No.1172 願い果たせぬまま 投稿者:木器 投稿日:2023年05月21日 (日) 09時12分 [ 返信] |
あれは私が藤沢に住み始めてちょっと経ったころのこと、確か大庭照子さんのコンサートか何かで熱海に行き、駅から海岸に向かう道を下っていると、「おーい、フクシマじゃないかー」と突然声をかけてくれたのが、金田英和さんでした。 しばらく立ち話をして、彼がしばらく前から熱海の超眺望のいい大きなマンションの住人になっていることを知りました。「海が見下ろせる温泉もあるし、一度遊びにおいでよ」と誘われました。「藤沢からならすぐだから、行く行くそのうちきっと」と言って、ネットでそのマンションの場所や写真などを確かめていたのですが、行きたいなーと思いながら10年近く過ぎてしまいました。
熱海での再会の前には、平成9年に在京同窓会の記念出版として、Retsu さんが編集責任者となって作った小冊子『飯田・下伊那の方言』の装丁を引き受けてくれたのが、金田さんの経営するデザイン会社・系パブリケーションズ(株)でした。 題字をやはり同期の書家・市澤要三さんに書いてもらい、それを金田さんに届けて表紙のデザインをお願いするなど、印刷・製本などを当時私が在籍した(株)ごま書房でやらせていただきました。 彼は、三五会の集まりなどにはあまり顔を出してくれませんでしたが、私の仕事の関係ではちょくちょく相談に乗ってもらうこともあって、中でもこの方言集が、彼との形のある思い出になりました。
熱海のマンションで一献という願いが果たせないままで残念ですが、ご冥福をお祈りいたします。 (写真は、一度は伺いたいとあこがれていた熱海パサニアクラブの豪華マンションです)
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