No.365 忘却の彼方 投稿者:木器 投稿日:2022年05月29日 (日) 22時03分 [ 返信] |
それにしても、おたぐりさんが書いてくれた重信房子のこと。 小生も、その前日27日の朝日新聞に詳しく報じられた記事と、翌日の出版社の新聞広告で、彼女の出獄と、それに合わせた彼女の獄中手記『戦士たちの記録』の出版を知りました。
広告をご覧になった人は多いでしょうが、もう忘却の彼方にあった、あの赤軍事件の不快な思い出がまた蘇ります。しかし、単純に不快と片付けるとまた怒られるかもしれません。広告の文面にただよう雰囲気を、共感とともに受け止める人がかなり多いということでしょうから。
――最後の夜の宴の後、肩を組み声を抑えて歌いあった「インターナショナル」の歌。そのあと差し出したバーシム(奥平剛士)の片手の甲の上にみんなで片手ずつ次から次へと両手とも重ね合いながら握り、「勝つぞ!」「勝つぞ!」「勝つぞ!」と誓い合った戦士たちの姿――
観光客を銃殺するなんて単なる人殺しの大犯罪にすぎない暴挙を、「リッダ闘争」などというなにか崇高な目的のような美名に隠してきた集団を、これだけちやほやしていいはずがないと思います。
木器の直接味わった不快感は、もっとまえの大学時代からの話です。連夜のごとくいわゆる暴力革命による世界改造を信奉する類の運動家たちが下宿に押し寄せ、木器の不勉強をなじるわけです。 純真な若き木器は、彼らに言い負かされて劣等感の虜になりながらも、彼らに対して生理的と言っていいほどの違和感を禁じることができませんでした。 とても手をかざしあい握り合って、戦士としてインターナショナルを歌うなどという芸当はできなかったのです。
世界中がまだ、そしてまたもや戦争という紛れもない暴力にさらされている地球で、彼女の存在や発言がどういう意味を持つのか、出獄に殺到したマスコミにも教えてほしいと思います。
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