No.1356 サルスベリ 2 投稿者:木器 投稿日:2023年08月25日 (金) 07時50分 [ 返信] |
木器にもサルスベリの思い出があります。 といっても柏雀さんと違って遠い昔の少年時代のこと、川路村1区の集会場は、わが家の目と鼻の先にあり、ちょっとした広場の隅にサルスベリの木がありました。 平岩さんや柏雀さんが紹介してくれたほどの大きな木ではありませんでしたが、それでも子どもの背丈の3倍はあったでしょうか。
「サルスベリ」という名まえが面白くて、すべすべの木の肌をさすっては、「ほんとにサルがすべるんずらか」と話していました。そして「サルはすべるかもしらんけど、オラーすべらんに」と言って、何度もこの木によじ登ったことを覚えています。
このちっちゃな広場(って言い方はおかしいか)で3角ベースをやるときは、サルスベリの根元がピッチャープレートになり、バッターがちょっと打つとボールはもうサルスベリを簡単に越えて、隣の農家の大きな田んぼにボッチャンコ。 田植え直後の田んぼなど、もちろんばちゃばちゃ入ってボールを取るわけにはいきません。農家の怖いおじさんが目を光らせていて、「こらーっ! またフクシマの悪ガキがー、許さんぞー」と追いかけてきます。
結局、その幾つもない大事な野球ボールは、稲刈りの季節まで田んぼに眠ったまま、それでも稲刈りが済むと、この怖いおじさんが、ボールを返してやるから来いと言います。 悪ガキ3人が出頭すると、「そこに並べ」と言いますので、「右へならへ」をして整列をしたら、おじさんが「番号!」と言います。そこで私を先頭に「イチッ! ニッ! サンッ!」と唱えると、おじさんがおもむろに茶色に変色した白球を返してくれたのでした。
夏の日のサルスベリからの連想。何年も眠っていた思い出がにわかに目を覚ましたようです。
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