箱根に著者関係の山荘があり、そこでの編集や校正作業に何回も通いましたが、つい先日も本が完成したお祝いと慰労会、販売作戦会議のために一泊して帰ってきました。
お彼岸というのに「やはり箱根は寒かったー」と書こうとしていて、まんまと裏切られました。東京に帰ってきて駅に降りたとたん、こちらのほうがもっと寒かったのです。とにかくビル風が超冷たい。柏雀さんの散歩断念と、ほぼ同じころの話になるんではないでしょうか。
それはそーとして、このたび完成した本というのが、何とも不思議な魅力で、魂が魅入られる本なのです。知らず知らずのうちに「魅」や「魂」という字を3つも使ってしまいましたが、そのくらいいわく言い難い本で、タイトルを『COSMOSの法則』といいます。
過去にも同じ著者で『ゼロの革命』『ZEROの法則』という2冊を、今回と同じく幻冬舎から出版するお手伝いもしました。
ただ、こんなに「どんな本なのか」の説明が難しい本も珍しいでしょう。
著者・宇場稔さんは、東海大学病院で同位元素とか量子力学とかを研究して治療に生かす仕事をしてきた人ですから、よくあるオカルト的なスピリチュアル系の本ではありません。
徹頭徹尾、論理的なアプローチで語っているのですが、その説くところが既成の科学や医学、哲学、心理学、政治・社会・経済学などの枠を超えた、今まで聞いたことのない世界観で貫かれているのです。
つまり根拠となるのは、既成の世界観のパラダイム(枠組み)を超えた「パラダイム・レボリューション理論」略して「パラレボ理論」という著者独自の理論体系であり、それが600ページ近い大著に、大河のように滔々と流れています。
一方でこの世は、AIが人間の領域を犯し、人類を滅ぼしかねない時代に突入しています。
アカデミー長編アニメ賞を受けた『君たちはどう生きるか』に倣って言えば、『君たちはどう死ぬか』という大きな問いに真っ向から答えた本とも言えるでしょう。
これは、間もなくその時期をま近に控えた私たちに共通の関心事でもあると思います。
つまり、今までの常識では肉体の物理的な「死」は、自分の生理現象としての脳や五感の働きの喪失とともに、絶対的な「無」の世界に移行する、いわば何もわからない「絶対無」の世界にはいっていくと、私なども思ってきましたが、この「私の意識」というものに、この本では最大限の重要性を求めています。
もっと言えば「私の意識」こそが、この大宇宙を含むすべての「主人」「主体」であり「全知全能の創造主」であると捉えられているのです。
肉体が死ねば人間は死ぬ、というのが今までの科学の常識ですが、その肉体とはじつは両親という別の人間によって作られた、自分の意識とは別の人間「他人」である、つまり「肉体は他人」であるという捉え方をするのが、この本の特徴です。
したがって、肉体の死は他人の死であって、自分の死ではなく、むしろ肉体という他人の支配から解放されるのが肉体の「死」という現象であると捉えます。
これは大著の中のほんの一部だけですが、万事こうした意想外の観点で物事の捉え方が逆転していき、違った世界が見えてきます。
詳しくは、私の言葉では誤解を与えるといけないので、もしご関心をお持ちでしたらご一読いただきたいのですが、その概略は下のカバー関係にも色濃く表れているので、ぜひご参照ください。