殊に女性の人権を著しく阻害する過激で暴力的な国家運営をしているとして、世界各国から非難されている「イスラム国」とは、2014年イラク・シリア・イスラム国(ISIS)の最高指導者であるアブ・バクル・バクダディ氏が樹立を宣言し、シリア北部とイラク中部にまたがる地域を領土とした国である。
アメリカを中心とする欧米諸国は独立国家として認めておらず、現状では周辺諸国も危険視している。
その発祥はアルカイダ系の過激派組織にあると見られている。
「アルカイダ」とは、1970年代終盤に行われたソ連によるアフガニスタン侵攻に対抗させるため、アメリカ中央情報局(CIA)とパキスタン軍統合情報局(ISI)が義勇兵を育成し武装化させたのが始まりなのは既に知られている通り。
それがイラク戦争後、反欧米、聖戦(ジハード)を旗印に過激化していき、ISISはその中で勢力を拡大させ、やがてシリアとイラクにまたがる国家の樹立を主張してアルカイダと対立し分離したと言われている。
宗教は同一でも宗派が異なれば命がけで敵対しあうのは、他のどの宗教とも同じである。
イスラム国が従来の過激派組織と違った見られ方をされているのは「国家」を宣言している点である。
従来の過激派組織は、アルカイダのように反米を思想とするものや、あるいは欧米の傀儡政権から国を取り返そうとするものであったが、イスラム国は自ら新しい国家を宣言している点が最も特徴的である。
文化の違いは、21世紀になっても埋められない。他国が文句を言ったところで変えられない。
すでにイスラム国は独自の通貨(金貨、銀貨、銅貨)を発行することを表明。これまで流通していた米ドルなどの排除を進め、独立国家として経済的にも統制を強めようとしている。
イスラムに関して語る際、忘れてはならないのが、異なる視点からの偏見をできるかぎり取り除くよう努力することが必要となる。
強硬な態度に出るイスラム保守層のことを「イスラム原理主義過激派」などと表現する場合がある。
日本を含め、西側ではこうした表現が一般的に用いられているが、この呼び名にも「西側の偏見」が含まれていることがありうる。
イスラム圏で反米を主張する人々の中には、過激な思想など持たず、単に文化や伝統を守りたいという素朴な動機の者もいるからである。
このような過激な政策をとる国は他にもあり、内戦が常態化するから、世界平和は簡単ではない。
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私が書いた小説 「夏風越の(なつかざこしの)」
https://kakuyomu.jp/works/11773...「鵯越え」・・・・「夏風越の)」の続編です
https://kakuyomu.jp/works/11773...「くぬぎ越え」・・・「夏風越の)」の続々編です
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