[14178] 題名:唱法華題目抄
名前:FT
◇S3OiZExQd2
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投稿日:
2025/10/26(日) 20:26
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問うて云く唐土の人師の中に一分一向に権大乗に留つて実経に入らざる者はいかなる故か候、答えて云く仏世に出でましまして先ず四十余年の権大乗・小乗の経を説き後には法華経を説いて言わく「若以小乗化・乃至於一人・我則堕慳貪・此事為不可」文文の心は仏但爾前の経計りを説いて法華経を説き給はずば仏慳貪の失ありと説かれたり、後に属累品にいたりて仏右の御手をのべて三たび諌めをなして三千大千世界の外・八方・四百万億那由佗の国土の諸菩薩の頂をなでて未来には必ず法華経を説くべし、若し機たへずば余の深法の四十余年の経を説いて機をこしらへて法華経を説くべしと見えたり、後に涅槃経に重ねて此の事を説いて仏滅後に四依の菩薩ありて法を説くに又法の四衣あり実経をついに弘めずんは天魔としるべきよしを説かれたり故に如来の滅後後の五百年・九百年の間に出で給いし竜樹菩薩・天親菩薩等徧く如来の聖教を弘め給うに天親菩薩は先に小乗の説一切有部の人・倶舎論を造つて阿含十二年の経の心を宣べて一向に大乗の義理を明さず次に十地論・摂大乗論・釈論等を造つて四十余年の権大乗の心を宣べ後に仏性論・法華論等を造りて粗実大乗の義を宣べたり竜樹菩薩亦然なり天台大師・唐土の人師として一代を分つに大小・権実顕然なり余の人師は僅かに義理を説けども分明ならず又証文たしかならず但し末の論師並に釈者・唐土の人師の中に大小をば分つて大にをいて権実を分たず或は語には分つといへども心は権大乗のをもむきを出でず此等は不退諸菩薩・其数如恒沙・亦復不能知とおぼえて候なり。