[3651] 題名:岸田総理キーウ電撃訪問が意味すること
名前:霞ヶ関リークス
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投稿日:
2023/03/24(金) 21:33
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岸田総理は3月21日、ウクライナの首都キーウを電撃訪問、
ゼレンスキーと会談しました。
▼ウクライナ側にとって意味ある訪問
ウクライナ側から見ると、
正直日本は「あまり頼りにならない国」す。
一つは、地理的に遠い。
ウクライナ戦争は欧州で起こっています。
それで、ウクライナをもっとも熱心に支持、支援しているのは、
ポーランドやバルト三国など。
つまり、「ウクライナの次にプーチンの
ターゲットにされそうな国々」です。
少し西側に進むと、迷いが入ってきます。
フランス、ドイツ、イタリアなどは、
「ウクライナが多少領土を譲っても停戦すべきだ」と考えている。
距離の遠いアメリカは、ウクライナにとって最大の支援国です。
しかし、共和党のトランプ派は、
「ウクライナ支援を止めろ!」と一貫して主張しています。
だから、バイデンが代わったらどうなるかわかりません。
日本は、正直にいえば、「ウクライナ戦争を自分事として
感じている人」は、とても少ないでしょう。
その理由は、「遠いから」です。
一方、「近い」中国による台湾侵攻の可能性については、
とても気になります。
距離が影響をもっているのは、ウクライナにとっても
同じこと。
ウクライナが日本にとって、「あまり頼りにならない国」
である二つ目の理由は、
日本は平和憲法の国で、武器を供与することができない。
そして、ウクライナが今もっと欲しいのが、
まさに武器なのです。
ゼレンスキーは欧米に、「戦車をくれ!」「戦闘機をくれ!」
と要求しつづけています。
日本は、武器を供与できない。
以上二つの理由で、日本はウクライナにとって
「あまり頼りにならない国」です。
今年の日本、今年の岸田総理は、
他の年の日本、他の年の岸田総理と違います。
日本が今年、「G7の議長国である」ということ。
これは、重要です。
G7の他に、G20があります。
G20の参加国は、
フランス、米国、英国、ドイツ、日本、イタリア、カナダ、
欧州連合(EU)、アルゼンチン、オーストラリア、ブラジル、
中国、インド、インドネシア、メキシコ、韓国、ロシア、
サウジアラビア、南アフリカ、トルコ。
ここには、ロシアがいる。
さらに、ロシアに比較的近い中国、インド、ブラジル、
南アフリカ(つまりBRICS諸国)がいる。
政体もさまざま。
民主主義の国もあれば、
サウジアラビアのように絶対王政の国もある。
中国のように、共産党の一党独裁国家もある。
要するに、「ウクライナ支持」で一体化していないのが
G20なのです。
一方、G7
つまり、日本、アメリカ、イギリス、フランス、
ドイツ、イタリア、カナダ、
は民主主義、資本主義で価値観が一致しています。
もちろん、細かく見れば、
揺れている国もあるでしょう
それでも、一応「ウクライナ支持、支援」「反ロシア」で
一体化している
日本は今年、「ウクライナ支援の核」である
G7の議長国なのです。
だから、ウクライナにとって、
「今年の日本」「今年の岸田総理」は重要です。
岸田総理がキーウに来てくれた。
当然ゼレンスキーは、歓迎しました。
そして、SNSにこんな文章を投稿しました。
「国際秩序の力強い守護者でウクライナの長年の友人である
日本の岸田総理大臣をキーウに迎えたことをうれしく思う」
そして、ウクライナ政府は、こんな動画を公開しています。
↓
https://www.youtube.com/watch?v=V6b5iP9zzBI
(@ロシア語のコメントは、荒れているようですが。)
岸田総理は、何をいったのでしょうか?
「何としてもG7広島サミットまでにウクライナを訪問し、
ゼレンスキー大統領と直接話し、日本の揺るぎない連帯を
伝えたいと強く願っていた」
「ロシアによるウクライナ侵略は 国際秩序の根幹を
揺るがす暴挙だ。
キーウとブチャを訪問し、惨劇を直接目の当たりにして
このことを改めて強く感じている」
「今後も日本ならではの形で切れ目なく
ウクライナを支えていく。
ウクライナの美しい大地に平和がもどるまで
日本はウクライナとともに歩んでいく」
実に力強いメッセージを出しました。
日本はウクライナに武器を供与できない。
しかし、G7議長国の日本の総理が、
「ウクライナの美しい大地に平和がもどるまで
日本はウクライナとともに歩んでいく」
と宣言した。
岸田総理は5月のG7広島サミットで、
「がんばって、ウクライナを支援しつづけていきましょう!」
と、議論をリードすることでしょう。
▼この訪問は日本にとっても大きなプラス
今回の訪問について日本では、
「G7首脳の中で、ウクライナを訪問していないのは
岸田総理だけ。
そのままサミットに出るのは恥ずかしいから、無理して行った」
それはともかく、岸田総理のキーウ訪問は、
日本にも大きなプラスです。
岸田総理は言いました。
「ロシアによるウクライナ侵略は
国際秩序の根幹を揺るがす暴挙だ。
キーウとブチャを訪問し、惨劇を直接目の当たりにして
このことを改めて強く感じている」
「今後も日本ならではの形で切れ目なく
ウクライナを支えていく。
ウクライナの美しい大地に平和がもどるまで
日本はウクライナとともに歩んでいく」
日本は、「反ロシア」「親ウクライナ」の立場を
明確にしたのです。
これは、とても重要なことです。
ウクライナ戦争は、二つの視点から見る必要があります。
「善悪論」と「勝敗論」です。
「善悪論」で、日本には、「ロシアは悪くない」と
主張する人が一定数います。
「善悪論」には明確な基準があります。
国際法です。
国際法によると、合法的な戦争は、
「自衛戦争」「国連安保理が承認した戦争」
の二つだけ。
ウクライナはロシアを先制攻撃していないので、
これは「自衛戦争」ではありません。
当然、国連安保理も承認していない。
だから、ウクライナ戦争が、「国際法違反の戦争」であることは、
議論の余地すらないほど明白です。
なので、国連加盟国140か国以上が、
ロシアのウクライナ侵攻を非難しているのです。
ウクライナ侵攻を支持している国は、
ロシア、ベラルーシ、北朝鮮、シリア、エリトリア
だけです。
次に「勝敗論」ではどうでしょうか?
現在のロシアの状況を、
戦前戦中の日本と重ねて語る人がいます。
「かつて日本を追い込んだグローバリストが、
今度は、ロシアを追い込んだ」
と。
同じロジックであるなら、今回負けるのはロシアでしょう。
そうであるなら、なぜ日本が
負ける側につく必要があるのでしょうか?
実際、現在の中国ロシアは、
戦前戦中のナチスドイツ、ファシズムイタリア
と同じです。
ナチスドイツはユダヤ人を虐殺し、
中国共産党はウイグル人を虐殺している。
日本はかつて、ナチスドイツ、ファシズムイタリアと
軍事同盟を組んで、必然的に敗北しました。
今回は、「勝つ方」について戦勝国になりましょう。
ウクライナ戦争について、岸田総理は、
最初からウクライナ側についていました。
そして、習近平がロシアを訪問している最中に
岸田総理はウクライナを訪問し、
日本国の立場を鮮明にしたのです。
日本は、ウクライナの側に立つ。
これは、善悪論で善の側であり、
なおかつ、勝敗論で勝利の側。
要するに、完全に正しく、
日本国の国益に沿った立場なのです。
増税はやめて欲しいですが、今回の訪問については、
間違ってはいない。