| [1156] 『氷帝のバレンタイン〜忍足侑士の場合〜』 |
- 蘭 - 2006年01月26日 (木) 00時01分
RES
注:この忍足はおバカな関西人です。 漫画のようなクールキャラではありません。 そのため、「クールなおっしーが好き!」「ヘラヘラしてる侑士なんて許せない!」 という方は、気分を害される可能性があります。 そういった方は、すみやかに回れ右!!
今年もやってきた。 半数の男子が胸躍らせ、半数の女子が胸トキめかせ。 半数の男子が落胆し、半数の女子が友との友情を確かめる。
そして・・・
一部の男子が迷惑こうむる・・・
2月14日が。
『氷帝のバレンタイン〜忍足侑士の場合〜』
次に紹介するのは、これまた女性徒に大人気の、忍足侑士。
彼は、跡部とはまた違い、親しみやすく話しやすい雰囲気で人気を集めている。 跡部のような憧れの対象、ではなく、身近な恋愛対象、として見られているようである。
さあ、それでは忍足侑士の部活開始前までをご紹介しよう。
彼の朝は和やかに始まる・・・ わけではない。
「だーっ、おかん、起こしてくれ言うたやろ!」 「何回も起こしたやないの!アンタが起きんかっただけやろ!文句言う前にはよ行っといで!」 「わーっとるわ!」
これが彼の日常である。
そして案の定、約束の場所に着くと・・・
「あーっ、くそくそ侑士!今日も10分遅れたぜ!」 「堪忍やって、岳人!」 「おっまえ、マジで急いでんのかよ。ほってくぞ!」 「急いどるって、ほんま!!めっちゃ急いどる!急ピッチで来とるって!!」 「・・・」 「・・・あー、わかった。今日あんぱん奢ったるから。」 「コロッケパン。」 「アホ!50円も高いやんけ!」 「・・・」 「・・・わかった。わかった、コロッケパンや!」 「へへっ、ならいいぜ。」 「はぁ・・今月ピンチやわぁ;」
親友であり、ダブルスパートナーである向日岳人がイラつきながら待っているのである。
そこまで酷くはない彼の2月14日。 しかし、やはりその人気は氷帝内で2位といってもいいほどで。
「お、忍足っ!・・・これ・・」 「俺にくれんの?おおきに。」
「忍足先輩っ・・・あのっ、これ・・よかったらっ・・・」 「おおきに。美味しくいただくわ。」
笑顔で全ての女子からのチョコを受け取るという、サービス精神も兼ねている。 それでもなお、女子からのチョコをぞんざいに扱う跡部より大分人気が劣るというのは、どういう由縁か・・。
向日と別れ、自分のクラスへ入る。と、跡部の机に山積みになったチョコが目に入る。 自分の机の上にも、少しおかれたチョコ。机の中にも、少しばかり入っている。 忍足の場合、笑顔で受け取ってくれるので、こうやって詰まれるチョコは少ないのだ。 「(跡部の人気はやっぱ凄いわ〜)」 などと思った矢先にも、1年らしき女生徒が俯きながら教室に入ってきて、 そっと跡部の机の上にチョコを置いて走って去っていく。
「可愛えもんやな〜、女の子。」
その後、疲れ切った顔で教室に入ってきた跡部を愉快そうに見る。
「(ちょっと悔しいけど、あんなにもろてもしゃあないし。 跡部の大変そうな様子見とったらなぁ・・・)」
「・・・忍足」 「なに?」 「部活時間までテメーが俺様の護衛をしろ。」 「はぁ?護衛?」 「あぁ。流石に2年の樺地に来てもらう訳にはいかねーからな。 テメェが俺様にまとわりついてくる女どもを追い払え。いいな。」 「あのなぁ、んなもん、自分でカタつけてぇや。やってられんわ。」 「部長命令だ。」 「・・・職権乱用やで、跡部。」 「やんのか、やらねぇのか。」 「はぁ・・・やらせていただきます。」 「それでいい。」
かくして、跡部の1日ボディーガードとなった忍足は、無理やり跡部と行動をともにするはめになってしまった。
「ゆっうし〜♪昼飯食べに行こーぜ!」 「岳人。よし、ほな行こか。跡部、行くで。」 「ああ。」 「宍戸と鳳は?」 「さあ?2人で食べてんじゃね?あの2人、仲良いし。」 ニッと笑う向日を見て、忍足は盛大な溜息をつく。 「・・・アホな想像しぃなや、岳人;」 「だーってさ、怪しくね?鳳、宍戸のことだけさん付けだしさ。」 「俺らがなんだって?」 「宍戸・・鳳!」 「今日和。」 「パン買って食堂行ったら、てめーらいねぇんだからよ。 言っとくけど、長太郎とは購買であったんだからな。」 「っつーか、てめぇら無駄話が多いんだよ。さっさと行くぞ。」 「はいはい。」 「あっ、あの・・跡部先輩っ・・・!」
1人、先に廊下に出ていた跡部の前に、2年生の女子が立っている。 手には、綺麗にラッピングされた箱。
「くそくそ跡部っ、またチョコかよ・・・」 「アイツ一体何個もらってんだ?」 「凄いっすよね・・・」 「いらねぇ。」 「!!」 「お、おい、跡部っ・・」 「あ、で、でも・・・」 「いらねぇっつったのが聞こえねーのか。」 「でも、受け取ってくれるだけでもっ・・・」 「・・・忍足」 「・・はいはい。」
呼ばれると同時に、忍足はその女子のところへ行き、丁寧に謝る。 暫くして、泣きながら女子は去っていった。
「・・・何で侑士が跡部にチョコあげにきた奴の説得してんだ?」 「俺、1日跡部のボディーガードやねん;」 「・・・激ダサ。」 「行くぞ!」 「はーい!っと・・・」
結局、忍足がその日にもらったチョコは、跡部に勝ったそうだ。 何でかって?跡部は9割のチョコを受け取らないから。 渡されたチョコの数では、到底忍足は跡部にはかなわない。 その上、忍足へのチョコは、半数が『義理』と書かれた、いわゆる友チョコ、というやつだったのである。
それでも忍足は・・・挫けない。
<後書き>
訳わかんないっす・・・。 続きなの・・・? っていうか、忍足の1日を描いてないよ、これ!! ・・ま、いいっすよね。(ぉい) おバカでスイマセン・・・。 んでもって、忍足はモテない訳じゃないんです。 でも、友達感覚が多い・・んですよね。 で、テニス部レギュラーはみんなで一緒にお弁当食べてると良い。 夏は屋上でみんなで食べてると良い。 チョタとかピヨとか樺地もみんなで食べてるとなお良い!! ・・・妄想ですが;

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