[9529] 題名:中央公論社は昨年2月に『安倍晋三回顧録』を出版・発売しました
名前:霞ヶ関リークス
◇5WBnmh.AZo
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投稿日:
2024/03/28(木) 23:58
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これは発売と同時にベストセラーとなりました。
これは政治関係者や学者にとっても
非常に貴重な歴史的文献だと
捉えられると思います。
実はこの安倍晋三回顧録の中に
習近平にとって都合の悪い事実が2つ
掲載されていました。
今回はその2つの話を紹介します。
▼ 安倍元首相が聞いた習近平の「本音」
まず1つ目は、安倍さんが
2018年に聞いた習近平の“本音”です。
中国の指導者は、基本的に原稿を用意し、
それに沿って話をします。
しかし、そのとき習近平は原稿通りに話さず、
“ある本音”を安倍さんに漏らしたのだそうです。
その内容は、「自分がアメリカに生まれていたら、
アメリカの共産党には入らず、民主党か共和党に
入っていただろう」というもの。
安倍さんはこの発言を受けて、「習近平は思想信条の
ためではなく、権力のために中国共産党に入党した。
彼は強烈なリアリストである。」
とこの回顧録につづっています。
これは習近平にとっては都合の悪い発言です。
なぜなら、習近平政権の正当性は「共産主義を守る」
というところから来ているためです。
中国共産党に入党する際には、
「共産主義のために一生闘い続ける」と
宣誓する決まりがあります。
自分の権力のためではなく、毛沢東時代からの純然たる
共産主義を守ります。
そのために僕は中国共産党のトップにいます。
ということを中国国民に信じ込ませているのです。
ですが、
安倍さんの回顧録で書かれた事実はそれとは真逆の話。
「権力が手に入れば共産主義はどうでもいい」
ということを示してしまったのです。
ただでさえ中国国内の経済が低迷してきている中で、
この話を中国の一般の国民に知られてしまうのは
習近平にとってかなり都合が悪かったと考えられます。
▼李登輝さんを敬愛した安倍元首相
そしてもう1点、習近平にとって致命的な部分が
ありました。
それは、この回顧録の中で安倍さんが台湾の
李登輝元総統をかなり高く評価しているということです。
安倍さんは李登輝さんが現職総統のときに
初めて対面しています。
その際、安倍さんは李登輝さんにすっかり魅了され、
「これほど教養・人間哲学を持つ指導者はいない」
「彼こそがアジアの本当の指導者だ」と言っています。
回顧録の中には
「李登輝さんとよく電話で話し合っていた」
という話があり、
さらに、1回目の安倍政権のときに李登輝さんが念願の
靖国神社参拝を果たしたときの話も収録されています。
なぜ、李登輝さんは靖国神社参拝の実現を強く
望んだのでしょうか。
まず1つが日本軍の志願兵として戦死した兄に会うため。
李登輝さんの兄は海軍として海で戦死しており、
遺体もお墓もないため靖国神社だけが兄に会える
場所だったのです。
そしてもう1つの理由が、国のために戦った英霊を
その国のトップが参拝しないというのはどういうことだ。
日本政府は何をしているんだ、という意志を表明したい
というもの。
安倍さんは李登輝さんのこの姿勢に感銘を受け、
自身も靖国神社参拝を決めたのだそうです。
▼ 李登輝への評価が習近平の首を絞めるワケ
このように李登輝さんを
かなり高く評価している安倍さんですが、
一体なぜ、李登輝さんを評価することが
習近平のとって都合の悪い事実に
なるのでしょうか。
それは、この李登輝さんのエピソードが
掲載されることで、
この回顧録が
「大きな国の小さな器を持つ習近平」と
「小さな国の大きな器を持つ李登輝」
という比較を強調するものになるからです。
この比較は中国人にも伝わっています。
海外の中国人がこの安倍さんの回顧録について
議論を始めているのです。
これが一般の中国人に伝われば、
独裁者・習近平にとっては
権力基盤をぐらつかせる材料になりかねません。
これだけのパンチを喰らわせ、
亡くなった後も影響を及ぼし続ける
安倍晋三さんは本当に偉大な政治家であったと思います。