No.445 時差ならなぬ熱差 投稿者:木器 投稿日:2022年07月13日 (水) 08時39分 [ 返信] |
東京と北海道・道東の時差というか、たとえば日の出の時間差は、東京が約40分遅れと言いますから、これでもけっこう差がありますが、東京に帰って感じるのはそれ以上に気温の差です。これは「何差」というんでしょうか?
台風13号さんにお聞きすればわかるでしょうが、単純に「温度差」というと、最近この言葉が比喩的に使われることが多く、実感がずれそうです。「時」の差に対して言えば「熱」の差で「熱差」あるいは「温差」でしょうか。
その「熱差」が、東京に帰ってとみに響いたのが、仕事上のトラブルです。北海道にいる間から、ひとつ厄介なことが進行中で、出版社の担当者が行方不明になっていました。 志賀先生の本のゲラが出るはずなのに、約束の日が過ぎて丸一日以上もたつのに、うんでもすんでもない。美幌峠の霧の中で、「野暮用ですんません」と断りながら、先生と電話です。まさにこの場にある肝心の歌碑の話など、のんびりしていられませんでした。
結局、会社は土日で休みなので、どうしようもなく、担当者の上司も呼び出して連絡方法を調べたら、ラインなら繋がるかもしれないとのことでやってもらいました。 不思議ですね、普通のスマホ電話がつながらないのに、ラインなら繋がるようで、やっと先生に直接連絡が入り、「すみません、ずっと電波の届かないところにいたもので……」というのですが、そりゃないでしょう。届くものが届いたかどうかわからないのに電波の届かないところに行っちゃって、「届かない」の連鎖が起きてしまうとは。
真相は、業者が「早ければ金曜日中、確実には次の日」と言ったのが、営業日だけを指していて、土日は数えてなかったということです。 その勘違いはあきれる内容ですが、先生は遅くとも土曜日に届くゲラの作業のため必要なスタッフを集めていたそうですから、お怒りもごもっとも。当方も、最初から週末は北海道と断ってありましたが、気が気ではありませんでした。
真相がわかる前に、北海道の気温が予定より低くて、羅臼方面の釣りは無理ということになり、先生の生家までは行けませんでした。そのご報告でちょっとがっかりの後だっただけに、この顛末もあまり気分良くなかったでしょう。 そのかわり先生の知り合いの料理店「いさり火」の主人に電話し、志賀先生のことをお話しすると大変懐かしがられ、「今度きっと来てください。歓待しますよ」と言ってくれたので、思わずツバキをごくりと飲み込みました。
一件落着というところへピンポーンと玄関チャイムが鳴り、北、いや来たーっ! 北から来たーっ! 釣りあげた証拠のでっかい魚が届きました。 ここでお見せするとあまりにも自慢話が過ぎるので、遠慮しておきます。 ただでさえ平岩さんのかわりに載せたトップ写真の数々でお目汚しでしたから……。
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