No.383 惜しかった 投稿者:木器 投稿日:2022年06月04日 (土) 05時01分 [ 返信] |
大河ドラマ『西郷(せご)どん』の時代考証を担当された志學館大学教授・原口泉先生が、あの年はつぎつぎと西郷関連書籍を出されて大忙しでしたが、今年、またドラマの参考にもなる素晴らしい本を書かれました。
『日本人として知っておきたい琉球・沖縄史』(PHP新書)。まさに今日、今年の日本人にとって必読の本と言っていいと思います。 先生は同新書からすでに『世界危機をチャンスに変えた幕末維新の知恵』と『坂本龍馬と北海道』を出されていて、今度の本もやさしく書かれながら今まで見落とされがちだった歴史の本質に迫る貴重な三部作の一冊になっています。
沖縄の本土復帰50周年の年とあって、いろいろ沖縄を見直す試みがなされていますが、そもそも沖縄とはどのようにして生まれどのような歴史で今日の姿になっているのか、今まで一般読者が読めるまとまった通史がほとんどありませんでした。
NHKの朝ドラ『ちむどんどん』なども、ドラマを通じて復帰50年の沖縄の理解を深められると期待したのですが、今のところどうもその期待に十分応えていないようです。小生の周囲にも、すでに見るのをやめてしまった人が3人もいます。
せめて原口先生のこの本がもっと早く出て、その内容を脚本に反映させてもらえていたらと悔やまれます。じつは先生も、もっと早く出したかったのですが、とおっしゃっていました。 いっそのこと、以前、明治の女性実業家・広岡浅子を取り上げた朝ドラ『あさが来た』が好評だったように、先生が監修者として制作に加わっていただけば、もっとドラマの質を上げられたのに、と残念です。
このうえは一人でも多くの人にこの本を読んでいただき、改めて沖縄のことを考えるのに役立てていただければと念じます。
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