No.384 おたぐりさんご推奨コース 投稿者:木器 投稿日:2022年06月04日 (土) 15時27分 [ 返信] |
まえに、おたぐりさんからわざわざ、「大田区に住んでいるならこんな散歩コースはどう?」と紹介された「江戸から続く古街道、池上道」を、先日歩いてみました。 結果は大成功! お奨めどおり大収穫で、いい散歩(+鑑賞・見物)ができました。
JR大森駅から現・池上通りと古東海道・池上道を下り、本門寺・池上駅に至るこのコース内の目玉は、なんといっても川端龍子の大作が贅沢に並んだ美術館「大田区立龍子記念館」でしょう。 でも、私は大森駅からではなく、いつも買い物をするMEGAドンキホーテに行く道筋で、小さな踏切を渡り、ドンキを過ぎてすぐの郵便局前を右折すればもう、最初の目的地・善慶寺と熊野神社です。
善慶寺には、4代将軍家綱のころ領主の圧政に直訴して処刑された新井宿村の義民6人が祀られているそうです。池上通りの角に「新井宿義民六人衆霊地参道」と大きな看板が出ていました。
熊野神社と言えば、全国各地にある熊野信仰の対象には違いないのでしょうが、ここは平将門征伐に派遣された武将・熊野吾郎武道が戦勝祈願をしたという逸話もあり、由緒はダブル熊野と言っていいでしょうか。 結構きつい石段約60段を登るのは、エイティーン坊ならぬエイティ爺にとっては結構大変でしたが、上がってみると涼しい木立の中にこじんまりとした社殿と、珍しい子連れの狛犬が鎮座ましましていました。
すこし行くときれいに整備された春日神社もありましたが、ここの狛犬も阿吽とも子連れでした。 川端龍子の美術館、これは長年、大田区に住んだ龍子から、住居とともに区に寄贈されたということですが、これは区にとって大変な財産ですよね。 龍子は、床の間に飾るようなちんまりした日本画でなく、天井の高い広い展示場で映える大作が好きだったようで、横10メールもあるでっかい作品が何枚も惜しげなく公開されていました。 寺社の天井画も得意だったようで、浅草・浅草寺の天井画が有名なほか、この散歩コースの終点近い本門寺の天井画も、晩年に手掛けて未完のまま遺作となっているそうです。
画竜点睛の「睛」(ひとみ)を入れる開眼式を、この絵に感服した奥村土牛の指図でやったそうです。これが本門寺で見られるとは、散歩の締めくくりとして最高だ! と勇んで本門寺大堂に乗り込み天井を仰ぎましたが、未完だったせいか、それとも龍子独自の幻想画のせいか、しかと龍の形がわからず、目の球だけが光って見えていました。
芸術の素養乏しき故の空振りだったかもしれませんが、当初2時間程度と記されていたコースに4時間近く費やし、心地よい疲労と久しぶりの目の保養ができて満足でした。
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