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《TOPICS ( 10月27日 更新)》
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第三回ビジネス・企業番組勉強会@国大 報告 第三回ビジネス・企業番組勉強会報告 T.概要 U.議論のまとめ V.番組の視聴 W.キーワード関連図(課題) X.先生のお話 Y.コメント欄
No:4945
投稿者:木田世界(25期)
投稿日:2015/05/31 Sun 21:38:35
目次
T.概要
U.議論のまとめ
V.番組の視聴
W.キーワード関連図(課題)
X.先生のお話
Y.コメント欄
日時:5月30日(土) 13:00〜17:30
場所:横浜国立大学経営学部1号館501号室
〇当日参加者(敬称略)
OB:古郡(1期),杉山(3期),岩切(4期),望月(16期),今村(20期)
院生:中村(20期),木田(25期),
現役生:笹井(26期),佐藤(26期)
〇掲示板上での参加者(敬称略)
日々野(15期),坂倉(22期),石嶺(24期)
まず、事前視聴した「いま、地域革命が始まる」について、
ゼミ生の意見を発表し、議論した。
その後、先生からコメントを頂いた。
1.ゼミ生の意見
(1)肯定的意見
<意思決定プロセスに関して>
・住民が自分たちに必要なものを話し合い決定する
構成員のニーズに沿うことができるのがメリットであるが、時間がかかることがデメリットである
(企業と生協の違いは、顧客を創造するか・すでに顧客がいるか、という点が挙げられる)
・時間がかかるというのは、デメリットというよりは、民主主義の本質として然るべきことではないか。
<地域住民の関係性について>
・地域の住民が自分たちで考えて実行するため、地域の人々の関係性を強くする
これは、企業が主体では難しく、生協のメリットであるといえるだろう
・顔が見える関係=無茶を言わない・エゴではなく・和がある
⇒みんなが納得のいく関係を築けている
<その他の観点から>
・地域社会に都市の利便性をもたらし、うまくコンパクトシティ化した例だと言える。
(2)否定的意見
<生協という制度の是非>
・南生協病院の例を、地域にいる人々を結びつけているものとして取り上げていたが、
それは、伝統的な日本の共同体ではできていたことである。
今はそれができることを特殊な例として取り上げられ、注目されているが、ではなぜ地域共同体ではダメだったのか。
もし地域共同体が機能していれば、今回のような組織の必要性は薄れるのではないだろうか。
・今回の事例は、従来地域で自律的に行われていたもが、組織の力を借りなくてはできなくなっていること、
つまり、社会や家庭、地域の機せ能が脆弱化していることが表れてているのではないか。
そして組織が場(システム等)を提供し、地域の人々がそれを使っているだけでは、ますます弱っていくのではないか。
・生協という組織を作ることは、組織の境界、ウチ・ソトの問題を内包しているのではないか。
本当に生協という組織を作ることは地域の一体感を築き上げる上で望ましいことなのか。
(組合員の中での恩恵を受けている人・受けていない人/地域で生協の構成員・非構成員の間に壁ができている)
<地域づくりの担い手について>
・バイオマス発電は、地域の若者の雇用に結びついているのか
・子ども連れの主婦や老人の姿は見えたが、独身男性の姿は見えない
独身男性のことは考えていないのではないだろうか
(3)背景・分かったこと
・どちらの事例も、「開」(open、だれでも参加できる)と「共」(common、皆で作り上げる)ということが共通している。
・地域の中にある家族・個人の結びつきや商品・サービスがどのように変わってきたか
大家族が主体 商品やサービスは地元単位で行われていた。
↓物流革命・移動手段の発展
核家族が主体 地域を超えた商品やサービスの供給が一般化し、地域が希薄化した。 (大量生産の時代)
↓
核家族が主体 人々のニーズに合わせた多様で細やかなサービスが生まれた。(今回の事例)
