No.2229 白い花とリラの花 投稿者:木器 投稿日:2024年11月20日 (水) 16時34分 [ 返信] |
またもや昭和歌謡の話でスミマセン。 おたぐりさんが挙げてくれた自分好みの100選候補はまったく同感ですが、私はさらにコーメイさんの十八番で古賀メロディーの最高傑作「影を慕いて」と、夏のカラオケ会で熊宏さんが歌ってくれた男性コーラスの名曲、加山雄三の「旅人よ」、同じく男性デュオの定番でビリー・バンバンの「白いブランコ」は、絶対入れてもらいたいと思いました。 そうそう、おたぐりさんとのデュエットに、この「白ブラ」も入れておいてください。
ところで、この「白」がらみというわけではないんですが、文春記事の読者ベストテンと選者選の一致した中にあった「白い花の咲く頃」、この歌も懐かしいですね。 少年時代、NHKラジオの「のど自慢」で飯田地区では歌ウマで知られていたらしい男性が、この歌を歌って合格したような記憶があります。
そして、この白い花とは何の花かと思っていたところへ、同じ作詞作曲者で「リラの花咲く頃」という歌があることを知り、これもまた素晴らしい、むしろこっちの歌のほうが好きだなーと思いました。 のちにこの作詞作曲者、寺尾智沙・田村しげるは夫婦であることを知り、その名コンビぶりにも感じ入りました。
しばらくして「リラの花咲く頃」には、シャンソンで同名の歌があると知って聞いてみたら、なんと宝塚の歌として知られる「すみれの花咲く頃」と同じ曲です。
もともとはドイツ語の歌で“Wenn der weiße Flieder wieder blüht”(白いリラの花が再び咲くとき。フランス語のシャンソンの題名は "Quand refleuriront les lilas blancs"で同じ意味)という題名だったのを、宝塚歌劇団の演出家だった白井鐵造が、「リラ」よりも日本人に親しみやすい「すみれ」に変え、歌詞も大幅に書き換えて歌劇団の歌「すみれの花咲く頃」にしたのだそうです。
それが1930年のことと言いますから、田村しげる夫妻の「リラの花……」(1951年)よりだいぶ前の話です。 「白い花の咲く頃」もこの外国曲とはまったく別の歌ですが、この日本の抒情歌の傑作2つが、いずれもこの「すみれの花……」の原曲の題名に含まれる「白い花」「リラの花」を歌っているのは、まったくの偶然でしょうか。
もしかしたら田村夫妻は、この原曲を意識していて、それをヒントにみごと本家を凌ぐ傑作を仕上げたのかもしれませんね。そう考えると、この名曲3つの周辺がちょっと面白くなりませんか。
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