No.1962 古臭い日本語のよさ 投稿者:木器 投稿日:2024年07月10日 (水) 09時16分 [ 返信] |
月曜日の FORESTA、久しぶりに最初から最後まで聞きほれてしまいました。 このところこの番組も、流行歌が続いていて、童謡・唱歌の類が少なかったと思います。
もちろん流行歌も、FORESTA が歌うとまた違う趣で、よかったのですが、改めて今回のような歌を聞くと、旋律と日本語のすばらしさに改めて、歌の原点のようなものを感じるのです。 ラインアップを書き出すと、次の15曲になります。
1 旅愁 2 シューベルトの野ばら 3 ローレライ 4 埴生の宿 5 早春賦 6 夏は来ぬ 7 われは海の子 8 冬景色 9 浜辺の歌 10 シャボン玉 11 雨降りお月さん 12 十五夜お月さん 13 青葉の笛 14 鎌倉 15 七つの子
大体、この1時間に足りない正味50分弱の間に15曲というのは、ほかの選曲のときにはないことでしょうね。つまり1曲1曲が短いということ。
中には「われは海の子」のように7番まであるうちの3番までしか歌われなかったり、「浜辺の歌」も3番は省かれたりとか、はしょってはいますが、全体として童謡・唱歌の類は、最近の若者の歌のように延々5~6分も費やしません。カラオケで歌っても、すぐ終わるので人に迷惑をかけません。
と、話は変なほうに行きましたが、言いたいのはそれと違って、古めかしい文語調の歌詞の良さを改めて嚙み締めたということなんです。
これは短歌や俳句についても言えることでしょうが、どんどん増えている口語による短歌や俳句の、新しい魅力ももちろんわからないではありません。これでも、口語短歌の先駆者、俵万智さんの大ファンですから……。
でもでも、やはりこうして童謡・唱歌の文語表現を聞いていると、やはり日常会話や記録伝達文とは違う「韻文」への適性という問題が、ここにはあるのではないかと痛感するのです。
♪なじかは知らねど心わびて 昔のつたえはそぞろ身にしむ ♪春と聞かねば知らでありしを 聞けば急かるる胸の思いを ♪ほととぎす早やも来なきて 忍び音もらす夏は来ぬ ♪佐霧消ゆる 湊江(みなとえ)の 舟に白し 朝の霜 ♪ゆふべ浜辺をもとほれば 昔の人ぞ忍ばるる ♪今わの際までもちし箙(えびら)に 残れるは「花や今宵」の歌 ♪上るや石のきざはしの 左に高き大銀杏 問わばや遠き世々の跡
などなど、挙げればきりがありませんが、どうでしょう。やはり音や曲にとてもよくなじむ言葉ではないかと思うのですが……。
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