No.1218 大先輩どころか 投稿者:木器 投稿日:2023年06月08日 (木) 20時55分 [ 返信] |
コーメイさん、この記事にご注目ありがとうございます。 登場している櫻井氏は、私の「大先輩」どころか、飯田・京都という田舎生活しか知らない私の、西も東もわからない駆け出し編集者時代、光文社「女性自身」編集部時代の鬼編集長でした。
直接の上司は、立花隆氏らと田中金脈キャンペーンで名を上げた児玉隆也氏が、まだ当時、敏腕デスクとして在籍していて、櫻井氏の右腕として我々若いものを指導してくれていました。
児玉氏は、この若造をかわいがって目をかけてくれ、出した企画やレポートをなかなかいいよと言って櫻井編集長に見せに行ってくれたのですが、櫻井氏は厳しくて、「だめだめこんなの」と認めてくれませんでした。 この田舎者編集者は、週刊誌ペースの仕事ではアップアップしてしまうと言って私の限界を見抜き、単行本のカッパブックス編集部に移してくれたのも櫻井氏でした。 その後、おかげで書籍編集者としていろいろな仕事ができ、多彩な著者との出会いを経験することができました。こいつは週刊誌には向かない、と見切りをつけてくれた点で、櫻井氏は私の大恩人と言えると思います。
光文社ではその後、長期化した労働争議のため矢面に立った役員の一員として、責任を取る形で音羽にある講談社系の会社から、神田にある小学館系の祥伝社を立ち上げて話題の雑誌『微笑』などの創刊を成し遂げ、その後、また転身して執筆者としての活動から、現在の「きずな出版」の立ち上げに至ったのでした。
92歳で社長業と執筆者業を両立させておられるはずで、よく頑張ってくれています。大いに励みにしなくてはと思うのですが、数年前にお会いして以来、会っていません。 お会いしてもまた「だめだめこんなの」と言われそうで……、とこれは今になってもまだトラウマになっているのかもしれません。
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