No.2239 藤沢周平作品の映画化ハテナ 1 投稿者:木器 投稿日:2024年11月24日 (日) 11時10分 [ 返信] |
今日の夜7時から、BS日テレで藤沢周平作品の映画化『山桜』が放映されるようですね。 もしご覧になっていない方がいたら、ぜひ見ていただきたい傑作だと思います。
この映画については、まえにも書いたと思いますが、小生とくに思い入れがあって、かつて出版した拙著『男の嗜み』(グラフ社刊、2009年)の中で、長々と紹介しています。 要するに小説で読んでほれ込んだ藤沢作品の映画化について、日ごろから憤懣やるかたないものがあり、それを20数ページにもわたってぶつけているのです。
大変僭越ながら、いい機会ですので、藤沢作品にご興味のある人にはぜひ読んでいただきたく、ここに何回かに分けて紹介させていただきたく存じます。お暇な折にでもお目通しいただければ幸いです。 以下、同書からの引用です。
*原作映画化ものは一度で二度美味しいお得メニュー
小説など原作で十分堪能させてもらった作品が、映画化されたときも、封切が待ち遠しくていそいそと出かける。というより、原作が面白いと、これを映画化したらもっと面白いだろうな、間違いなくヒットするのに、というふうにいつも考えていた。 その最たるものが、まえにも触れた藤沢周平作品である。
池波正太郎作品や司馬遼太郎作品などは、どんどん映画化・テレビドラマ化されているのに、藤沢作品はそれほどではなかった。目立ったのは、NHKテレビで連続ドラマ化した『三屋清左衛門残日録』くらいのものだったのではないか。
『暗殺の年輪』以来、これは映画化に向いている、どこかでしてくれないものかと思える面白い短編に、たくさんお目にかかってきた。素人考えだが、藤沢作品にはすぐれて映像的なものがあると思い、原作を読みながらその場面を、しかたなく自分の頭の中で映像化して楽しんでいた、ということになるだろうか。
これも素人考えだが、かくなるうえはめぼしい作品を自分でシナリオ化して、映画会社へ持ち込みにかかろうかと、真剣に考えたことすらある。
そんな中で、やっと待ちに待った映画化情報が入ってきた。 それも『男はつらいよ』『学校』シリーズなどで、観客の心を知り尽くしている山田洋次監督が、ついに初めての本格時代劇(喜劇では1966年の『運が良けりゃ』があるが)に乗りだした、しかもハリウッド映画「ラスト・サムライ』で国際的評価も高まった真田真之主演というので期待に胸が膨らんだ。
シリーズが続くということは、内容にせよ手法にせよ、いくら同工異曲、マンネリと言われようが、それはむしろ「偉大なるマンネリ」とも言うべきもので、哲学者ライプニッツの「予定調和」説を持ち出すまでもなく、価値があるからこそ続くのである。
そして、いよいよその第一作が公開された。もちろんすべてを投げ打って初日に見た。
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