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信心強き人に、「不幸」の二字はない。
信心によって、わが胸中の御本尊を開くのである。
本来、無量の生命力は、自身の内部にある。 無限の知恵の泉は、わが胸中にある。
それを、自在に涌現できるのが 「信心」である。
強く清浄な仏の境界も、弱く醜い地獄・餓鬼・畜生等の生命も、全部、わが生命にある。
縁に触れて現れてくる。 また、生命は三世にわたるゆえに、
過去の宿業が、大きな悩みとして現れ出てくる場合もある。
しかし、「苦悩」の因が「自分の中に」あるのと同じく、
それをそのまま「幸福」へと 転換しゆく力も「自分の中に」ある。 これが仏界の力である。
だからこそ、わが生命の大地を耕し、深く豊かに 幸福の根を張らねばならない。
「胸中の御本尊」を開き、何ものにも揺るがぬ 大樹の自分をつくらねばならない。
それが、境涯のうえでは 優れた人間性や 立派な振る舞いとなって表れ、
生活のうえでは功徳・福運となって現れるのである。
ゆえに大切なことは、「信心」があるか、ないかである。
大聖人の 「ただ心こそ大切なれ」 (御書1192㌻) との仰せを、
絶対におろそかにしてはならない。
形式ではない。地位でも財産でもない。 「信心」ある人こそが、真の「幸福」の人である。