[13798] 題名:顕謗法抄
名前:FT
◇S3OiZExQd2
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投稿日:
2025/09/10(水) 06:13
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第四に叫喚地獄とは衆合の下にあり縦広前に同じ獄卒悪声出して弓箭をもつて罪人をいる、又鉄の棒を以て頭を打つて熱鉄の地をはしらしむ、或は熱鉄のいりだなにうちかへし・うちかへし此の罪人をあぶる、或は口を開けて・わける銅のゆを入るれば五臓やけて下より直に出ず、寿命をいはば人間の四百歳を第四の都率天の一日一夜とす、又都率天の四千歳なり都率天の四千歳の寿を一日一夜として此の地獄の寿命四千歳なり、此の地獄の業因をいはば殺生・偸盗・邪婬の上に飲酒とて酒のむもの此の地獄に墜つべし、当世の比丘・比丘尼・優婆塞・優婆夷の四衆の大酒なる者・此の地獄の苦免れがたきか、大論には酒に三十六の失をいだし梵網経には酒盃をすすめる者・五百生に手なき身と生るととかせ給う人師の釈にはみみずていの者と・なるとみへたり、況や酒をうりて人にあたえたる者をや・何に況や酒に水を入れてうるものをや・当世の在家の人人この地獄の苦まぬがれがたし。
(通解)
第四に叫喚地獄とは。 衆合地獄の下にあり、縦横は上と同じである。獄卒が荒々しい声を出して、弓箭で罪人を射る。また、鉄の棒で頭を打って焼けた鉄の地面を走らせる。あるいは熱した鉄の平鍋に何度もひっくり返してこの罪人をあぶる。あるいは口を開いて沸騰した銅の湯を入れる。五臓は焼けて下より直ちに出てくる。 寿命は人間の四百年を第四の都率天の一日一夜とする。その都率天の寿命は四千年である。都率天の四千歳の寿命を一日一夜として、この地獄の寿命は四千年である。 この地獄の業因はというと、殺生・偸盗・邪婬の上に飲酒といって酒を飲む者がこの地獄に堕ちる。今の世の僧・尼・在家の男女の四衆で、大酒飲みの者・はこの地獄の苦を免れがたい。 大智度論には酒の三十六の失が挙げられており、梵網経では酒盃をすすめる者は五百生の間手のない身で生まれると説かれている。人師の釈にはみみずのような者となるとある。まして酒を売って人に与える者、それにもまして酒に水を入れて売る者はいうに及ばない。今の世の在家の人々はこの地獄の苦を免れがたい。