No.2341 農業立国の知恵ー3 投稿者:木器 投稿日:2024年12月21日 (土) 11時35分 [ 返信] |
歌だの星だの雪だのの話が続いて、農業立国の続きが遅れました。
農業が大事ということは、誰しもが思っているでしょうが、小泉先生は中でも農業を「生命維持産業」と名付けてその重要性を再認識させようとしています。
「医者や病院は、生命維持のための職業ではありますが、お医者さんより農家の方が偉いのです。なぜかといえば、お医者さんだって農家の作物を食べなければ生きていけないからです。だから農業は、生命維持産業の根源だということを我々は認識するべきだと思います。農家があって我々が生きているのです」
国民の生命維持産業は、医療よりも農業だからこそ、「六次化」など収益を上げるテコ入れが必要だと言うのです。
先生は、全国地産地消推進協議会という農林水産省がやっている会の会長をしていました。そこでたったの1パーセントの自給率を上げるのに、10年かかったそうです。 日本の食料自給率は40パーセント前後だから、60パーセントの食べ物は海外に依存しています。
しかし、それも難しくなってきました。自給率が非常に高かったイギリスが低下し始め、フランスもアメリカもものすごく低下しています。オーストラリアは、多いときは200パーセントを超えることすらありましたが、今は120パーセントくらいだそうです。
その原因は世界的な異常気象にあります。これは日本にとってもすごく深刻です。日本に食料を輸出している国がそのうち輸出できなくなったら、日本人は何とか自分たちで食料を生み出さねば食べていけません。日本には1億2000万人もいるのです。
まさに生命維持産業である農業を復活させなければ、日本人の生命が維持されなくなってしまいます。 しかし、そのためにはその大事な生命維持産業の担い手が、十分にいなくてはなりません。 日本の農家で働いている人の平均年齢、就農平均年齢が67歳、若い人がほとんどいないのです。
そこで先生が提案しているのが、18~25歳の若者を全国500市町村の農家に50人ずつ、計2万5千人を2年程度派遣する就農制度です。
大学生の場合、国が年間授業料・交通費・日当を支給し、かかる予算は1人年間85万円。 会社員なら月給補填・交通費で1人年間155万円、これを国に出してもらいます。
大学生と会社員を半々で派遣するなら、年間3百億円で2万5千人の若い農業人が増やせるのです。 となれば、日当を上乗せする自治体も出てくるのではないでしょうか。
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