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現実を憲法にちかづける実践がまさに健康教育実践 |
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森のくまさん
(1687)投稿日:2006年01月29日 (日) 12時07分
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昨日、健康Pの学習会のテキストだった憲法「改正」の著者 渡辺 治氏の講演会に参加してきた。 今、憲法で掲げられていることがあまりにも現実の生活とかけはなれているから、もっと現実的なものにするために「改憲」しようという流れがあるそうだ。 毎年34000人もの自殺者が出るし、ホームレス、ニート、今まででは考えられない犯罪、就学援助者の増大など・・ほんとうに現実はきびしいものになってきている。 うっかりすると、こうした庶民のきびしい生活と今の憲法との隔たりを利用されて、「改憲」の流れへと上手にのせられていく。マスコミの力も合わさって『今の憲法じゃあ、現実からあまりにも離れてしまってなんの役にもたたない、だから「改正」だ。』という論理が流行させられているようだ。しかし、憲法を「改正」さえすれば私たちの今のきびしい現実が救われるのだろうか? そもそも、こうしたきびしい現実は、グローバル化(国境をへだてた)した市場に大企業がのりだし、そのための構造改革がすすめられ、追い込まれていったからである。それは、憲法をたくみに解釈するという手を使って、解釈改憲の範囲の中ですすめられてきた。しかし、解釈改憲では限界がある。すっきりと「改憲」して、すっきりと軍事大国化し、アメリカといっしょになって、大企業がもっと野放図に、合わせて構造改革ももっと徹底しようという意図がある。 きびしくて余裕のない庶民の現実感を利用して、ますます困難な現実に追い込むという「改憲」という手口ははほんとうにおそるべきものであると思った。 ここで、大切なのは、私たちもこうした手口にはまらないように、憲法と私たちの現実の関係とをしっかりみておかなければならないと思った。 それは、これまでも憲法があるからといって、私たちが何もしないでいては、現実を憲法に近づけることはできなかったということだ。だから、現実と憲法とがかけはなれているという場面は実際にたくさんある。 しかし、一方で、この憲法があったからこそ、この憲法をたてしてたたかってきたからこそ、現実を憲法の理念に近づけたというものもたくさんあった。代表されるものとして、日本の自衛隊は「変な軍隊 」としてつくられてしまったが、憲法9条をもとにたたかってきた多くの人の働きかけの歴史があったからこそ、「変な軍隊」でも、日本は45年間、外でただの一人の人間をも直接は殺すことができなかったということがあるそうだ。 働きかけなければ、現実の生活と憲法の理念が一致してない現実はあちこちにあるのはあたり前なのだ。だからこそ、私たちは、この憲法をたてにして、憲法に近づけるように働きかけることが大切なのだ。働きかけがあってこそ、憲法に現実を近づけることができるのだ。 このことを考えるとまさに、私たち健康Pの実践は、特に25条の生存権にこだわってしているが、現実を今ある憲法に近づける働きかけができる輝かしい実践であると思う。 しかも多くの子どもや保護者、地域の人々と共に授業の中で堂々と日常的にできる実践である。くらしの困難なゾーンを多くの人と大きな視野で読み解き「Think Globally」、足下や地域で働きかける「Act Locally」をしていることがまさにそうである。 今回の講演会では、これまで取り組んできた健康教育実践は、どの実践をとっても現実を憲法に近づける実践であることがまた頭の中で整理できたことが収穫だった。
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□行き着くところが健康教育ですね/ヤマユリ
(1689)投稿日 : 2006年01月29日 (日) 19時30分
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憲法が守られていないからいろんな問題がおこっているという現実に目を向けさせないためにマスメディアも動いている。 今の若者は凶悪犯罪を起こしやすいかのように報道されているがそれは統計的に見てもおかしいということが「ニートって言うな!」(光文社新書)に書かれていました。経済的に貧しかった時代の方が犯罪は多かったというのが事実だと。 それより深刻なのは格差の拡大。憲法が守られていないからホームレスがこんなに増えているのにほっておかれる。・・・そんな社会の問題を見る「どこでもドア」実践をすることが改憲へ向かわせない運動につながると思います。これからは「現実を憲法に近づける実践」ということをしっかり意識して実践して報告するときにもしっかり伝えていくことが大事だなと思います。 |