・結局、地域革命とは、何であったのか?この「革命」により変わったものは何か?。
「地域=人と場所」と考えると、地域革命とは新しい組織が作られることによって、
地域における人の流れや結びつきが変わることではないか。
例:南医療生協:新たなコミュニケーションの場が生まれた。
真庭バイオマス:ヨソモノと地域資源が結びついた。雇用が生まれ、人が移住してくるようになった。
2.先生のコメント
地域革命とは、新しい関係性の構築である。
例えば、真庭のバイオマスでは、外部からの移住者と地域資源を結びつけた。
今回の番組は、新しい関係性の構築と新しいビジネスモデルの提示という2つの観点から見ることができる。
↗システム世界(生産)――――<市場・法律>
村落共同体(生産・消費)
↘生活世界(消費)
地域と共同体は、以下のように変化してきた。
村落共同体では消費体と生活体の結びつきがあったが、
近代化の中でシステム世界(行政・市場)と生活世界に分かれた。
そしてシステム世界が拡張し、生活世界はどんどん縮小していった。
都市部では、地域のつながりが失われシステム世界が中心的となっている、
田舎では土地等があるため地域の結びつきはあるが、
価値観が個人主義に変わっているため、家業や土地を制約に感じてしまうようになってきた。
生活世界には、関係性はあるが、経済目的性はない。
システム世界には、関係性はないが、経済目的性がある。そこで関係性を補完するものが求めれる。
南生協病院の例では、意思決定に時間がかかるというゼミ生の批判は、ビジネスモデルとして見ているが、
その意思決定に時間がかかるということこそが関係性を作り上げていく上で有用である。
組合は、システム世界の中でも行政に近いが、
企業は、システム世界の中の市場における存在である。
そして、“企業”という関係性はタテの関係性であって、経済目的性が強いが、
“組合”という関係性は、ヨコの関係性であって、人々のつながりを志向するものであり、だれもが参加できる。
この番組を、地域における新たな関係性を作る試みと見ることも、
新たなビジネスモデルの提示という見ることもできるが、
ゼミ生たちの議論では、この二者が区別されず、混同されたまま話を進めてしまった。
できあがった病院の形が重要なのか、それを作り上げるプロセスが重要なのか、
テーマを絞らねばならない。
事前視聴番組(「いま、地域革命がはじまる」)についての議論を終え、先生からコメントを頂いた後、
比較のため、“日経スペシャル ガイアの夜明け 〜こうしてふるさと°~います! ―地方再生の新たな手法〜”
のDVDを視聴した。
<先生のコメント>
二つのDVDから分かった事として、
市場化では、仕掛け人が、
商品化では、消費の動向が、成功のカギとなる。
持続性を持たせるためには、仕掛け人に頼らずに、
事業の運営と消費等の情報収集を組織的に行っていくことが必要である。
だから、優れた経営者がいるだけでは不十分である。
それぞれの事例では、地域資源(特産品)に差異があった。
新しいもの、昔からあるもの、昔からあって最注目されたもの、の三者があった。
このことは、地域資源とは新たに生み出し得るものだということを示している。
地方の商品をどう都会の市場に食い込ませるか、というのは、
大企業に入社し途上国で市場の開拓をするのと変わらない。
このように考えれば、田舎で起業するハードルがさがるのではないだろうか。
テキストは与えられている情報で完結しているが、
このような番組は、足りない情報を補う・何が必要かを考えることで勉強になる。
ここには、二本の番組におけるキーワードの関係性を示す。
1. コンテクスト・導入
ゼミ生がメールを送ってきた時、「いつもお世話になっております,…」という、
生徒が先生に送るメールにはふさわしくない言葉がつけられていた。
今、学生が何か間違いをした時に、それをどう咎めるべきなのか。
社会のあり方、学ぶことや成熟することの意味が変わりつつある今、
学生を人前で叱るのは難しくなってきている。
さて、以下の四者の中で、一番偉いとされているのは誰か?
