No.2040 優しいのはいいことか 投稿者:木器 投稿日:2024年08月27日 (火) 08時06分 [ 返信] |
昨日の読売歌壇で、目に留まった一首です。
*優しいと優れているを同じ字であらわす国に暮らしています(上尾市 関根裕治、俵万智選)
これを読んですぐ思い出したのは、ねむの木学園を作った女優・宮城まり子さんの言葉でした。 学園には宮城さんのモットーであるという次の言葉が掲示されています。 「やさしくね やさしくね やさしいことはつよいのよ」
このような言葉が気になるのは、本当に優しいことはいいことなのかと、疑問になることがしばしばあったからです。
たとえばわが家の娘たち、そしてたった一人の孫までも、いつもほかの子どもたちに後れを取っていました。 下駄箱での履き替えでもおもちゃの取り合いでも、われ先に殺到するほかの子に譲ってしまい、いつも最後になるか、取りはぐれてしまいます。
親たちや先生も、口では「優しくね」と言いながら、いざ競う場面になると、ほかの子を押しのけて勝つわが子に喝さいを送っていました。
私も、単に気が弱くて後れを取ってしまうだけというのでは悔しいと思っていたところへ、宮城さんのこの言葉を聞いて救われた思いがしたのです。
うちの子は優しいから、ほかの子を押しのけるようなことはできないけれど、それでも何とかやっているんだから、結局はどこか強いところがあるんだ、まり子さんの言うとおりなのだと、ひいき目に自分の胸に言い聞かせていました。
娘どもは成長するに及んで、この傾向が強まり、一人は小学校でのいじめに対抗できず、転校したこともあります。 しかしいくつも転機を経て、今や職場の上司や多くの友人から、何かと相談に乗ってくれと頼られる存在になってほっとしています。
現在、小2の孫にもまさに同じ傾向が出て、不登校寸前ともいえるありさまですが、まあ、何十年も前の経験が生きるとすれば、心配はいらないとまたもや自分の胸に言い聞かせています。
今日もこの一首に救われる思いで、そうだ、優しいことは優れているということなのだ、と、多分、夏休み中の学童保育から、また午前中しか持たないで、ジジババのところに帰ってきてしまう孫を迎えることになるでしょう。
皆さんのお子さんや、お孫さんはいかがでしたか? やんちゃでガキ大将、元気いっぱいの子ども時代だった子のほうが多いのでしょうね。 娘の通った幼稚園の園長も、子どもらしさとは、わがままいっぱい元気いっぱい、人を押しのけるくらいでいい……、そういうものだと言っていたようですし……。
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