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此の法門を申すには必ず魔出来(しゅったい)すべし魔競(きそ)はずは正法と知るべからず、第五の巻に云(いわ)く「行解(ぎょうげ)既(すで)に勤めぬれば三障四魔紛然(ふんぜん)として競い起る乃至随う可(べか)らず畏(おそ)る可らず之に随(したが)えば将(まさ)に人をして悪道に向わしむ之を畏れば正法を修することを妨(さまた)ぐ」等云云
この法門を説けば、必ず魔が現れます。魔が競い起こらなければ、正法であると知ることはできません。『摩訶止観』の第五の巻には「修行が進み、理解が深まれば、三障四魔が入り乱れて競い起こる。(中略)だが、これに随ってはならない。畏れてはならない。これに随えば、まさに人を悪道に向かわせる。これを畏れるならば、正法を修行することの妨げとなる」等と書かれています。
日蓮大聖人は、法華経を信仰するゆえに難が起こるのは必然であり、断じて魔に負けてはならないと教えられます。
妙法は、万人成仏を説く唯一の法です。すべての人の生命変革を可能にする「正法」だからこそ、妙法を信じ、語り弘めようとすると、前進を妨げる障魔が現れるのです。
「行解(ぎょうげ)既(すで)に勤めぬれば」とある通り、仏法の実践に励み、仏法の理解が深まった時、「三障四魔」は競い起こります。この障魔に打ち勝つ要諦(ようてい)として、大聖人は「随ってはならない」「畏(おそ)れてはならない」の二点を示されます。信心根本に、魔に従わない「智慧」と、魔を恐れない「勇気」を持つ。そして魔を魔と見破り、〝来るなら来い〟と迎え撃つ時、魔は退散するのです。
魔に敗れてしまえば、幸福への道を外(はず)れてしまうことになります。ゆえに、障魔が現れた時こそ、大きく境涯を開く「人間革命」「宿命転換」のチャンスと捉え、一歩も引かないことが大切です。一切の障魔を打ち破る〝勇気の信心〟を貫き、幸福勝利の大道を歩んでいきましょう。
池田先生の指導
「三類の強敵(ごうてき)」「三障四魔」。これらの難は、「あなたの進む道に間違いはありませんよ」「これを乗り越えれば必ず仏になれますよ」という最高の保証です。難があるから今、進んでいる広布の道が正しいとわかる。生々世々(しょうじょうせぜ)、仏の軌道に入っていくと確信できる。
仏道修行の〝卒業試験〟とも言えるだろう。「三類の強敵」が競い起こった時こそ、実は、成仏の「軌道」に入るチャンスなのです。入れば、永遠に仏です。