[12908]
中心者(4・5・6)の姿が、本末究竟して、全体に現れてくる。
(2008.11.14.付 創立78周年記念最高協議会)
仏法史上、教団を堕落・法滅させたのは、「師弟破壊」の増上慢であった。
中国の天台宗は、師匠を軽視する増上慢の弟子によって濁ってしまった。
天台大師の死後、新しく伝わってきた経典について、
天台の末学たちは〝師匠も知らない、この経典のほうが、法華経よりも勝れているのでは〟と思った。
智慧が浅いゆえに邪義に誑かされ、、権勢におもねる愚かな姿であった。
こうした歴史を、大聖人は厳然と記されている。(御書301ページ)
日本においても同じであった。
伝教大師の増上慢の弟子も、中国への留学が短期間であった師匠を軽んじ、正しい仏法の流れを破壊してしまった。
〈御書には、伝教大師の弟子が心の中で
「わが師である伝教大師は、真言宗と法華宗の勝劣は、くわしくは勉強しておられなかった。
中国にも長くは留学しておられないゆえに、この勝劣の法門は、おおまかにしか知っておられなかった」
(御書280ページ、趣意)と、師匠を軽んじていたことが記されている〉
師匠を軽く見て、自分の方が偉いと思う増上慢が、仏法を破壊してきたのである。
大聖人の時代の五老僧の性根も、また同じであった。
外の敵でなく、そばにいた弟子が裏切り、仏法を破壊した。
これも、重要な教訓である。