知識は力なり

「歴史とは、現在と過去との絶え間ない対話である」
(An unending dialogue between the present and the past.)


現在と過去の出来事とのつながり、
そして今後の未来で何が起こるのか?
世界情勢はどこへ向かっていくのか?


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題名:イスラエルが全面戦争したくない理由

名前:Equalizer

◇yDEaMGeRRQ
MAIL 投稿日: 2024/04/18(木) 18:54 unn-169-150-226-208.datapacket.com (169.150.226.208)


4月14日に起きた、
イランによるイスラエル攻撃。

背景にあるのは、
2023年10月から始まった
ハマスーイスラエル戦争ですが


★報復か自制か? イスラエルが抱える巨大なジレンマ


現在世界でもっとも注目されている中東情勢を、少し振り返ってみましょう。

まず、2023年10月7日、
ハマスがイスラエルを奇襲し、民間人を虐殺しました。

イスラエルがこれに反撃し、戦争がはじまりました。

イスラエルの攻撃は非常に激しく、
「民間人の犠牲が大きすぎる」と批判されています。


ハマスの黒幕はイランです。

そして、イランの手下の、レバノン・ヒズボラ、
イエメン・フーシ派などが、イスラエルを攻撃しています。


2024年4月1日、イスラエルは、シリアのイラン大使館を攻撃。

イラン軍の将官を含む13人が亡くなりました。


2024年4月13日から14日にかけて、
イランは多数のミサイルとドローンでイスラエルを攻撃しました。

ちなみに、イランがイスラエルを直接攻撃するのは、これがはじめてです。

世界がイスラエル、イラン対立の行く末を見守っています。


★イスラエル政府が今考えていること


今回の戦争の根本問題は、
「イランの核兵器保有が近いこと」だと考えています。

『時事』(2023年)3月5日。

<イランを訪問した国際原子力機関(IAEA)のグロッシ事務局長は4日、
ウィーンの空港で記者会見し、イラン中部フォルドゥの核施設で
核兵器級に近い濃縮度83.7%のウラン粒子が検出された問題について
「その水準の濃縮ウランは蓄積されていない」と述べた。>


イランは、2023年3月時点で、ウラン濃縮度を83.7%まで上げていた。

そして、同年9月、イランはIAEAの査察を拒否した。

『日経新聞』2023年)9月17日付。

<国際原子力機関(IAEA)は16日の声明で、
イランからIAEAの一部査察官の受け入れを拒否すると通告があったことを明らかにした。
査察官はウラン濃縮などを検証している。
グロッシ事務局長は「強く非難する」と述べ、査察に深刻な影響が出るとして再考を求めた。
国際社会の懸念が一層強まるのは必至だ。>


これは、「核兵器保有が近づいたので査察を拒否した」と解釈できます。
イスラエルもこのことを知っているので、イランの核施設を破壊したい。

イランも、「イスラエルが核施設を破壊したがっていること」を知っているので、
ハマスを使って戦争を始めた。

イスラエルは、シリアのイラン大使館を攻撃した。

当然、イランの反撃が予想されます。

そして、イランは、イスラエルを大々的に攻撃したのです。

イスラエルは、反撃する口実を得ました。

イスラエル政府高官は今、何を考えているのでしょうか?

おそらく、二つあります。


一つは、イランに、「イスラエルを滅ぼす力を持つ核兵器の保有を許さないこと」です。

ですから、何が何でも「核兵器製造施設」を破壊する必要があります。

イスラエルとしては、アメリカの協力が欲しいところでしょう。

そして、アメリカも、北朝鮮の失敗は繰り返したくないはずです。


二つ目。

とはいえ、イスラエルは、イランと全面戦争をしたくないということです。

なぜ?

イスラエルの人口は、約930万人。

イランの人口は、約8600万人です。

イランの人口は、イスラエルの9倍以上。


イランの面積は、約165万平方km。

イスラエルの面積は、約2万2000平方km。

イランの面積は、イスラエルの75倍。


イスラエルとイランの戦争になったら、イスラエルに勝てる自信はないでしょう。

もちろん、「アメリカが一緒に戦ってくれれば勝てる」と思うでしょう。

ですがアメリカにはアメリカで、イランと全面戦争になりたくない事情があります。

そう、アメリカは「4正面作戦」
(つまり「ウクライナーロシア戦争」「イスラエルーイラン戦争」「台湾ー中国戦争」「韓国ー北朝鮮戦争」)

を恐れている。

アメリカがイランと全面戦争になれば、
中国は「アメリカはロシア、イランとの戦いで余裕がない。

今が台湾に侵攻する千載一遇のチャンスだ!」と考え、
台湾侵攻を開始するかもしれない。

だから、アメリカは、「イランの核兵器製造施設を破壊したいが、
全面戦争は避けたい」と考えていることでしょう。


結局、イスラエルは、どんな報復に出るのでしょうか?

アメリカと協議して、(プーチン風にいえば)
「イラン核施設破壊特別軍事作戦」を実行するのではないでしょうか。

イランの核兵器製造施設を破壊することができれば、
そこから和解に動くことができます。

しかし、相手(イラン)がいる話なので、思い通りになるかはわかりません。

何はともあれ、イスラエルとアメリカは今、

・イランの核兵器製造施設を破壊したい

・だが、イランとの全面戦争は望んでいない

この二つのポイントを覚えておきましょう。




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