5月3日の新聞に、「昭和の流行歌、若者に響く」という記事が載り、わが意を得たりと膝を打ちました。
私もしばらくまえまで、マイカーで若者たちを引き連れて田舎に帰ったり、キャンプに行ったりしていましたが、そういうときの車の中では、当然ながら運転する私の権利が一番強くて、カーステレオの音楽は私好みの歌や演奏ばかりでした。
すると若者たちは退屈すると思いきや、「この歌いい歌だけど、いつ発売されたの? 誰が歌ってるの?」などと、興味を示してくることがありました。
私の娘たちなどは、幼児のころから昭和歌謡や文部省唱歌の類を当たり前のように聞いて育っていますから、長じて就職し、職場のおじさん・おじいさんたちと飲みに行ったとき、彼らの歌う歌をみんな知っているので、驚かれたり感心されたりで、大いに可愛がられたと言います。
「山小屋の灯」「憧れの郵便馬車」などを歌ってしまうんですから……。
二三日まえにNHKのど自慢グランドチャンピオン大会があって、そこで平成世代が古関裕而の「イヨマンテの夜」を見事に歌ったのには驚きました。じつは2年まえののど自慢で、この子の歌を聞いて仰天したのが、コロナのためチャンピオン大会が延期になっていて、今回まとめての出演だったのです。まえのときの音が YouTube にありました。これです。
(2020年12月6日 NHKのど自慢)
https://youtu.be/xsVUD... そのほか、やはり平成世代でこんなんもありました。
(2013年6月22日(土)放送 「全日本歌唱力選手権『歌唱王』」に出た長野県の高校三年生)
https://youtu.be/oPXmz... この歌はもちろんですが、いくつか昭和歌謡が出てくるたびに思うのは、日本語がいかに大切に歌われているかということです。ニューミュージックなどと呼ばれる歌でも、少なくとも言葉が違和感なく聞き取れるのです。
伊勢正三・イルカの「なごり雪」や、ビリーバンバン「白いブランコ」etc、みんなそうですよね。
その点、名曲と言われながらも最近の歌は、まえの朝ドラの主題歌「アルデバラン」にしても、まだ作詞作曲・森山直太朗だから言葉は大事にしてくれているはずと思いつつ、なんだかやはり違和感が残るんですよねー。
やはり心ある若者は、昭和の歌のよさをわかりはじめている。
その好きという要素の中は、もちろん曲や歌い手のよさもあるでしょうが、一つには言葉を大事にしていること、歌に込められたメッセージが伝わりやすいことが、好感を持って迎えられているに違いないと思うのです。いかがですか?