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すべての歴史に苦難の時がある。その時にだれが本気になって立ち上がるか。
じつは、ただ一人いればよいのである。
だれに言われるのでもない、みずから決めて、一人立ち上がり、
死力をつくして活路を開いていく。
その偉大なる信念の〝一人〟がいれば、
そこからつねに新たなる勝利の歩みが始まっていく。
これが、いわば歴史の不変の鉄則である。
大聖人はもちろん、日興上人も、ただ一人で正義の戦いを敢行された。
日目上人も一人、死身弘法を貫かれた。
そして牧口先生、戸田先生も、一人立つ戦いに身命を捨てられた。
その学会精神の骨髄を体して、私も一人、生命を賭して、
すべてを勝利に導いてきた。
すべては一人に始まる。その真金の一人を育てればよいのである。
私の焦点もつねにそこにある。数ではない。組織のみの力でもない。
あらゆる分野で、一人を見つけ、一人を鍛え、一人に託していく。
それこそが、万代にわたる不断の発展の原点となる。
私の指導も、いわば、その一人のために話しているとさえいってよい。