[2429] 題名:中国の台湾侵攻シミュレーションレポート
名前:霞ヶ関リークス
◇zS2c.WaNKU
MAIL
投稿日:
2023/01/13(金) 22:00
45.91.22.153 (45.91.22.153)
2023年1月9日
米シンクタンク、戦略国際問題研究所(CSIS)が
あるレポートを発表しました。
そのタイトルは「The First Battle of the Next War」
中国の台湾侵攻のシミュレーションをまとめたレポートです。
このレポートに登場する主な関係国は4つ。
台湾、中国、アメリカ、そして日本です。
公開された部分は160ページ
すぐに世界の主要のマスコミに取り上げられ、
恐らく中国の当局、あるいは各国の軍事専門家や
日本の自衛隊、現役の軍人たちも
このレポートを参考にしているのではないかと言われます。
では、このレポートの内容とは一体どんな内容なのか?
■民間シンクタンクレポートの信頼性
アメリカ政府の行う戦争シミュレーションは
大体が非常に悲観的です。
例えば、これまで何回も
米軍と中国人民解放軍との戦いの
シミュレーションを出していますが、
大体米軍が負けます。
恐らくこれらのシミュレーションは
軍事的秘密もたくさん入っているので
公開する部分はほんの一部に過ぎません。
しかし公開した部分は大抵米軍が弱い。
でも、これは国防予算を取る
一つの手段であり一つの策略。
米軍はこんなに弱いから
もっと予算を増やせという、
ある意味国会対策であり
逆に信頼できません。
しかし、今回シミュレーションをしたのは
民間のシンクタンク。
政府と深い関係を持っている
民間の行うシミュレーションの方が
より真実に近いとも言えるわけです。
シミュレーションを正確に行うためには、
当事国の軍事状況、武器の数量、
軍隊の数、軍の指揮系統といった
内部の細かいことまで把握する必要があります。
特に今回は日米台は情報開示しても、
侵略者である中国は
情報を自ら提供することはありえません。
そこで今回のCSISのシミュレーションの参加者は、
だいたいがアメリカ軍のOB、
そして国防総省のOBといった
軍事状況も精通している専門家が集いました。
■シミュレーションされた4つのシナリオ
今回のシミュレーションには4つのシナリオがありました。
・Base(基本)
・Pessimistic(台湾からすると悲観的)
・Optimistic(台湾からすると楽観的)
・Taiwan Alone(台湾だけで戦争する)
全部で24回行われたシミュレーションの中で、
中国が台湾を侵略して成功したのは
たった1回だけ。
それは「Taiwan Alone」
他国が手を差し伸べなかった時だけです。
中国が台湾に侵攻した際に、誰も助けない。
アメリカも日本も武器も援助をせず、
もちろん出兵もしないということは
あり得るのでしょうか?
特に日本の政治家の場合
こういう戦争になった場合の反応は
大体予想はできます。
「戦争はだめだ。平和は守れ」
というような平和論を唱える。
平和論を唱えれば、もう世界平和になる
恐らく日本の政治家たちは
このようなマインドを持っている人が
多いのではないかと思います。
ただし、アメリカの場合は
今の民主党にしても共和党にしても、
この平和論の信者は、
さほど多くはないと思います。
そして、米軍が介入すれば、
他のどのシナリオも全て中国は失敗し、
台湾を占領することはできませんでした。
■シナリオ成立のための4つの前提とその結果
では、
このシナリオが成り立つ
前提条件とは何でしょうか?
以下の4つの条件が挙げられます。
1.台湾による激しい抵抗
2.ウクライナモデル(武器提供のみの援助)は通用せず、即介入が重要
3.米軍の介入は日本の米軍基地を絶対利用しないといけない。
日本政府が協力的であることが必要
4.アメリカは敵基地を攻撃する長距離ミサイルの量を確保
これらにより、日本の協力のもと
米軍が介入することで
中国の台湾侵攻は失敗します。
ですが、やはり戦争ですから、
リスクがないということは
あり得ません。
アメリカが絶対に日本の米軍基地を
利用しなければならないので
同時に日本も攻撃されるということになります。
そのため4カ国全ての国が大変なコストを払います。
このCSISレポートの結論は、
1.中国は勝利できない。
2.すべての参加国は極めて高いコストを払う。
と指摘します。
そして、この戦争の結果、
・中国共産党の地位が危なくなる。
・アメリカの世界的地位が下がる。
・台湾の軍事的経済的インフラが完全に破壊される。
とされています。
まず、アメリカは大きなコストを払っても
勝てば逆に世界的な地位が社会で高まる。
これは第二次世界大戦の結果から見ても
考え得ることでしょう。
そして、台湾の軍事的経済的インフラが
もうほぼ完全に破壊されても
台湾は間違いなく独立を果たし
一つの独立した国家として再出発するということ。
これが一番重要。
■CSISの提言と課題
それは以下の4つの提言です。
1.日本とグアムにある米軍基地の強化。
日本の自衛隊にも言えることで、
ミサイルの攻撃に耐えられるような防御の施設が必要。
2.今までの巨艦大砲主義は良くない。
なるべく小さくて安い艦を多く作ること。
3.優先すべきものは潜水艦と爆撃機。
潜水艦を沈めるということは極めて難しい。
作るベきは潜水艦。
4.戦闘機を作るのであれば性能より数量が大切。
ダメージ率がものすごく高いので、
できるだけ安いコストの戦闘機を沢山作る。
これは台湾の元参謀総長の李喜明氏が唱える
「Overall Defense Concept」と繋がる提案です。
つまり、小規模、分散、精密、高威力に注力し、
全民国防(ゲリラ戦法)を用いる。
このような構想をアメリカも支持しているのです。
CSISのレポートの想定時期は2026年。
決して遠い将来ではありません。
しかし、
台湾・アメリカ・日本には
まだいくつかの問題が残っています。
まず、台湾軍と米軍の一体作戦ができていません。
問題なのは自衛隊です。
自衛隊というより、
日本政府(親中派)が台湾軍との接触を拒否しています。
日本が中国に対して配慮するために
台湾との接触を恐れているのです。
脅威は中国です。
本当ならば、台湾と一緒に中国と
対抗していかなければなりませんが、
中国に対する配慮によって協力体制が築けていません。
これ非常に理論的には矛盾していますが
これが日本と台湾の間の現実です。