No.2793 歌のない歌謡曲 投稿者:tomo 投稿日:2025年06月12日 (木) 12時19分 [ 返信] |
古い話ですが宴会のような時には、「能楽部園芸科」と書いた名刺を名刺入れに忍ばせていたことがありました。「謡曲」と「バラ」が趣味ですという自己紹介のつもりだったのです。
高校の頃「歌のない歌謡曲」というラジオ番組があったように思います。「歌」が無ければ「謡曲」になってしまいます。字面はよく似ていますが、歌謡曲と謡曲では全く別の世界です。その頃は謡曲の「よ」の字も知りませんから、ただ歌謡曲のメロディーだけが耳に入っていたのだと思います。今はカラオケ全盛の時代ですが、これはその元点になっていたのではないでしょうか。
謡曲との出会いは職権による業務命令というやつでした。職権で始まった謡曲の稽古は、不思議なことにその後50年も続き、今では大切な趣味になってしまいました。職権も時には良いこともあります。指導を受けてきたプロの先生も、二人目の先生が昨年お亡くなりになり、もう三人目の先生を探す気力もなく、今は仲間内での月一回の例会と、年一回の追善会程度で細々とやっています。
謡の稽古が減ってきた頃、近所の方からカラオケの会に強く誘われました。職権ではないですが、誘ってくれるうちにと思い入会したところです。遠慮していないでどんどん歌いなさいと言われても、何が歌えるのかも分からない状況が続いています。関東にいたら木器さんのカラオケウイルスに感染して、少しは歌えるようになっていたでしょうが、あいにく西風が強かったので目下勉強中です。まさに「歌のある歌謡曲」の稽古です。
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