「千の風……」は、この原詩を初めて日本に持ってきた英語史の研究家が、三五会のKSさんの知りあいにいたこともあって、一時、いろいろ調べたことがあります。
大ヒットした新井満の訳詞・作曲のものとは別に、タイトル「野を翔る千の風」という福沢恵介訳詞・作曲のものもCD化されていて、当時、福沢氏に連絡して入手したことがあります。
YouTube にも、「自然と音楽:北海道の風景:BGM 野を翔る千の風」として収録されています。むしろこちらのほうがいいと感じる人がいるかもしれません。
https://youtu.be/ht-By... しかし、いずれにしても、この世を去った人がお墓の中にはいなくて、風の中にいるという理屈には抵抗がありました。風の中にいるということは、大気の中にいる、つまりは魂の少なくとも地球空間における「遍在」を歌っているわけですから、逆に墓の中にも、仏壇や祭壇の中にもいなくてはおかしいわけです。
木器はこの歌がはやったとき、すぐ別の「風」という歌を思い出しました。こちらのほうがよほど素直にいい歌だなあと感じられ、子どものころから心に残っていたのです。
おおざっぱに、目に見えないものでも、確かに存在するものがある、といった感じで受け止めていたようです。そしてこの年になってもそれは変わっていないと思います。
「風」(誰が風を見たでしょう) クリスティナ・ロセッティ作、西條八十訳、草川信作曲
歌 なげのあやか / ピアノ 吉國美紀
https://youtu.be/6C4q-... 歌 不明
https://youtu.be/R_JND... 以上は、よく知られた曲ですが、これとは別に原詩による珍しい英語版の曲がありました。
https://youtu.be/-rO4L... 題名:Who has seen the wind? (The windという説もあり)
作詞:Christina Georgina Rossetti 井上良博/作曲 井上良博/編曲
Who has seen the wind?
Neither I nor you:
But when the leaves hang trembling
The wind is passing thro'
Who has seen the wind?
Neither you nor I:
But when the trees bow down their heads
The wind is passing by.
YouTube の歌唱ではこの後、まだ4行ほど歌っていますが、その歌詞は上の歌詞の繰り返しでしょうか。柏雀さんに確かめていただけるとありがたいのですが……。