1915年5月。アメリカ中が激怒していた。
何故ならイギリス近海を航行中の
豪華客船ルシタニア号が
ドイツ軍の攻撃を受けて沈没。
1198人の乗客が犠牲になり
さらにその中に128人のアメリカ人が
ふくまれていたことが判明したからである。
中には著名な興行主、作家、ピアニスト、
造船所のオーナーなどもおり、
これが怒りに更なる拍車をかけた。
ケダモノのドイツ人を根絶やしにしろ！
非道な行為をしたドイツ人を許すな！
怒り狂うアメリカ人を筆頭に、
各地ではデモが頻発。
それまではどちらかと言えば
第1次世界大戦には
中立の姿勢を保っていたアメリカであるが
しかし、この事件を境に
世論は一気に参戦へと傾き、
1918年の連合国の勝利に結びつくことになる。
ところが実はこの時、
怒り狂うアメリカ国民の様子を見て
ニヤリと笑う一人の男がいた。
「やったぞ。これでアメリカは参戦する。また戦争が拡大する」
一体、この男は何者なのだろうか？
実はこの男こそこの「ルシタニア号事件」を画策し、
アメリカ参戦を目論んだ。