No.1276 AAさんの思い出 3 投稿者:木器 投稿日:2023年07月11日 (火) 01時28分 [ 返信] |
AAさんとは高校時代、あまりクラスや講座で一緒になることがなかったのに、学生帽を阿弥陀にかぶり、剣道の素養があったせいか木剣を振り回して「旗本退屈男」だなどとふざけていたのをよく覚えています。
東京三五会への参加は、私自身はかなり遅いほうで40歳近くなってからでしたから、AAさんに同会で再会したとき、彼は早稲田大学の法科を出たあと、友人と設立したビル管理会社の社長業をすでに立派に務めていました。 横浜にあったその会社を訪ねたときなど、地元の新聞記者が来て話し込んでいるので、何かと思ったら、仕事の話より、天下国家の憂慮すべきもろもろのことを熱弁するAAさんの議論に、記者が感じ入っているのでした。その記者は取材よりも勉強になるからと、しばしばAAさんの元を訪れていたようです。
私も当時、小さな出版社の経営で苦労しており、会社経営の先輩としてAAさんのアドバイスを受けただけでなく、リスク回避のために子会社を作ったときは、出資者の一人にもなっていただきました。 その相談をしたときだったか、彼が当時としてはまだ珍しい携帯電話を使いこなしていたのに驚いた記憶があります。まだ図体の大きい重たい電話でしたが、おれにも使わせてよと言って、飲み屋から自分の会社に電話をして、今、何を使って話していると思う? と自慢したことも覚えています。
こうして新しいものはどんどん取り入れる、そして仕事でも新たな可能性にチャレンジした一例が、ビル外壁や墓石などの長年にわたって取れなくなった汚れを消す薬液の開発でした。 苦労の末、完成したその二つの薬液を、私の田舎の墓石でも試させてもらいたいとお願いして、田舎に帰る前日、東京・世田谷の砧緑地で待ち合わせをし、荷物の受け渡しをしてもらいました。 夕闇迫る緑地でのブツの受け渡しは、何やらミステリードラマの一場面みたいだなーと、二人で笑いあったものです。 汚れ落としの効果は抜群でした。まだこの思い出の薬液は、田舎にすこし残っていると思います。
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