[8656] 題名:今生の思い出
名前:桃太郎
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投稿日:
2024/02/24(土) 11:32
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日蓮大聖人 御聖訓に曰く
「涯幾くならず思へば一夜のかりの宿を忘れて幾くの名利をか得ん、又得たりとも是れ夢の中の栄へ珍しからぬ楽みなり、
只先世の業因に任せて営むべし世間の無常をさとらん事は眼に遮り耳にみてり、雲とやなり雨とやなりけん
昔の人は只名をのみきく、露とや消え煙とや登りけん今の友も又みえず、我れいつまでか三笠の雲と思ふべき春の花の風に随ひ秋の紅葉の時雨に染まる、
是れ皆ながらへぬ世の中のためしなれば法華経には「世皆牢固ならざること水沫泡焔の如し」とすすめたり
<現代語訳>
──人の生涯は、どれほどもない。思えば、この世は、一夜の仮の宿のようなものであり、それを忘れて、どれほどの名声や利益を得ようというのか。また得たとしても、夢の中の栄華であり、珍しくもない楽しみである。ただ前世の業因に任せて(今世の自分の境遇で)、努力すればよいのだ。
世間の無常を知る実例は、目をさえぎらんばかりに多く、耳にもあふれんばかりである。
昔の人は、雲となったか、雨となったか、ただ名を聞くばかり。今の友も露と消え、煙となって空に昇ってしまったのであろうか、姿が見えない。
自分だけが、三笠の山にかかる雲のように、いつまでも、この世にあると思っていられようか。
春の花が風とともに散り、秋の紅葉が時雨に染まる。これらは皆、この世の無常を示しているではないか。
ゆえに法華経(随喜功徳品)には「世の無常であることは、水の泡や、火の炎のようである」と説かれている──。
「須く心を一にして南無妙法蓮華経と我も唱へ他をも勧んのみこそ今生人界の思出なるべき」
願わくは、どこまでも一心に、南無妙法蓮華経と自分も唱え、人にも勧めていきなさい。まさにそれこそが、人間界に生まれてきた今生の思い出となるのである──。
※人生は長いようで短い。御本仏の仰せを命に刻み、悔いの無い人生を歩もう。