[14288] 題名:リアリズムで読み解く高市外交
名前:霞ヶ関リークス
◇5WBnmh.AZo
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投稿日:
2025/11/06(木) 17:44
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これまでの高市外交について、「100点だ」と考えています。
しかし世の中には、「トランプに媚びすぎだ!」「従属的だ!」
「韓国に甘すぎる!」といって批判する人もいます。
世間の人は、「はっきりいうリーダー」が大好きです。
たとえば、石丸さんは、
「恥を知れ!」発言で大人気になりました。
トランプもプーチンも、ヒトラーも
「強気な発言」と「強気な態度」で大人気になりました。
それで、高市総理にも
「強気な発言」「強気な態度」を望む人たちが、
一定数いるのでしょう。
しかし、「強気なリーダーが好き」
「弱気で、媚びを売るようなリーダーが嫌い」というのは、
極めて皮相的と言わざるを得ないでしょう。
強い日本を創るため必要なのは、
「強気な言動」ではなく【 戦略 】です。
▼主敵の設定、外的バランシング、内的バランシング
「強い日本」を、なぜ作る必要があるのか?
日本と日本国民の安全と財産を守るためです。
では、「誰から」日本と日本国民の安全と財産を守るのか?
日本は、三国と領土問題を抱えています。
すなわち、韓国、ロシア、中国。しかし、韓国との竹島問題、
ロシアとの北方領土問題、中国との尖閣問題は、
一つだけ他と本質が異なります。
尖閣問題です。何が違うのでしょうか?
韓国は竹島を、ロシアは北方領土を実効支配しています。
それで、現状に満足していて、現状を変更する必要がありません。
しかし、尖閣諸島は、日本が実効支配しています。
だから、中国には、現状を変更する動機がある。
日本最大の脅威は、中国なのです。
現状、日本が強くなる必要がある最大の理由は、
「中国に尖閣侵攻を許さないため」といえるでしょう。
では、どうやって日本は、中国と対峙していくのでしょうか?
「バランシング」(直接均衡)。
つまり、自国で責任をもって、中国に対峙していく。
バランシングには、「外的バランシング」と
「内的バランシング」があります。
「内的バランシング」とは、
敵国に負けないよう軍備を増強していくことです。
しかし、軍備を増強するためには、
「先立つもの」つまりお金が必要。
だから、高市総理は、「責任ある積極財政」によって、
日本経済「暗黒の35年」を終わらせるのです。
経済を成長させ、お金を得て、軍備を増強していく。
これが理想です。
ところが、トランプは、「防衛費をGDP比で3.5%にしろ!」と要求している。
高市総理的には、「まず経済成長」
それにつづく「防衛費増額」にしたいところでしょう。
しかし、トランプの要求を完全に無視することは、不可能です。
ちなみに、トランプは、NATO加盟国に、
「防衛費をGDP比5%にしろ!」と無茶な要求を出しています。
次に、「外的バランシング」。
これは、「同盟関係を増強していくこと」です。
思い出して見てください。
日本軍は、とても強く、中国軍に連戦連勝でした。
しかし、中国は、アメリカ、イギリス、ソ連三大国から
支援を受け、日本と戦っていた。
だから日本は、負けたのです。
ロシア軍は、「世界で二番目に強い軍隊」と呼ばれていました。
しかし、ウクライナ侵略から3年8カ月が経ち、いまだに勝利できていません。
世界の約50か国が、ウクライナ支援をつづけているからです。
つまりウクライナは、「外的バランシング」によって、
粘ることができているのです。
高市総理は、中国に勝つために、「内的バランシング」(軍備増強)と
「外的バランシング」(同盟増強)の二つをしていく必要がある。
そう考えると、高市総理が、トランプをノーベル平和賞に推薦し、
安倍さんのゴルフクラブをプレゼントしたのは、いいことなのです。
というのも、日米関係が強固であれば、中国は日本にちょっかいだしづらくなる。
そして、高市総理が「韓国ノリが好きで、韓国コスメを使い、韓国ドラマを見ている」
といったのは、素晴らしいことなのです。
韓国は、地政学的にいうと、日本と北朝鮮の間にある「緩衝国家」だからです。
韓国がなければ、日本は、直接北朝鮮の脅威にさらされることになります。
そして、高市総理が習近平と、
「戦略的互恵関係推進で一致」したのも、素晴らしいことなのです。
私たちの目的は、中国と戦争して勝つことではありません。
中国との戦争を起こさないことです。
その為には、鳩山・小沢のような「完全媚中外交」では全然ダメです。
まず、「日本の軍事力を侮らない方がいいですよ」
という実力が必要(内的バランシング)。
そして、「日本とアメリカは最良の関係にあります。
アメリカは『尖閣諸島は日米安保の適用範囲』と明言していますよ」。
さらに、日本は、イギリス、欧州、オーストラリア、インド
などとも『準同盟関係』にあります。
中国が日本を侵略したら、過酷な制裁を科されて、
あなたの国の経済はさらにボロボロになりますよ。
こういう中国にとって悲惨な展望を見せたうえで、
「では、戦略的互恵関係を築きましょう!」と笑顔で握手するのです。
これが、トランプ的にいわせれば、「力による平和」です。
「弱い国」、あるいは「弱いと思われている国」は、
「いじめられる」のが、世界の現実です。
小沢一郎は2009年12月、496人を率いて北京を訪問。
「私は、人民解放軍の野戦軍司令官である!」と宣言しました。
要するに、「鳩山・小沢 日本は、アメリカ国を捨てて、中国の属国になります!」
と世界に宣言したのです。
それで、中国は、日本に優しくなりましたか?
2010年の尖閣中国漁船衝突事件では、
中国が100%悪いにも関わらず、謝罪と賠償を要求され、
レアアース禁輸などの厳しい制裁を科せられました。
2012年、現在立憲民主党の党首である野田総理(当時)が尖閣を国有化すると、
日中関係は、最悪になりました。ですから、中国の属国になってはいけない。
中国は「力しか認めない」。
そして、「力」とは、日本国の経済力と軍事力、
そして、同盟国・準同盟国の数と、その関係の深さです。
高市総理は、日本経済を復活させて、防衛力を強化していく。
アメリカとその他準同盟国群との関係を強化していく。
「内的バランシング」と「外的バランシング」で、中国に戦争を起こさせない。
高市総理は現在、そっちの方向に歩き始めたのです。
しかし、「大局」も「戦略」もわからない人たちが、高市総理を批判します。
仲良くすれば、「媚びている!」と批判する。
関係が悪くなれば、「関係を壊した!」と批判する。
何をしても批判する。
政権が悪いことをしているとき、批判するのは大事です。
たとえば、増税とか。
しかし、「いつでもどこでも政権批判」だけでは、国民の信用を失うだけです。