[3868] 題名:台湾民意を歪曲して紹介する、名誉教授・遠藤誉氏 中国のスパイ!?
名前:霞ヶ関リークス
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投稿日:
2023/04/05(水) 18:22
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■100%逆なことを言っている論評
執筆者は筑波大学の名誉教授・遠藤誉氏。
中国問題グローバル研究所所長でもある女性。
中国生まれで中国育ち。
なので中国語は堪能な方です。
この記事は4月1日に Yahoo!で掲載されたもので、
記事のタイトルは
馬英九訪中vs.蔡英文訪米の中、
台湾民意「米台友好は必ずしも台湾にいいわけではない」
というもの。
まずタイトル自体に非常に驚くが、
これは米台友好が台湾にとって必ずしも
良いものではない、
米台友好に疑問を持っている、
という意味になっています。
■この論評の根拠はどこにあるのか?
この論評はむしろ台湾の民意とは逆の内容になっている。
遠藤誉氏が根拠にした台湾民意基金会の世論調査。
設問自体が誤解されやすい内容になっているが、
台湾で使う中国語と中国で使う中国語の表現の違いから
誤解が生まれてる。
遠藤誉氏の和訳は、
「アメリカが台湾に友好的なのは、
必ずしも台湾にいいことではない」
となっているが、
本来の設問の意味は
「ある人が『アメリカが台湾に良くしても、
これは自分の利益の為であって、
台湾に対して決して良いことをやろうと
しているわけではない』」
というのが本来の意味。
誤解されやすい設問ではあるが、
台湾民意基金会が同時に行ったもう一つの設問を見れば、
この設問の真意を捉えることができます。
台湾と米国の利益共有、
米国の中国抑圧は台湾に必要か?
必要(61.1%)
必要ない(21.7%)
もし米台友好は台湾にいいことではないという調査が、
遠藤誉氏の解釈の通りであれば、
こちらの質問でも、
台湾は反米が多い結果になるはず。
しかし、実際の結果は逆で、
台湾は親米が多いことが分かります。
■親中媒体のネット調査も引用
また遠藤誉氏はこれ以外の意見についても、
ネット世論調査から引用して紹介しています。
引用元は台湾ヤフーのネット調査です。
一つ目の質問:
馬英九は74年以来、初めて大陸を訪問する元総統になる。
これについてどう思いますか?
大変良いと答えたのは71.0%
二つ目の質問:
【「民進党陣営(緑陣営)は
「馬英九の大陸訪問は2024年の総統選に影響を与える」
と言うが、あなたはそう思いますか?】
絶大な影響11.9%
それなりに影響25.3%
やや影響28.4%
合計すると、全体で「65.6%」が「影響がある」
と答えている。
三つ目の質問:
蔡英文の外遊に注目していますか?
非常に注目10.4%
やや注目14.2%
合計、わずか「24.6%」
四つ目の質問:
今回の蔡英文の外遊は、
台米関係に有益だと思いますか?
非常に有益8.6%
それなりに有益8.6%
合計、17.2%
あまり有益ではない17.8%
全く有益ではない56.4%
合計、74.2%
これらの数字を引用した後で、
以下のように締め括っています。
“なお、民意調査の結果と異なり、
現在のところ民進党の方が支持率が高いのは、
総統選候補に関して民進党は候補者を
いち早く一人に絞ったのに対して、
国民党の方はまだ決めてないからだろう。
おそらく国民党は
台湾民衆党との連立を組もうとして、
候補者決定に難航しているものと推測される。
来年1月の総統選まで、
紆余曲折を経ながら、
親中か対米依存かのせめぎ合いが続くことだろう。”
(原文をそのまま引用)
■中国の認知作戦の一環になる論評
このような内容は実際の台湾の事情を
捻じ曲げて遠藤誉氏が解説しています。
まるで認知作戦の一環になるような書き方です。
そもそも
台湾人は台湾ヤフーのネット調査を信じていません。
なぜなら、台湾ヤフー自体は中国寄りの媒体で、
中国時報(中時電子報)の記事を紹介する、
極めて中国寄りの媒体だからです。
■台湾のネット調査がいかに信用できないものか
2014年5月17日
中国時報のネット世論調査によると、
国民党候補は支持率100%
民進党候補は支持率0%
でした。
台湾で行われたこのネット調査だけを見ると、
国民党候補が圧勝するかと思われますが、
実際11月19日の開票結果を見ると
国民党候補の得票数は54万票(得票率30%)
民進党候補の得票数は99万票(得票率68%)
と、全く逆の結果になっているのです。
もし台湾のネット調査に信ぴょう性があれば、
ここまでかけ離れた結果にはなりません。
■実際の台湾の民意は親米
台湾は、
民進党の支持者の7割が親米です。
それだけでなく、
国民党の支持者も、実は6割は親米なのです。
なので全体的に見れば、
新米派が多数であるにもかかわらず、
米台友好は必ずしも台湾にいいわけではない
というのが台湾の民意であると、
そう歪曲させて紹介していたのが今回の論評です。
今回のヤフーの記事のように、
影響力のある論文でも、
事実と違うことがあれば、
それを正さなければなりません。