No.2334 「なごり雪」異聞 投稿者:木器 投稿日:2024年12月18日 (水) 17時44分 [ 返信] |
16日の月曜日、田舎から疲れて帰り、BS日テレの「こころの歌」を聞かないまま寝てしまいました。 昨日、録画を聞いてみましたが、「旅路」というテーマにふさわしいいい歌がありました。
もちろんこのテーマだったら、これもあれも聞きたかったという歌ばかりですが、やはりなじみの「なごり雪」と「あずさ2号」「いい日旅立ち」あたり、そしてドラマのある名曲でしょーねこれは、と言いたくなる奥村チヨの「終着駅」、やはりいいですねー。
「旅人よ」「高原列車は行く」「北帰行」「旅の終わりに」、唱歌「旅愁」など出るかなと思いましたが、1時間足らずでは無理でしょうね。延長ありの3時間カラオケとは違うんですから。
ところで、聞き終わった「なごり雪」を口ずさんでいたら、今週の新聞歌壇にこんな歌が載りました。
*「東京で見る雪はこれが最後ね」といつかつぶやく温暖化にて (東京都 武藤義哉。俵万智選) 【評】ヒット曲「なごり雪」の一節を引きながら、思いがけない展開だ。本歌取りの変種のような技巧で、ドキッとさせられる。
「なごり雪」の印象的な歌詞が、こんなアングルで捉えられるとは驚きでしたが、それほど昨今の世界はのっぴきならない状態になっているということでしょう。
ほかの歌や句にもそれは表れていました。災害や病や飢えで生きようにも生きられない人がいる一方で、なんとか人と人が殺しあうことだけはやめる知恵はないものなのかと……。
*ドローンで許す心と愛運び空から撒いていくさ止めてよ (奈良県 山本悦子。黒瀬珂瀾選)
*車座は平和の形にごり酒 (茅ヶ崎市 清水呑舟。高野ムツオ選) 【評】夜なら座敷、昼なら庭先。農業に勤(いそ)しむ仲間の一人が手に入れたにごり酒を傾ける。輪になって座れば、同じ苦労を経た顔ばかり。
あと突然話変わってすみませんが、先日眺めていた星の世界がらみで、哲学的なにおいのする句に心惹かれました。
*蒼ければ無に近づいて冬の星 (宍粟市 宗平 圭司。正木ゆう子選) 【評】実際には青い星は若く、赤い星は老いているらしい。しかし無に近づくとはもっと感覚的な印象だろう。仰ぐ星は、青いシリウスか。
*眼おとろえシリウスだけの夜の空 (新座市 洞口英夫。同上)
シリウスっていうのは、たしかになにか不気味なほどの明るさと大きさと白さが気になる星です。
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