No.2342 農業立国の知恵ー4 投稿者:木器 投稿日:2024年12月21日 (土) 13時23分 [ 返信] |
この小泉方式が、単なる夢物語でないことは、先生が教える大学などでこのアイデアを紹介し、学生の反応を見てもわかるそうです。彼らの示す関心が、並々ならぬものだというのです。
「平均年齢67歳のお年寄りが作った米、野菜を、君らは口を開けて待つだけでいいの?」 と問いかけ、「この方式なら農家に行くという人は?」と聞くと、8割が手を挙げるといいます。 この中から将来、農家になったり、その町に住み着く人も出てくるでしょう。
そこで先生はこの学生たちだけでなく、全国の若者に呼びかけます。 「日本の若者よ! 農業にもっともっと目を向けよう。とくに、発酵食品や微生物に注目することで、六次化など収益を上げる可能性はまだまだありますから」
で、この「六次化」についてですが、すでに始めているこの方式が、とてもいい方向に行っているといいます。 例えば、大分県の例では、麦農家が麦を作り、その麦で自分のうちでうどんを作る。パン職人を集めてきて、自分の家でパンを焼く。それを町に持っていって、うどんなりパンを売る。またはうどん屋を開く。これを称して「六次」産業というのですが、それは次のうな理由によります。
まず、農業というのは一次産業です。それを加工してうどんにする、パンにするというのは二次産業、自分でそれを売るというのは三次産業です。これを足すと、一+二+三=六で六次産業になります。 これをやると、付加価値が付く機会が多く、飛躍的に農家にお金が入ってくるというのです。
小泉先生は、この構想のアイデアだけでなく、実践方法を構築してきて、今中心でやっているのは山梨県と熊本県と北海道と福島県の四か所です。 実際に、山梨県の場合には、これで1年間の農家の収入が、350万円くらい増えたそうです。
まえにも書いたように、農家にお金が入ってくると農家に若い人たちがいっぱい来るようになります。 そういうふうにして、これからいかに若い農業力を作っていくか、ということがとても大切だと、小泉先生は『酸っぱいは元気のもと』という本の中で強調されています。
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