| [1175] 孤独少女 |
- ドク★りんご - 2006年12月15日 (金) 18時15分
RES
神様、
あたしから夢を奪わないでください
笑ってしまう。 朝起きたら知らない世界でした、なんて
なんて子供な考えなんだと、自分で考えておきながら自分で思った
そう、それは突然。
ざわざわする人の足音であたしは目を覚ました
こんなに人が多いマンションだったっけ。
そんなことを考えながら洗面所に行ってドアを開けたら、
「・・・・・・・・・は?」
そこにあるはずの洗面台やお風呂は無く、 壁が目の前にあった。
「寝ぼけてんのかな・・。」
そうだ、こんなことはありえない。
ドアを開けたら壁でしたなんて、どんなからくりマンションだよ。
ここは普通の洋風マンションだったはず。
まだ寝ぼけているのか。
どうも頭がすっきりしないので、あたしは窓を開けた。
本日二回目
「・・・・・・は?」
昨日まで、寝る前まであけたらすぐ隣のマンションが見えてたはずなのに。
なぜ公園?
「ははっ。何だよこれ・・・・・。」
おかしすぎて笑えてしまう。 でもすぐ不安になって、ナオキに電話した。
いつも、頼れるのは、ナオキしかいなかったから
「もしもしナオキ!?」
30秒くらいでナオキは出てくれた。
「・・・・・アイラ・・・?」
寝ていたのか、間抜けな声が返ってきた
「ナオキっ!!あたし今ここがどこだかわかんなくて・・!」
「は?どこって・・・お前の部屋じゃねーの?」
何のんきなこといってんだ。
「確かにあたしの部屋なんだけど・・・・。ナオキ窓開けて。」
「なんだよ朝から分けわかんねぇ・・・」
そう言いながらも窓を開けてくれる。 やっぱりナオキは優しいな、と思う。
シャッ
カーテンを開ける音が聞こえる
『 なんだよこれ』
ちょっと遠くでナオキの声が聞こえる
「あたしの言ってる意味分かった?」
「・・・・・・うん」
あぁ、やっぱりナオキも不安そうだ。
当たり前か、朝起きたらここがどこだか分からないなんて、
普通、ありえないし。
まただ
急に誰かに逢いたくなって、
そばに居てほしくて
「ナオキの部屋、行っていい・・?」
あたしの悪い癖だ
不安になるとそばに誰かが居ないと、狂ってしまいそうになる。
前まではそんなことなかったのに
朝、アイラからの電話で目が覚めた。
自分がどこにいるか分からないなんて、意味の分からない事を突然いいだして。
窓を開けてといわれ、まずカーテンを開けた。
そこでやっとアイラの言ってる意味が分かった。
俺もなんだか不安になってカーテンを握り締めた。
そしたら、ケータイから聞こえてきたのは、
アイラの泣きそうな声。
アイラの癖。
あいつが居なくってから、
不安になると一人ではいられない。
それほどアイラにとって、あいつは大きな存在だった。
『もし、俺が死んじまったら、アイラの事、 護ってやってくれ』
そう、俺はアイラの傍にいるって決めたんだ
「いいよ。俺がお前の部屋まで行くから、 おとなしく待ってろよ?」
あたしの我が侭もナオキは聞いてくれた
安心したあたしは、顔を洗おうと思った
でも洗面所はあんなだし、仕方ないからキッチンに向かった。
顔を洗って、あたしは玄関に居た。
ナオキがくるのを膝を抱えてまちながら。
かかってくるかも知れないナオキからの電話を、 ケータイを握り締めながら。
でもしばらくして入ってきたのは
「!!・・・・っこれはっ!?」
あたしの部屋を見てすごく驚く
青い服を着た黒髪の男の人
「っ!」
ガシャ
驚いたあたしは握り締めていたケータイを玄関に落としてしまった
ガチャガチャッ
そんなあたしに向けられたのは3つの銃口
黒髪の男の後ろに金髪の女の人と、背の高い、こちらも少し茶色がかった金髪の男の人がいて、
三人ともあたしに銃を向けている
「君は・・!!!アイラ・・・?アイラなのか!!?」
黒髪の男の人が手を伸ばしてくる
そんなに広くないあたしの部屋の玄関
怯えて動けないあたしの腕は
簡単に捕まえられてしまう
「大佐、この子は・・・・」
怯えた頭はそう簡単に逃げる方法を教えてはくれなかった
出てくるのは
ナオキに助けを求める考えだけ
大佐と呼ばれた人は後ろの2人に何か話していて こちらは見えていないはず
あたしは掴まれた逆の手で落ちたケータイを拾おうとした
でも震えて思うように動かない
やっと拾って音が立たないようにゆっくりと片手でケータイを開く。
ガタガタと震えるせいでカシャカシャとストラップが音を立てる 音が
カチカチとボタンを押す音が
こんなに小さな音がこんなにも最悪な展開を迎えるなんて
あたしの行動に気づいたのか三人は勢いよくこちらを見た
再び向けられる大佐という男以外の2つの銃口
構わずあたしはナオキに電話を掛けた メールにすればよかったと今更思う
「アイラ?その黒い物はなんだ?爆弾か!!?」
その男は掴む腕の力を強めた
「それをこちらに渡しなさい」
女の人が言う
「アイラっ!!!」
ぐいっと引っ張られ、連れて行かれようとする寸前、
コール音が切れた
聞こえてきたのは、息を切らすナオキの声
『アイラ「助けて!!!!」
ナオキに助けを求めてすぐ
あたしはケータイを奪われ、
最後に感じたのは首の衝撃
あたしの意識は、そこで途絶えた
アイラを向かえに行こうと
ここはどこか分からないけど
なぜかあいつの居場所が分かるような気がして
俺は部屋を出た
そしたら外は絨毯で
廊下みたいなところに繋がってた
周りには同じ青い服を着た人が数人と
大きな鎧
赤いコートの男の子
「なっ!なんだ貴様!!?」
青い服を着た男が指を指して叫んできた
俺は冷静に部屋の鍵を閉めた
そして周りを睨む
「何だよ」と言おうとした瞬間
「不法侵入者だぁーーーー!!!!!!」
男が叫び、周りのやつら全員銃を向けてきた
「兄さん、不法侵入者だって!
「何!?こいつがか?」
そう言って鎧と赤コートの男の子はなにやら構えを取ってきた
「本物の銃・・・?」
小さくつぶやくと男の1人が足元に撃ってきた
黒く穴が開いたそこ
間違いない
本物だ・・・!
俺は咄嗟にアイラも危ないんじゃないかと思い、その場から走って逃げた
「あっ!待て!!」
そういって鎧と赤コートの男の子が追っかけてきて、俺の逃走は始まった
大体10位建物の中を走っている
ヴォンテージなんてなんで今日履いたんだろうと後悔しながら
すると突然ケータイがなって、走っているから中々出れなかったが、画面を見ればアイラからで
やっぱり何かあったんだと、電話に出た
「アイラ『助けて!!!!』
ただ一言
大きな声で
「おいっ!アイラっ!っ!!!!!」
アイラからの電話は切れてしまい
その隙に俺は鎧と男の子に捕まった――

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