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《TOPICS ( 10月27日 更新)》
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7月17日 本の交換会紹介文2/2 守内
No:1460
投稿者:19期生 酒巻塁
投稿日:2007/08/07 Tue 17:08:15
『ほんとうの私を求めて』 遠藤周作 集英社文庫 A−
『生き上手 死に上手』 遠藤周作 文春文庫 A−
『ひとりを愛し続ける本』 遠藤周作 講談社文庫 A−
私達は『自分』と云う存在について何処まで理解しているでしょうか?
学生としての自分、家族としての自分、友人としての自分、人混みの中で群衆の一人としての自分など誰もが幾つもの顔を持っているはずです。
それではどれが本当の自分なのか?日常生活に埋もれた自身の奥深くにあるものとは?この夏、探究してみては如何でしょうか。
その取っ掛かりとなるのが私が紹介する3冊の本です。
著者である遠藤周作が『寝っころがって、気楽な気持で読んで下さい』と後書きで述べている位ですから、あまり難しく考えずとも良いのです。
長い夏休みの中で1日だけでも何もしない日を作り、本を読みつつ自分について思いを馳せる…それだけでもそれは有意義な時間となるでしょう。
他人を知る為にはまず自分から。他者への理解を深める為にも自分を知りたい貴方に送る自分探しの為の本です。
木戸
『屍鬼(しき) 一巻(全五巻)』 小野不由美 新潮社 B
去年の夏、人に借りて読んだ本です。
人里離れた寒村に巻き起こる恐怖・・・ありきたりな内容と思うかも知れませんが、冷房代節約の一助になれば。
『東亰異聞』 小野不由美 新潮社 B−
これも去年の夏、「屍鬼」と同じ人から借りました。
「屍鬼」は「恐怖」がメインで、こちらは「怪奇」がメインテーマ・・・と勝手に思い込んでいます。
文明開化直後の帝都、東亰(とうけい)で起きる同時多発怪事件を追うミステリー。
『封神演義 上中下』 訳者:安能務 講談社 セットでC
一昨年の夏、受験勉強そっちのけで読んでいました。
週刊少年ジャンプで漫画になっていたので知っている人は多いかと思いますが、漫画とはまるで違います。どのくらい違うのか気になった方は是非。全部で百回に分かれているので、一日にどれだけ読むのか決めておくと長いこと楽しめます。
今村
『変身』 カフカ/高橋義孝訳 新潮文庫 B
『はつ恋』 ツルゲーネフ/神西清訳 新潮文庫
『グレート・ギャツビー』 フィッツジェラルド/野崎孝訳 新潮文庫
僕は個人的に村上春樹の小説が好きなのですが、その村上春樹の作品の作中に出てくる、カフカ、ツルゲーネフ、フィッツジェラルドの作品を紹介します。
まずカフカは、世界的にも大ヒットした「海辺のカフカ」のタイトルに使われており、また作中の主人公の名前にもなっています。
ツルゲーネフは、「世界の終わりとハードボイルド・ワンダーランド」で、主人公の好きな作家の一人として挙げられています。
フィッツジェラルドは、「ノルウェイの森」の主人公の愛読書に、フィッツジェラルドの「グレート・ギャツビー」が挙げられています。
夏休みはかなり時間に余裕が持てるので、たまにはこういったテーマで本を読んでみるのも面白いと思います。村上春樹好きの人にはもちろん、そうでない人でも、この三冊を読んでみてから、少なからずこれらの作家から影響を受けているであろう村上春樹の本を読んでみると、面白いのではないでしょうか。
後藤
『ホーキング、宇宙を語る』 スティーブン・W・ホーキング 早川書房 A−
私たちが生きているこの世界は、偉人たちによって構築されたものではない。
構築された世界の中で、その功績が評価された人がいるだけだ。
偉人という「聖霊」たちの尽力によって現在があるという考え方は幻想にすぎない。
また著者は本の中で頻繁に「神」という言葉を使う。著者自身は無神論者であり、科学と神は対極的な存在かもしれないが、あえて物理学が提示する無神論を読者に強要しない。このあたりにも「読者に伝える」ことに主眼を置いている著者のスタンスがうかがえる。
『人間というもの』 司馬遼太郎 PHP文庫 A
『竜馬がゆく』『坂の上の雲』『菜の花の沖』などの膨大な作品群によって、人間とは何か、日本とは、日本人とは何か、を問いつづけた国民作家・司馬遼太郎。
本書は、数ある名作・名随想のなかから、混迷の現代社会を生きる上での道標とすべき珠玉の言葉を、テーマ別によりすぐった箴言集である。
縁側にでも腰を据えて、本書を噛み締めながらもの思いにふける、という贅沢な一日を過ごしてみてはいかがだろうか。
『機長のライセンス』 田口美貴夫 講談社 A−
操縦暦40年、飛行距離は700万マイル以上というベテラン・現役パイロットが、航空素人にも理解できるように、わかり易く経験談を交えながら書かれているのが本書。
長期休暇中に海外旅行に行く人もいると思うが、「この飛行機の操縦桿はどんな人が握っているのだろう?」という素朴な疑問を感じたことがある人も多いのではないだろうか。
本書を読めば安心して飛行機に乗れるようになることはもちろん、パイロットの仕事内容にも触れることができるので、海外に行く前にぜひ一読を。
山崎
『1ポンドの悲しみ』 石田衣良 集英社文庫 B+
「夏―情熱の季節」≒「人々が恋に沸き立つ季節」
恋は甘いだけじゃない。時に暖かく、時に苦く、時に切ない。
恋愛に迷う人々の、十人十色の恋模様が此処には在ります。
ひと夏の想い出に。
また、恋をひと夏限りにしないために。
大人の恋物語を覗いてみませんか?
『こころ』 夏目漱石 集英社文庫 A
「おれ(私)が死んだら…」と家族、友人、恋人に投げかけられたら、何を思いますか?
貴方は他人の死を背負って生きていけますか?
信じていた人に裏切られ、他人を信用出来なくなった人の苦しみを想像できますか?
時代を超えても変わらぬ人間の葛藤。
人と関わることは難しい。
しかし、そこから逃げることは容易ではないから人は悩み、苦しまなければならない。
読んだときの心境、環境、年齢、抱えている問題……。
それらが微妙に違っただけでも、この作品を読んだときに思い浮かぶ登場人物とその行動に対する印象は全く異なってくることでしょう。
『こころ』は「人間関係」や「死」について考える鍵を私たちに与えてくれます。
夏休み、長い時間をかけてじっくりとそれらについて考えてみるのもよいのではないでしょうか。
『最後の言葉―戦場に遺された二十四万字の届かなかった手紙』 重松清・渡辺考 講談社文庫 B
1945年8月20日―終戦の日から60年以上の時が過ぎた。
「戦争を知らない世代」が多数派になった今、その事実は人々の記憶から薄れ、また同じ歴史を繰り返すのではないかという不安の声も聞こえる。
生きた時代が違ったために、その命の花を散らせることを余儀なくされた若者達が遺した、妻に、子どもに、父母に、恋人に―最後に伝えたかった言葉。そして、遺族たちの想い。
それらに触れることを通して、悲しみの連鎖を食い止めることが出来ればいいと思う。
少しでも多くの人の心に想いが届き、彼らの死が無駄にならないことを願う。