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北の意地 |
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夕顔さゆり
(4094)投稿日:2011年05月20日 (金) 11時46分
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涙が涸れても 無くしたもんは 帰って来ねえよ 戻んねえ 月に群雲 丸(まあ)るい輪(わ)っか 俺の明日は 何処に有る
瓦礫(がれき)を跳ね除け 拾った写真 家族が揃って 笑ってる 春の彼岸にゃ 必ず来ると 言った娘は どうしてか
涙も千切れた 田園地帯 烏(からす)も喪服(もふく)で 泣くばかり 折れた桜に 小さな莟(つぼみ) 負けてなるかと 意地を張る
船乗り家業が 藻屑(もくず)と消えて 海猫(うみねこ)寂しく 陸(おか)上がり 色は赤銅(しゃくどう) 漁師の意地に 赤い夕陽が 燃えている
折れた桜に 小さな莟(つぼみ) 負けてなるかと 意地を張る
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