千代美?」
「ああん……」
「むちむちして、きめの細かい餅のような尻してやがる」
肉の厚い掌で、豊満な双丘のまるみをびたびたと叩き、その淡褐色の締まった縦溝を割る。
「ひられ、千代美」
「ああ、いゃ、いや」
一糸まとわぬすっ裸にされて、この哀艶な人妻は、悲しい勘の冴えで、湯の入ったガラス管でどこを嬲ろうとしているのか察しており、おお…と声をたてて泣きじゃくりながら、真っ白い双肢を八の字にひらき、その柔美な臀溝を割りひらいて男の目に供した。
「わたくし、恥ずかしい」
細い小さな淡紅色の菊花である。その愛らしい小さな花弁は、しなやかな襞を寄せ合って、縮こまったかたちをしている。
「誰、誰にも見せたことがありませんわ」
「主人にもか?」
蘭九は試験管にコルク栓をはめた。
「はい、主人にも」
「わしが咬愛がってやる」
試験管の丸い先端に食用油を塗りながら、蘭九は昂って声がかすれた。
「愉しいので、ございましょう」
と、囁くように千代美が言った。
蘭九は白々と屹立している艶美な臀丘のうしろにしゃがむ。
「千代美、そう固くすぼめるな」
千代美は白い脂肪のまるみをぎゅっとつかまれ、むきだしの菊花にぬるりとした食用油の冷たさと試験管の圧力を知覚した。
「いやあ」
哀しい声で人妻は泣いた。こじあけるように圧力は高まり、湯のぬくもりがおぞましく伝わって来る。
「もっと、尻をあげろ」
蘭九の表情は淫虐の愉悦感にみちて、くさびを打ち込むように強く試験管を埋めて行く。
「痛い」
苦痛に呻いて、千代美は血走ったような赤い目でうしろを見返った。
「ひ、ひどいことを……そんなところを嬲られるなんて、あたし……」
思ってもみなかったと人妻は言い
「ううむ」と激しく呻いて、そのガラスで切り裂かれるような苦痛に、白い素肌がじっとりと生汗を噴き出してきた。腰のくびれと尾骶骨の部分に汗がきらめく。
「ううっ、も、もっとお手柔らかに、お願いよウ、優しく嬲ってえ、蘭九様っ」




Number
Pass