| ■
水俣病は終わっていない |
■
ヤマユリ
(1493)投稿日:2004年12月18日 (土) 08時50分
|
 |
子どもたちは「ちっとしんどかった」けれど何とか水俣病の全体をふんわりと理解するところまでこぎつけたようです。 親御さんに話すと「難しいこと勉強しているのですね。こちらが教えてもらわなければ。」「こんな親には教えられないことを教えてもらってありがとうございます。」のような反応が返ってきました。子ども達の方が少し物知りになったので家の人に伝えるということで「親子のもやいなおし」が少しできるかなという段階です。 今頃話しているかなと期待しながらこれから大事にしたいことをまとめておきます。
@先日NHKで関西訴訟後の動きが放映されていました。最高裁で国の責任が認められたのに患者をまだ認定しないという国側の姿勢には腹がたちました。このテレビを見ていた子が話してくれました。「むずかしかった。メモをとろうと思ったんだけど。」と。私が解説するとお母さんもそう言ってたわと。子どもたちの感想の中に「今裁判はどうなってるのか?」がありました。認定されない患者のことを話そうと思います。
A公害は輸出されている。 原田正純著「金と水銀」には水俣病に少しでも関連があれば日本各地や世界にも出かけて汚染の実態を調査してこられた事実が書かれています。その本で自分の父の会社(レーヨンを製造)の二硫化炭素中毒を知り、調べるとすごい事実がわかりました。この私にとっては身近な事実を少し写真を撮ってきたりや父への取材などをもとに話したいと思います。このレーヨン工場の機械は韓国に輸出されてそこで大問題になり工場は閉鎖。その機械が今度は中国に売られています。四大公害を調べたグループがあり、O君との授業の中でも世界ではどうなのかを質問して答えてもらっていました。それをまだ追求していて「世界でまだ水俣病は起こってるの?」「日本の水俣病とどう違うの?」と書いている子がいたので、「金と水銀」の中から具体的な事例を話したいと思います。
B食の安全と食のグローバル化 水俣病患者が魚貝類をたくさん食べていたことから「魚たべへんかったらいいやん。」と言う子がいます。栄養士の先生に栄養のバランスが大事という授業をしてもらいましたが、特に魚はきらいだし食べなくても・・・という子も。 食べ物が安全かどうかを言い出したらきりがないほどですが、食の安全についての学習も必要かなと思いました。 それと同時に、食料の半分以上を輸入するようになった結果どういう問題が起こっているのかも世界に目を向けて考えさせたいなと思っています。「悪魔の鍋」というドイツの評論家が食のグローバル化からおこる事実を実名も入れて書いた本を読みましたが、例えばヨーロッパでの牛乳に大量のダイオキシンが含まれて大問題になった事件をたどると酪農家が使った新しく開発された牛の配合飼料でした。それに含まれていたオレンジの皮から作った添加物にダイオキシンが含まれていた。そのオレンジの皮になぜ含まれていたか・・・たどっていくと世界中をかけめぐり、びっくりするような事実がわかります。 それから経済力の貧しい国々で起こる問題も大事と思います。日本向けの輸出作物を作る為に貧しい農村の破壊がおこっていること。有機野菜といっしょに送られる資料に世界を回って取材している伊藤みか子さんの講演録「買いあさる日本人と作らされ続ける南の農民」がありました。例えばトンガのカボチャ作り。「日本ではカボチャが主食ですか?」と聞かれたという。トンガの主食であるタロイモの畑をカボチャ作りに変える。商社の規格が厳しくて形の悪いのは売れないが、トンガの人は食べない。規格を揃える為には農薬や化学肥料を大量に使う。しかも危険性が知らされていないので素手で混ぜたり、その同じ容器を生活の飲み水の運搬にもつかっている。タイのタマネギ栽培やエビ養殖と具体的な事実を読むにつれ、私達の食べ物が南の人々の健康と生活命を脅かしているという事実も知っておくべきではないかと思った。
教えたいことばかりが先行してはいけませんが、原田さんが「水俣からはじまって水俣に帰るのです。」と言われるように最後にまた水俣あるいは身近な生活に帰って考えられたらと思います。
|
| |
|
| |
□原田さんってすごい人/森のくまさん
(1495)投稿日 : 2004年12月19日 (日) 16時11分
|
| |
 |
著書はまだ、読んでないのですが原田さんってすごい人なんですね。水俣病に少しでも関連があれば日本各地や世界にも出かけていくなんて。汚染実態を調査した原田さんの言葉「水俣からはじまって水俣に帰るのです。」がいっそう意味深い言葉に思えてきます。水俣という入り口(どこでもドア)から入っていくと、大きなグローバルな問題(世界の構造)が見えてきて、グローバルな問題が見えてくると、自分の問題としても考えられるようになり、身近な問題としてとらえられるってことですね。このあたりの教材化なかなかエネルギーが入りますよね。 |
| |
|
| |
□4年生水俣実践 成果と課題メモ/バラさん
(1497)投稿日 : 2004年12月19日 (日) 23時58分
|
| |
 |
1.こういう学習は知性だけでなく、感性を問われるので、受験知だけでよい答を出すことはできない。またこの期の子どもは、本質的に現実主義者なんて一人もいないので、みんな優れた感性を持っている。引き出してあげれるかは別にして。 みんなが正しく学ぶ。性教育に限らず、変なバイアスがかかっていないという、当たり前のことだが、そのことを確認できた。 2.水俣の出来事や判決が、子どもたちの今の生活の必要と、あるいは子どもたちの未来(それは必然的に環境問題や民主主義の問題だけど)とどうつながっているのか。答の半ばまですでに来ているが、牧野さんの言う「告発型」に終わらないための、「子どもの必要」の在処は、この実践のどこにあるのか。 見通しがあればオープンエンドでもよいと思うが。例えば、4年ですでにエネルギーをやっているし、水俣をやって5年で「かんホル」、6年でエイズ、これらはみんな共通のテーマを追究させているとも思えるし。 3.エイズ実践の小4版というか、実践の質や構造が、国内・公害ヴァージョンで、生きており、実践のコアをつくっています。
|
| |
|
| |
□5年生なんですが・・・/ヤマユリ
(1498)投稿日 : 2004年12月20日 (月) 01時04分
|
| |
 |
とても丁寧な分析ありがとうございました。 特にご指摘の2のところは私もずっと悩んでいます。この学習が子どもたちにどんな意味があったのか?と。 見かけは中学年のノリのいい子どもたちですが、ちょっと思春期に入ってきたなあと感じる5年生です。 |
| |
|
| |
□/バラさん
(1500)投稿日 : 2004年12月20日 (月) 20時43分
|
| |
 |
4年生はくまさんところでしたね。失礼。 |