男 女
若 ヤング(A) ギャル(C)
壮 オジン(B) オバタリアン(D)
かつての序列は B→A→D→C (男>女・壮>若)
現代は C→D→A→B (男<女・壮<若)
男と女の関係は、男女平等の主張を背景にして、男尊女卑的な考え方が批判されてきたことがある。
しかし今回、重要なのは、壮年と若年の関係性である。
壮年と若年の関係は、個人化(ego)・近代化を背景に変化し、若いことが価値とされるになってきた。
2. 個人主義の社会と成熟
勘と経験 ⇒ 勘とマニュアル
経験=本質(心)を掴む ⇒ 経験=形式ややり方(形)の知識
伝統−−−−−−−−−−個人化・近代化
かつては勘と経験によってものごとを進めるようになったが、現代は勘とマニュアルでものごとが進められるようになってきている。
経験が単に、やり方・形式の知識というレベルで理解されるようになり、マニュアルによって経験が代替されるようになった。
そして、経験から本質を掴む、という発想がなされなくなった。(本質≒事業規定、心)
経験をもつ大人が評価されなくなり、新しいものを取り入れる能力(勘・環境適応)が高い若者が評価される時代となった。
伝統・型が重んじられた時代には、経験があり伝統・型を理解されていることが評価される。
しかし、個人(ego:今の自分の気持ち)が中心の時代では、伝統や経験が尊重されなくなってしまう。
最近、ニュース報道等で「ついむしゃくしゃしてやった」などという犯罪動機が報道されるようになった。
かつてもそのような動機の犯罪はあったかもしれないが、それを動機として通用すると思いそう話す者はいなかったであろう。
「我慢するな」「あなたのわがまま叶えます」等の言葉が繰り返されるうちに、
今の自分の気持ちを中心として考えることが、社会で肯定されるようになってきた。
また、教育という面では、パソコンや英語など、「今使える技術を教える」教育ばかりが求められ、
将来にわたって生かすことのできる力・学習能力を教える教育ではなくなってきている。
そして、政治を見れば、与党も野党も、感情をむき出しにしているやり取りをしている幼稚な政治家しかいない。
政治はブラックボックスであり、正解はない。
「正しいことは分からない」ということが民主主義の前提であり、政治家は正しさではなく信頼性でこそ判断されるものである。
だから政治家は信頼を得るしかないが、今の政治家は、それを分かっていない。
現代社会では、大人が劣化してしまっている。
ものごとの本質を知って、はじめて成熟し大人になる。しかし今の日本に成熟は無い。
3. 経験から学ぶということ
安保法制では、自衛隊員が危険にさらされる可能性ばかりが議論されているが、
それではアメリカの若者が血を流すことは構わないのだろうか。
今まで武器を輸出してこなかった日本は、武器の禁輸や核廃絶をもとめる国際会議を開催し、
それをもって安全保障にするべきではないのか。
憲法9条制定時では、「戦争絶対反対」であったが
自衛隊の誕生の解釈で、「侵略戦争反対」になった。
しかし日露戦争までを肯定し、それ以後を批判した司馬遼太郎『坂の上の雲』の影響により、
「愚かな戦争は反対」というすり替えが起こってしまった。
そもそも、戦争で勝つことや負けるとはどういうことを意味するのか。
戦闘で負けたフランスや中国が戦勝国となっているように、
歴史を「学べば」、戦争の勝ち負けは戦闘時に決まるのではなく、戦後に決まるのであるということが分かる。
原発について最近、安全が保障されるのかどうか議論しているが、
福島原発からなぜ、「想定外は起こる」ということを学べないのだろうか。
安保法制にせよ、原発にせよ、人々は分かるべきことを分かっていない。
歴史や経験から学ぶこと、様々なこと共通性を抜き出して考えていくことなど、
学習能力を持つことが必要なのではないだろうか。
4. 「地域」という見方
地域とは、人が住んでいる生活の「場」である。
不動産は昔いらなかった⇒個人の生活と地域の関係性が変わった
例:オフィス街の登場
地域とは、問題ではなく、「見方」である。
だから、地域をテーマにしていない他の番組も、地域という「見方」で見ることができる。
地域は観点・見方であると考えると、様々な問題をその観点で見ることができる。
すべき…問題(課題)発見
↓
したい…問題(課題)設定
↓
できる…問題{課題)としてどう取り組むか
エフピコの経営者は、自分たちが問題を発見し、それを解決すべきという意識を持ち、それを実行した。
しかしイトーヨーカドーなどスーパーの経営者はその意識が無かった。
ガイア・カンブリアを見ているビジネスマンも、
自社のなすべきこと・問題と結び付けて見ていない。
学習能力こそが重要であり、
それをつけるためには見方と問題意識を持つことが重要である。
今後勉強会を続けていくためには、見方を学ぶという明確な目標意識をもたねばならないであろう。
【Biz-Study-3rd】