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「宇宙支配」を狙う中国の
「静かなる第一歩」がチリで始動
大量の「ミニ中国」を南米に作る真の目的は?
出典:https://www.newsweekjapan.jp/stories/world/2025/01/532092.php
今、世界最強の宇宙大国になるという中国の野望が、
南米チリのアタカマ砂漠(Atacama Desert)
にまで及ぼうとしています。
標高が高いチリは地球上で、
最も天体観測に適した場所の1つ。
そこを中国が狙っているのです。
アンデス山脈に近く、標高2000メートルの高地ですが、
中国はそこにチリと共同で天文台を建設して、
地球を周回する衛星や宇宙ステーションを観察したり、
新しい星を見つけたりしようとしています。
しかしそれは表向きの話なのです。
中国は、この天文台を利用して、軍事目的での宇宙開発を
発展させようとしているのです。
ライザ・トビン元米国家安全保障会議(NSC)中国担当部長によると、
「一見したところ、無害な科学施設を建設する。
だがこれらの天文台は、星を観察するだけでなく、
衛星を監視し、情報を収集し、宇宙での軍事作戦も支援する」と
さらにトビン氏は、
中国政府は非軍事研究や国際的な科学協力を装って、
軍事的な用途を見えにくくする。
提携先にも、真の活動内容を明らかにしない
と語っています。
事実、チリ関係者は、この天文台の詳細を詳しく教えられていません。
しかも、天文台からチリの関係者を排除することもできる契約になっているのです。
習近平氏は、中華人民共和国の建国100周年に当たる2049年までに、
中国が世界の頂点に立つビジョンを示しています。
そのためには、チリの天文台のような施設を世界中に建設して、
宇宙を支配することが重要なカギとなるわけです。
実際、中国が南米(南極大陸を含む)に建設してきた、
宇宙インフラは、世界のどの地域よりも多いです。
宇宙開発でアメリカに対して優位に立てば、
携帯電話から金融、そしてミサイル誘導まで、
地上での活動に深刻なダメージを与えることができます。
しかも中国は、海岸線から遠く離れた場所で、
アメリカなどと戦いたいと考えており、
衛星を自由自在に、コントロールできるようになれば、
はるか遠くの標的もミサイルで、攻撃することができるのです。
このように中国は、宇宙という巨大な空間を支配し、
自分たちが有利な立場に位置づけるよう企てているのです。
しかも中国が宇宙を狙うのは、これだけの理由じゃないんです。
実は、宇宙を巡って新たな経済圏が誕生しようとしており、
そこには、我々を凌駕する新たな金脈が眠っているかもしれない。