No.2361 椿三十郎 投稿者:木器 投稿日:2024年12月26日 (木) 08時25分 [ 返信] |
今日のNHK・BSで13時から黒澤明の『椿三十郎』が放映されます。
このところずっと黒澤作品が取り上げられていますが、かずかずある名作と言われる作品の中で、世界的な評価や賞をもらっている作品の向こうを張り、自分的には、文句なく面白いエンターテインメント作品の最高傑作と思っているのが、この『椿三十郎』です。
もちろん娯楽作品としての評価は決定的なものがありますから、のちにリバイバル作品も作られましたが、主演の三十郎役・三船敏郎に代わる俳優がいません。
小生が見たのは織田裕二の三十郎役でしたが、セリフなども元の作品をそっくりそのまま跡をたどるほどに忠実に再現されているにもかかわらず、あの原作の抜群の面白さはとても再現されているとは思えませんでした。
いや、この後世の作品の出来が悪かったというのではなく、それほどオリジナル作品が面白かった、この面白さのレベルに達するのは至難の業ということの証だったのではないか、と今は思っています。 DVDも持っていますが、やはりまた録画です。
この作品に関しては、ついつい色々言いたくなってしまうのでやめておきますが、懐かしや、伊藤雄之助演じる馬面の城代家老と、その奥方を演じた入江たか子の存在、そしてその演技が、何とも言えないいい味を出しているところにご注目あれ、とだけはどうしても言っておきたいと思います。
それともう一つ、東映時代劇のリアリズム殺陣の極致、工藤栄一監督の『十三人の刺客』は、黒澤のこの作品の翌年の制作で、明らかに多大な影響を受けて作られたと思います。
|
|